滋賀県の高卒求人倍率推移【2019〜2026年】
製造業比率全国1位の滋賀県における採用市場の変遷
滋賀県の高卒求人倍率は、2021年のコロナ禍での落ち込みから力強く回復し、2026年卒には3.00倍と過去最高を記録しました。滋賀県は製造業が県内総生産に占める比率が全国1位という特徴を持ち、製造業の求人が全体の約46%を占めています。求職者数は1,801人と過去2番目に少ない水準にまで減少しており、企業間の人材獲得競争は年々激化しています。
1. 求人倍率推移(2019〜2026年)
滋賀県 新規高卒求人倍率の推移(各年9月末現在・滋賀労働局)
| 卒業年月 | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 内定率(9月末) | 最終就職率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 31年3月卒 | 4,438人 | 2,293人 | 1.94倍 | 71.2% | 99.4% |
| 令和2年3月卒 | 4,848人 | 2,387人 | 2.03倍 | 68.6% | 99.4% |
| 令和3年3月卒 | 3,586人 | 2,092人 | 1.71倍 | 70.7% | 99.7% |
| 令和4年3月卒 | 3,807人 | 1,942人 | 1.96倍 | 70.8% | 98.7% |
| 令和5年3月卒 | 4,905人 | 1,867人 | 2.63倍 | 71.0% | 99.4% |
| 令和6年3月卒 | 5,286人 | 1,787人 | 2.96倍 | 69.7% | 99.5% |
| 令和7年3月卒 | 5,571人 | 1,909人 | 2.92倍 | 71.4% | 99.6% |
| 令和8年3月卒 | 5,396人 | 1,801人 | 3.00倍 | 70.3% | — |
出典:滋賀労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」(各年9月末現在)
2. 隣接府県・全国平均との比較
滋賀県は京都府・大阪府・三重県・福井県・岐阜県に囲まれた内陸県です。隣接府県との求人倍率比較から、滋賀県の採用環境の相対的な位置づけを確認します。
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 滋賀県 | 3.00倍(過去最高) | 製造業(化学・電子部品・輸送機器) | 製造業比率全国1位 |
| 京都府 | 約2.5〜3.0倍 | 電子部品・食品・伝統工芸 | 観光業も人材需要大 |
| 大阪府 | 約4.5〜5.0倍 | 製造・卸売・サービス | 都市部の極端な売り手市場 |
| 三重県 | 約3.0〜3.5倍 | 輸送機器・半導体・石油化学 | 自動車関連の求人多い |
| 全国平均 | 約3.70倍 | — | — |
注目ポイント:滋賀県の3.00倍は全国平均3.70倍をやや下回るものの、県内就職率91.5%という高い地元定着率が特徴です。隣接する大阪府(約4.5〜5.0倍)への人材流出は限定的であり、県内企業同士の競争が採用市場の中心です。
3. 求人倍率が上昇し続ける3つの構造的要因
1. 製造業比率全国1位の産業構造
滋賀県は県内総生産に占める製造業比率が全国1位という製造業集積県です。令和8年3月卒の求人データでも、製造業の求人が2,479人(全体の45.9%)を占めています。化学・電子部品・輸送機器・食品など多様な製造業が集積する琵琶湖東岸エリアを中心に、高卒人材への需要が常に旺盛です。就職決定先でも製造業は1,072人(59.2%)と過半数を占めており、滋賀県の高卒採用市場は製造業が牽引する構造です。
2. 求職者数の減少が続く
2019年に2,293人いた求職者数は、2026年には1,801人にまで減少しました(約21%減)。少子化による高校生人口の減少と大学進学率の上昇が重なり、高卒で就職を希望する生徒数は年々少なくなっています。一方で求人数は5,000人台を維持しており、需給ギャップが拡大し続けています。
3. 県内就職率91.5%が生む県内企業間の競争
滋賀県の高卒県内就職率は91.5%(令和6年度)と全国的にも高い水準です。過去7年間にわたって90%以上を維持しており、高校生の地元志向が非常に強い県です。県外からの人材流入が限定的なため、限られた1,801人の求職者を県内5,396件の求人で取り合う構造が、倍率上昇の基盤となっています。
4. 2030年予測シミュレーション
現状のトレンドが続いた場合、2030年の滋賀県高卒求人倍率は3.5〜4.0倍に達する可能性があります。
| 年度 | 求人数(予測) | 求職者数(予測) | 倍率(予測) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2027(R9) | 約5,400人 | 約1,750人 | 約3.1倍 | 現状維持シナリオ |
| 2028(R10) | 約5,500人 | 約1,680人 | 約3.3倍 | 少子化加速シナリオ |
| 2030(R12) | 約5,600人 | 約1,500人 | 約3.5〜4.0倍 | 製造業需要継続・人口減少加速 |
※ 予測値は現在のトレンドと国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口に基づく試算であり、確定値ではありません。
採用戦略への示唆:滋賀県は製造業比率全国1位という強固な産業基盤を持つ一方、求職者数の減少は避けられません。2030年に向けて求人倍率のさらなる上昇が見込まれる中、今から学校との関係構築・職場見学の充実・採用ブランディングに取り組むことが、将来の採用力を左右します。
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