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職種ガイド

エンジニアという仕事

ものを動かす仕組みをつくる人

「エンジニア」と聞くとIT系を思い浮かべるかもしれない。でも実は、製造業のエンジニアこそ高卒が活躍している世界。機械を動かし、仕組みを考え、ものをつくる。そんな仕事を見てみよう。

エンジニアの仕事イラスト
考え中の高校生

この仕事って何?

エンジニアとは、ものが正しく動く「仕組み」をつくる人です。工場の生産ラインを設計したり、機械のトラブルを解決したり、より良い製品をつくるために工程を改善したり。目に見える「もの」を動かす、手応えのある仕事です。

POINT 01

生産技術 — ものづくりの「やり方」を考える

工場でどうやって製品をつくるか、その工程や設備を設計する仕事です。「もっと早く」「もっと正確に」を追求します。

POINT 02

設備保全 — 機械を止めない、守る仕事

工場の機械が故障しないよう点検・修理する仕事です。止まったら生産が止まる。工場の「お医者さん」のような存在です。

POINT 03

品質管理 — 「ちゃんとできてるか」を確認する

製品が設計通りにできているか検査し、不良品が出ないように工程を管理します。精密さと責任感が求められます。

こんな人に向いてる

「仕組み」に興味がある人は、エンジニアに向いているかもしれません。

  • 「なぜこう動くんだろう?」と仕組みに興味がある人
  • 手を動かしてものをつくるのが好きな人
  • 地道にコツコツ取り組める人
  • 数字や図面を読むことに抵抗がない人
  • 改善やカイゼンが好き。「もっとこうすれば良くなるのに」と考える人

実際に覗いてみよう!

虫眼鏡を持つ高校生

高卒で、なれるの?

ANSWER

なれます。製造業のエンジニアは、高卒からの王道ルートの一つです。

POINT 01

高卒で就職する人のうち、実に 39.9% が製造業に就職しています。エンジニア職は、高卒採用において最も門戸が広い分野の一つです。

POINT 02

製造業の高卒初任給は 196,400円。全産業の高卒平均とほぼ同じ水準です。大手メーカーなら福利厚生も手厚く、安定した環境で技術を身につけられます。

POINT 03

製造業の3年以内離職率は 29.0%。全産業平均の37.9%を大きく下回っており、「入ったら続けやすい」業界です。

なるためのルート

工科高校(機械科・電気科)→ 製造業エンジニア

最も直結するルート。実習で基礎を身につけ、即戦力として採用される。学校推薦枠も多い。

普通科 → IT系エンジニア(研修あり企業)

未経験でも研修制度が充実した企業なら入社後に学べる。人手不足のIT業界は門戸が広がっている。

資格取得ルート → 設備・電気系エンジニア

電気工事士、危険物取扱者などの資格を在学中に取得。資格手当がつく企業も多く、キャリアの武器になる。

ある1日の流れ

製造業の生産技術エンジニア、新人のとある1日を紹介します。

7:30

出社・着替え

作業着に着替えてラインへ。今日の生産計画と前日の申し送りを確認する

8:00

朝礼・ミーティング

チームで安全確認と1日の作業内容を共有。「昨日ここで不具合が出た」という情報も共有する

8:30

現場巡回・設備確認

担当ラインの機械が正常に動いているか確認。異音や振動がないかを五感でチェック

10:00

改善業務

生産効率を上げるための改善案を検討。先輩と一緒にCADで図面を描くことも

12:00

昼休憩

社員食堂でランチ。メーカーの食堂は安くてボリュームがあるところが多い

13:00

データ分析・報告書

生産データをまとめて、不良率の推移を確認。グラフにして上司に報告する

15:00

設備メンテナンス

定期点検のスケジュールに沿って部品交換や清掃。予防保全で故障を防ぐ

17:00

日報・退社

今日の作業内容と気づいた点を記録。翌日の準備をして退社

※ 交替勤務の場合、早番・遅番・夜勤のシフトがあります。企業により異なります

身につくスキル

エンジニアとして働くと、こんな力が身につきます。どの力も、一つの会社だけでなく、転職しても通用する「ポータブルスキル」です。

  • 論理的思考力 — 「なぜ不良が出たのか」を原因から筋道立てて考える力。改善活動の基本
  • 機械操作・メンテナンス — 工作機械やロボットの操作、点検・修理の技術。現場の核心スキル
  • CAD(設計ソフト) — 図面を描き、設計する力。2D/3D CADが使えると仕事の幅が大きく広がる
  • 問題解決力 — トラブルが起きたとき、冷静に原因を突き止めて対処する力。経験を積むほど鋭くなる
  • データ分析 — 生産データや不良率を分析して改善につなげる。Excelでの集計・グラフ作成も日常業務
  • 資格 — 技能検定(機械加工・電気機器組立等)、電気工事士、危険物取扱者、QC検定など。学歴不問で受験可能

キャリアステップ

エンジニアのキャリアは「現場を知ること」から始まります。実務経験と資格取得を積み重ねて、設計や管理のポジションへ上がっていくのが一般的です。

製造業は「年功序列」の傾向が残る企業も多く、長く勤めるほど給料が上がりやすい構造です。高卒でも20年勤めれば大卒の初任給を大きく上回ることは珍しくありません。

STEP 01入社1-3年

現場で基本を覚える

先輩について機械の操作方法、安全ルール、図面の読み方を学ぶ期間。「まずは手を動かす」が基本。

月収19〜21万円

STEP 023-5年

一人で担当ラインを任される

設備の点検・改善を自分で判断できるように。技能検定やQC検定を取得して実力を証明する人も多い。

月収22〜26万円

STEP 035-10年

リーダーとして後輩を指導

設計業務や工程改善プロジェクトを主導する。チームをまとめ、生産目標の達成に責任を持つ。

月収27〜35万円

STEP 0410年〜

管理職 or スペシャリスト

工場長や技術部門長として組織を率いるか、特定分野のスペシャリストとして技術を極める。どちらも高卒から到達できる。

月収35〜50万円以上

この仕事のリアル

製造業の高卒3年以内離職率は 29.0%。全産業平均37.9%より大幅に低く、定着率は高い方です。ただし、交替勤務(シフト制)がある職場も多いことは知っておいてください。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和4年3月卒

製造業エンジニアの大きな特徴は、交替勤務(シフト制)があること。早番・遅番・夜勤を交代で回す職場も珍しくありません。生活リズムが不規則になるのは事実です。

一方で、シフト制の会社は残業が少ない傾向にあります。時間になったら次の人に引き継ぐ仕組みだからです。また、夜勤手当がつくため、同年代より手取りが多くなることも。

「体力に自信がないから不安」という人もいますが、最近の製造業はロボット化・自動化が進んでおり、力仕事は減っています。それよりも「考える力」が求められる時代になっています。

会社を選ぶときの見極めポイント

交替勤務の有無とシフトパターンを具体的に確認する

入社後の研修期間と内容(OJTだけでなく座学研修があるか)

資格取得支援制度があるか(費用負担・勉強時間の確保)

配属先の先輩に「入社前と後のギャップ」を聞いてみる

先輩たちの「やっててよかった」

地道な仕事だからこそ、積み重ねた先にある手応えは大きい。

自分が設計した工程で製品が完成したとき、「これは自分がつくった」と言える。ものづくりの一番の喜びです。

技能検定に合格したとき、「手に職がついた」と実感できる。学歴ではなく、技術で評価される世界。

製造業は景気に左右されにくく、安定して働ける。長く勤める人が多いのは、それだけ居心地が良い証拠。

この仕事がある業界

エンジニアが活躍できる業界を見てみよう。

この記事のデータ出典

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

文部科学省「学校基本調査 令和6年度」

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

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