福島県の医療・介護・福祉の高卒採用
広い県土・地域偏在のなかで人材を確保する
福島県の医療・介護・福祉の高卒就職者は763人(R7年3月卒)。県内雇用産業としては製造業・建設業に次ぐ規模ですが、東北3位の面積13,784㎢の県土に5エリアが分散し、地域ごとに医療・福祉の人材需要が異なる業界です。
需要側は人口動態の影響で長期的に増加します。福島県の高齢化率は約32%(2024年・全国平均より高い水準)。山間部・農村部の地域医療・地域福祉では、若手の高卒人材が継続的に求められます。
一方、採用面では「資格取得への不安」「給与水準への不安」「夜勤への不安」が高校生・保護者の共通課題。中小事業者ができる採用戦略を解説します。
福島県の医療・介護・福祉の構造
エリア別の人材需要
福島県は5エリアで医療・福祉の構造が違います:
- •県北・県中(福島・郡山):県立医大病院・県中央病院など基幹病院が集積。看護助手・介護職の安定需要
- •県南(白河):地域中核病院と高齢者施設。北関東との人材獲得競合あり
- •会津:会津中央病院・会津若松市の各医療機関と山間部の地域医療。広域な配置が必要
- •浜通り(いわき・南相馬):震災後の地域医療再構築過程。新規施設も多い
高卒就職可能な職種
- •看護助手:病院での看護師補助業務。資格不要で入社可
- •介護職員:特養・老健・グループホーム等。介護職員初任者研修(無資格でも入社後取得可)
- •事務職・医療事務:病院・診療所の窓口・レセプト業務
- •調理員・栄養士補助:医療・福祉施設の給食
中小事業者の採用戦略
福祉系学科のない高校からも採用する方法
資格取得支援を求人票で明示する
介護職の最大の不安は「資格がない=採用してもらえない」。実は逆で、無資格で入社して施設の費用負担で初任者研修・実務者研修を受講できる事業者が多いのが現実です。求人票・採用パンフレットで明示します。
求人票に書くべきキャリア・資格パス例
- •入社1年目:介護職員初任者研修(会社負担で資格取得)
- •3年目:実務者研修
- •5年目:実務経験3年+実務者研修で国家資格「介護福祉士」受験
- •10年目以降:ケアマネジャー受験資格・施設管理職への昇進
「18歳から始めて30歳でケアマネ・施設責任者」というキャリアモデルは、製造業・建設業以上に明確
夜勤・シフトの実情を正直に伝える
医療・介護の夜勤は18歳が想像する以上に体力的・精神的負担があります。求人票で「夜勤手当○○円」と書くだけでなく、実際の夜勤の流れ(何時から何時まで・何人体制・休憩時間)を職場見学で見せるのが定着の鍵です。
製造業の3交代制と同様、内定後〜入社前に夜勤体験を1〜2回入れる事業者は離職率が大きく下がる傾向があります。
普通科高校からの採用
福島県の福祉系学科を持つ高校は限られますが、普通科高校からの採用は十分に可能です。
- •地域の普通科高校・総合学科を訪問し、進路指導の先生と関係構築
- •夏休みの職場体験プログラムを受入(高校生が現場で実体験)
- •福祉系の専攻でなくても「人と関わる仕事をしたい」生徒は介護・福祉の適性が高いことがある
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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