山梨県の高校生数推移と2050年予測|15-19歳人口半減時代の高卒採用戦略
国勢調査・将来推計人口データに基づく最新分析
山梨県の15〜19歳人口は1990年の65,121人から2025年推計で35,514人へと半分近くまで減りました。令和8年3月の高校卒業者6,912人のうち就職を希望したのは773人(約11%)だけ。この数字は今後さらに減ります。「来年も同じように採れるだろう」という前提は成り立ちません。このページのデータは、社内で「なぜ今すぐ高卒採用に本気で取り組むべきか」を説得するための材料です。
山梨県は富士山の麓に精密機器・ロボット産業が集積する「ものづくり県」ですが、人口減少の波は着実に押し寄せています。総人口はピーク時の約890,000人(2000年)から801,056人(2025年1月)へと11.2%減少し、65歳以上人口は30.8%に達しました。高卒採用市場にとって最も重要な15-19歳人口は、1990年の65,121人から2025年推計で35,514人へと半分近くまで減少。この構造的な若年人口の減少が、求人倍率4.03倍(令和8年3月卒・過去最高)を押し上げる最大の要因です。
1. 15-19歳人口の推移(1990年〜2045年推計)
山梨県の15-19歳人口は、1990年をピークに一貫して減少を続けています。2020年の39,905人から2045年の23,123人へ、25年間でさらに約42%が失われる見通しです(国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計)。
| 年 | 15-19歳人口 | ピーク比 | 前回比 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1990年 | 65,121人 | — | — | ピーク(第二次ベビーブーム世代) |
| 2000年 | 52,159人 | -19.9% | -12,962人 | 少子化の影響が顕在化 |
| 2010年 | 45,018人 | -30.9% | -7,141人 | 減少ペースはやや鈍化 |
| 2020年 | 39,905人 | -38.7% | -5,113人 | 国勢調査(不詳補完値・社人研推計の基準) |
| 2025年推計 | 35,514人 | -45.5% | -4,391人 | 社人研 令和5年推計 |
| 2030年推計 | 31,704人 | -51.3% | -3,810人 | 社人研 令和5年推計 |
| 2035年推計 | 28,200人 | -56.7% | -3,504人 | 3万人割れの見通し |
| 2040年推計 | 24,067人 | -63.0% | -4,133人 | ピーク時の約1/3強 |
| 2045年推計 | 23,123人 | -64.5% | -944人 | 減少ペース鈍化も低水準が固定化 |
表1:山梨県 15-19歳人口の推移と将来推計
1990年
ピーク(第二次ベビーブーム世代)
2000年
少子化の影響が顕在化
2010年
減少ペースはやや鈍化
2020年
国勢調査(不詳補完値・社人研推計の基準)
2025年推計
社人研 令和5年推計
2030年推計
社人研 令和5年推計
2035年推計
3万人割れの見通し
2040年推計
ピーク時の約1/3強
2045年推計
減少ペース鈍化も低水準が固定化
出典:国勢調査(1990〜2020年。2020年は不詳補完値)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」(2025〜2045年)、ecitizen人口推移
35年間で約3分の1に
1990年に65,121人いた山梨県の15-19歳人口は、2025年推計で35,514人と半分近くまで減りました。2045年推計では23,123人まで減少し、ピーク時の約3分の1になります。この数字は「確定した未来」であり、今から対策を打たなければ高卒採用は年を追うごとに困難になっていきます。
2. 山梨県の総人口推移と高齢化の進行
山梨県の総人口は2000年の約890,000人をピークに減少に転じ、2025年1月時点で801,056人です。65歳以上人口の割合は30.8%に達しており、全国平均(約29%)を上回るペースで高齢化が進行しています。
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 総人口(2025年1月) | 801,056人 | 2000年ピーク(約890,000人)から-11.2% |
| ピーク時人口 | 約890,000人(2000年) | 以降一貫して減少 |
| 65歳以上割合 | 30.8% | 全国平均(約29%)を上回る |
| 2050年見通し | 611,586人(現在の約3/4) | 国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計 |
表2:山梨県の総人口と高齢化率
総人口(2025年1月)
801,056人
2000年ピーク(約890,000人)から-11.2%
ピーク時人口
約890,000人(2000年)
以降一貫して減少
65歳以上割合
30.8%
全国平均(約29%)を上回る
2050年見通し
611,586人(現在の約3/4)
国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計
山梨県の人口構造が示す未来
総人口-11.2%(ピーク比)
65歳以上30.8% / 15-19歳は半減
労働力の世代交代が追いつかず、採用難は構造的・長期的な課題
3. 高校データと就職市場の現状
山梨県内の高校から就職市場に出てくる人材の「実数」を把握することは、採用計画を立てるうえで不可欠です。令和8年3月の卒業者6,912人のうち、実際に就職を希望したのは773人(約11%)です。
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 高校数 | 40校 | 公立29校・私立11校 |
| 生徒数 | 20,705人 | 3学年合計 |
| 入学者数 | 6,928人 | 1学年あたりの入学者 |
| 求職者数(就職希望者数) | 773人 | 卒業者6,912人の約11%(令和8年3月末) |
| 就職決定者数 | 763人 | 就職内定率98.7%(令和8年3月末) |
| 未内定者数 | 10人 | 令和8年3月末 |
| 県内就職率 | 86.0% | 令和7年3月卒(学校基本調査) |
表3:山梨県の高校・就職データ
高校数
40校
公立29校・私立11校
生徒数
20,705人
3学年合計
入学者数
6,928人
1学年あたりの入学者
求職者数(就職希望者数)
773人
卒業者6,912人の約11%(令和8年3月末)
就職決定者数
763人
就職内定率98.7%(令和8年3月末)
未内定者数
10人
令和8年3月末
県内就職率
86.0%
令和7年3月卒(学校基本調査)
出典:山梨労働局「令和8年3月新規高等学校卒業者の就職内定状況(令和8年3月末現在)」、文部科学省「学校基本調査」令和7年度
就職希望者 773人の意味
卒業者6,912人に対して就職を希望したのは773人、わずか約11%です(山梨労働局・令和8年3月末)。大学進学率の上昇により、就職市場に供給される高校生は年々減少しています。求人数3,114人に対して求職者773人という需給ギャップは、この「就職を選ぶ高校生自体の減少」が最大の要因です。求人倍率の上昇は、企業努力だけでは覆せない構造的な問題を内包しています。
4. 少子化が高卒採用に与える3つの影響
影響1:「応募ゼロ」の企業が増加する
令和8年3月末時点で、求人を出した事業所790社に対して求職者は773人。単純計算では1社あたり1人にも満たない状況です。実際には人気企業に応募が集中するため、求人票を出しても1件も応募が来ない企業が相当数存在します。99人以下の中小企業の求人事業所が令和7年3月末に前年比5.7%減、令和8年3月末も3.1%減と減り続けている背景には、この「応募ゼロ」体験が企業の採用意欲を削いでいる実態があります。
影響2:大手メーカーとの競争がさらに激化
ファナック(約4,800人)、東京エレクトロンTS(約2,100人)といった世界的メーカーが県内に本社・主力工場を構えています。限られた就職希望者の中から、知名度・給与水準・福利厚生で優位に立つ大手との競争は、少子化の進行とともに中小企業にとって一層厳しくなります。
影響3:技術継承の断絶リスク
山梨県は製造業従業者割合が全国1位であり、甲府の宝飾研磨技術や富士北麓の精密加工技術など、長年にわたって蓄積されてきた「職人技」が産業の基盤です。若手人材が入らなければ、この技術の継承が途絶えるリスクがあります。5年後・10年後に技術者の高齢化が本格化する前に、計画的な採用と育成の仕組みを作る必要があります。
山梨県の現状
求人3,114人 vs 求職者773人(令和8年3月末)
中小企業の「応募ゼロ」リスクが拡大中
5. 2030年に向けた企業の対策
2030年には15-19歳人口が31,704人(2025年推計比-10.7%)、2035年には28,200人まで減少する見通しです(国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計)。就職を希望する高校生も減る方向にあり、「今年たまたま人が採れなかった」ではなく、構造的な減少を前提とした中長期的な対策が必要です。
学校との関係を「年単位」で構築する
山梨県の高校は40校(公立29・私立11)。求人票を送るだけでは埋もれます。工業系・商業系の高校を中心に、インターンシップ・出前授業・工場見学を通じて高校1〜2年生から企業の存在を認知してもらうことが、3年生の「指名」につながります。
職場見学の質を「採用イベント」レベルに引き上げる
高校生が企業を選ぶ最大の判断材料は職場見学です。先輩社員(特に高卒入社の若手)との座談会、実際の作業体験、休憩室・食堂の紹介など、「ここで働きたい」と思わせる体験設計が必要です。
大手と戦わない土俵を作る
ファナック・東京エレクトロンと正面から給与・知名度で競っても勝てません。「少人数だから早く責任ある仕事を任される」「社長との距離が近い」「地元の仲間と一緒に働ける」など、中小企業だからこそ提供できる価値を明確に言語化しましょう。
定着率向上が最大の採用施策
高卒入社の先輩が3年・5年と活躍している企業は、後輩の高校生にとって最強のPRです。メンター制度・キャリアパスの明示・資格取得支援など、「辞めない仕組み」は翌年以降の採用母数を増やします。
保護者向けの情報発信を強化する
高校生の就職先選びには保護者の影響が大きく、内定辞退の約30%が保護者の反対によるものです。企業ホームページ・SNSで「安心して働ける職場」を保護者にも伝える発信が、応募率と内定承諾率の両方を高めます。
6. よくある質問
Q. 山梨県の15-19歳人口は今後どうなりますか?
A. 2025年推計35,514人から2030年には31,704人(-10.7%)、2040年には24,067人(-32.2%)、2045年には23,123人まで減少する見通しです(国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計)。ピーク時(1990年65,121人)の約3分の1になります。
Q. 山梨県の高校生で就職するのは何人ですか?
A. 令和8年3月の高校卒業者6,912人のうち求職者(就職希望者)は773人(約11%)です。3月末時点で就職決定者763人、未内定者10人で、最終内定率は98.7%と高水準です(山梨労働局)。
Q. 山梨県の高校数はいくつですか?
A. 公立29校・私立11校の計40校です。入学者数は6,928人です。
Q. 2050年に山梨県の人口はどうなりますか?
A. 総人口は611,586人と、現在の約3/4まで減少する見通しです(国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計)。2025年1月時点の801,056人から、ピーク時(2000年約890,000人)からの減少が加速します。
Q. 少子化時代に中小企業が高卒採用で勝つには?
A. 学校との早期関係構築、職場見学の質向上、大手にない魅力の言語化、定着率向上、保護者向け情報発信の5つが柱です。「求人票を出して待つだけ」の時代は終わっています。
7. まとめ|「確定した未来」に今から備える
山梨県の人口減少と15-19歳人口の半減は、統計的に「確定した未来」です。2035年には15-19歳人口が3万人を割り込み(28,200人・社人研推計)、就職を希望する高校生も減る方向です。
- 人口データに基づく中長期計画:「今年は運が悪かった」ではなく、5年後・10年後の人口推計を前提とした採用計画を立てましょう。
- 学校との関係構築が最重要:40校の高校に対して790社が求人を出しています(令和8年3月末)。早期からの信頼関係が「選ばれる企業」への第一歩です。
- 採用と定着は一体:今いる若手社員の定着率が、来年の採用結果を左右します。採用と定着を別々に考えてはいけません。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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