島根県の若者流出とUターン採用戦略

県内就職希望率83%(前年-4pt)の高卒人材を確保する方法

島根県の高卒採用市場は、県内就職希望率83%と地元志向がある一方、この数字は前年から4ポイント低下しており、じわじわと県外流出が進んでいます。さらに深刻なのが構造的な流出問題です。大学進学を希望する高校生が年間約2,700人いるのに対し、県内大学の定員は約1,600人。約1,100人が県外の大学に進学せざるを得ない構造になっています。

人口約63万人(64万人割れ)、15-19歳が28,720人(20年で34%減)という島根県で、企業はどのように若者の流出を食い止め、Uターン人材を呼び戻せばよいのでしょうか。本記事では、島根県特有の流出構造を分析し、UIターン移住支援金(世帯100万円)・ふるさと島根定住財団などの支援制度の活用法と、実効性のある採用戦略を解説します。

83%
県内就職希望率
前年から4pt低下
3.27倍
高卒求人倍率
過去最高を更新
約63万人
県人口
64万人を割り込む
34%減
15-19歳人口
20年間で28,720人に

1. 島根県の若者流出の実態データ

島根県は「たたら製鉄」の伝統から続く特殊鋼産業(プロテリアル安来製作所)、電子機器(島根富士通)、電子部品(パナソニックインダストリー)、センサー(日本セラミック)など製造業の集積がある一方、県全体の人口減少は全国で最も深刻な水準にあります。高卒者の就職先は県内に一定数あるものの、大学進学時の構造的流出が企業の将来的な人材パイプラインを細くしています。

構造的流出:大学定員のミスマッチ

島根県の最大の課題は、大学進学希望者と県内大学定員の著しい不均衡です。大学進学を希望する高校生が年間約2,700人いるのに対し、県内大学(島根大学・島根県立大学など)の定員は約1,600人にとどまります。差し引き約1,100人が県外大学に進学し、卒業後にそのまま県外で就職するケースが多く、これが島根県の人口流出の最大の要因です。

県内就職希望率83%の意味

高卒就職者に限ると県内就職希望率は83%あり、地元で働きたい高校生は一定数います。しかし、この数字は前年から4ポイント低下しています。高卒就職者自体の絶対数が減少する中、県外志向の高まりは二重の打撃です。

島根県の若者流出に関するデータ
項目数値備考
県内就職希望率83%前年から4pt低下傾向
求人倍率3.27倍過去最高(求人数2,695件)
就職率(中国地方)98.8%就業意欲は高い
県人口約63万人64万人を割り込む
15-19歳人口28,720人20年で34%減
大学進学希望者/年約2,700人県内大学定員は約1,600人

ポイント:島根県の「三重苦」を正しく理解する

島根県の採用課題は3つの構造的問題が重なっています。(1) 大学定員不足による進学時の県外流出、(2) 15-19歳人口の20年で34%減という絶対数の減少、(3) 県内就職希望率の低下傾向(83%、前年-4pt)。この三重苦に対し、高卒採用の段階で確保できる人材を逃さないことが、企業にとって最優先の課題です。

2. 県内人口移動パターン:東西格差と広域分散の実態

島根県は東西に約230kmと細長く、松江市・出雲市の東部、浜田市・益田市の西部で、人口動態や産業構造が大きく異なります。この東西格差が、地域ごとの採用環境の違いを生んでいます。

東部(松江・安来・出雲):大手集積地域

松江市・安来市・出雲市にはプロテリアル安来製作所・島根富士通・日本セラミックなど大手製造業の主力工場が集中しています。高卒求人数も多い一方、大手との人材獲得競争が激しい地域です。県庁所在地の松江市には商業・サービス業の求人も多く、若者にとっては選択肢が豊富です。

西部(浜田・益田・江津):深刻な過疎と限られた選択肢

浜田市・益田市・江津市などの石見地方は、人口減少が特に深刻です。高卒求職者の絶対数が少なく、若者が広島県方面に流出するケースが目立ちます。水産業・林業・中小製造業が中心で、求人の多様性で東部に劣ることが流出の一因です。

島根県内の主な人口移動パターン
流出元エリア流出先主な要因影響を受ける業種
石見西部(益田・津和野)広島県・山口県都市部への近さ・商業施設・娯楽水産加工・林業・中小製造業
石見東部(浜田・江津・大田)松江市・出雲市・広島県求人の多様性・生活利便性水産業・建設業・中小サービス業
出雲地域(雲南・奥出雲)松江市・出雲市通勤距離・求人の豊富さ農林業・中小製造業・観光業
県全域(大学進学時)広島・大阪・東京・岡山大学定員不足(約1,100人が県外へ)全業種(Uターン採用の対象)

企業への影響:求人倍率3.27倍時代の人材確保

15-19歳が20年で34%減、県内就職希望率も83%に低下する中、高卒求人倍率は3.27倍と過去最高を更新しています。特に西部地域の中小企業は、限られた人材の奪い合いが年々厳しくなっています。「東部にも西部にも行きたくない」若者が県外に出てしまう前に、自社の魅力を届ける必要があります。

3. Uターン採用戦略:充実した支援制度を活用して若者を呼び戻す

高卒者の県内就職希望率が83%ある一方、大学進学時に約1,100人が県外へ流出します。この層を卒業後にUターンで呼び戻すことは、島根県の企業にとって極めて重要な採用チャネルです。島根県はUIターン支援制度が充実しており、これを最大限活用しましょう。

ステップ1:Uターン希望者の発掘

島根県出身の大学生は「いつか島根に帰りたい」と考えている人が少なくありません。特に広島・大阪・東京の大学に進学した島根県出身者をターゲットに、県外大学のキャリアセンターへの求人票送付、ふるさと島根定住財団が主催するUIターンフェアへの参加、帰省シーズン(お盆・年末年始・GW)に合わせた採用イベント開催が有効です。

ステップ2:オンライン選考フローの整備

県外在住の求職者にとって、面接のたびに島根県まで戻るのは大きな負担です。一次面接はオンライン、最終面接のみ対面とするなど、柔軟な選考フローを整備しましょう。就活応援助成金(交通費・宿泊費9万円まで全額補助)の案内も忘れずに伝えましょう。

ステップ3:地元の生活コストの優位性をアピール

東京・大阪と比較した場合、島根県は生活コストが格段に低く、特に家賃は大きな差があります。「島根なら手取り18万円でも東京の手取り25万円以上の暮らし」「マイカー通勤で満員電車のストレスなし」「自然豊かな環境で子育てにも最適」など、具体的な生活メリットを数値で提示しましょう。

ステップ4:充実したUIターン支援制度の活用

島根県はUIターン支援制度が充実しています。これらの制度を求人情報に組み込み、Uターンの経済的なハードルを下げることが重要です。

支援制度内容対象
UIターン移住支援金世帯100万円、単身60万円東京23区に在住/通勤(移住前10年のうち通算5年以上)
就活応援助成金交通費・宿泊費9万円まで全額補助県内外の大学生等
ふるさと島根定住財団ジョブカフェしまね・無料職業紹介・産業体験島根県で就職を希望する方
しまね若者サポートステーション就職支援(松江・出雲・浜田)15-49歳の求職者

活用のヒント:ふるさと島根定住財団をフル活用する

ジョブカフェしまね:若者の就職活動を無料でワンストップ支援。企業側も求人情報の掲載・相談が可能です。

無料職業紹介事業:ハローワークとは別ルートでの人材マッチングが可能。UIターン希望者とのマッチングに強みがあります。

産業体験プログラム:UIターン希望者に島根県での仕事と暮らしを体験してもらうプログラム。採用前の「お試し」として活用できます。

4. 地元定着のための企業施策5選

高卒で地元就職した若者を長期的に定着させるためには、入社後の施策が重要です。島根県では一度離職して県外に出てしまうと、戻ってくるハードルが非常に高くなります。「辞めさせない」ことが「採用する」こと以上に重要です。

1

待遇の継続的な改善と見える化

初任給だけでなく、昇給カーブや賞与実績を明確に開示しましょう。「3年後にはこのくらい」「5年後にはこのポジション」というキャリアパスを具体的に示すことで、県外企業への転職を思いとどまらせる力になります。島根県の生活コストの低さは、手取りの「豊かさ」をアピールする武器です。

2

働きやすさの改善(休日数・残業管理)

Z世代の若者は「給与」と同等以上に「ワークライフバランス」を重視します。年間休日120日以上、月平均残業20時間以下を実現し、それを数値で発信しましょう。「島根でのんびり暮らしながらしっかり稼げる」が最強のメッセージです。

3

地域コミュニティとの接点づくり

神在祭やホーランエンヤなどの伝統行事、地域のスポーツチームへの参加支援など、地域との繋がりを作る取り組みが定着率を高めます。「この地域で暮らす理由」を仕事以外にも作ることが重要です。島根県の自然環境や文化は大きな魅力です。

4

資格取得支援・スキルアップ制度

「ここにいても成長できる」という実感は、県外への転職意欲を抑制します。資格取得費用の全額負担、外部研修への派遣、社内勉強会の実施など、成長機会を積極的に提供しましょう。島根県の採用力強化支援事業(専門家派遣・セミナー)も活用できます。

5

住居支援・通勤支援の充実

社宅や借り上げ住宅の提供、家賃補助、マイカー通勤の駐車場無料提供など、生活基盤を支える福利厚生は定着に直結します。島根県は車社会であるため、通勤支援は必須です。特に石見地域では住居確保が困難な場合もあり、社宅の整備は採用の決め手になります。

定着率向上の詳細はこちら

早期離職防止と定着率向上の具体的な施策については「島根県の早期離職防止・定着率向上戦略」で詳しく解説しています。

5. よくある質問

Q. 島根県の高卒者の県内就職希望率はどのくらいですか?

A. 島根県の高卒県内就職希望率は83%ですが、前年から4ポイント低下しています。高卒就職率は中国地方で98.8%と高く、就業意欲自体は堅調ですが、県外志向の高まりが懸念されています。

Q. 島根県のUIターン支援制度にはどのようなものがありますか?

A. UIターン移住支援金(世帯100万円・単身60万円)、ふるさと島根定住財団(ジョブカフェしまね・無料職業紹介・産業体験プログラム)、就活応援助成金(交通費・宿泊費9万円まで全額補助)、しまね若者サポートステーション(松江・出雲・浜田)などがあります。

Q. 島根県でUターン採用を成功させるポイントは?

A. UIターン移住支援金や就活応援助成金の活用を求人情報に明記すること、帰省シーズンに合わせた採用イベント開催、オンライン面接の整備、東京との生活コスト比較の提示が効果的です。ふるさと島根定住財団のマッチングサービスも活用しましょう。

Q. なぜ島根県は若者流出が深刻なのですか?

A. 大学進学希望者が年間約2,700人に対し県内大学定員が約1,600人しかないため、約1,100人が県外に進学せざるを得ない構造的問題が最大の原因です。加えて15-19歳人口は20年で34%減少し、28,720人まで落ち込んでいます。

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データ出典:

  • 島根労働局「高校新卒者の求人・求職・内定状況」
  • 島根県「UIターン移住支援金」(https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/region/chiiki/UI_turn/wakuwaku.html)
  • ふるさと島根定住財団(https://www.teiju.or.jp/zaidan/)
  • 総務省「人口推計」
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