保育士という仕事
子どもの成長に寄り添い、未来をつくる人
子どもたちの笑い声に囲まれて働く。遊び、食事、お昼寝。「先生、見て!」と目を輝かせる子どもの成長を間近で見られる仕事。人手不足で国も処遇改善に力を入れており、これからますます価値が上がる仕事。


この仕事って何?
保育士とは、保育園や認定こども園で、0歳から小学校入学前の子どもたちの保育を行う専門職です。ただ「預かる」だけでなく、遊び・食事・生活習慣を通じて子どもの心と体の発達を支える仕事。国家資格が必要ですが、高卒からでも目指せるルートがあります。
保育園での保育 — 子どもの「毎日」を支える
登園から降園まで、遊び・食事・お昼寝・おやつ。子どもの年齢に合わせた活動を計画し、安全に過ごせる環境をつくります。
行事の企画・運営 — 思い出をつくる
運動会、発表会、遠足、季節のイベント。子どもたちが楽しみながら成長できる行事を企画・運営します。
保護者との連携 — 家庭と園をつなぐ
連絡帳の記入、保護者面談、子育ての相談。保護者の不安に寄り添い、一緒に子どもを育てるパートナー。
こんな人に向いてる
- 子どもが好きな人。これが一番大事な素質
- 体力がある人。子どもと全力で遊ぶには体力が必要
- 観察力がある人。子どもの小さな変化に気づける力
- 忍耐力がある人。思い通りにならない場面も多い
- コミュニケーションが得意な人。子ども・保護者・同僚との関わりが多い
実際に覗いてみよう!

高卒で、なれるの?
高卒から直接保育士にはなれませんが、養成校(2年)または実務経験で資格取得が可能です。
保育士の有効求人倍率は 3.54倍。全職種平均の1.35倍を大きく上回っており、保育士は引く手あまたの状態です。
保育士の平均月給は 277,200円。国が2024〜2025年に人件費10.7%の大幅引き上げを行い、さらに2026年から約5.3%の追加引き上げを実施しています。
ただし、保育士資格を持っていても 約30% が保育の仕事に就かない「潜在保育士」の問題があり、職場環境の改善が急務となっています。
3.54倍
保育士の有効求人倍率
全職種平均の2.6倍
277,200円
保育士の平均月給
処遇改善で上昇中
10.7%
国の人件費引き上げ
2024-2025年
なるためのルート
高卒 → 保育士養成校(専門学校2年)→ 保育士
最も確実なルート。養成校を卒業すれば試験なしで保育士資格を取得。卒業後すぐに保育園で働ける。
高卒 → 保育補助として勤務 → 保育士試験
保育園で保育補助として2年以上の実務経験を積むと、保育士試験の受験資格が得られる。働きながら資格取得。
高卒 → 短大・大学(保育科)→ 保育士+幼稚園教諭
保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が取れる。認定こども園での勤務にも対応できる。
ある1日の流れ
保育園で働く保育士、3年目のある1日を紹介します。
出勤・受け入れ準備
教室の換気、おもちゃの準備。早番の場合は7時から登園する子どもを受け入れ
登園・自由遊び
保護者から子どもを預かり、健康チェック。連絡帳を確認して体調を把握
朝の会・設定保育
歌やあいさつの後、年齢に合わせた活動。制作、外遊び、リズム遊びなど
昼食
給食の配膳と食事の見守り。食べ方やマナーも伝える大切な時間
お昼寝
寝かしつけと午睡チェック(呼吸確認)。この間に連絡帳の記入や会議
おやつ・自由遊び
おやつの後は自由遊び。お迎えの時間まで安全に過ごせるよう見守る
降園・保護者対応
お迎えの保護者に今日の様子を伝える。「こんなことができました」と成長を共有
片付け・退勤
教室の清掃、翌日の準備、事務作業を済ませて退勤
※ 早番・遅番のシフト制が一般的。延長保育がある園は遅番が19時頃になることも
身につくスキル
保育士として身につく力は、子どもに関わる仕事だけでなく、あらゆる場面で役立ちます。
- 観察力 — 子どもの小さな変化(体調・感情・発達)に気づく力。どの仕事でも活かせる
- コミュニケーション力 — 子ども・保護者・同僚。多様な人と信頼関係を築く力
- 計画力 — 年間行事、月案、週案、日案。目標を立てて実行する力
- 臨機応変さ — 子どもは予定通りにいかない。その場で最善の判断を下す力
- 忍耐力・感情コントロール — 子どもに怒りをぶつけない。感情を管理する力
- 資格 — 保育士資格(国家資格)、幼稚園教諭免許、チャイルドマインダーなど
キャリアステップ
保育士のキャリアは「経験年数」と「役職」で上がっていきます。担任→主任→副園長→園長と、ステップアップの道が明確。処遇改善加算により、経験に応じた手当も増えています。
保育士の資格があれば、児童養護施設、病児保育、企業内保育所など、保育園以外の活躍の場も広がります。
担任保育士
クラスの担任として、日々の保育を担当。先輩の指導を受けながら保育計画を立てる。
月収20〜24万円
中堅保育士
後輩の指導や行事の中心メンバーに。保護者対応にも慣れ、頼られる存在に。
月収24〜28万円
主任保育士
園全体の保育方針を調整し、職員のまとめ役に。園長の右腕として運営にも関わる。
月収28〜35万円
園長 or 専門職
園長として園の経営に携わるか、子育て支援センターなど専門的なポジションで活躍。
月収35〜45万円以上
この仕事のリアル
保育士資格を持つ人の約 30% が保育の仕事に就いていません(潜在保育士)。理由は「給与が低い」「責任が重い」「体力的にきつい」。国は改善に動いています。
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
保育士の仕事は 「子どもが好き」だけでは続かないのが現実です。保護者対応、行事の準備、書類作成。子どもと遊ぶ以外の業務も多く、持ち帰り仕事がある園もあります。
また、命を預かる責任の重さは大きいです。アレルギー対応、午睡中の事故防止、感染症対策。常に緊張感を持って働く必要があります。
一方で、国の処遇改善は着実に進んでいます。2024-2025年の10.7%引き上げに加え、2026年からさらに5.3%の追加引き上げ。保育士の待遇はこれからも上がり続ける見通しです。
会社を選ぶときの見極めポイント
持ち帰り仕事の有無と残業時間を確認する
職員の人数と子ども一人あたりの保育士配置基準
処遇改善加算の適用状況(園によって異なる)
養成校を選ぶ際は、就職率と実習先の質を確認
先輩たちの「やっててよかった」
「せんせい、だいすき!」。この言葉に、全部が報われる。
昨日できなかったことが今日できるようになった瞬間。子どもの成長を一番近くで見られる特別な仕事。
卒園式で子どもたちが「ありがとう」と言ってくれたとき。自分が関わった時間が、この子の人生の一部になっている。
保護者から「先生がいてくれて安心して働けます」と言われたとき。保育士は子どもだけでなく、家族の生活も支えている。
この仕事がある業界
保育士が活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「保育士の有効求人倍率」(2024年1月時点)
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」





