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職種ガイド

介護・看護という仕事

人の暮らしを支える人

「おじいちゃん、おばあちゃんのお世話をする仕事」。そんなイメージだけで終わらせるにはもったいない仕事がここにある。無資格・高卒から始められて、資格を取るたびにキャリアが広がっていく。人生の最期まで寄り添える、数少ない仕事を見てみよう。

介護・看護の仕事イラスト
考え中の高校生

この仕事って何?

介護・看護の仕事は、病気や障がい、加齢によって日常生活に支援が必要な人をサポートする仕事です。「きつい」というイメージが先行しがちですが、資格制度がしっかりしていて、キャリアアップの道がはっきり見えるのも大きな特徴です。

POINT 01

生活そのものを支える仕事

食事、入浴、着替え、移動——日常生活のあらゆる場面で支援を行います。「その人らしい生活」を守るために、一人ひとりに合わせたケアを考えます。

POINT 02

介護と看護、2つの入り口

介護職員は日常生活の支援が中心。看護助手は病院で看護師のサポートを行います。どちらも高卒・無資格で始められるポジションがあります。

POINT 03

資格を取るたびにステップアップ

初任者研修→実務者研修→介護福祉士→ケアマネジャーと、段階的に資格を取ることでキャリアも給料も上がっていきます。働きながら取れる資格ばかりです。

こんな人に向いてる

介護・看護の仕事は、特別な能力よりも「人に関わりたい」という気持ちが原動力になります。こんなタイプの人が活躍しています。

  • 人の世話をするのが苦にならない。むしろ好き。
  • おじいちゃん・おばあちゃんと話すのが好き
  • 困っている人を見ると「なんとかしたい」と思う
  • 体を動かす仕事がしたい(デスクワークより動き回りたい)
  • チームで協力して働くのが好き
  • 「ありがとう」と言われるとうれしくなるタイプ

実際に覗いてみよう!

虫眼鏡を持つ高校生

高卒で、なれるの?

ANSWER

なれます。介護職は高卒・無資格でも始められる数少ない専門職です。特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問介護など、活躍の場はたくさんあります。人手不足が深刻な業界なので、求人も豊富です。

POINT 01

厚生労働省の調査によると、医療・福祉業界の高卒初任給は196,900円です。介護職は無資格でも始められますが、介護福祉士の資格を取ると手当がつき、月収が数万円上がるケースが一般的です。処遇改善加算の制度もあり、国をあげて待遇改善が進んでいます。

POINT 02

介護業界の有効求人倍率は3.84倍(厚生労働省 令和5年度)。つまり、1人の求職者に対して約4件の求人があるということ。「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」になれる業界です。就職先に困ることはまずありません。

POINT 03

一方で、医療・福祉業界の高卒3年以内離職率は49.2%と高い水準にあります。体力的な負担、夜勤、人間関係——離職の理由はさまざまですが、職場選びを慎重にすることでかなり防げます。「入りやすい」業界だからこそ、入る前にしっかり見極めることが大切です。

なるためのルート

高卒→介護施設に就職(無資格OK)

特別養護老人ホーム、デイサービス、グループホームなどに就職。無資格・未経験でも採用してくれる施設が多いです。入社後に研修を受けながら仕事を覚えます。

初任者研修→実務者研修→介護福祉士

働きながら段階的に資格を取得。初任者研修(約130時間)→実務者研修(約450時間)→実務経験3年+介護福祉士国家試験。資格手当で収入もアップ。

看護助手として病院に就職→准看護師

病院で看護師のサポート業務から始める道。准看護師養成所(2年間)に通えば、准看護師の資格も取れます。看護の世界に入る入り口のひとつ。

ある1日の流れ

デイサービス(日帰り介護施設)で働く介護職員の1日を紹介します。利用者さんが朝来て夕方帰るまでの間、食事・入浴・レクリエーションなどを一緒に過ごします。

8:30

出勤・準備

施設の清掃、利用者さんの部屋の準備、今日の予定を確認します。

9:00

送迎・お出迎え

送迎車で利用者さんを迎えに行きます。車の中でも体調を確認しながらコミュニケーション。

9:30

健康チェック

体温・血圧を測定。体調の変化がないか観察します。看護師と情報共有。

10:00

入浴介助

利用者さんの入浴をサポート。安全に配慮しながら、リラックスしてもらえるよう声かけします。

11:30

昼食準備・食事介助

食事の配膳、必要な方の食事介助。食べる量や様子を記録します。

12:30

スタッフ昼休み

交代で昼食。午後のレクリエーションの準備をすることも。

13:30

レクリエーション

体操、ゲーム、歌、工作など。利用者さんが楽しめるプログラムを一緒に行います。

15:00

おやつ・自由時間

お茶とおやつの時間。利用者さんとおしゃべりしたり、一緒にテレビを見たり。

16:00

送迎・お見送り

利用者さんをご自宅まで送ります。ご家族に今日の様子を伝えます。

17:00

記録・片付け

介護記録の入力、施設の清掃、明日の準備。チームで情報共有して退勤。

17:30

退勤

デイサービスは日勤中心なので、夜勤がないのが特徴です。

※ デイサービスの例です。入所施設(特養・老健等)は夜勤シフトがあり、1日の流れが異なります。

身につくスキル

介護の仕事を通じて身につくスキルは、どんな仕事にも活きる「人間力」です。介護業界を離れたとしても、一生使えるスキルばかりです。

  • コミュニケーション力——高齢者・家族・医療職との対話。相手に合わせた話し方が自然と身につきます
  • 観察力——「いつもと違う」に気づく力。表情、食欲、動き方の変化を見逃さない目が養われます
  • 体力とボディメカニクス——移乗介助など身体を使う技術。正しい方法を学べば腰を痛めずにできます
  • 記録力・報告力——介護記録の書き方、チームへの報告・連絡・相談。正確に伝える力が身につきます
  • 資格取得(介護福祉士・ケアマネジャー等)——働きながら国家資格を取得。キャリアと収入の幅を広げます

キャリアステップ

介護の仕事は「資格を取るたびにキャリアが広がる」のが最大の特徴です。無資格スタートでも、国家資格を取得すればリーダー、ケアマネジャー、施設長まで目指せます。介護福祉士は国に認められた専門職。キャリアの天井がありません。

STEP 01入社1〜2年目

介護職員(無資格 / 初任者研修修了)

先輩の指導のもと、食事・入浴・排泄の介助を学びます。初任者研修(約130時間)は働きながら取得できます。

年収250〜300万円

STEP 023〜5年目

介護福祉士(国家資格)

実務経験3年+実務者研修を修了すると受験資格を得られます。合格率は約80%。資格手当で月1〜3万円アップ。

年収320〜380万円

STEP 035〜8年目

リーダー / ユニットリーダー

後輩の指導、シフト管理、ケアプランの調整を担当。チームをまとめる立場になります。

年収350〜420万円

STEP 048〜10年目

ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護福祉士として5年以上の実務経験で受験資格を取得。ケアプラン(介護計画)を作成する専門職。デスクワーク中心に。

年収380〜450万円

STEP 0510年目〜

施設長 / 管理者

施設全体の運営・経営に関わるポジション。人材育成、予算管理、地域との連携など。介護の現場を知っているからこそできるマネジメント。

年収450〜600万円

この仕事のリアル

医療・福祉の高卒3年以内離職率は49.2%——約2人に1人が3年以内に辞めている(厚生労働省 令和3年3月卒業者)

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」

体力的な負担は避けて通れません。入浴介助、移乗介助(ベッドから車いすへの移動など)は身体を使う仕事です。正しい技術を学ばないと腰を痛めるリスクがあります。ただし、近年はリフトなどの福祉機器の導入が進み、身体的負担を減らす取り組みが広がっています。

精神的な負担もあります。利用者さんの状態が悪化したり、お看取りを経験したりすることもあります。感情をコントロールしながら仕事を続ける力が求められます。ただ、だからこそチームケアが大切にされていて、一人で抱え込まない体制を作っている施設が増えています。

夜勤がある施設もあります。特別養護老人ホームや病院では夜勤シフトがあります。夜勤手当で収入は上がりますが、生活リズムが不規則になるのは事実です。デイサービスや訪問介護なら日勤のみの働き方も選べます。

それでもこの仕事を続ける人が多いのは、「ありがとう」が毎日聞こえる仕事だから。利用者さんの笑顔、ご家族からの感謝——人の人生に直接寄り添える仕事は、そう多くありません。

介護の職場を選ぶときのチェックポイント

新人研修の内容と期間(いきなり現場に放り出されないか。OJTだけでなく座学研修があるか)

夜勤の体制(1人夜勤か複数人体制か。夜勤の頻度と手当の金額)

離職率と定着率を聞いてみる(情報を隠す施設は避けた方がいい)

資格取得支援制度があるか(受験費用の補助、研修日の勤務扱いなど)

実際に見学して、職員の表情と利用者さんへの接し方を見る(現場の雰囲気は見学でわかる)

先輩たちの「やっててよかった」

介護の現場で働く人たちが感じている「やりがい」を紹介します。

「ありがとう」が毎日聞こえる。利用者さんから直接感謝される仕事は、他にはなかなかありません。

人の人生に寄り添える。その人の生活、歴史、家族のことを知って、最期まで一緒にいられる仕事。

資格を取るたびにキャリアが広がる。無資格から国家資格を取得し、施設長まで上がった人もいます。

「人手不足」が逆にチャンス。求人が多く、転職もしやすい。全国どこでも働ける安定感があります。

介護労働安定センターの調査では、働いている人の36.4%が「利用者の生活改善につながる」ことにやりがいを感じています。

介護労働安定センター 令和5年度介護労働実態調査

この仕事がある業界

介護・看護が活躍できる業界を見てみよう。

この記事のデータ出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年度)」

介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査」

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