島根県の中小企業が
高卒採用で大手に勝つ方法
プロテリアル・島根富士通と同じ土俵で戦わない
「プロテリアルや島根富士通に人材を取られる。中小企業には無理なのか」——島根県で高卒採用に取り組む多くの中小企業がこう感じています。
しかし、ここで一つ問い直す必要があります。あなたの会社は本当に「負けている」のでしょうか。それとも「そもそも先生の選択肢に入っていない」のでしょうか。
島根県の求人数は2,695件。就職希望者は825人。求人倍率は3.27倍です。1人の生徒を3社以上が取り合う構造の中で、先生は自分が「知っている会社」「信頼できる会社」を生徒に勧めます。プロテリアルや島根富士通は名前を言えば先生が知っている。では、あなたの会社はどうでしょうか。
「知名度がない」「待遇で負ける」「福利厚生が見劣りする」——こうした悩みの根本は一つです。先生に知られていない。知られていなければ、選ばれようがない。逆に言えば、先生に知ってもらい、信頼を得れば、中小企業でも推薦はもらえます。
この記事では、島根県の中小企業が大手と同じ土俵で戦わずに採用を成功させるための具体的な方法を解説します。
1. 「大手に負けている」は誤診かもしれない
高卒採用は大卒採用と仕組みが根本的に違います。大卒は学生が自分でエントリーしますが、高卒は先生が生徒に企業を推薦する仕組みです。先生が知らない会社は、推薦の対象にすらなりません。
プロテリアル安来製作所、島根富士通、パナソニックインダストリー、日本セラミック——これらの企業は名前を言えば先生が知っています。毎年訪問もあり、採用実績もある。先生にとって「安心して推薦できる会社」のリストに入っています。
一方、中小企業はそのリストに入っていないケースがほとんどです。先生は「あなたの会社を選ばなかった」のではなく「あなたの会社を知らなかった」可能性が高いのです。
ということは、やるべきことは明確
大手と待遇で競争するのではなく、先生に知ってもらい、信頼を得ること。これが中小企業の採用戦略の核心です。待遇改善よりも先に、先生の「知っている会社リスト」に入ることが最優先事項です。
以下では、先生に知ってもらい、信頼を得て、最終的に推薦を勝ち取るための具体的な戦略を解説します。
2. 社長が直接動く——大手が絶対にできないこと
プロテリアルや島根富士通の学校訪問は、人事部の担当者が来ます。大企業の社長が一つの高校のために訪問することはありません。ここに中小企業の最大のチャンスがあります。
社長自ら学校を訪問する。これだけで先生の印象は激変します。「この会社は採用を本気で考えている」「トップが生徒のことを真剣に考えてくれている」——先生はそう受け取ります。
島根県は人口63万人のコミュニティです。社長が先生と直接話し、握手して、名刺を交換する。この「顔が見える関係」は、大手の人事担当者には作れません。大企業の看板ではなく、個人の誠実さで信頼を勝ち取れるのが、この県の中小企業の強みです。
社長が訪問するときのポイント
- •初訪問と年度始めの挨拶は社長が行く。毎回でなくていい。年に2〜3回で十分
- •社長が「この生徒さんを採用したい理由」を自分の言葉で先生に伝える
- •入社した社員がどう成長しているかを、社長自ら報告する
- •社長の人柄や会社の雰囲気が先生に伝われば、それが最強の採用ツールになる
「うちの社長は忙しくて…」と思うかもしれません。しかし、年に2〜3回の学校訪問が今後何年にもわたる安定した採用を生むとしたら、これほど費用対効果の高い投資はありません。
3. 求人票は「数字」で語る——曖昧な言葉は信頼を損なう
大手企業は知名度だけで信頼があります。「プロテリアル」と書いてあれば先生も生徒も安心する。中小企業にはその看板がありません。だからこそ、具体的な数字で信頼を示す必要があります。
先生が求人票で見ているのは「この会社は本当のことを書いているか」「生徒を安心して送れるか」です。曖昧な表現は不信感を生みます。
こう書くと先生は不安になる
- •「残業は少なめです」
- •「休みはしっかり取れます」
- •「昇給あり」
- •「アットホームな職場です」
- •「やりがいのある仕事です」
こう書くと先生は信頼する
- •「残業月平均12時間(前年実績)」
- •「年間休日118日(土日祝+GW+夏季+年末年始)」
- •「昇給:年1回、平均3,500円/月(前年実績)」
- •「従業員38名、高卒入社の社員12名在籍」
- •「入社1年で○○資格取得可能(費用全額会社負担)」
特に重要なのは「先輩の実績」です。「高卒入社3年目の先輩の月収は○万円」「入社2年目で技能検定○級を取得した社員がいます」——こうした先輩の実例は、数字の中でも最も説得力があります。先生にとっては「うちの教え子がこうなれる」というイメージが具体的に描けるからです。
通勤・生活の情報を忘れない
島根県の先生は「地元で長く安定して働けるか」を非常に重視します。マイカー通勤の可否、寮や社宅の有無と条件(「社宅あり:月額1万円で入居可」など)、冬場の通勤事情——こうした生活に関わる情報は、求人票や会社案内に必ず記載してください。都市部の企業は書かない情報ですが、島根県ではこの情報が応募を左右します。
4. スピードで勝つ——大手が遅い「構造的な弱点」を突く
プロテリアルや島根富士通のような大企業は、採用の意思決定に社内稟議が必要です。面接から内定通知まで数日〜1週間かかることがあります。中小企業は社長が面接に同席し、その場で合否を判断できます。
高卒採用において、選考のスピードは信頼の表明です。「うちはあなたと一緒に働きたい」という意思を、誰よりも早く伝える。これは大手には構造的にできない中小企業だけの武器です。
スピード内定のための準備
- •9月16日(選考開始日)に面接を実施できるよう、事前に日程を押さえておく
- •面接官は社長+直属の上司予定者の2名。面接後すぐに合否判断できる体制にする
- •内定通知は面接当日または翌日に出す。厚生労働省の通知義務は「3日以内」だが、当日がベスト
- •内定通知と同時に「配属予定」「担当業務」「直属の先輩の名前」を伝える。「あなたの居場所はここです」と具体的に示す
- •内定後は社長から本人と保護者に直接電話する。「採用が決まりました。一緒に頑張りましょう」の一言が、大手の書面通知との決定的な差になる
スピードは「雑に決める」ことではありません。「この生徒を本気で迎えたい」という誠意を、いち早く行動で示すことです。1日遅れるごとに、その生徒を別の会社が引き留めているかもしれないことを忘れないでください。
5. 「地元の会社」であることを武器にする
プロテリアルの本社は東京です。島根富士通の親会社は神奈川です。大手の採用方針は本社が決め、島根県の工場はその方針に従います。配置転換で県外に異動する可能性もあります。
一方、地元の中小企業は「ここにしかない」会社です。社長がこの町に住んでいて、地元の祭りに参加して、学校の行事に顔を出す。この「根付いている感」は、先生にも保護者にも安心感を与えます。
島根県は小さなコミュニティです。「あの会社は地域のお祭りにいつも協賛している」「町内会の行事で社長を見かける」——こうした評判は、保護者を通じて先生にも伝わります。
「地元の会社」を伝える方法
- •求人票や会社案内に「創業○年。○○市で○年間事業を続けています」と明記する
- •地域の行事やスポーツチームへの協賛実績があれば、その情報を学校訪問時に伝える
- •「入社後に県外転勤はありません」と明記する(大手との決定的な差)
- •島根県の産業の文脈に自社を位置づける。「たたら製鉄の伝統を受け継ぐ鉄鋼技術」「出雲の食文化を支える食品加工」など
高校生の83%が島根県内での就職を希望しています。「ここで長く働ける」ということ自体が、県外転勤のある大手には出せない価値です。
6. OB・OGの成長報告——先生が最も聞きたい話
過去に高卒社員を1人でも採用したことがあるなら、その人の成長こそが最強の採用ツールです。先生にとって「教え子がこの会社でどうなったか」は、どんなパンフレットよりも信頼に値する情報です。
島根県の小規模校では、先生が教え子一人ひとりの顔と名前を覚えています。「○○高校出身の△△さんが、入社3年目でリーダーになりました」——この一言で、先生の中であなたの会社の評価が決まります。
OB・OG報告の作り方
- •A4用紙1枚に写真付きでまとめる(先生の机の上に残る資料にする)
- •内容:名前、出身校、入社年、現在の担当業務、取得した資格、本人のコメント
- •可能であれば本人を学校訪問に同行させる。先輩が母校を訪れることの効果は絶大
- •成長だけでなく「この会社で良かったと思うこと」を本人の言葉で語ってもらう
まだ高卒社員がいない場合は、この戦略は使えません。しかし、1人目の採用がうまくいけば、その人が次の年の採用を呼び込む好循環が生まれます。だからこそ最初の1人の採用と育成に全力を注いでください。
逆もまた然り
採用した社員が早期に辞めた場合、その事実は先生に必ず伝わります。辞めたことよりも「報告しなかったこと」の方が信頼を傷つけます。早期離職が発生したら、隠さずに先生に報告し、原因と改善策を説明してください。この誠実さが、逆に信頼を深めることもあります。定着に関する詳しい内容は早期離職防止ガイドで解説しています。
7. 島根県の補助金を活用する
ここまで紹介した戦略の多くは費用がかかりません。社長が学校を訪問する交通費と、資料作成の時間だけです。しかし「プロのクオリティで会社案内や動画を作りたい」と思ったときに、使える手段があります。
島根県には「採用ブランディング支援補助金」という全国でも珍しい手厚い制度があります。パンフレット、HP、動画、SNSの制作費用に対して補助率1/2、上限75万円が支給されます。150万円のブランディング施策を実質75万円で実施できる計算です。
対象となる主な条件
- •従業員300人以下の県内中小企業
- •過去3年間の採用計画が未達であること
- •「しまねいきいき職場宣言」に登録済みであること
- •コンサルティング委託料が必須経費として含まれること
詳しい申請方法や活用のポイントは補助金・支援制度ガイドで解説しています。また、島根県には専門家を無料で派遣してくれる「採用力強化支援事業」もあります。「何から手をつければいいかわからない」という方は、まずこの無料支援を利用するのが現実的な第一歩です。
8. まとめ——中小企業の戦い方
島根県の中小企業が高卒採用で大手に勝つために必要なのは、大手と同じ土俵で戦うことではありません。大手にはできないことを、丁寧にやり続けることです。
| 大手ができること | 中小企業ができること |
|---|---|
| 知名度で先生に認知される | 社長の顔と名前で先生に覚えてもらう |
| 高い初任給・福利厚生 | 具体的な数字で「嘘がない会社」と信頼される |
| 多数の学校に一斉アプローチ | 2〜3校に絞って3年間通い続ける |
| 組織的な採用フロー | 面接当日に社長が内定を出すスピード |
| 全国的なブランド力 | 「この町に根付いた会社」という安心感 |
| 研修制度の充実 | OB・OGの成長を写真付きで先生に報告 |
大手 vs 中小企業
大手:知名度で先生に認知される
中小:社長の顔と名前で先生に覚えてもらう
大手 vs 中小企業
大手:高い初任給・福利厚生
中小:具体的な数字で「嘘がない会社」と信頼される
大手 vs 中小企業
大手:多数の学校に一斉アプローチ
中小:2〜3校に絞って3年間通い続ける
大手 vs 中小企業
大手:組織的な採用フロー
中小:面接当日に社長が内定を出すスピード
大手 vs 中小企業
大手:全国的なブランド力
中小:「この町に根付いた会社」という安心感
大手 vs 中小企業
大手:研修制度の充実
中小:OB・OGの成長を写真付きで先生に報告
どれも特別なことではありません。しかし、これを毎年、誠実に、3年続ける会社は島根県でもほとんどいません。だからこそ、続けた会社が勝ちます。学校訪問の具体的な手順は学校訪問マニュアルで、保護者対策はオヤカク完全マニュアルで詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 本当に中小企業でも高卒採用はできますか?
A. できます。島根県の求人2,695件のうち、大手企業の求人はごく一部です。高卒就職者の多くは中小企業に入社しています。問題は「中小企業には無理」ではなく「先生に知られていない」ことです。学校訪問を始めるだけで状況は変わります。
Q. プロテリアルと同じ学校を訪問しても意味がないのでは?
A. あります。先生は大手だけに生徒を送るわけではありません。大手の採用枠には限りがあり、大手に行けない・行きたくない生徒もいます。先生はそういう生徒に合った会社を探しています。あなたの会社がその選択肢に入ればいいのです。
Q. 待遇で大手に勝てない場合はどうすればいいですか?
A. 待遇の絶対値で勝つ必要はありません。重要なのは「何がいくらか」を正確に伝えることです。曖昧な待遇表記の大手より、数字を正直に開示した中小企業の方が先生は信頼します。加えて「県外転勤なし」「社長との距離が近い」「早くから責任ある仕事を任せてもらえる」は中小企業にしかない価値です。
Q. 学校訪問を始めて何年で結果が出ますか?
A. 1年目で採用に至るのは少数派です。多くの場合2〜3年の積み重ねが必要です。ただし、学校訪問の初年度から先生に名前を覚えてもらうことは可能です。毎年来てくれる会社は先生の記憶に残り、3年目以降に推薦が来始めるケースが一般的です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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内定辞退率
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一人一社(二社)制一人一社制(一人二社制)で確実採用
採用満足度
81.1%
大卒採用より+3.5pt大卒採用より+3.5pt
ゆめスタが解決します
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データ出典:
- 島根労働局「高校新卒者の求人・求職・内定状況」
- 島根県「採用ブランディング支援補助金」 — 島根県公式



