島根県の高卒求人倍率推移【2019〜2027年3月卒】
社内稟議・報告書に使えるデータ|広島・鳥取・山口との比較付き
このページの使い方:「高卒採用に予算をつけたい」「経営層に市場の厳しさを伝えたい」——そんなときに使えるデータをまとめています。グラフ・表は社内資料にそのまま引用可能です。数字の意味と「だから何をすべきか」も添えています。
島根県の高卒求人倍率は3.27倍(令和7年3月卒・令和6年6月30日時点の推計。県内就職希望者に対する県内求人の倍率、島根労働局)。記録が残る2012年以降で最高です。これは「1人の高校生を3社以上が取り合っている」ことを意味します。県内求人2,695件に対し県内就職希望者はわずか825人。しかもこの825人は前年から約10%減少しています。求人を出しても応募がゼロだった、という企業が出始めてもおかしくない数字です。以下のデータを社内の稟議や報告に活用してください。
1. 求人倍率推移(2019〜2027年3月卒・7月末時点)
島根県 高卒求人倍率の推移(各年7月末時点・厚生労働省 第3表。県外の求人・求職者も含む)
| 卒業年(7月末時点) | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年3月卒 | 2,713件 | 1,370人 | 1.98倍 | +0.30 |
| 2020年3月卒 | 2,919件 | 1,406人 | 2.08倍 | +0.10 |
| 2021年3月卒 | 2,409件 | 1,206人 | 2.00倍 | -0.08 |
| 2022年3月卒 | 2,618件 | 1,111人 | 2.36倍 | +0.36 |
| 2023年3月卒 | 2,971件 | 1,075人 | 2.76倍 | +0.40 |
| 2024年3月卒 | 3,067件 | 1,035人 | 2.96倍 | +0.20 |
| 2025年3月卒 | 3,056件 | 1,037人 | 2.95倍 | -0.01 |
| 2026年3月卒 | 3,132件 | 1,021人 | 3.07倍 | +0.12 |
| 2027年3月卒 | 3,042件 | 992人 | 3.07倍 | 0.00 |
出典:厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」第3表(各年7月末現在)
※冒頭の3.27倍(令和7年3月卒)は、島根労働局が6月30日時点で推計した「県内就職希望者に対する県内求人の倍率」で、この表(県外の求人・求職者も含む厚生労働省の集計)とは範囲が違います。同じ令和7年3月卒を厚生労働省の集計で見ると、7月末2.95倍、3月末3.20倍です。最新の確定値は令和8年3月卒の3.32倍(3月末・全国平均4.12倍)です。
2. 中国地方・全国平均との比較(令和8年3月卒・3月末)
| 都道府県 | 高卒求人倍率(令和8年3月卒・3月末) | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 島根県 | 3.32倍 | 鋳造・建設・製造・医療福祉 | 前年3.20倍から上昇 |
| 鳥取県 | 3.05倍 | 電子部品・食品加工・農業 | 山陰地方のパートナー県 |
| 広島県 | 4.64倍 | 自動車・造船・機械・鉄鋼 | 中国地方最大の経済圏 |
| 山口県 | 2.55倍 | 化学・石油・セメント | 瀬戸内工業地域の一角 |
| 全国平均 | 4.12倍 | — | — |
稟議書に書けるポイント:島根県の高卒求人倍率3.32倍(令和8年3月卒・3月末)は全国平均4.12倍を下回りますが、鳥取・山口より高く、求職者1人に3件以上の求人がある状態です。県内就職希望者に限った島根労働局の推計でも3.27倍(令和7年3月卒)と高く、求職者数も2019年3月卒の1,370人から2027年3月卒の992人(7月末)へ減っています。
3. 求人倍率を押し上げる3つの構造的要因
1. 鋳造・建設・製造業の根強い採用需要
島根県は銑鉄鋳物生産量が全国3位(145千t)、生産金額は全国4位(375億円)を誇る鋳造業の一大拠点です。安来市を中心とした特殊鋼・鋳造産業と、県全域に広がる建設業(求人715件・前年比13.0%増)が高卒人材への旺盛な需要を生み出しています。製造業の求人も696件(前年比25.4%増)と大幅に増加しており、ものづくり人材の獲得競争が激しくなっています。
2. 就職希望者数の急速な減少
県内就職希望者数は825人(令和7年3月卒・令和6年6月30日時点)で前年から約10%減少しました。島根県の15〜19歳人口は2000年の43,466人から2020年には29,813人へと20年間で31%減少しています。大学進学率の上昇と県外流出の加速が相まって、高卒就職市場への供給が細り続けています。
3. 高校卒業後の県外流出という構造問題
高校を出て就職した人の県外就職は21.7%(令和7年3月卒・学校基本調査)ですが、進学では多くが県外へ出ます。背景には、進学希望者約2,700人/年に対して県内大学定員が約1,600人しかないという進学環境のミスマッチがあります。進学のために県外へ出た若者の多くはそのまま県外で就職するため、県内の労働力不足に拍車がかかっています。
この3つの要因が意味すること
求人は高い水準が続き、希望者は減り、進学で県外へ出る流れも続いている——この3つは構造的な問題であり、来年突然改善することはありません。つまり「待っていても状況は良くならない。今年から動くしかない」のです。学校との関係構築には3年かかります。具体的な始め方は学校訪問マニュアルをご確認ください。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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データ出典:
- 日本経済新聞「島根の高卒求人倍率3.27倍 県内就職希望者は減少」(島根労働局調べ:令和7年3月卒・令和6年6月30日時点の推計。県内就職希望者825人・県内求人2,695件)(日経新聞)
- 厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」第3表(都道府県別。7月末・3月末の各回。最新の確定値=令和8年3月卒・3月末)(厚生労働省)
- 文部科学省「学校基本調査」令和7年度 表294(令和7年3月卒業者:就職者1,090人のうち県外就職237人=21.7%)(e-Stat)
- パコラ「島根県の有効求人倍率」 (パコラ)
- 厚生労働省「職業安定業務統計」
- 島根労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」



