福島県で
高卒人材を採用するには
福島県の高卒求人倍率は2.85倍・就職率99.9%(全国トップタイ)。「採れる県」と言われがちですが、東北で見ると宮城5.43倍・山形4.13倍・栃木3.18倍より低い数字です。隣県より採用しやすいわけではありません。
しかも県土は東北3位の13,784㎢。県北・県中・県南・会津・浜通りの5エリアは事実上別の労働市場です。さらに県内にはヨークベニマル・ゼビオHD・日東紡績・オン・セミコンダクターなど全国・世界に届く企業の本社・工場があり、中小企業は「同じ高校に求人票を出しても見られない」現実があります。

このガイドは、福島県で高卒採用に取り組む企業向けに株式会社ゆめスタが制作しています。ゆめスタは愛知県を拠点に、教育委員会と連携し高校の授業を直接受け持つ高卒採用支援企業です。就活情報誌「ゆめマガ」を通じて全国の高校生にリーチしています。福島県の高卒採用についてご相談はこちら
あなたの状況はどれに近いですか?
当てはまるものから読み始めてください。必要な記事に案内します。
初めて高卒採用に取り組む
何から始めればいいかわからない。スケジュールも学校との関係づくりもゼロから。
求人を出したが応募が来ない
求人票は出した。学校にも持って行った。でも応募ゼロ。何が足りないのか。
大手・グローバル企業に人材を取られる
ヨークベニマル・ゼビオ・日東紡績・オン・セミコンダクターと同じ高校を訪問しても勝てない。中小はどうすれば。
浜通り・会津で事業をしている
震災から15年経った浜通り。若い人が出ていく会津。この地域で人を採れるのか。
採用しても辞められる
去年2人採ったのに1人は半年で辞めた。「やっぱり仙台に出たい」と言われた。
まず市場データを把握したい
社内提案や稟議のために、福島県の高卒採用市場のデータが必要。
福島県の高卒採用市場で何が起きているか
福島労働局・文部科学省・福島県・福島イノベーション・コースト構想推進機構の公開データに基づく
「2.85倍」は東北では低い数字
令和7年3月卒の最終求人倍率は2.85倍。求人9,344件に対して求職者は約3,279人です。就職率99.9%・内定率96.3%(全国2位)と聞くと「採れる県」に見えますが、東北6県では宮城5.43倍・山形4.13倍・栃木3.18倍・茨城2.94倍より低い数字。隣県より採用しやすいわけではありません。
5エリアは事実上「別の労働市場」
福島県の面積は13,784㎢で東北3位(北海道・岩手に次ぐ)。県北(福島市)→ 県南(白河市)は車で2時間、県中(郡山市)→ 浜通り(いわき市)も2時間以上。県内で人材が広域に動くことはほぼありません。
令和8年3月卒・11月末時点の倍率は中通り2.92倍/会津2.41倍/浜通り2.41倍。求人数は中通り5,748人(全体の約65%)/会津1,111人/浜通り2,036人で、県全体の数字を見ても自社のエリアの実態はつかめません。
県内本社の大手・グローバル企業との競合
福島県には全国・世界に届く企業の本社や主力工場が集まっています:
- •ヨークベニマル(本社・郡山):売上4,799億円。福島・宮城・栃木中心の食品スーパー大手
- •ゼビオHD(本社・郡山):売上2,424億円。スーパースポーツゼビオ等
- •日東紡績(本社・福島市):電子基板用ガラスクロスで世界シェア約3割
- •オン・セミコンダクター会津(会津若松):旧アズミ・米OnSemiの半導体ウェハ工場
- •信越半導体(白河):シリコンウェハ国内大手
- •ハニーズHD(本社・いわき):売上565億円のSPAアパレル
これらの企業は工業高校・商業高校に毎年大量の求人を出します。県内最大規模の郡山北工業高校(6学科)には毎年数百社が訪問。中小企業が同じ求人票を出しても、先生の記憶にすら残らないのが現実です。
医療機器11年連続日本一の県
福島県の医療機器部品生産額は11年連続日本一で、約2,800億円規模(経済産業省工業統計)。郡山市・会津若松市・白河市を中心に、世界の医療機器メーカーに精密部品を供給する中小製造業が数百社存在します。
自社が「下請け」だと思っていると、求人票には「金属加工」としか書けません。しかし「当社が加工した部品はカテーテルや内視鏡として世界数十カ国の医療機器に搭載されています」と書けば、伝わり方が変わります。福島県の中小製造業の多くは、自社の技術が世界に届いていることを高校生に伝えていません。
浜通り:震災から15年・イノベ構想下の特殊事情
2011年3月の東日本大震災・原発事故から15年。双葉郡8町村(双葉・大熊・浪江・富岡・楢葉・川内・葛尾・広野)では帰還困難区域が一部残り、住民帰還率は町村ごとに差があります。一方、いわき市・南相馬市・相馬市は人口を維持し、復興関連の建設業求人と新規産業の求人が共存しています。
浜通りには国家プロジェクトとして福島イノベーション・コースト構想が進行中。福島ロボットテストフィールド(南相馬)、廃炉関連技術の研究開発拠点、再生可能エネルギーの実証拠点、福島国際研究教育機構(F-REI、浪江)などが整備されています。「最先端の現場で働ける」という訴求は、浜通りの企業ならではの強みです——具体策は浜通りエリアガイドと支援制度ガイドで解説しています。
仙台・首都圏への流出
福島県の高卒県内就職率は約68〜79%。残り2〜3割は県外へ就職します。県北の福島市は仙台まで新幹線で約30分。県南の白河は東京まで新幹線で約1時間20分。「県外に出やすい」立地が、若年層の流出を加速させています。
保護者世代も「都会に出た方がいい」と考える人は少なくありません。中小企業が県内採用を成立させるには、「なぜ仙台ではなく地元か」を本人と保護者の両方に伝える必要があります。詳しくは若者流出とUターン採用で解説しています。
出典: 福島労働局 / 文部科学省 / 福島県 / 福島イノベーション・コースト構想推進機構
訪問先を決める — 福島県の主要工業高校
高卒採用は学校推薦が基本です。7月1日の求人票公開直後、工業高校には数百社が訪問します。県土が広いため、どのエリアの学校にいつ行くかを事前に決めておくことが成否を分けます。
| 学校名 | 所在地 | 主要学科 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 福島県立福島工業高校 | 福島市(県北) | 機械・電気・建築・環境化学・情報電子 | 県北の中核工業校。日東紡績・福島の電子部品メーカーへの就職パイプ |
| 福島県立郡山北工業高校 | 郡山市(県中) | 機械・電気・電子・情報技術・化学工学・建築 | 6学科・県内最大規模。医療機器・半導体メーカーへの就職実績 |
| 福島県立平工業高校 | いわき市(浜通り) | 機械・電気・電子・情報工学 | いわき・浜通りの製造業の中核 |
| 福島県立勿来工業高校 | いわき市(浜通り) | 機械・電気・電子・建築・工業化学 | いわき南部・茨城県境。北関東企業との競合 |
| 福島県立白河実業高校 | 白河市(県南) | 機械・電気・電子・農業・商業 | 信越半導体・電子部品メーカーへの就職実績 |
| 福島県立清陵情報高校 | 須賀川市(県中) | 情報処理・電子機械・電気電子 | 情報系・電子系に特化 |
| 福島県立二本松実業高校 | 二本松市(県北) | 機械・電気・商業・農業 | 県北南部・大手スポーツメーカー等への就職 |
| 福島県立会津工業高校 | 会津若松市(会津) | 機械・電気・建築・化学・情報 | 会津地域の工業教育の中核 |
| 福島県立喜多方桐桜高校 | 喜多方市(会津) | 機械・電気・建設・情報 | 会津北部の工業教育 |
| 福島県立小高産業技術高校 | 南相馬市(浜通り) | 機械・電気・産業革新・流通ビジネス | 震災・原発事故後、双葉郡の小高工業を再編して開校。イノベ構想エリアの中核 |
福島市(県北)
機械・電気・建築・環境化学・情報電子
県北の中核工業校。日東紡績・福島の電子部品メーカーへの就職パイプ
郡山市(県中)
機械・電気・電子・情報技術・化学工学・建築
6学科・県内最大規模。医療機器・半導体メーカーへの就職実績
いわき市(浜通り)
機械・電気・電子・情報工学
いわき・浜通りの製造業の中核
いわき市(浜通り)
機械・電気・電子・建築・工業化学
いわき南部・茨城県境。北関東企業との競合
白河市(県南)
機械・電気・電子・農業・商業
信越半導体・電子部品メーカーへの就職実績
須賀川市(県中)
情報処理・電子機械・電気電子
情報系・電子系に特化
二本松市(県北)
機械・電気・商業・農業
県北南部・大手スポーツメーカー等への就職
会津若松市(会津)
機械・電気・建築・化学・情報
会津地域の工業教育の中核
喜多方市(会津)
機械・電気・建設・情報
会津北部の工業教育
南相馬市(浜通り)
機械・電気・産業革新・流通ビジネス
震災・原発事故後、双葉郡の小高工業を再編して開校。イノベ構想エリアの中核
学校訪問で先生に信頼されるための具体的な手順は学校訪問完全マニュアルで解説しています。
出典: 福島県教育委員会
記事一覧
福島県の高卒採用に関する全20記事
採用実務・ノウハウ
スケジュール・学校訪問・面接・求人票の具体的な進め方
マーケットデータ
社内提案・稟議に使える福島県の採用市場データ
地域別ガイド
中通り3エリアと会津・浜通りでは採用環境がまったく違います。あなたの事業エリアに合わせて読んでください

県北エリア
県都・福島市と伊達・二本松・本宮。県行政の中枢と半導体・電子部品の集積。日東紡績の本社所在地で世界シェア3割の電子基板用ガラスクロスを供給

県中エリア
経済都市・郡山市を核に須賀川市・田村市。県内最大の製造業集積地で高卒求人数も県内トップ。ヨークベニマル・ゼビオHDの本社所在地

県南エリア
白河市を中心とする首都圏への玄関口。東北自動車道・JR東北本線沿いに信越半導体・電子部品の工場が立地し、北関東企業との競合エリア

会津エリア
会津若松・喜多方・南会津。オン・セミコンダクター会津工場の半導体生産拠点と、若年層流出が深刻な城下町・農業地帯が共存

浜通りエリア
いわき市・南相馬市・相馬市・双葉郡8町村。震災・原発事故から15年経過。福島イノベーション・コースト構想の中心で、ロボットテストフィールド等の研究機関と地場企業が共存
業種別ガイド
業種によって採用の勝ちパターンは異なります

福島県 高卒採用よくある質問50問
一人一社制の詳細・スケジュール・求人票の書き方・NG質問・浜通り/会津への配慮まで
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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採用コスト
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内定辞退率
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採用満足度
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