島根県の高校生数推移と人口減少
「あと何年猶予があるか」を数字で知る|社内報告・中期経営計画用データ
このページの使い方:「高卒採用を始めるべきか」「人材確保の中期計画を立てたい」——そんな経営判断に使えるデータです。結論を先に言えば、就職希望者は減り続けており、「応募ゼロ」の企業が増える可能性があります。学校との関係構築に3年かかるなら、今年始めなければ間に合いません。
島根県の15〜19歳人口は、2000年の43,466人から2020年には29,813人へと20年間で31%減少しました。この数字は「高卒採用のパイ自体が縮小し続けている」ことを意味します。さらに進学希望者約2,700人/年に対し県内大学定員は約1,600人で、進学を機に多くの若者が県外へ出ます。この傾向が続く中、企業は「いつから動くか」を判断する必要があります。このページのデータを中期経営計画や社内稟議に活用してください。
1. 15〜19歳人口の推移(2000〜2020年)
島根県の15〜19歳人口は、5年ごとの国勢調査で一貫した減少を示しています。20年間で約13,700人(31%)が減少し、高卒採用市場の供給源が着実に細っています。
| 年 | 15〜19歳人口 | 前回比 | 2000年比 |
|---|---|---|---|
| 2000年 | 43,466人 | — | 100% |
| 2005年 | 37,868人 | -5,598人(-12.9%) | 87.1% |
| 2010年 | 32,899人 | -4,969人(-13.1%) | 75.7% |
| 2015年 | 31,126人 | -1,773人(-5.4%) | 71.6% |
| 2020年 | 29,813人 | -1,313人(-4.2%) | 68.6% |
表1:島根県 15〜19歳人口の推移(国勢調査)
出典:総務省「国勢調査 時系列データ」(各年10月1日・原数値)
20年間の減少幅
43,466人 → 29,813人
20年間で13,653人(31%)が減少
2. 総人口63万人割れと人口減少の加速
島根県の総人口は令和7年10月時点で約633,105人です。1955年のピーク929,066人から約70年間で約30万人が減少しました。前年比でも-8,291人と年間約8,000人規模の減少が続いており、人口減少のスピードは加速しています。
| 年 | 総人口 | 備考 |
|---|---|---|
| 1955年 | 929,066人 | 人口ピーク |
| 1980年 | 約785,000人 | 減少期突入 |
| 2000年 | 約762,000人 | — |
| 2010年 | 約717,000人 | 70万人割れ目前 |
| 2020年 | 約671,000人 | 70万人割れ |
| 2025年(R7) | 633,105人 | 前年比-8,291人 |
表2:島根県 総人口の推移
人口減少が高卒採用に与えるインパクト
総人口の減少は、高校生数の減少に直結します。2020年時点で15〜19歳人口は総人口の約4.4%(29,813人/671,126人)ですが、高齢化の進行に伴い若年人口の割合はさらに低下する傾向にあり、高卒就職市場への供給はさらに細っていきます。
3. 県外流出の構造問題|大学定員不足がもたらす人材の県外流出
島根県の高卒採用市場を語るうえで避けて通れないのが、高校卒業後の県外流出問題です。進学を機に多くの高校卒業生が県外へ出ていき、その最大の要因は県内大学の定員不足にあります。
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 進学希望者数/年 | 約2,700人 | 大学・短大・専門学校含む |
| 県内大学定員/年 | 約1,600人 | 島根大学・島根県立大学等 |
| 定員不足 | 約1,100人/年 | 毎年1,100人以上が県外進学を余儀なくされる |
| 高卒就職者の県外就職率 | 21.7% | 令和7年3月卒(就職者1,090人中237人・学校基本調査) |
| 県内就職希望率(高卒) | 81.2% | 令和9年3月卒業予定者(島根労働局)。前年度80.7% |
表3:島根県の進学構造と県外流出
県外流出の悪循環
進学のために県外へ出た若者の多くは、そのまま県外で就職します。高卒で就職を希望する生徒の県内就職希望率は81.2%(令和9年3月卒業予定者)ですが、西部では60.2%と前年度から8.0ポイント低下しており、地域によっては県外志向が強まっています。この流れが続けば、県内企業が採用できる高卒人材はさらに減少します。
構造的問題
進学希望2,700人 — 県内大学定員1,600人
毎年1,100人以上が県外へ流出する構造
4. 人口減少が企業に与える影響と打ち手
15〜19歳人口の減少と進学時の県外流出が重なり、高卒採用の母集団は今後も細っていく方向です。企業が今から取り組むべきことを整理します。
学校との早期関係構築が最優先
15〜19歳人口が減り続ければ、就職希望者もさらに減り、求人を出しても応募が来ない企業が増えます。高校1・2年生からの認知獲得(職場見学・出前授業・インターンシップ)が、応募数を確保するための生命線です。
県外流出を食い止める魅力づくり
「島根で働く理由」を明確に発信できる企業だけが人材を獲得できます。給与・待遇だけでなく、地域とのつながり・成長機会・ワークライフバランスなど、若者が求める価値を言語化しましょう。
採用チャネルの多角化
高卒新卒だけに頼る採用は限界を迎えます。Uターン・Iターン人材、第二新卒、外国人材など、採用ポートフォリオの分散がリスクヘッジになります。
定着率向上が最強の採用施策
入社した社員が長く活躍すれば、後輩の高校生への最大のPRになります。メンター制度・資格取得支援・キャリアパスの明示で「辞めない組織」をつくることが、結果的に次の採用につながります。
採用ブランディングへの投資
SNS・動画での企業紹介、採用専用HPの作成など、求人票では伝わらない魅力の発信が重要です。高校生はスマホで情報収集する世代であり、デジタルでの接点づくりが不可欠です。
5. 島根県の高卒就職動向
島根県の高卒就職率(就職希望者に占める就職者の割合)は96.8%(令和8年3月卒・文部科学省 3月末現在。全国平均97.9%)です。就職を希望する高校生の大半が就職を決めている状況で、これは企業にとっては「選ばれなければ採用できない」ことを意味します。
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 就職率 | 96.8% | 令和8年3月卒・3月末(文部科学省)。全国平均97.9% |
| 県内就職希望率 | 81.2% | 令和9年3月卒業予定者(島根労働局)。前年度80.7% |
| 最多希望職種 | 生産工程の職業 | 222人(21.9%)。製造業への就職志向が根強い |
| 2番目に多い職種 | 専門的・技術的の職業 | 113人(11.1%) |
| 3番目に多い職種 | サービスの職業 | 103人(10.2%) |
表5:島根県の高卒就職動向
出典:文部科学省(就職率・令和8年3月末)・島根労働局(県内就職希望率・希望職種=令和9年3月卒業予定者、令和8年5月15日時点)
県内就職希望率81.2%の意味
県内就職希望率81.2%は、学校・ハローワークの紹介で就職を希望する高校生の約5人に4人が県内での就職を望んでいることを示します。県全体では前年度(80.7%)から0.5ポイント上昇しましたが、西部では60.2%(前年度68.2%)と県外志向の強まりが見られます。県内企業にとっては「地元で働く魅力」を発信する取り組みが急務です。生産工程(工場等)が最多希望職種であることから、製造業の求人は比較的マッチングしやすい一方、サービス業・建設業では他社との差別化が重要になります。
6. よくある質問
Q. 島根県の15-19歳人口はどのくらい減少していますか?
A. 2000年の43,466人から2020年の29,813人へと、20年間で13,653人(31%)が減少しています。2000年代は5年ごとに5,000人前後、2010年以降も減り続けています。
Q. 島根県の総人口は今どのくらいですか?
A. 令和7年10月時点で約633,105人です。前年比-8,291人で、年間約8,000人規模の減少が続いています。
Q. 高校卒業後の県外流出はどのくらいですか?
A. 高校を卒業して就職した人のうち、県外に就職したのは21.7%(令和7年3月卒・就職者1,090人中237人、学校基本調査)です。進学では、進学希望者約2,700人/年に対し県内大学定員が約1,600人しかないため、多くが県外の大学等へ進みます。
Q. 今後、就職希望者数はどうなりますか?
A. 就職希望者数の公的な将来推計はありません。15〜19歳人口の減少に伴い、就職希望者も減る方向です。直近では、学校・ハローワークの紹介で就職を希望する生徒は1,014人(令和9年3月卒業予定者・令和8年5月15日時点)で、前年度より29人減りました(島根労働局)。
Q. 島根県の高卒就職率はどのくらいですか?
A. 文部科学省の調査(令和8年3月卒・3月末現在)で96.8%です(全国平均97.9%)。就職を希望する高校生の大半が就職を決めていますが、全国平均はやや下回ります。
7. まとめ|島根県の高卒採用市場を勝ち抜くために
島根県は全国でも特に深刻な少子化・人口流出に直面しており、高卒採用市場は構造的な供給不足に陥っています。
- 15-19歳人口は20年で31%減:2000年43,466人 → 2020年29,813人。減少は今後も加速する見込み。
- 進学時の県外流出:県内大学定員の不足(進学希望2,700人 vs 定員1,600人)が構造的な流出を生んでいる。高卒就職者の県外就職は21.7%(令和7年3月卒)。
- 求人倍率はすでに高水準:高卒求人倍率は3.32倍(令和8年3月卒・3月末)。就職希望者が減り続ければ、「応募ゼロ」の企業が増える可能性。
今から学校との関係構築・採用ブランディング・定着率向上に取り組んだ企業だけが、これからの島根県で人材を確保できます。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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データ出典:
- ecitizen「島根県の人口推移」 (ecitizen)
- 総務省「国勢調査」(各年)
- 文部科学省「令和7年度 高等学校卒業(予定)者の就職(内定)状況」(令和8年3月末現在:島根県の就職率96.8%)(文部科学省)
- 島根労働局「令和9年3月新規高等学校等卒業予定者の求職動向調査結果」(令和8年5月15日時点:県内就職希望者の割合81.2%)(島根労働局)
- 厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」第3表(都道府県別。7月末・3月末の各回。最新の確定値=令和8年3月卒・3月末)(厚生労働省)
- 文部科学省「学校基本調査」令和7年度 表294(令和7年3月卒業者:就職者1,090人のうち県外就職237人=21.7%)(e-Stat)



