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職種ガイド

弁護士という仕事

困っている人の「味方」になる、法律のプロフェッショナル

離婚、借金、交通事故、冤罪——人生でどうしようもなくなったとき、最後に頼れるのが弁護士。法律という「武器」を使って、依頼者の権利と生活を守る。裁判だけが仕事じゃない。企業の契約チェック、スタートアップの支援、国際取引の交渉——活躍の場は驚くほど広い。

弁護士の仕事イラスト
案内する高校生

この仕事って何?

弁護士は、法律の専門知識を使って個人や企業の権利を守り、紛争を解決する仕事です。裁判で依頼者を弁護するだけでなく、契約書の作成、法律相談、交渉の代理など、法律に関するあらゆる業務を扱います。

POINT 01

民事事件 — 人と人のトラブルを解決する

離婚、相続、借金、交通事故、不動産トラブルなど。依頼者の話を聞き、法律に基づいて解決策を提示します。裁判になる前に交渉で解決することも多い。

POINT 02

刑事事件 — 被告人の権利を守る

犯罪の疑いをかけられた人を弁護します。無罪を勝ち取ることだけでなく、適正な量刑を求めることも弁護人の重要な役割。冤罪を防ぐ「最後の砦」。

POINT 03

企業法務 — ビジネスを法律で支える

企業の契約書チェック、コンプライアンス体制の整備、M&Aの法務デューデリジェンス。企業が法的リスクなく事業を進められるようサポートします。

こんな人に向いてる

  • 人の話を聞くのが苦にならない人。依頼者は困り果てて相談に来る。まず「聞く」ことが大事
  • 論理的に物事を整理できる人。複雑な事実関係を法律のフレームワークで分析する力
  • 文章を書くのが好きな人。訴状、準備書面、意見書——弁護士は「書く仕事」
  • 正義感がある人。「困っている人を助けたい」という気持ちが原動力になる
  • 粘り強い人。裁判は数か月から数年かかることもある。諦めない姿勢が問われる

実際に覗いてみよう!

虫眼鏡を持つ高校生

高卒で、なれるの?

ANSWER

なれます。司法試験の予備試験には学歴制限がありません。2024年には17歳の高校2年生が司法試験に最年少合格しています。法科大学院に行かなくても、予備試験ルートなら誰でも挑戦できます。

POINT 01

弁護士の平均年収は 約1,000万円(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」法務従事者)。日本弁護士連合会の調査では平均所得 1,119万円、中央値は700万円。

POINT 02

2025年の司法試験の合格率は 41.2%。予備試験合格者の合格率は 90.68%。つまり、予備試験さえ突破すれば司法試験はほぼ受かる。

POINT 03

ただし予備試験の合格率は 3.6%(2025年)。超難関ですが、学歴も年齢も関係ない。本気で挑戦するなら、高卒でも道は開かれています。

なるためのルート

高卒 → 予備試験合格 → 司法試験合格 → 弁護士

法科大学院に行かずに弁護士になる最短ルート。予備試験は年齢・学歴不問。高校卒業後に集中して勉強すれば、最短2〜3年で合格する人もいる。

高卒 → 法律事務所でパラリーガル → 予備試験に挑戦

法律事務所でパラリーガル(法律事務員)として働きながら、法律の実務を学びつつ予備試験の勉強をする。実務感覚が身につくうえ、収入も確保できる。

高卒 → 通信制大学 → 法科大学院 → 司法試験

働きながら通信制大学で法学を学び、法科大学院に進学するルート。時間はかかるが、体系的に法律を学べる。法科大学院修了者の合格率も上昇傾向。

ある1日の流れ

中規模の法律事務所で働く、弁護士3年目のある1日を紹介します。

9:00

出勤・メールチェック

依頼者や裁判所からの連絡を確認。今日の裁判に持っていく書類を最終チェック

9:30

法律相談(1件目)

離婚を考えている方からの相談。財産分与、養育費、親権——複雑な問題を整理しながら、今後の方針を一緒に考える

10:30

裁判所へ移動

裁判所に向かう電車の中で、もう一度書面を読み返す。「今日の争点はここだ」と頭の中で整理

11:00

口頭弁論(裁判)

法廷で準備書面を陳述し、相手方の反論に対応。次回期日の日程を調整して終了。1回の期日は30分〜1時間程度

12:00

昼休憩

裁判所近くの定食屋でランチ。同期の弁護士とばったり会って情報交換することも

13:30

法律相談(2件目)

交通事故の被害者からの相談。損害賠償の見通しと、保険会社との交渉の進め方を説明

14:30

準備書面の作成

来月の裁判に向けて準備書面を起案。判例データベースで類似事件を調べ、法的な主張を組み立てる

16:30

契約書のレビュー

顧問先企業から送られてきた契約書をチェック。リスクのある条項にコメントを付けて返す

17:30

相手方弁護士と電話交渉

和解の条件について電話で交渉。依頼者にとってベストな落としどころを探る

18:30

退社

今日は法律相談2件、裁判1件、書面作成1件。「ありがとうございます」と言ってくれた依頼者の顔を思い出しながら帰路へ

※ 案件の状況によっては夜遅くまで書面を書くこともあります。弁護士の労働時間は個人の裁量に委ねられる部分が大きい

身につくスキル

弁護士で身につくスキルは、どんな場面でも「自分で考えて判断する力」です。

  • 法的思考力 — 複雑な問題を法律のフレームワークで分析・整理する力。論理的思考の究極形
  • 文書作成力 — 訴状、準備書面、契約書。正確で説得力のある文章を書く力が磨かれる
  • 交渉力 — 相手方との和解交渉、裁判外紛争解決。Win-Winの着地点を見つける力
  • プレゼンテーション力 — 法廷での弁論、依頼者への説明。複雑なことをわかりやすく伝える
  • リサーチ力 — 判例、法令、学説を調査し、自分の主張を裏付ける根拠を見つける力
  • 共感力 — 依頼者の不安に寄り添い、信頼関係を築く。法律知識だけでは良い弁護士にはなれない

キャリアステップ

弁護士のキャリアは「法律事務所」「企業内弁護士」「独立開業」の3つが主な選択肢。近年は企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が急増しています。

「法律のプロ」という強みは、どんな時代でも色あせません。AI時代にも、最終的な判断を下し、人の権利を守るのは人間の弁護士です。

STEP 01合格後1-3年

アソシエイト(勤務弁護士)

法律事務所に入所。先輩弁護士の指導のもと、簡単な案件から担当。法律相談の同席、書面作成の補助から始める。

年収500〜700万円

STEP 023-7年

中堅弁護士

自分の専門分野が見えてくる時期。独力で案件を処理し、依頼者を直接担当。後輩の指導にも関わる。

年収700〜1,200万円

STEP 037-15年

シニアアソシエイト → パートナー候補

事務所の中核メンバー。大型案件のリーダーを務め、新規顧客の獲得にも貢献。パートナー就任を目指す時期。

年収1,000〜2,000万円

STEP 0415年〜

パートナー or 独立開業

事務所のパートナー(共同経営者)として経営に参画。または自分の事務所を開く人も。専門分野で第一人者を目指す。

年収1,500万〜数千万円以上

この仕事のリアル

予備試験の合格率は 3.6%、合格までに必要な勉強時間は一般に 3,000〜8,000時間 と言われています。「高卒でもなれる」は事実ですが、超難関であることは覚悟してください。

法務省「令和7年司法試験予備試験の結果」

弁護士になるための最大のハードルは 試験の難易度 です。予備試験の合格率3.6%は、すべての国家資格の中でもトップクラスの難しさ。高卒から独学で挑戦する場合、合格まで5年以上かかることも珍しくありません。

弁護士になった後も、長時間労働 が課題です。若手弁護士の多くは1日12時間以上働くこともあります。また、弁護士の人数が増えたことで、競争が激化 している面もあります。

それでも、「困っている人を法律で救える」 やりがいは他の仕事では得られません。依頼者の人生を左右する仕事だからこそ、責任も大きいが、感謝も深い。組織内弁護士の90.4%が仕事に満足しているというデータもあります。

会社を選ぶときの見極めポイント

法律事務所の得意分野を確認する(離婚、企業法務、刑事事件など、事務所ごとに専門が異なる)

OJTの体制を確認する(先輩弁護士がしっかり指導してくれるか、いきなり一人で案件を持たされないか)

弁護士の人数と年齢構成を見る(若手が多い事務所は研修が充実していることが多い)

企業内弁護士という選択肢も検討する(ワークライフバランスが取りやすい傾向)

じゃあ、どうすればいい?

求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

指さす高校生
1

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。

2

会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?

3

求人票以外の情報を探そう。
SNS、ブログ、就活情報誌——求人票に載っていない情報を出している会社ほど、あなたに届けたい想いがある。

職場見学ガイドを見る

職場見学はまず先生に相談してみてください。
行きたい会社の見学ができなかった場合は、
先生を通じてゆめスタにご相談ください。
「ゆめマガで紹介してほしい」などのご相談も大歓迎です。できる限り力になります!

先輩たちの「やっててよかった」

「先生のおかげで人生が変わりました」——その一言が、すべての苦労を報いてくれる。

依頼者から「先生に出会えてよかった」と涙ながらに感謝されたとき。離婚、借金、冤罪——人生のどん底にいた人が、法律の力で新しい一歩を踏み出せた瞬間。

スタディサプリ進路「弁護士のやりがい」

複雑な法律問題を論理的に解きほぐし、裁判で主張が認められたとき。何か月もかけて書いた準備書面が裁判官に「なるほど」と言わせた——知的興奮は格別。

MS-Japan「弁護士のやりがいとは?」

年齢や学歴に関係なく、実力で勝負できる世界であること。法廷では若手もベテランも対等。自分の論理と説得力がすべて。

日本組織内弁護士協会 アンケート調査

この仕事がある業界

弁護士が活躍できる業界を見てみよう。

この記事のデータ出典

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」法務従事者

日本弁護士連合会「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査」

法務省「令和7年司法試験の結果」

法務省「令和7年司法試験予備試験の結果」

日本組織内弁護士協会(JILA)アンケート調査

スタディサプリ進路「弁護士の1日のスケジュール」

MS-Japan「弁護士のやりがいとは?」

キャリアガーデン「弁護士の1日・生活スタイル」

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