高卒採用スケジュール徹底解説
企業・高校生・学校の年間スケジュールと重要日付
高卒採用には、全国で統一されたスケジュールがあります。このスケジュールは厚生労働省・文部科学省が定める「高卒求人のルール」に基づいており、企業・高校生・学校のすべてが同じタイムラインで動きます。
このページでは、高卒採用の年間スケジュールを企業・高校生・学校の3つの視点から詳細に解説します。
1. 年間スケジュール全体像
高卒採用の年間スケジュールは、高校3年生の春から翌年4月の入社まで、約1年間にわたります。以下が主要な流れです。
時期 | 企業 | 高校生 | 学校 |
---|---|---|---|
4月-6月 | 採用計画立案 | 進路希望調査 | 進路指導開始 |
7月1日 | ハローワーク求人提出 | - | - |
7月10日頃 | - | 求人票閲覧開始 | 求人票公開 |
7月-8月 | 職場見学受入 | 企業研究・職場見学 | 応募指導 |
9月5日 | 応募書類受付開始 | 応募書類提出(1人1社) | 校内選考・推薦 |
9月16日 | 選考開始(面接) | 面接 | - |
9月中旬以降 | 内定通知 | 内定 | 内定報告受理 |
10月-翌年3月 | 内定者フォロー | 入社準備 | 卒業準備 |
翌年4月 | 入社式・新人研修 | 入社 | - |
出典: 厚生労働省・文部科学省「高卒求人のルール」
2. 重要な日付
高卒採用において、特に重要な日付は以下の4つです。これらの日付は全国で統一されており、厳守する必要があります。
7月1日: ハローワーク求人受付開始
企業がハローワークに高卒求人票を提出できる最初の日です。この日からハローワークが求人票の受付を開始します。
企業は、この日までに求人内容を確定し、求人票を準備しておく必要があります。
7月10日頃: 高校へ求人票公開
ハローワークから各高校へ求人票が届き、高校生が求人票の閲覧を開始できる時期です。
高校生は、進路指導の先生と相談しながら、この時期から企業研究を本格化させます。
9月5日: 応募書類受付開始(1人1社制)
高校生が企業に応募書類を提出できる最初の日です。この日から「1人1社制」が適用されます。
1人1社制とは、高校生が9月5日から一定期間、1社のみに応募できる制度です。これにより、高校生は慎重に応募先を選ぶ必要があります。
9月16日: 選考開始
企業が面接等の選考を開始できる最初の日です。この日以前に選考を行うことはできません。
企業は、9月5日から9月15日までの間に応募書類を受け取り、9月16日以降に面接を実施します。
これらの日付は、厚生労働省・文部科学省が定める全国統一ルールです。地域や学校によって多少の差はありますが、基本的にはこのスケジュールに従って高卒採用活動が進められます。
3. 企業の動き(月別詳細)
4月-6月: 採用計画立案
- 採用人数の確定
- 求める人材像の明確化
- 採用予算の策定
- 求人票作成の準備
- 学校訪問計画の立案
この時期に、高卒採用の全体像を固めておくことが重要です。前年度の採用実績を振り返り、改善点を反映させましょう。
7月1日: ハローワーク求人提出
- 求人票をハローワークに提出
- 求人票の内容確認・修正対応
7月1日が求人提出の解禁日です。この日までに求人票を完成させ、ハローワークに提出します。
7月-8月: 職場見学・説明会実施
- 学校訪問(進路指導教員との関係構築)
- 職場見学の受入準備
- 企業説明会の実施
- 質問対応・情報提供
この時期は、高校生が企業研究を行い、応募先を絞り込む重要な期間です。企業は職場見学や説明会を通じて、自社の魅力を伝えましょう。
9月5日-15日: 応募書類受付
- 応募書類の受付(9月5日以降)
- 応募書類の確認・整理
- 面接日程の調整
9月5日から応募書類の受付が始まります。学校を通じて応募書類が送られてくるため、受付体制を整えておきましょう。
9月16日以降: 選考実施
- 面接実施(9月16日以降)
- 適性検査・筆記試験(必要に応じて)
- 選考結果の決定
- 内定通知(学校経由)
9月16日から選考が開始されます。面接では、高校生の意欲・人柄・適性を重視しましょう。
10月-翌年3月: 内定者フォロー
- 内定者研修の実施
- 入社前オリエンテーション
- 定期的な連絡・情報提供
- 保護者への説明(必要に応じて)
- 入社手続きの案内
内定後のフォローは、入社後の定着率に大きく影響します。内定者が不安なく入社日を迎えられるよう、丁寧なサポートを心がけましょう。
翌年4月: 入社式・新人研修
- 入社式の実施
- 新人研修(ビジネスマナー・社内ルール等)
- 配属先の決定
- OJT(On the Job Training)開始
- メンター制度の導入
入社後3ヶ月間は、高卒新入社員が職場に慣れる重要な期間です。丁寧なフォローを続けましょう。
4. 高校生の動き(月別詳細)
4月-6月: 就職活動準備
- 進路希望調査への回答
- 自己分析(得意なこと・好きなこと)
- 業界研究(どんな仕事に興味があるか)
- 進路指導の先生との相談
この時期はまだ求人票が出ていませんが、自分の興味や適性を整理する大切な期間です。どんな業界や職種に興味があるのかを考えましょう。
7月10日頃-8月: 企業研究・職場見学
- 求人票の閲覧開始(7月10日頃)
- 興味のある企業の絞り込み
- 職場見学への参加
- 企業説明会への参加
- 企業研究(企業パンフレット・ホームページ)
- 履歴書の準備
- 面接練習
7月10日頃から学校で求人票の閲覧が始まります。職場見学や説明会に参加し、実際の職場の雰囲気や仕事内容を確認しましょう。
9月5日: 応募書類提出(1人1社制)
- 応募先企業の決定
- 校内選考(必要に応じて)
- 応募書類の準備(履歴書・調査書等)
- 学校を通じて応募書類を提出
9月5日から応募が解禁されます。「1人1社制」により、この時期は1社のみに応募できます。進路指導の先生と相談しながら、慎重に応募先を選びましょう。
9月16日以降: 面接
- 面接日程の確認
- 面接の準備(自己紹介・志望動機の確認)
- 面接当日(企業訪問)
- 面接後のフォローアップ(お礼状等、必要に応じて)
9月16日以降に面接が実施されます。自分の強みや志望動機を、自信を持って伝えられるよう準備しましょう。
9月中旬以降: 内定
- 内定通知の受領(学校経由)
- 内定承諾の意思表示
- 入社に必要な書類の準備
内定をもらったら、学校を通じて内定通知を受け取ります。その後は企業の指示に従い、入社手続きを進めます。
10月-翌年3月: 入社準備
- 内定者研修への参加(企業により実施)
- 入社前オリエンテーション
- 社会人としての心構えの学習
- 必要な資格取得(運転免許等、必要に応じて)
- 高校卒業準備
内定後は、入社に向けた準備期間です。企業によっては内定者研修が実施されます。社会人としてのマナーや心構えを学びましょう。
翌年4月: 入社
- 入社式への参加
- 新人研修
- 配属先での業務開始
- OJT(先輩社員からの指導)
高校卒業後、4月に入社式が行われます。社会人としての第一歩を踏み出す大切な時期です。
5. 学校の動き(月別詳細)
4月-6月: 進路指導開始
- 進路希望調査の実施
- 就職希望者の把握
- 進路指導面談(個別相談)
- 就職ガイダンスの実施
- 企業からの学校訪問対応
学校は、高校3年生を対象に進路希望調査を実施し、就職希望者を把握します。進路指導の先生が、生徒一人ひとりと面談を行います。
7月10日頃: 求人票公開
- ハローワークから求人票を受領
- 求人票の整理・掲示
- 生徒への求人情報提供
- 企業情報の提供(過去の採用実績等)
7月10日頃にハローワークから求人票が届きます。学校は求人票を整理し、生徒が閲覧できるよう準備します。
7月-8月: 応募指導
- 職場見学の調整・引率
- 企業研究指導
- 履歴書作成指導
- 面接練習・マナー指導
- 個別相談対応
学校は、職場見学の調整や履歴書作成指導、面接練習等を通じて、生徒の就職活動をサポートします。
9月5日: 校内選考・推薦
- 校内選考の実施(複数応募者がいる場合)
- 学校推薦書の作成
- 調査書(成績証明書)の発行
- 応募書類の企業への送付
9月5日から応募が解禁されます。学校は、校内選考を実施し、推薦書・調査書を作成して企業に送付します。
9月16日以降: 選考サポート
- 面接日程の調整
- 面接前の最終確認
- 選考結果の確認
学校は、企業との面接日程を調整し、生徒が安心して面接に臨めるようサポートします。
9月中旬以降: 内定報告受理
- 企業からの内定報告受理
- 生徒への内定通知
- 内定後指導(社会人としての心構え)
企業から内定報告を受け、生徒に内定を通知します。内定後も、社会人としての心構えを指導します。
10月-翌年3月: 卒業準備
- 内定者への継続的な指導
- 企業との連絡調整
- 卒業証書の発行準備
内定後も、学校は生徒と企業の連絡調整を行い、卒業準備を進めます。
6. スケジュール管理のポイント
企業向けポイント
- 7月1日までに求人票を完成させる: 求人提出の解禁日に遅れないよう、6月中には求人票を準備しましょう。
- 職場見学の受入体制を整える: 7月-8月は職場見学のピーク時期です。受入担当者を決め、説明内容を準備しましょう。
- 9月16日以降に選考を実施: 9月16日以前に選考を行うことはできません。スケジュールを厳守しましょう。
- 内定後のフォローを継続: 内定後から入社までの期間が長いため、定期的な連絡を心がけましょう。
高校生向けポイント
- 4月-6月に自己分析・業界研究を開始: 求人票が出る前に、自分の興味や適性を整理しておきましょう。
- 職場見学に積極的に参加: 実際の職場を見ることで、自分に合った企業を見つけやすくなります。
- 1人1社制を理解する: 9月5日から一定期間、1社のみに応募できます。慎重に応募先を選びましょう。
- 進路指導の先生と相談: わからないことがあれば、進路指導の先生に相談しましょう。
学校向けポイント
- 企業との関係構築: 企業からの学校訪問を積極的に受け入れ、信頼関係を築きましょう。
- 生徒への丁寧な指導: 履歴書作成や面接練習を通じて、生徒が自信を持って就職活動に臨めるよう支援しましょう。
- 校内選考の公平性: 複数の生徒が同じ企業を希望する場合、公平な校内選考を実施しましょう。
注意事項
このスケジュールは、厚生労働省・文部科学省の「高卒求人のルール」に基づいた標準的なスケジュールです。
地域や学校によって多少の差はあるため、実際のスケジュールは各学校・企業からの情報をもとに確認してください。