医療・福祉で働くということ
「人の役に立ちたい」。その気持ちがそのまま仕事になる業界。高齢化が進む日本で、必要とされ続ける仕事のリアルと、資格を取るたびに広がっていくキャリアの道を見てみよう。


こんなイメージ、持ってない?
「きつくて大変な仕事」でしょ?
給料が安いって聞くけど…
資格がないと働けない?
この仕事、実際に覗いてみよう!

高卒で、入れるの?
入れます。しかも、この業界は人手がまったく足りていません。あなたの力を必要としている現場がたくさんあります。
毎年 5,413人 の高校生が、医療・福祉の世界に飛び込んでいる。
有効求人倍率は 3.84倍。1人に対して約4社が「来てほしい」と手を挙げている状態。つまり、選ばれる側じゃなくて、選ぶ側になれる。
しかも、資格がなくても始められる職種が 15種類以上 ある。働きながら資格を取る道もちゃんとある。
5,413人
年間の高卒就職者
全体の4.21%
3.84倍
有効求人倍率
超売り手市場
15種類+
無資格で就ける職種
入職後に資格取得
資格なしで入れる主な職種
介護職員・介護助手
求人数最多。食事・入浴介助など生活全般をサポート
看護助手
病院で看護師をサポート。ベッドメイク、搬送、備品管理
歯科助手
歯科医院の受付・診療補助。日勤中心で生活リズムが安定
医療事務・調剤事務
病院や薬局の受付・会計。事務系の仕事がしたい人に
どんな仕事がある?
「医療・福祉」と言っても、仕事の内容はさまざま。
介護職員
高齢者や障がいのある方の生活をサポートする。食事・入浴・移動の介助を通じて、日々の暮らしを支える仕事。求人数が最も多い。
医療事務・受付
病院やクリニックの受付、会計、保険請求を担当。医療の現場を裏側から支える。日勤中心で生活リズムが安定しやすい。
看護助手
病院で看護師をサポート。ベッドメイク、搬送、備品管理など、患者さんのそばで働く。看護の世界を知る入口にもなる。
生活支援員・リハビリ助手
障がい者支援施設やリハビリ施設で、利用者さんの生活や運動をサポート。「ありがとう」を直接もらえる仕事。
ある1日の流れ
デイサービスで働く介護職員の、とある1日。
出勤・情報確認
今日来る利用者さんの体調や注意点を確認。お出迎えの準備をする
お迎え(送迎)
利用者さんの自宅まで送迎車でお迎え。「おはようございます」の笑顔から1日が始まる
健康チェック
体温・血圧を測定。「今日の調子はどうですか?」と一人ひとりに声をかける
入浴介助
お風呂のお手伝い。安全に気を配りながら、リラックスしてもらう
昼食
利用者さんに合った食事を提供。食べやすさや量を見守る。職員は交代で休憩
レクリエーション
体操、ゲーム、工作など。みんなの笑顔が一番のやりがい
お見送り(送迎)
送迎車でご自宅へ。ご家族に「今日も元気でしたよ」と様子を伝える
記録・ミーティング
1日の出来事を記録。チームで共有して退勤。「今日も元気でよかった」がいつもの帰り道
※ 施設の種類や勤務形態により異なります
身につくスキル
医療・福祉の現場で働くと、こんな力が身につく。
- コミュニケーション力 — 利用者さん、家族、チームメンバーと接する。「聴く力」「寄り添う力」が磨かれる
- 観察力 — 体調の変化や異変にいち早く気づく力。命を預かる現場で欠かせないスキル
- チームワーク — 医師・看護師・介護士が連携して動く。「報告・連絡・相談」が習慣になる
- 忍耐力と体力 — 立ち仕事が多く、夜勤がある職場も。体力と精神的な強さが育つ
- 資格 — 初任者研修、介護福祉士、ケアマネジャー。働きながら取れる資格が多く、取るたびに給与が上がる
医療・福祉の仕事では「相手の気持ちを理解する力」が特に大切。自分のコミュニケーションタイプを知りたい人は タイプ別・コミュニケーション力の伸ばし方 →
キャリアステップ
基本を覚えながら初任者研修を取得
利用者さんとの接し方、介助の基本技術を学ぶ。初任者研修は働きながら約1〜4か月で取得可能。
介護福祉士に挑戦(国家資格)
実務経験3年+実務者研修修了で受験資格を得られる。合格率78.3%。月給が約6万円アップ。
リーダー・主任として現場をまとめる
シフト管理、ケアプランへの関わり、家族対応。後輩の育成も担う。
ケアマネジャー・管理者・独立
介護福祉士から5年でケアマネ受験資格。施設長や、訪問介護事業の立ち上げの道もある。
資格で変わる月給の目安(常勤)
厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査
この仕事のリアル
医療・福祉業界の高卒3年以内離職率は49.2%。約2人に1人が3年以内に辞めている。これは事実として知っておいてほしい。
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和4年3月卒
離職の一番の理由は「職場の人間関係」(34.3%)。仕事内容そのものよりも、一緒に働く人との関係が合わなかったケースが多い。つまり、どの施設で働くかが、続けられるかどうかを大きく左右する。
一方で、業界全体の離職率は改善傾向にある(2012年度17.0% → 2023年度13.1%)。処遇改善加算により給与は毎年上がっており、2024年度は基本給が前年比+4.6%上昇している。「以前はきつかった」けど、今は変わりつつある業界でもある。
会社・施設を選ぶときの見極めポイント
職場見学で「スタッフの表情」を見る(笑顔があるか、余裕がありそうか)
資格取得支援制度があるか(費用負担・勉強時間の確保・先輩の取得実績)
処遇改善加算を取得しているか(給与に直結する制度)
先輩スタッフの勤続年数を聞く(長い人が多いほど働きやすい証拠)
先輩たちの「やっててよかった」
厳しさがある。それでも医療・福祉の現場で働き続ける人たちには、理由がある。
「利用者さんの生活が良くなった」とき。働く人の36.4%が、これを一番のやりがいに挙げている。
(介護労働安定センター 令和5年度調査)
「ありがとう」を直接もらえる仕事は、そう多くない。名前を覚えてもらい、待っていてもらえる。それが毎日の仕事になる。
若い職員ほど「成長を実感できる」「仕事が楽しい」と感じる傾向がある。21.7%が「自分が成長している実感」をやりがいに挙げた。
(介護労働安定センター 令和5年度調査)
この記事のデータ出典
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
文部科学省「学校基本調査 令和6年度」
介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」
マイナビ介護職「介護職のデイサービスの主な仕事内容は?」



