プログラマーという仕事
コードで世界を動かす人
スマホのアプリ、ゲーム、Webサイト、会社の業務システム。全部、プログラマーが書いたコードで動いている。高卒でIT業界に入る人はまだ少数派。でも、79万人不足する未来がすぐそこまで来ている。「少数派」は「先駆者」になれるチャンスだ。


この仕事って何?
プログラマーとは、コンピュータに「何をするか」を指示するコード(プログラム)を書く人です。設計図をもとにシステムを組み立てたり、バグ(不具合)を見つけて直したり。「つくる」だけでなく「考える」仕事でもあります。
Web開発 — Webサイトやアプリをつくる
ECサイト、SNS、業務アプリなど。HTML/CSS/JavaScriptから始まり、サーバー側の言語も扱う。最も求人が多い分野の一つ。
業務システム開発 — 会社の仕事を効率化する
在庫管理、勤怠管理、会計システムなど。企業の「困った」をプログラムで解決する。Java、C#などの言語を使うことが多い。
組込み系 — 機械の中のプログラムをつくる
家電、自動車、工場の機械に入っているソフトウェアを開発する。ハードウェアに近い分野で、製造業との接点も多い。
こんな人に向いてる
「パソコンが好き」だけでなく、こんな特性がある人はプログラマー向きです。
- パソコンを触るのが好き、苦にならない人
- 「なぜそうなるのか」を論理的に考えるのが好きな人
- 新しいことを学ぶのが苦にならない人(技術は毎年変わる)
- エラーが出ても諦めずに原因を探れる粘り強さがある人
- 一人で黙々と作業するのも、チームで相談しながら進めるのも、どちらもできる人
実際に覗いてみよう!

高卒で、なれるの?
なれます。まだ少数派ですが、IT人材不足を背景に門戸は確実に広がっています。
高卒でIT業界に入る人は年間 1,310人。全高卒就職者のわずか1.2%と少数派です。でも、裏を返せば「まだライバルが少ない」ということ。
経済産業省は2030年に最大 79万人 のIT人材が不足すると予測しています。企業は学歴よりも「やる気」と「伸びしろ」を重視するようになっている。未経験者向けの研修制度を設ける企業も増えています。
IT業界の高卒初任給は 188,300円。スタートは平均的ですが、スキルが上がれば年収もぐんと伸びる業界です。3年後、5年後の伸び幅で考えると、可能性は大きい。
1,310人/年
高卒IT就職者数
全体の約1.2%
79万人
2030年のIT人材不足
経済産業省予測(高位)
188,300円
IT業界の高卒初任給
スキル次第で大きく伸びる
なるためのルート
工科高校(情報科)→ IT企業
情報科で学んだプログラミング基礎が活きる。学校推薦枠でIT企業に就職するルート。
普通科 → 研修充実企業
プログラミング未経験でも、入社後3〜6ヶ月の研修で基礎を学べる企業がある。「育てる」前提の採用。
独学 → ポートフォリオで就職
在学中にProgateやUdemyで学び、自作アプリやWebサイトをポートフォリオとして提出。実力の証明になる。
ある1日の流れ
Web開発会社の新人プログラマー、とある1日を紹介します。
出社・タスク確認
チャットツールで連絡を確認。今日のタスク(担当する機能)をチケット管理ツールで確認する
朝会(デイリースクラム)
チームで15分のミーティング。「昨日やったこと」「今日やること」「困っていること」を共有
コーディング
担当機能のプログラムを書く。最初は先輩が書いたコードを参考にしながら、少しずつ自分で書けるようになる
昼休憩
IT企業はオフィスがきれいなところが多い。同期とランチに行くことも
コードレビュー
先輩に自分のコードを見てもらう。「ここはこう書いた方がいいよ」フィードバックが成長の糧
修正・テスト
レビューの指摘を修正し、動作テスト。「ちゃんと動いた!」の瞬間が一番嬉しい
勉強会・自習
週に1回はチームで勉強会。新しい技術の共有や、つまずきポイントの解消。自習時間を設けている会社も
退社
今日書いたコードをプッシュして退社。「明日はあの機能を仕上げよう」と頭の中で整理しながら帰路へ
※ 職場や配属先により異なります
身につくスキル
プログラマーとして働くと、IT以外でも通用するスキルが身につきます。論理的思考力や問題解決力は、あらゆる仕事の基盤になります。
- プログラミング — Java、Python、JavaScript等。「コンピュータと対話する言語」を扱えるようになる
- 論理的思考力 — 「Aが起きたらBをする、ただしCの場合はDをする」。物事を筋道立てて考える力
- チームワーク — 開発はチームで進める。Git(バージョン管理)やコードレビューで協力し合うのが日常
- 自己学習力 — 技術は毎年変わる。「自分で調べて学ぶ」ことが当たり前の文化。この力は一生使える
- 問題解決力 — バグやエラーに向き合い、原因を特定して修正する。デバッグ力はプログラマーの真価
- 資格 — ITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など。学歴不問で受験でき、スキルの証明になる
キャリアステップ
プログラマーのキャリアは「実力主義」。学歴よりも「何がつくれるか」「どんな技術を持っているか」で評価されます。高卒でも、技術を磨けばリーダーやアーキテクト、さらにはフリーランスへの道もあります。
IT業界は転職が当たり前の文化でもあります。スキルを積み上げながら、より良い条件の会社に移ることでキャリアアップする人も多い。「一つの会社で定年まで」だけがキャリアではありません。
先輩のもとでコードを学ぶ
開発環境のセットアップ、簡単なバグ修正、テスト作成から始まる。先輩のコードを読み、書き方を吸収する期間。
月収18〜21万円
一人で機能を開発できるように
設計から実装、テストまで一人で担当する。得意な言語やフレームワークが見えてくる。資格取得で実力を証明する人も。
月収23〜30万円
リーダーとしてプロジェクトを率いる
技術選定、コードレビュー、メンバーの進捗管理。「つくる」だけでなく「チームで成果を出す」役割に。
月収30〜45万円
アーキテクト / マネージャー / フリーランス
システム全体の設計を担うアーキテクト、組織を率いるマネージャー、独立してフリーランス。IT業界はキャリアの選択肢が広い。
月収45〜80万円以上
この仕事のリアル
IT業界(情報通信業)の高卒3年以内離職率は 36.1%。全産業平均の37.9%よりやや低く、定着率は悪くない。ただし「学び続けること」が前提の世界です。
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和4年3月卒
プログラマーの世界で最も大事なのは、「学び続ける覚悟」があるかどうか。プログラミング言語も、フレームワークも、開発手法も、数年で変わります。入社後の研修で終わりではなく、ずっと自分で勉強し続ける。それが楽しいと思えるかどうかが、向き・不向きの最大の分かれ目です。
また、IT企業にはピラミッド構造(元請け・下請け)があります。同じ「プログラマー」でも、会社によって仕事内容も待遇も大きく異なる。「IT企業」と一括りにせず、その会社で何をつくっているのか、どんな開発をしているのかを必ず確認してください。
一方で、スキルさえあれば学歴は関係ない。高卒だろうが大卒だろうが、書けるコードの質で評価される。努力が正当に報われやすい業界であるのは間違いありません。
会社を選ぶときの見極めポイント
入社後の研修制度の内容と期間を具体的に確認する(「研修あり」だけでは不十分)
自社開発か受託開発かSESか(働き方が大きく異なる)
先輩エンジニアの技術レベルと教育体制(メンター制度の有無)
使っている技術や言語が将来性のあるものか(古い技術だけの会社は要注意)
先輩たちの「やっててよかった」
プログラマーを続けている人たちは、「つくる喜び」と「成長の実感」を語る。
自分が書いたコードが動いた瞬間。エラーと格闘した末に「動いた!」という感動は、プログラマーにしかわからない。
自分がつくったサービスを誰かが使っている。「このアプリ便利だね」と言われたとき、すべての苦労が報われる。
技術は毎年変わるから、飽きることがない。「昨日できなかったことが今日できるようになる」成長の実感が日常にある。
この仕事がある業界
プログラマーが活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
文部科学省「学校基本調査 令和6年度」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
経済産業省「IT人材需給に関する調査」(平成30年度)


