島根県 医療・福祉の高卒採用ガイド
資格なしで始められる。働きながら資格を取る。そのキャリアパスを伝えれば、高校生は来る
「医療・福祉は資格がないと働けない」——高校生も、保護者も、場合によっては先生ですら、そう思っています。
実際には違います。介護助手、看護助手、医療事務、生活支援員、保育補助——資格がなくても就職できる職種は数多くあります。そして入職してから働きながら資格を取る道が確立されています。介護福祉士は実務経験3年で受験資格が得られ、准看護師も2年課程で取得可能です。
島根県の医療・福祉は従業者54,355人、全産業で最大の業界です。全国トップクラスの高齢化率の中で、この業界が人を確保できなければ、地域の医療と介護が立ち行かなくなる。それだけ切実な問題であり、同時に、高校生にとっては「確実に必要とされる仕事に就ける」という大きなチャンスでもあります。
この記事では、島根県の医療・福祉事業所が高卒採用を成功させるために、「何ができる仕事なのか」「どんなキャリアが描けるのか」「どうすれば高校生に選ばれるのか」を具体的に解説します。
1. 高卒で就ける職種とキャリアパス——「資格なしで始められる」を伝える
学校訪問で先生に最初に伝えるべきは「高卒で入れます。そして入ってから資格を取れます」ということです。この事実を知らない先生もいます。以下の表を印刷して持参してください。
| 職種 | 仕事の中身 | 入職時に必要な資格 | 働きながら目指せる資格 |
|---|---|---|---|
| 介護助手・介護職員 | 利用者の食事・入浴・移動の介助、レクリエーション支援、記録業務 | なし(入職後に研修) | 実務者研修(入職後すぐ)→ 介護福祉士(実務3年)→ ケアマネジャー |
| 看護助手 | 看護師の補助、患者の身の回りの世話、ベッドメイキング、医療器具の準備 | なし | 准看護師(2年課程・島根県内に養成所あり)→ 看護師(進学課程) |
| 歯科助手 | 歯科医師の診療補助、受付・予約管理、器具の滅菌・管理 | なし(入職後に研修) | 歯科衛生士(専門学校3年課程への進学) |
| 医療事務 | 受付・会計、診療報酬請求(レセプト)、カルテ管理、電話対応 | なし(資格取得を推奨) | 医療事務技能審査 → 診療情報管理士 → 管理職 |
| 生活支援員 | 障がいのある方の日常生活支援、就労支援、外出の付き添い | なし | 社会福祉主事 → 社会福祉士(通信課程あり) |
| 保育補助 | 保育士の補助、子どもの見守り、遊びの準備・片付け | なし | 保育士(通信課程で取得可能) |
介護助手・介護職員
看護助手
歯科助手
医療事務
生活支援員
保育補助
この表が採用活動の最強の武器になる
先生が生徒に医療・福祉を勧めない理由の多くは「資格がないから無理」という誤解です。この表を見せて「資格なしで入れます。入ってから取れます。費用は事業所が負担します」と伝えれば、先生の認識は変わります。特に介護福祉士は「実務経験3年+実務者研修」で受験資格が得られるため、高卒入職→21歳で国家資格取得というキャリアパスが描けます。
2. 「介護は給料が安い」にどう答えるか
高校生と保護者が医療・福祉を敬遠する最大の理由は「給料が安い」というイメージです。このイメージは根強いですが、処遇改善加算の充実により状況は変わりつつあります。
大事なのは「イメージ」ではなく「数字」で語ることです。求人票と会社案内に、具体的な給与の内訳を明記してください。
こう書くと「やっぱり安い」と思われる
- •「月給16万円〜」
- •「処遇改善あり」
- •「昇給あり」
- •「福利厚生充実」
こう書くと「思ったより貰える」に変わる
- •「基本給16.5万円+処遇改善手当2.8万円=月額19.3万円」
- •「夜勤手当1回5,000円×月4回=2万円上乗せ」
- •「介護福祉士取得後は資格手当月額1.5万円」
- •「賞与年2回、前年実績3.2ヶ月」
処遇改善加算を「見える化」する
介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算を取得している場合、その効果を求人票に反映してください。「処遇改善あり」という曖昧な表記ではなく、「処遇改善手当として月額○万円を支給(介護職員処遇改善加算Ⅰ取得)」と書く。数字がある方が、先生も保護者も安心します。加算を取得していない場合は、取得に向けた取り組みを検討してください。採用力に直結します。
3. どの学校を訪問すべきか——福祉系学科だけが対象ではない
島根県で福祉系の専門教育を行っている高校は限られています。しかし、医療・福祉の人材供給源は福祉系学科だけではありません。普通科の就職希望者、商業高校の生徒も、医療事務や介護助手として入職可能です。
| あなたが探している人材 | 訪問すべき学校 | 知っておくべきこと |
|---|---|---|
| 介護職員・福祉全般 | 出雲北陵高校(福祉コース)/ 邇摩高校(福祉系列) | 福祉の基礎教育を受けた生徒を採用できる。ただし卒業生の数は限られるため、この2校だけに頼ると採用枠を埋めきれない |
| 医療事務・受付 | 松江商業 / 出雲商業 / 浜田商業 | 簿記・パソコンスキルを持つ商業高校の生徒は医療事務との親和性が高い。医療事務は資格なしで入職でき、入職後に医療事務技能審査を目指せる |
| 介護助手・生活支援員 | 普通科高校(各エリアの高校) | 普通科の就職希望者は全業種が狙うが、「人の役に立つ仕事がしたい」という志向の生徒は一定数いる。製造業や建設業と違うアプローチで訴求可能 |
| 保育補助 | 益田翔陽(総合学科)/ 各地の普通科 | 保育士資格は入職後に通信課程で取得可能。「子どもが好き」という生徒には、働きながら保育士を目指せるキャリアパスが響く |
| 看護助手 | 各地の普通科 | 看護助手は資格不要で入職でき、准看護師養成所(島根県内にあり)への進学支援を行えば、長期的な人材確保につながる |
介護職員・福祉全般
医療事務・受付
介護助手・生活支援員
保育補助
看護助手
中山間地域の学校は医療・福祉の穴場
島根県の中山間地域では、診療所や介護事業所が「地域のインフラ」として住民に認知されています。邇摩高校(大田市)、矢上高校(邑南町)、隠岐島前高校(海士町)など中山間・離島の高校には、「地元で人の役に立つ仕事がしたい」という生徒がいます。こうした学校に訪問する医療・福祉事業所は少ないため、丁寧に関係を築けば安定した推薦源になります。
活用すべき支援機関
- •島根県福祉人材センター — 福祉分野に特化した人材マッチング。研修情報や求人情報の発信を行っている
- •ジョブカフェしまね — 若年者向け就職支援。企業と高校生のマッチングイベントも実施
4. 高校生に「選ばれる」事業所になるために
医療・福祉は製造業や建設業と同じ高校生を奪い合っています。「うちの業界は人手不足だから来てくれるだろう」という甘い見通しでは採用できません。高校生と先生に「ここで働きたい」と思わせる工夫が必要です。
資格取得支援を「投資」として明示する
「資格取得支援あり」では弱いです。「介護福祉士の受験対策講座費用○万円を全額負担」「受験日は出勤扱い」「合格祝い金○万円」——ここまで具体的に書いてください。「うちに入れば、21歳で国家資格が取れる」。これは高校生にとって製造業にはない明確なメリットです。
「最初の1年」の体制を見せる
医療・福祉の仕事には命に関わる場面があります。18歳でその現場に入る不安は相当なものです。先生も保護者も「いきなり一人で任されないか」を心配しています。メンター制度(先輩が1年間つく)、段階的な業務の振り分け、定期的な面談の仕組み——「一人にしない」体制を具体的に説明してください。
職場見学で「利用者との触れ合い」を体験させる
医療・福祉の最大の魅力は「ありがとう」と言ってもらえる仕事だということです。しかし、高校生はその体験をしたことがありません。インターンシップや職場見学で、利用者と直接触れ合う時間を設けてください。お年寄りと話をして、笑顔をもらって、「ありがとう」と言われる——この体験は、どんなパンフレットよりも強い採用ツールになります。
シフト勤務の現実を正直に伝える
介護施設や病院は24時間体制です。夜勤がある職場なら、その頻度と手当を正直に伝えてください。「夜勤月4回、1回5,000円」「夜勤明けの翌日は休み」。嘘をつくと入職後のギャップで早期離職に直結します。逆に、夜勤のない日勤のみの職場(デイサービス、クリニック等)であれば、それ自体が大きなアピールポイントです。
5. 「地域を支える仕事」——島根県で医療・福祉に就く意味
島根県の中山間地域では、介護事業所や診療所がなくなれば、その集落に住み続けることが困難になります。医療・福祉の従事者は、島根県の「暮らし」そのものを支えているのです。
この仕事の意味を、学校訪問のときに自分の言葉で伝えてください。「人手不足で困っている」ではなく、「あなたがこの仕事に就けば、この地域のお年寄りが安心して暮らし続けられる」と。高校生にとって「誰かの役に立てる仕事」は、給料の額面以上の価値があります。
特に島根県の人口63万人というコミュニティでは、利用者は「知り合いのおばあちゃん」かもしれません。祖父母の知人、近所の人。「知っている人の笑顔を守る仕事」——これは大都市の病院では味わえない、地方の医療・福祉だけの体験です。
よくある質問
Q. 高卒で介護福祉士になるにはどうすればいいですか?
A. 高卒で介護施設に入職 → 実務者研修を受講(入職後すぐ開始可能)→ 実務経験3年以上を積む → 介護福祉士国家試験に合格。最短で21歳での取得が可能です。受験対策講座の費用や受験料を事業所が負担する支援制度を整えれば、採用時の大きなアピールポイントになります。
Q. 福祉系学科のない普通科から医療・福祉に就職できますか?
A. できます。介護助手・看護助手・医療事務・生活支援員・保育補助はいずれも入職時に資格は不要です。普通科の就職希望者は全業種が狙いますが、「人の役に立つ仕事がしたい」という志向の生徒に対して、医療・福祉は強いメッセージを持っています。
Q. 医療・福祉の離職率が高いと聞きますが、対策はありますか?
A. 入職1年目のフォロー体制が鍵です。メンター制度(先輩が1年間つく)、月1回の面談、段階的な業務の振り分けで「一人にしない」体制を作ってください。また、シフト勤務の負担が大きい場合は夜勤回数の調整を検討してください。定着の詳細は早期離職防止ガイドで解説しています。
Q. 採用ブランディングに使える補助金はありますか?
A. 島根県の「採用ブランディング支援補助金」(上限75万円・補助率1/2)が使えます。事業所紹介のパンフレット、採用サイト、動画制作の費用が対象です。利用者の笑顔や職員の日常を映した動画は、医療・福祉の魅力を伝える最も効果的なツールです。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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データ出典:
- 経済センサス-活動調査 島根県分(従業者数54,355人)
- 厚生労働省「介護職員処遇改善加算」制度概要
- 島根県福祉人材センター



