公認会計士という仕事
企業の数字を監査し、経済の信頼を守るプロフェッショナル
企業が公表する「決算書」——その数字が正しいかどうかをチェックするのが公認会計士の仕事。医師・弁護士と並ぶ三大国家資格のひとつ。企業の財務を監査し、投資家や社会全体の信頼を支えている。


この仕事って何?
公認会計士は、企業の財務諸表が正しく作られているかを独立した立場で検証する「監査」の専門家です。上場企業の監査は公認会計士にしかできない独占業務。監査以外にも、税務、コンサルティング、企業内の経営企画など活躍の場は幅広い。
財務諸表監査 — 経済の番人
上場企業が公表する決算書が正しいかどうかを第三者としてチェックします。この「お墨付き」がないと株式市場は信頼を失う。公認会計士は経済の信頼を守る番人です。
コンサルティング — 企業の成長を支援
M&A(企業の買収・合併)の際の企業価値評価、内部統制の構築支援、IPO(株式上場)支援など。企業の大きな決断に数字のプロとして関わります。
税務・財務アドバイザリー — 会計のオールラウンダー
公認会計士は税理士登録もできるため、税務業務も可能。企業の資金調達、事業計画の策定、経営改善のアドバイスなど、会計の知識を武器に幅広く活躍します。
こんな人に向いてる
- 数字を分析するのが好きな人。大量のデータから「おかしいところ」を見つける目
- 論理的に考えるのが得意な人。「なぜこの数字になるのか」を追究する力
- 責任感が強い人。監査意見は企業の信用に直結する。ミスは許されない
- 知的好奇心が強い人。会計基準は国際的に変化し続ける。学び続ける姿勢が必要
- チームで仕事をするのが好きな人。監査はチームプレイ。先輩・後輩で協力して進める
実際に覗いてみよう!

高卒で、なれるの?
なれます。公認会計士試験に学歴制限はありません。2025年の試験では最年少16歳の合格者も出ています。年齢も学歴も関係なく、合格すれば同じスタートラインに立てます。
公認会計士・税理士の平均年収は 746万円(令和5年賃金構造基本統計調査)。監査法人の初任給は月収 30〜35万円、年収ベースで約550万円。新卒1年目としてはかなりの高水準です。
2025年の公認会計士試験の合格者は 1,636人、合格率は 7.4%。難関ですが、受験に必要なのは「やる気」だけ。学歴も年齢も国籍も問われません。
合格後はほぼ全員が 大手監査法人 に就職できます。「試験に受かれば就職に困らない」——それが公認会計士の強みです。
746万円
公認会計士・税理士の平均年収
令和5年賃金構造基本統計調査
7.4%
公認会計士試験の合格率
2025年(令和7年)
16歳
最年少合格者の年齢
2025年試験
なるためのルート
高卒 → 専門学校・予備校で集中学習 → 試験合格 → 監査法人
高校卒業後、会計士専門の予備校(CPA会計学院、TAC等)に通いながら試験勉強に集中。2〜3年で合格を目指す。合格すれば大手監査法人に就職。
高卒 → 会計事務所で働きながら学習 → 試験合格
会計事務所で実務経験を積みながら独学や通信講座で勉強。実務の感覚があると試験勉強の理解も深まる。時間はかかるが着実なルート。
高卒 → 日商簿記1級取得 → 公認会計士試験に挑戦
日商簿記1級は会計士試験の基礎と重なる部分が多い。1級を取ってから会計士試験に挑戦すると、簿記・財務会計の土台が固まっている分、学習がスムーズ。
ある1日の流れ
大手監査法人で働く、2年目のスタッフ会計士の往査日(クライアント企業訪問日)を紹介します。
クライアント企業に到着
上場企業の本社ビルへ。監査チーム用の部屋に入り、PCを立ち上げてスケジュールを確認
朝のチームミーティング
シニアスタッフやマネージャーと今日の作業分担を確認。「今日は売掛金の残高確認と在庫の実査をお願い」
証憑突合(しょうひょうとつごう)
請求書や領収書と帳簿の数字を照合。金額が一致するか、取引が実在するか、一つずつ確認していく地道な作業
担当者へのヒアリング
クライアントの経理担当者に質問。「この取引の内容を教えてください」——疑問点を一つずつクリアにしていく
昼休憩
チームメンバーとランチ。先輩から「この論点、去年はこうだったよ」と過去の知見を教えてもらう
在庫の実査(立会い)
工場や倉庫で実際に在庫を数える。帳簿上の数字と実物が一致するか確認する重要な手続き
調書の作成
午前中の作業結果を監査調書にまとめる。「なぜこの手続きをしたのか」「結論は何か」を文書化
レビュー対応
シニアスタッフが自分の調書をレビュー。「ここの判断根拠をもう少し書いて」——フィードバックを受けて修正
チーム内の進捗共有
今日の作業の進捗と明日の予定を共有。未解決の論点はリストアップしておく
退社
繁忙期以外は比較的定時で帰れる。今日は売掛金の残高が全て一致した——「数字が合う気持ちよさ」は会計士ならでは
※ 決算期(4〜6月)は繁忙期。夜遅くまで作業することもありますが、閑散期は有給も取りやすい業界です
身につくスキル
公認会計士で身につくスキルは、あらゆるビジネスの土台となる力です。
- 会計・監査の専門知識 — 企業の財務を読み解く力。ビジネスの共通言語を深く理解できる
- 分析力 — 膨大なデータから異常値を見つけ、原因を追究する。論理的思考力が鍛えられる
- コミュニケーション力 — クライアントの経理部門、経営層、チームメンバーと日常的にやり取り
- ドキュメンテーション力 — 監査調書の作成を通じて、論理的な文書を書く力が身につく
- プロジェクト管理力 — 監査はチームで期限内に完了させるプロジェクト。段取り力が磨かれる
- 国際感覚 — 国際会計基準(IFRS)、海外子会社の監査。英語を使う場面も増えている
キャリアステップ
公認会計士のキャリアは「監査法人でのキャリアアップ」だけではありません。監査で培った会計・ビジネスの知識は、あらゆる分野で求められています。
「数字がわかる人」は、どんな業界でも頼りにされます。監査法人 → コンサル、事業会社CFO、独立開業——選択肢の広さが公認会計士の魅力です。
スタッフ(監査法人)
大手監査法人に入社。先輩の指導のもと、監査手続きの実務を学ぶ。実務補習所に通いながら修了考査の合格を目指す。
年収500〜600万円
シニアスタッフ → マネージャー
監査チームのリーダーとしてプロジェクトを管理。クライアントとの折衝も担当。後輩の育成にも関わる。
年収600〜900万円
シニアマネージャー
複数の監査チームを統括。品質管理、クライアント開拓にも責任を持つ。専門分野を確立する時期。
年収900〜1,200万円
パートナー or キャリアチェンジ
監査法人のパートナー(共同経営者)になる道。または、事業会社のCFO、コンサルティングファーム、独立開業など多様な選択肢。
年収1,200万〜3,000万円以上
この仕事のリアル
公認会計士試験の合格率は 7.4%(2025年)。合格までに必要な勉強時間は一般に 3,000〜5,000時間 と言われ、2〜4年の集中学習が必要です。
公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の結果」
最大の壁は 試験の難易度 です。合格率7.4%は三大国家資格にふさわしいハードル。高校卒業後すぐに挑戦する場合、2〜3年間は勉強中心の生活になることを覚悟する必要があります。
監査法人で働き始めてからも、繁忙期(4〜6月)の忙しさ は覚悟が必要。決算監査が集中し、深夜まで作業することもあります。ただし閑散期は有給を取りやすく、長期旅行に行く人も多い。
一方で、試験に受かれば就職に困らない のが最大の強み。監査法人は常に人手不足で、合格者の就職率はほぼ100%。年収も初年度から500万円超と、20代前半としては破格の待遇です。
会社を選ぶときの見極めポイント
大手4法人(EY、デロイト、KPMG、PwC)と中小法人の違いを調べる(大手は大企業の監査、中小は中堅企業が中心)
配属される部門(監査、アドバイザリー、税務等)を確認する(入社後の経験が変わる)
修了考査の合格支援制度があるか確認する(実務補習所の費用負担や勉強時間の確保)
繁忙期の残業の実態と、閑散期の働き方について具体的に聞く
じゃあ、どうすればいい?
求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。
だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。
会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?
求人票以外の情報を探そう。
SNS、ブログ、就活情報誌——求人票に載っていない情報を出している会社ほど、あなたに届けたい想いがある。
職場見学はまず先生に相談してみてください。
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先輩たちの「やっててよかった」
「社会の信頼を支えている」——目に見えにくいけれど、確かなやりがい。
20代でも「先生」と呼ばれ、上場企業の経理部長や役員と対等に仕事ができること。難関資格に合格した専門家として、年齢に関係なく第一線で活躍できる。
(CPA会計学院「公認会計士になってよかった14のメリット」)
監査を通じて企業のビジネスモデルを深く理解できること。製造業、IT、金融——さまざまな業界の「裏側」を見られるのは会計士ならでは。
(スタディサプリ進路「公認会計士のやりがい」)
キャリアの選択肢が圧倒的に広いこと。監査法人、コンサル、事業会社CFO、独立——「食いっぱぐれない」安心感は何にも代えがたい。
(マイナビ会計士「公認会計士の魅力とは?」)
この仕事がある業界
公認会計士が活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の結果について」
CPA会計学院「公認会計士になってよかった14のメリット」
スタディサプリ進路「公認会計士の1日のスケジュール」
スタディサプリ進路「公認会計士のやりがい」
マイナビ会計士「公認会計士の魅力とは?」
HUPRO MAGAZINE「公認会計士の仕事内容とは?1日のスケジュール」






