福島県の建設業の高卒採用
震災15年・復興+イノベ構想インフラの担い手確保
福島県の建設業の高卒就職者は1,895人(R7年3月卒)。製造業に次ぐ県内第2位の雇用産業です。需要面では、2011年の震災から15年が経過してなお続く復興関連事業に加え、福島イノベーション・コースト構想による新規インフラ整備が建設業を底支えしています。
一方で、福島県の建設業も全国共通の課題を抱えています:「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージ、高齢化(60代以上の職人の引退)、若年層の建設業離れ。地元工務店・地場ゼネコンが高校生を確保するには、これらのイメージを乗り越える戦略が必要です。
福島県建設業の需要動向
復興関連事業(継続中)
震災から15年が経過しましたが、福島県の復興関連事業は依然続いています:
- •双葉郡の特定復興再生拠点区域の整備(解体・除染・再整備)
- •避難解除地域の道路・上下水道・公共施設の再整備
- •復興公営住宅・帰還困難区域の住宅再建
- •沿岸部の防潮堤・河川堤防の整備
イノベーション・コースト構想インフラ
浜通り地域では国家プロジェクトとして進行中のイノベーション・コースト構想に伴うインフラ整備が続きます:
- •福島ロボットテストフィールド周辺の関連施設整備(南相馬市)
- •福島国際研究教育機構(F-REI)関連施設整備(浪江町)
- •水素・再生可能エネルギー関連の実証施設・研究拠点
- •新規企業立地に伴う工業団地・物流施設の整備
通常のインフラ更新需要
上記の特殊需要に加え、福島県の通常のインフラ更新需要も存在します。高度経済成長期に建設された道路・橋梁・上下水道・公共施設の更新時期が県内全域で発生しており、向こう20年は建設業の需要が続く見通しです。
3K イメージを乗り越える
建設業特有の採用課題への対応
「3K」を「3R」に書き換える
保護者が建設業に対して持つ「きつい・汚い・危険」のイメージは、求人票だけでは覆せません。職場見学で実物を見せて、現代の建設現場の実態を体験してもらうのが最も効果的です。
代わりに伝える3R:
- •Real:「自分が作ったものが30年以上残る」リアルな達成感
- •Reliable:復興・社会インフラに関わる「信頼される仕事」
- •Reward:建設業界の慢性的な担い手不足を背景とした「給与の高さ」「資格取得後のキャリア」
資格取得支援の明示
建設業の最大のキャリアパスは、「資格取得 → 職長 → 監督」のステップアップ。求人票で「会社が資格取得費用を負担」「資格取得手当」「資格取得後の昇給」を明示することが効果的です。
- •1〜3年目:玉掛・小型移動式クレーン・フォークリフト等の特別教育
- •3〜5年目:施工管理技士補→施工管理技士、建築士補→建築士の受験資格
- •5〜10年目:1級施工管理技士・1級建築士で職長・現場監督に
「18歳で入社して10年後に1級施工管理技士・年収600万円」のキャリアモデルは、製造業よりはるかに具体的に提示できます。これは建設業の強みです。
職場見学の設計
建設業の職場見学は、製造業以上に「現場の実物」が説得力を持ちます:
- •最新の現代的な現場(女性用更衣室・空調休憩室・最新重機)を見せる
- •10年前に入社した先輩社員(現在の職長・監督)に話してもらう
- •自社が施工した過去の物件(学校・市役所・道路等)を案内し、「自分が作ったものが街に残る」誇りを実感してもらう
復興・イノベ構想への参画というストーリー
福島県の建設業に独特の強み:「福島の復興・新産業創出を建設業の側から支える」というストーリー。これは他県の建設業にはない、福島県固有の使命感・達成感の源です。
「県外に出ず福島で建設業を続ける意味」を、若い世代に伝える媒体として求人パンフレット・職場見学・SNSを活用します。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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