高卒採用インターンシップ活用ガイド
職場見学との違い・プログラム設計・受入準備のすべて
高卒採用は「求人票 → 学校推薦 → 面接1回」で決まる短期決戦です。しかし求人票だけでは伝わらない企業の魅力を、入社前に体感してもらう機会がインターンシップです。
このページでは、高卒採用におけるインターンシップの効果的な活用方法を、プログラム設計から受入準備、業種別の具体例まで解説します。
1. なぜインターンシップが高卒採用に効くのか
高卒採用には「情報格差」という構造的な課題があります。高校生は社会経験が少なく、求人票の文字情報だけでは仕事の実態を想像しにくい。この情報格差が「思ったのと違った」という早期離職の原因になっています。
ミスマッチの防止
実際の業務を体験することで、入社後のギャップを大幅に減らせます。厚生労働省の調査では、高卒就職者の3年以内離職率は約37%。インターンシップ経験者は「仕事の実態を理解した上で入社する」ため、定着率が改善する傾向にあります。
応募前の接点づくり
求人倍率が高い地域(東京都15.71倍、大阪府8.05倍など)では、求人票だけで高校生に選ばれることは困難です。インターンシップで「顔が見える関係」を先に作ることで、応募先として選ばれる確率が上がります。
学校との信頼関係構築
インターンシップを受け入れる企業は、進路指導の先生から「生徒を安心して送り出せる企業」と認識されます。高卒採用は学校推薦が基本のため、先生との信頼関係が翌年以降の推薦につながります。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
2. 職場見学とインターンシップの違い
| 項目 | 職場見学 | インターンシップ |
|---|---|---|
| 目的 | 企業を「見る」 | 仕事を「体験する」 |
| 所要時間 | 1〜2時間 | 1日〜5日間 |
| 実施時期 | 7月〜8月(求人公開後) | 通年(夏休みが多い) |
| 対象学年 | 主に高校3年生 | 高校1〜3年生 |
| 内容 | 施設見学・説明・質疑応答 | 業務体験・プロジェクト参加 |
| 採用との関係 | 応募先選びの判断材料 | 職業理解(直接採用には結びつけない) |
重要:インターンシップは「選考」ではありません
インターンシップの場で選考に関わる質問(NG質問を含む)をしたり、選考を前提とした評価を行うことは避けてください。あくまで「仕事と企業の理解を深める」機会として設計します。
3. プログラム設計(1日・3日・5日型)
初めてインターンシップを受け入れる場合は1日型から始め、ノウハウが蓄積されたら3日・5日型に拡大するのがお勧めです。
1日型プログラム(初心者向け)
| 時間 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 9:00-9:30 | オリエンテーション | 会社概要・1日の流れ・安全注意事項 |
| 9:30-12:00 | 職場見学 + 簡易体験 | 各部署を巡回。1つは実際に手を動かす体験を入れる |
| 12:00-13:00 | 昼食(社員と一緒に) | 若手社員と同席させると質問しやすい雰囲気に |
| 13:00-15:30 | 業務体験 | 実際の業務の一部を担当者付きで体験 |
| 15:30-16:00 | 振り返り・質疑応答 | 感想の共有・疑問点の解消・今後のキャリアへの助言 |
3日型プログラム(標準)
1日目:知る
会社説明 → 全部署見学 → 先輩社員との座談会
2日目:体験する
希望部署での業務体験(終日)。担当メンターが付き添い
3日目:まとめる
午前:体験の続き → 午後:振り返りプレゼン → 修了証授与
5日型プログラム(本格型)
5日型はプロジェクト参加型が効果的です。例えば「製品の品質検査工程を1つ担当する」「社内報の取材記事を1本作成する」など、成果物が残る体験を組み込みます。最終日に成果発表会を設け、参加者に達成感を持って帰ってもらいましょう。
4. 受入準備チェックリスト
受入日程・人数を決定した
繁忙期を避け、指導に十分な時間を確保できる時期に設定
担当メンター(指導担当者)を選定した
若手社員が適任。高校生と年齢が近いと質問しやすい
体験プログラムの内容を設計した
見学→体験→振り返りの3ステップを基本に
安全管理体制を確認した
保険加入の確認、緊急連絡先の整備、危険箇所の把握
学校と受入条件を調整した
日程・持ち物・服装・昼食・交通費の有無を事前通知
NG質問・選考行為の禁止を関係者に周知した
インターンシップ中の選考行為・NG質問は厳禁
参加者の保護者への案内を準備した
安全管理体制・保険加入・緊急時対応を書面で通知
振り返りシート(アンケート)を準備した
終了後の感想・改善点を次回に活かす
5. インターンシップ成功の3原則
原則1:「見せる」だけでなく「やらせる」
工場見学で機械を「見る」だけでは印象に残りません。実際にボルトを締める、計測器を使う、接客のロールプレイをするなど、体を動かす体験があると「この仕事、面白いかも」という気づきが生まれます。
原則2:若手社員をメンターにする
高校生にとって、入社1〜3年目の先輩は「自分の少し先の未来」です。経営者や管理職からの説明より、若手社員の生の声のほうが響きます。昼食や休憩時間に自然な会話ができる環境を作りましょう。
原則3:終了後のフォローを忘れない
インターンシップ終了後、参加者(と保護者)にお礼の手紙を送る、学校にフィードバックを返す、写真をまとめて渡すなど、体験を「思い出」として定着させる工夫が重要です。この丁寧さが、学校からの信頼と翌年の推薦につながります。
6. 業種別プログラム例
製造業
- 工場ラインの一工程を担当者と一緒に体験
- 品質検査の計測器操作(ノギス・マイクロメーター等)
- CAD/CAMソフトで簡単な図面を作成
- 完成品の組立・動作確認を一連で体験
※ 機械操作を伴う場合は安全教育を事前に実施し、指導員が必ず付き添うこと
建設業
- 現場見学(安全装備着用・写真撮影)
- 測量体験(トータルステーション・レベル操作)
- ドローン操作体験(空撮の仕組みを学ぶ)
- BIMソフトを使った3Dモデリング体験
※ 現場見学はヘルメット・安全靴を支給し、資格者による安全管理のもとで実施
サービス業・小売業
- 接客ロールプレイ(マニュアルに沿った対応練習)
- 商品陳列・ディスプレイ制作体験
- POP作成・店内装飾のデザイン
- レジ操作体験(閉店後や営業前の時間帯で)
医療・福祉
- 施設見学(利用者の生活空間を理解する)
- レクリエーション補助(利用者との交流体験)
- 介助体験(車椅子操作・食事介助等の基本動作)
- 福祉用具の使い方レクチャー
※ 利用者のプライバシーに配慮し、事前に施設長・利用者の同意を得ること
7. 都道府県別ガイド
インターンシップの支援制度や助成金は都道府県ごとに異なります。各県の産業構造・求人倍率・支援制度を含む高卒採用の詳しい情報は、各県のガイドをご覧ください。
8. よくある質問
Q. インターンシップと職場見学は何が違いますか?
職場見学は「見る」が中心(所要時間1〜2時間、7月以降に実施)で、インターンシップは「体験する」が中心(1日〜5日間、時期は通年で実施可能)です。職場見学は応募先を決める判断材料として短時間で企業を知る機会であり、インターンシップは実際の業務を体験して仕事への理解を深める機会です。
Q. 受入準備は何から始めればよいですか?
まず①受入日程と人数の決定、②担当者(メンター)の選定、③体験プログラムの設計(見学→体験→振り返りの3ステップ)、④安全管理体制の確認(保険加入・緊急連絡先)、⑤学校との調整の順で準備を進めます。初めての受入であれば1日型プログラムから始めることをお勧めします。
Q. 実施時期はいつが適切ですか?
高校2年生の夏休み(7〜8月)が最も一般的です。高校3年生の場合は4〜6月(求人票提出前)に実施すると、応募先選びの判断材料として直接的な効果があります。学校の授業期間中に実施する場合は、事前に学校との調整が必要です。
Q. インターンシップ中に選考に関わる質問をしてもよいですか?
インターンシップは選考活動ではないため、選考に関わる質問(家族構成・本籍地・宗教等のNG質問)はもちろん、「当社に応募する予定はありますか?」等の選考を前提とした質問も避けてください。インターンシップの目的はあくまで「仕事と企業の理解を深める」ことです。
Q. 補助金は使えますか?
都道府県や市区町村によって、インターンシップ受入企業向けの補助金・助成金制度が設けられている場合があります。具体的な制度は地域によって異なるため、管轄のハローワークまたは都道府県の雇用対策課にお問い合わせください。
出典・参考資料
- ・ 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
- ・ 厚生労働省「高卒求人のルール」
- ・ 厚生労働省「公正な採用選考の基本」(kouseisaiyou.mhlw.go.jp)
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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