法律・会計で働くということ
「堅い」「難しい」——そんなイメージがあるかもしれない。でも実は、「困っている人の力になる」「会社の未来を一緒に考える」仕事。資格試験は確かにハードルがある。でも高卒から挑戦できるルートは、ちゃんとある。


こんなイメージ、持ってない?
高卒じゃ無理でしょ? 弁護士とか会計士とか。
堅くてつまらなそう。毎日数字とにらめっこ?
お金持ちじゃないと目指せない? 予備校とか高いし。
この仕事、実際に覗いてみよう!

高卒で、入れるの?
入れます。会計事務所や法律事務所では、未経験・高卒からの採用が普通に行われています。「働きながら資格を目指す」——それがこの業界の王道です。
税理士・公認会計士の平均年収は 747万円。全産業の平均の2倍以上。資格を取れば、生涯にわたって使える「手に職」になる。
税理士試験の高卒受験者の合格率は 24.7%。大卒受験者の20.8%を上回っている。学歴ではなく、どれだけ本気で勉強したかがすべて。
公認会計士試験と司法書士試験は 学歴不問。年齢も国籍も関係ない。高卒で合格しても、大卒の合格者とまったく同じ仕事・同じ待遇が保証されている。
747万円
税理士・公認会計士の平均年収
令和5年賃金構造基本統計調査
24.7%
税理士試験の高卒合格率
大卒の20.8%を上回る
学歴不問
公認会計士・司法書士の受験資格
年齢・国籍の制限もなし
高卒から入れる主な職場
会計事務所・税理士事務所のスタッフ
簿記の知識を活かせる。働きながら税理士を目指す王道ルート
法律事務所の事務スタッフ
法律文書の作成補助や登記手続き。司法書士や行政書士を目指す実務経験の場
企業の経理部門
日商簿記の資格があれば有利。安定した環境で会計スキルを磨ける
社会保険労務士事務所のスタッフ
労務管理の実務を学びながら、社労士の受験資格(実務経験3年)を満たせる
どんな仕事がある?
「法律・会計」と一口に言っても、仕事の中身はそれぞれまったく違う。4つの士業を紹介する。
税理士
企業や個人の税金計算・申告書の作成をサポートする。中小企業の経営者にとっては「一番身近な相談相手」。全国に約82,000人が登録。
公認会計士
企業の財務諸表を監査し、数字の信頼性を保証する専門家。大手監査法人なら初任給で年収約500万円。学歴不問で受験できる。
司法書士
不動産登記や会社設立登記の専門家。受験資格に学歴制限はなく、高卒でも合格すれば大卒と同じ仕事・同じ待遇で働ける。
社会保険労務士
企業の労務管理・社会保険手続きの専門家。「働く人」を制度で守る仕事。受験には実務経験3年または行政書士資格が必要。
ある1日の流れ
会計事務所で働く入社1年目のスタッフの、とある1日。
出勤・メールチェック
出社してメールを確認。今日のタスクと優先順位を整理する。繁忙期でなければ、朝は落ち着いている
会計データ入力
顧問先から届いた領収書や請求書を会計ソフトに入力。簿記の知識がここで活きる。最初は仕訳に悩むけど、3ヶ月もすれば手が覚える
先輩とミーティング
仕訳のわからない箇所を相談。「これは交際費?それとも会議費?」——実務で覚えていく
昼休憩
事務所の休憩スペースでランチ。先輩と資格試験の勉強法について話すことも
顧客データの確認・修正
入力したデータの正確性を一つひとつチェック。数字が1円でもずれていたら、信頼を失う。地味だけど大事な仕事
決算資料の作成補助
先輩の指示のもと、Excelで決算資料を整理。会社の1年間がこの数字に凝縮されている
進捗報告・明日の準備
先輩に今日の作業を報告し、明日のタスクを確認。わからなかったことをメモにまとめる
退勤
「今日は仕訳の判断が少し早くなった」——地味だけど確かな成長を感じながら帰路へ。帰宅後は資格の勉強時間
※ 事務所の規模や業務内容により異なります
身につくスキル
法律・会計の仕事で身につく力は、この業界の中だけでなく、どこに行っても通用する。
- 会計・税務の専門知識 — 簿記の基礎から法人税・消費税まで。実務を通じて専門性がどんどん深まる
- 正確さと注意力 — 1円のズレも許されない世界で鍛えられる、数字への厳密さ
- コミュニケーション力 — 経営者との対話が日常。専門知識を「わかる言葉」で伝える力が身につく
- 法律の読解力 — 税法・会社法・民法。法律の条文を読み、実務に当てはめる力
- 問題解決力 — 「こういう場合、税金はどうなる?」——複雑な問いに答えを導き出す力
法律・会計は「学び続ける」仕事。自分の学び方のクセを知りたいなら タイプ別・自分を成長させるロードマップ →
キャリアステップ
事務スタッフ・補助業務
会計データ入力、書類整理、電話対応から始まる。簿記2級→1級、税理士科目にも挑戦し始める時期。年収250〜350万円。
担当者として顧問先を持つ
自分の担当顧問先ができ、経営者と直接やり取り。信頼関係を築きながら、試験勉強も並行。年収350〜450万円。
有資格者・マネージャー
試験合格が見え始める。チームを率い、複雑な案件も任される。税理士登録すれば年収500〜700万円。
独立開業 or パートナー
自分の事務所を開く道、大手法人の幹部になる道。平均年収747万円、独立開業なら1,000万円超も珍しくない。
この仕事のリアル
会計事務所の離職率は一般企業の平均(14.6%)より高いとされる。特に繁忙期(1〜3月の確定申告シーズン)は残業が集中し、ワークライフバランスが崩れやすい。
HUPRO MAGAZINE「会計事務所の離職率」/ 厚生労働省「雇用動向調査」
離職理由で多いのは「繁忙期の過酷さ」と「給料が仕事量に見合わない」(特に小規模事務所)。確定申告シーズンは深夜まで働くこともある。資格試験の勉強時間が確保できず、モチベーションが下がる人もいる。
一方で、大手税理士法人を中心にITツールの導入が進み、記帳代行や申告書作成の効率化が加速している。クラウド会計ソフトの普及で「数字を入力するだけ」の作業は減り、より付加価値の高い「経営アドバイス」に時間を使えるようになってきた。試験休暇制度のある事務所も増えている。
もう一つ正直に伝えたいこと。弁護士は法科大学院修了または予備試験合格が必要で、社労士は受験に大卒または実務経験3年が必要。すべての資格が「すぐに」高卒で受験できるわけではない。でも「今すぐなれない」ことと「一生なれない」ことは違う。段階を踏んで確実に近づける道がある。
会社を選ぶときの見極めポイント
資格取得の支援制度があるか(試験休暇、受験料補助、勉強時間の配慮など)
繁忙期の残業時間を具体的に聞く(月平均と最大の両方。「忙しいときもあります」は具体性に欠ける)
資格保有者が何人いるか、定着率はどうか(「資格を取ったら辞める人が多い」事務所は要注意)
顧問先の規模と業種を確認する(自分が学びたい分野の経験が積めるか)
じゃあ、どうすればいい?
求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。
だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。
会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?
求人票以外の情報を探そう。
SNS、ブログ、就活情報誌——求人票に載っていない情報を出している会社ほど、あなたに届けたい想いがある。
職場見学はまず先生に相談してみてください。
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先輩たちの「やっててよかった」
資格試験は長く、繁忙期はきつい。それでもこの仕事を続ける人たちには、理由がある。
「経営者から"あなたがいてくれてよかった"と言われたとき」——税理士は中小企業経営者の最も身近な相談相手。数字の専門家でありながら、経営の伴走者でもある。
(MS-Japan「税理士のやりがい・魅力」)
「高卒で税理士試験に合格したとき、人生で一番嬉しかった」——合格率24.7%の難関を突破した達成感は、一生の自信になる。学歴ではなく、努力が評価される世界。
(キャリアアクション「高卒で税理士になるには」)
「困っている人の力になれる」——相続の問題解決、会社が苦しいときの資金繰り支援。専門知識で人の人生を支えている実感は、この仕事にしかない。
(MS-Japan「税理士のやりがい・魅力」)
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
国税庁「税理士試験結果」(2025年度)
法務省「令和7年度司法書士試験結果」
日本税理士会連合会「税理士登録者数」(2025年12月末)
MS-Japan「税理士のやりがい・魅力」
HUPRO MAGAZINE「会計事務所にしかない『やりがい』」
HUPRO MAGAZINE「会計事務所の離職率」
キャリアアクション「高卒で税理士になるには」
Ur Media「未経験で会計事務所に入社した場合の仕事内容と一日のスケジュール」
税理士事務所 広島総合会計「新人職員の1日に密着」



