マーケターという仕事
売れる仕組みを考える人
「なんでこの商品が売れてるんだろう?」「どうすればもっと知ってもらえるんだろう?」——そんなことを考えるのがマーケターの仕事。広告を出すだけじゃない。データを読んで、人の心を動かす「売れる仕組み」をつくる。高卒からでも始められる道がある。


この仕事って何?
マーケターは、商品やサービスが「必要な人に届く仕組み」を考えるプロです。広告を作る人だと思われがちですが、実際にはもっと幅広い仕事です。データを分析し、お客さんの行動を読み解き、最適な方法で情報を届けます。
「売れる仕組み」を設計する仕事
商品を作るだけでは売れません。誰に、どこで、どうやって届けるかを考えるのがマーケターの役割です。SNS、Web広告、メール、店頭——あらゆるチャネルを組み合わせて「買いたい」と思ってもらう導線を設計します。
データと感覚の両方を使う
アクセス数、購入率、広告のクリック率——数字で成果を測定しながら、「こういう言葉が刺さるんじゃないか」という感覚も大事にします。理系的な分析力と文系的な発想力の両方を使う仕事です。
Webマーケティングが今の主戦場
SNS広告、検索エンジン対策(SEO)、動画マーケティング、メールマーケティングなど、デジタル領域のマーケティングが急成長しています。パソコン1台で始められるため、高卒から挑戦しやすい分野です。
こんな人に向いてる
マーケティングの仕事は「なぜ売れるのか」を考え続ける仕事です。こんなタイプの人はマーケターとして力を発揮できるかもしれません。
- SNSが好きで、流行の移り変わりに敏感
- 「なんでこれが売れてるんだろう?」と考えるのが好き
- 数字やデータを見るのが苦にならない
- 好奇心旺盛で、新しいことをすぐ試してみたいタイプ
- 文章を書いたり、キャッチコピーを考えたりするのが好き
- 人がどう行動するかに興味がある
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高卒で、なれるの?
なれます。高卒でマーケティング職に就く道はあります。最初から「マーケター」という肩書きで入社するケースは少ないですが、販売職やSNS運用担当からスタートして、マーケティングの世界に進む人が多いです。現場でお客さんの反応を肌で感じた経験は、マーケターにとって最大の武器になります。
厚生労働省の調査によると、卸売業・小売業の高卒初任給は193,400円です。販売職からキャリアをスタートし、本部のマーケティング部門に異動するルートが現実的です。EC企業やWeb系企業であれば、最初からWebマーケティング担当として採用されるケースもあります。
IT・Web業界は人手不足が続いており、経済産業省の調査ではIT市場規模が2019年から2030年にかけて約125%に成長すると予測されています。Webマーケティングの需要はこの成長に伴い、ますます拡大しています。Google AnalyticsやSNS広告の運用スキルがあれば、学歴に関係なく評価される世界です。
マーケティングの世界は「実績」がものを言います。「このSNSアカウントのフォロワーを何人増やした」「この広告でコンバージョン率を何%改善した」——こうした数字で語れる成果が、次のキャリアを切り開く鍵になります。副業やフリーランスとして独立する人も増えている分野です。
193,400円
高卒初任給(卸売業・小売業)
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査
125%
IT市場成長率(2019→2030)
経済産業省 IT人材需給に関する調査
47.5%
卸売・小売 3年以内離職率
厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況
なるためのルート
高卒→小売の販売職→本部マーケティング部門
アパレルや家電量販店などの販売職からスタートし、売上データの分析や販促企画の経験を積む。店舗での接客経験が「お客さんが何を求めているか」を肌で理解する力になります。本部異動を目指してキャリアを広げるルート。
EC企業のWebマーケティング担当
楽天やAmazonなどのECモールで出店している企業のマーケティング担当として入社。商品ページの作成、広告運用、データ分析を実務で学びます。Webマーケティングの基礎を一通り身につけられるルート。
SNS運用担当からスタート
企業のSNSアカウントの運用担当として採用される。投稿の企画・作成、フォロワーとのコミュニケーション、効果測定を担当。SNS好きを仕事にできるうえ、マーケティングの基本的な考え方が自然と身につきます。
ある1日の流れ
EC企業のWebマーケティング担当1年目の1日を紹介します。データを見ながら施策を考え、実行し、また数字を確認する——この繰り返しが基本です。
出社・数値チェック
前日のアクセス数、売上、広告の成果をダッシュボードで確認。異変がないかチェックします。
朝ミーティング
チームで数字の共有と今週の施策の進捗確認。「この広告のクリック率が下がっている」などの課題を共有します。
SNS投稿の作成
今日のSNS投稿の文章と画像を作成。「どんな言葉がターゲットに刺さるか」を考えながら書きます。
広告の運用・調整
Google広告やSNS広告の配信結果を確認し、予算配分やターゲティングを調整します。
昼休み
競合他社のSNSやWebサイトをチェックする人も多いです。トレンドの情報収集もマーケターの日常。
データ分析・レポート作成
Google Analyticsで流入経路や購入導線を分析。どのページで離脱が多いかなど、改善点を見つけます。
キャンペーン企画の打ち合わせ
来月のキャンペーンの企画を先輩と一緒に考えます。ターゲット設定、訴求ポイント、予算を詰めていきます。
メルマガ・LP作成
メールマガジンの文面やランディングページのテキストを作成。「どう書けばクリックしてもらえるか」を考えます。
振り返り・翌日の準備
今日の成果と翌日のタスクを整理。週次レポートの数字もまとめておきます。
退社
キャンペーン期間中は忙しくなりますが、普段はメリハリをつけて働ける職場が多いです。
※ EC企業の例です。広告代理店やメーカーのマーケティング部門では業務内容が異なります。
身につくスキル
マーケティングの仕事を通じて身につくスキルを紹介します。どれも今の時代に求められる力ばかりです。
- データ分析力——Google Analyticsや広告管理ツールを使って、数字から「何が起きているか」を読み解く力
- SNS運用スキル——投稿企画、フォロワー獲得、エンゲージメント向上。プラットフォームごとの特性を理解する力
- 文章力・コピーライティング——「読まれる」「クリックされる」「買いたくなる」文章を書く力。マーケターの武器のひとつ
- 企画力——誰に、何を、どう届けるかを考え、施策として形にする力。アイデアを「実行可能なプラン」に落とし込みます
- ツール操作(Google Analytics、SNS広告管理、メール配信ツールなど)——デジタルマーケティングに不可欠なツール群を使いこなす力
キャリアステップ
マーケターのキャリアは実績次第で大きく広がります。最初はアシスタントとして先輩のサポートから始まりますが、自分の施策で成果を出せるようになると、どんどん任される範囲が広がっていきます。独立やフリーランスへの道も開かれている職種です。
マーケティングアシスタント
先輩の指示のもと、データ入力、SNS投稿、レポート作成などを担当。マーケティングの基本用語と考え方を実務で学びます。
年収250〜300万円
マーケティング担当者
担当チャネル(SNS、Web広告、メールなど)を持ち、施策の企画から実行、効果測定までを一人で回せるようになります。
年収350〜450万円
マーケティングリーダー / チームリーダー
チーム全体のマーケティング戦略を設計し、メンバーをまとめるポジション。予算管理や経営層への報告も担います。
年収450〜600万円
マーケティングマネージャー / CMO / 独立
事業全体のマーケティング責任者として戦略を統括する道、またはフリーランスとして複数のクライアントを支援する道もあります。
年収600〜900万円以上
この仕事のリアル
卸売業・小売業の高卒3年以内離職率は47.5%(厚生労働省 令和3年3月新規高卒就職者の離職状況)
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
マーケティングの仕事で一番厳しいのは、数字で結果が出ることです。アクセス数、クリック率、コンバージョン率——全て数字で可視化されるため、「頑張ったのに成果が出ない」という現実と向き合わなければなりません。感覚的に「良いものを作った」だけでは評価されない世界です。
また、トレンドの移り変わりが非常に速いのも特徴です。昨日まで効果があった手法が今日は通用しない、ということが日常的に起きます。SNSのアルゴリズム変更、新しい広告プラットフォームの登場——常に勉強し続ける必要があります。
それでも多くのマーケターが続けている理由は、自分の施策で売上が動く実感があるから。「この広告を変えたら売上が1.5倍になった」「SNSの投稿がバズって問い合わせが殺到した」——自分のアイデアと行動がビジネスの成果に直結する。そのダイナミックさがこの仕事の最大の魅力です。
マーケティング系の会社を選ぶときのチェックポイント
未経験者への研修制度があるか(いきなり「やっておいて」ではなく、体系的に教えてもらえるか)
どんなツールを使っているか(Google Analytics、広告管理ツールなど、業界標準のツールに触れる環境か)
数字の目標設定が現実的か(無理なKPIを押し付けてこないか、成長過程を理解してくれるか)
社内にマーケティングの経験者がいるか(聞ける先輩がいないと成長が難しい)
先輩たちの「やっててよかった」
マーケティングの仕事で感じるやりがいを紹介します。
自分の施策で売上が伸びたとき、数字として目に見える成果が出る。「自分がやったことに意味があった」と実感できる。
クリエイティブと数字の両方を使える仕事。「面白い企画を考える」と「データで効果を検証する」の両方ができるのはマーケターならでは。
スキルがどの業界でも通用する。IT、小売、食品、不動産——マーケティングが不要な業界はありません。転職にも独立にも強い。
世の中のトレンドに常に触れていられる。「次に何が来るか」を考え続ける仕事は、好奇心が強い人にとって最高の環境。
この仕事がある業界
マーケターが活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
経済産業省「IT人材需給に関する調査(2019年)」
文部科学省「学校基本調査」



