福島県の若者流出とUターン採用
仙台・首都圏に出ていく高卒を地元で採るには
「うちの会社、3年連続で内定まで行ったのに最後に蹴られた。理由は『やっぱり仙台に出たい』だった」。福島県の中小企業の社長から、よく聞く話です。
福島県の高卒県内就職率は約68〜79%。残り2〜3割は県外へ就職します。県北の福島市は仙台まで新幹線で約30分。県南の白河は東京まで新幹線で約1時間20分。「県外に出やすい」立地が、若年層の流出を加速させています。
さらに人口動態でも、福島県の20〜24歳の社会減(転入と転出の差)は東日本でも深刻な水準です。高卒で県内に残った人材も、数年後には仙台や首都圏に転職するケースが少なくありません。
この記事では、「なぜ仙台ではなく地元か」を本人と保護者に伝える方法と、いったん県外に出た人材を呼び戻すUターン採用の具体策を解説します。
なぜ福島県の若者は県外に出るのか
「立地」が流出を加速する
福島県は東北で唯一、首都圏に新幹線で1〜2時間でアクセスできる県です。県北・県中の高校生は仙台へ、県南は首都圏へと、隣接する大都市圏が事実上の進学・就職先になっています。
この立地は、観光・物流面では福島県の強みですが、若年層の労働市場では「流出しやすい県」を意味します。「東京で就職する」「仙台の大学に通う」は、福島県の高校生にとって特別な選択ではなく、ごく自然な選択肢です。
保護者世代の意識
福島県の保護者世代(40〜50代)には、「都会に出た方がいい」と考える人が少なくありません。特に2011年の震災以降、子どもの将来を案じて「やっぱり県外の方が安心」「東京の方が選択肢が多い」という心理が強まった保護者もいます。
「親が大学に行ったから子供も大学」「親が首都圏で働いたから子供も首都圏」という連鎖は、福島県の中小企業の高卒採用にとって最大級のハードルです。本人を口説いても、最後に保護者の一言で覆る——これが福島県の現実です。
SNSが見せる「別の人生」
入社して数ヶ月。SNSを開くと、仙台や首都圏に出た同級生が「都会の生活」を投稿しています。地下鉄通勤、休日のオシャレなカフェ、コンサート、新しい服。福島の地元工場で交代勤務をしている自分との対比が、容赦なく目に入ります。
「やっぱり自分も仙台で働きたい」と思うのは、ごく自然な感情です。地元企業が「都会では得られない価値」を言語化できなければ、3年後の転職で人材を失います。
「県内に大企業が少ない」と思い込まれている
実際の福島県には、ヨークベニマル・ゼビオHD・日東紡績・ハニーズHD・東邦銀行・福島銀行など、全国に届く企業の本社・主力工場が複数存在します。中小企業でも、医療機器部品の精密加工で世界の医療機器メーカーに納品している会社が数百社あります。
しかし高校生・保護者の多くは、この事実を知りません。「福島には小さい会社しかない」と思い込んだまま、仙台や首都圏に出ていく若者がいます。これは情報発信の失敗です。
「なぜ仙台ではなく地元か」を伝える
地元採用を成立させるための4つの伝え方
1. 「実家から通える」の経済的価値を数字で見せる
仙台で一人暮らしする18歳の月の支出:家賃5万円、光熱費1.5万円、食費3万円、通信費1万円、交際費2万円——毎月12〜15万円が消える。手取り14〜16万円の新卒では、貯金はほぼゼロです。
一方、福島県内で実家通勤する場合、家賃も光熱費もゼロ。同じ手取り14万円でも、月8〜10万円を貯金に回せる。3年で300万円超の差が生まれます。
採用パンフレットに載せるべき表
「仙台で一人暮らし vs 福島で実家通勤」の3年間貯金額シミュレーション。「3年後に車を現金で買える」「20代で住宅頭金が貯まる」など、本人と保護者の両方に響く未来像を数字で見せる。
2. 「世界に届く仕事」を具体的に見せる
福島県の中小製造業の多くは、世界の医療機器・半導体・電子部品サプライチェーンの一部です。「下請け」と表現すると地味ですが、最終用途まで遡れば「自分が加工した部品が世界数十カ国の病院で使われている」という事実に行き着きます。
仙台のショッピングモールで接客する仕事も価値があります。しかし「世界の医療現場を支える精密加工」と並べて選択肢として提示すれば、「地元で世界と繋がる仕事」という選択肢が初めて高校生の視界に入ります。
3. 「20代で家・車を持てる」生活設計を見せる
福島県の地価は仙台・首都圏より大幅に安く、20代でマイカー・マイホームを持つことが現実的です。県内中小企業に勤める高卒社員の5年目・10年目の生活実例を採用資料に載せると、保護者の見方が変わります。
- •23歳でマイカー(中古車・現金購入)
- •25歳で結婚・新築アパート
- •28歳で新築一戸建て(住宅ローン35年)
- •30代で家族3人・新車・住宅・貯金
仙台や首都圏で同じ生活水準に到達するには30代後半まで待つことが多い。この事実を、実在社員の事例で具体的に示します。
4. 「都会の利便性は新幹線で取り戻せる」と言う
福島駅から仙台まで新幹線で約30分。郡山駅から東京まで約1時間20分。月1回の都会通いは、福島県在住者にとって現実的な距離です。「地元就職=都会と縁が切れる」ではなく、「平日は地元・週末は都会」というライフスタイルが福島県では成立します。
この選択肢があることを、面接時や保護者説明時に明示的に伝えます。「都会の生活を完全に諦めて地元に残る」ではなく、「地元で安定した収入を得て、都会の魅力は週末に取りに行く」という第3の選択肢を提示します。
いったん県外に出た人材を呼び戻す
高卒だけでなく中途・Uターン採用も視野に入れる
高卒で県内採用が難しい場合でも、25〜35歳のUターン希望者は別チャネルです。仙台・首都圏で数年働いた後に「やっぱり地元に帰りたい」と考える層が一定数います。福島県の中小企業は、この層を補完的に採用する戦略を持つべきです。
ふくしま生活・就職応援センター
福島県が運営するUIJターン支援窓口。県内6か所(福島・郡山・いわき・会津若松・白河・南相馬)と東京に拠点があり、UIターン希望者と県内企業をマッチングしています。東京拠点には首都圏から福島に戻りたい人が日々相談に訪れます。
福島県の中小企業ができること
- •センターに自社の求人情報を登録(無料)
- •東京拠点での企業説明会・面接会に参加
- •Uターン希望者向けの「お試し勤務」プログラムを設計
- •住宅手当・引越し補助など、Uターン者向け制度を整備
高卒採用とUターン採用の組み合わせ
高卒で1〜2名、Uターンで1〜2名を毎年継続採用する戦略は、福島県の中小企業(従業員50〜200人クラス)にとって現実的です。高卒だけに依存するのではなく、複数チャネルで人材を確保する姿勢が、若年層の県外流出が続く福島県では特に重要です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
For Companies
福島県採用でお悩みではありませんか?
採用に毎年400万円以上…
本当に回収できてる?
3人に2人が内定辞退。
また振り出しに…
求人票を出しても
応募が来ない…
採用しても3年で辞める…
育成コストが無駄に
採用活動に手が回らない…
何から始めれば?


福島でゆめスタが解決します
採用コスト
50%削減
607万円 → 300万円607万円 → 300万円
内定辞退率
ほぼ0%
一人一社(二社)制一人一社制(一人二社制)で確実採用
採用満足度
81.1%
大卒採用より+3.5pt大卒採用より+3.5pt
ゆめスタが解決します
高校生採用に特化した3つのサービスで、採用課題をトータルサポート



