島根県の高校生数推移と2030年予測|少子化と県外流出の二重苦
国勢調査・ecitizen人口データに基づく最新分析
島根県は全国で2番目に人口が少ない県であり、少子化と県外流出という二重の構造問題を抱えています。総人口は令和7年10月時点で約633,105人まで減少し、1955年のピーク(929,066人)から約70年で30%以上が失われました。高卒採用の観点で最も深刻なのは、15〜19歳人口が2000年の43,466人から2020年にはわずか28,720人へと20年間で34%も減少している事実です。さらに、高校卒業後は半数以上が県外へ流出。本記事では、人口データから見た島根県の高卒採用市場の現在地と、2030年に向けた企業の対策を解説します。
1. 15〜19歳人口の推移(2000〜2020年)
島根県の15〜19歳人口は、5年ごとの国勢調査で一貫した減少を示しています。20年間で約14,700人(34%)が減少し、高卒採用市場の供給源が着実に細っています。
| 年 | 15〜19歳人口 | 前回比 | 2000年比 |
|---|---|---|---|
| 2000年 | 43,466人 | — | 100% |
| 2005年 | 37,868人 | -5,598人(-12.9%) | 87.1% |
| 2010年 | 32,899人 | -4,969人(-13.1%) | 75.7% |
| 2015年 | 31,126人 | -1,773人(-5.4%) | 71.6% |
| 2020年 | 28,720人 | -2,406人(-7.7%) | 66.1% |
出典:国勢調査・ecitizen
20年間の減少幅
43,466人 → 28,720人
20年間で14,746人(34%)が減少
2. 総人口63万人割れと人口減少の加速
島根県の総人口は令和7年10月時点で約633,105人です。1955年のピーク929,066人から約70年間で約30万人が減少しました。前年比でも-8,291人と年間約8,000人規模の減少が続いており、人口減少のスピードは加速しています。
| 年 | 総人口 | 備考 |
|---|---|---|
| 1955年 | 929,066人 | 人口ピーク |
| 1980年 | 約785,000人 | 減少期突入 |
| 2000年 | 約762,000人 | — |
| 2010年 | 約717,000人 | 70万人割れ目前 |
| 2020年 | 約671,000人 | 70万人割れ |
| 2025年(R7) | 633,105人 | 前年比-8,291人 |
人口減少が高卒採用に与えるインパクト
総人口の減少は、高校生数の減少に直結します。2020年時点で15〜19歳人口は総人口の約4.3%(28,720人/671,000人)ですが、高齢化率の上昇に伴い若年人口の割合はさらに低下が見込まれます。2025年の総人口633,105人に対して同じ割合を当てはめると、15〜19歳人口は約27,200人と推計され、高卒就職市場への供給はさらに細ることが予想されます。
3. 県外流出の構造問題|大学定員不足がもたらす人材の県外流出
島根県の高卒採用市場を語るうえで避けて通れないのが、高校卒業後の県外流出問題です。半数以上の高校卒業生が県外へ出ていくとされており、その最大の要因は県内大学の定員不足にあります。
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 進学希望者数/年 | 約2,700人 | 大学・短大・専門学校含む |
| 県内大学定員/年 | 約1,600人 | 島根大学・島根県立大学等 |
| 定員不足 | 約1,100人/年 | 毎年1,100人以上が県外進学を余儀なくされる |
| 県外流出率 | 50%超 | 進学+就職で半数以上が県外へ |
| 県内就職希望率(高卒) | 83% | 前年から4ポイント低下 |
県外流出の悪循環
進学のために県外へ出た若者の多くは、そのまま県外で就職します。島根県の県内就職希望率は83%(高卒の場合)と高いものの、前年から4ポイント低下しており、若者の県外志向が強まっている兆候が見られます。この流れが続けば、県内企業が採用できる高卒人材はさらに減少します。
構造的問題
進学希望2,700人 — 県内大学定員1,600人
毎年1,100人以上が県外へ流出する構造
4. 2030年予測と企業への影響
過去20年の15〜19歳人口の減少トレンドを2030年まで外挿すると、以下のような推計が得られます。
※ 以下の2030年予測値は過去のトレンドに基づく推計であり、確定値ではありません。
| 項目 | 2020年 | 2025年(推計) | 2030年(推計) | 2020年比(推計) |
|---|---|---|---|---|
| 総人口 | 約671,000人 | 633,105人 | 約590,000人 | ▼約12% |
| 15-19歳人口 | 28,720人 | 約27,200人 | 約24,000人 | ▼約16% |
| 就職希望者数 | 約950人 | 825人 | 約650人 | ▼約32% |
| 高卒求人倍率 | 約2.4倍 | 3.27倍 | 約4.0〜4.5倍 | 大幅上昇 |
※ 2025年の総人口は実績値。その他の推計値は国勢調査のトレンド外挿に基づく参考値です。
学校との早期関係構築が最優先
就職希望者が2030年に650人まで減少すれば、求人を出しても応募が来ない企業が続出します。高校1・2年生からの認知獲得(職場見学・出前授業・インターンシップ)が、応募数を確保するための生命線です。
県外流出を食い止める魅力づくり
「島根で働く理由」を明確に発信できる企業だけが人材を獲得できます。給与・待遇だけでなく、地域とのつながり・成長機会・ワークライフバランスなど、若者が求める価値を言語化しましょう。
採用チャネルの多角化
高卒新卒だけに頼る採用は限界を迎えます。Uターン・Iターン人材、第二新卒、外国人材など、採用ポートフォリオの分散がリスクヘッジになります。
定着率向上が最強の採用施策
入社した社員が長く活躍すれば、後輩の高校生への最大のPRになります。メンター制度・資格取得支援・キャリアパスの明示で「辞めない組織」をつくることが、結果的に次の採用につながります。
採用ブランディングへの投資
SNS・動画での企業紹介、採用専用HPの作成など、求人票では伝わらない魅力の発信が重要です。高校生はスマホで情報収集する世代であり、デジタルでの接点づくりが不可欠です。
5. 島根県の高卒就職動向
島根県の高卒就職率は98.8%(中国・四国地方平均)と全国最高水準にあります。就職を希望する高校生のほぼ全員が内定を得ている状況ですが、これは企業にとっては「選ばれなければ採用できない」ことを意味します。
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 就職率 | 98.8% | 中国・四国地方平均。全国最高水準タイ |
| 県内就職希望率 | 83% | 前年から4ポイント低下 |
| 最多希望職種 | 生産工程(工場等) | 製造業への就職志向が根強い |
| 2番目に多い職種 | サービス業 | 医療・福祉・飲食等 |
| 3番目に多い職種 | 建設・採掘業 | インフラ維持需要 |
出典:リセマム・厚生労働省
県内就職希望率83%の意味
県内就職希望率83%は、就職を希望する高校生の約5人に4人が県内での就職を望んでいることを示します。ただし、前年から4ポイント低下しており、県外志向の強まりが見られます。県内企業にとっては「地元で働く魅力」を発信する取り組みが急務です。生産工程(工場等)が最多希望職種であることから、製造業の求人は比較的マッチングしやすい一方、サービス業・建設業では他社との差別化が重要になります。
6. よくある質問
Q. 島根県の15-19歳人口はどのくらい減少していますか?
A. 2000年の43,466人から2020年の28,720人へと、20年間で14,746人(34%)が減少しています。5年ごとに3,000〜5,000人規模で減り続けています。
Q. 島根県の総人口は今どのくらいですか?
A. 令和7年10月時点で約633,105人です。前年比-8,291人で、年間約8,000人規模の減少が続いています。
Q. 高校卒業後の県外流出はどのくらいですか?
A. 半数以上が県外へ流出するとされています。進学希望者約2,700人/年に対し県内大学定員が約1,600人しかないことが最大の要因です。
Q. 2030年には就職希望者数はどのくらいになりますか?
A. 過去のトレンドから推計すると約650人前後まで減少する可能性があります。現在の825人から約21%の減少です。
Q. 島根県の高卒就職率はどのくらいですか?
A. 98.8%(中国・四国地方平均)で全国最高水準タイです。就職を希望する高校生のほぼ全員が就職を決めています。
7. まとめ|島根県の高卒採用市場を勝ち抜くために
島根県は全国でも特に深刻な少子化・人口流出に直面しており、高卒採用市場は構造的な供給不足に陥っています。
- 15-19歳人口は20年で34%減:2000年43,466人 → 2020年28,720人。減少は今後も加速する見込み。
- 県外流出率50%超:県内大学定員の不足(進学希望2,700人 vs 定員1,600人)が構造的な流出を生んでいる。
- 2030年には就職希望者650人前後へ:求人倍率4.0倍超の時代が到来し、「応募ゼロ」の企業が増える可能性。
今から学校との関係構築・採用ブランディング・定着率向上に取り組んだ企業だけが、2030年の島根県で人材を確保できます。
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