なぜ先生はあなたの会社を推薦しないのか

高卒採用で「選ばれる側」になる方法

求人票を出した。学校訪問もした。それでも応募が来ない。その原因は、先生が御社を「推薦リスト」に入れていないからかもしれません。高卒就職の80%以上は学校斡旋 — つまり先生に選ばれなければ、高校生と出会うことすらできない構造です。この記事では、先生に推薦されない企業の共通パターンと、選ばれる企業が実際にやっていることを解説します。

1. 高卒採用の「ゲートキーパー」は先生

大卒採用では、学生本人がリクナビやマイナビで企業を検索し、自分の意思で応募先を選びます。しかし高卒採用は根本的に構造が違います。

高卒採用の構造

  • ・企業がハローワークに求人票を提出 → 高校に届く
  • 進路指導の先生が求人票を読み、生徒に合う企業を選んで紹介する
  • ・生徒は先生に紹介された企業の中から応募先を決める
  • ・企業が生徒に直接アプローチすることは禁止されている

高卒就職の80%以上は学校斡旋です。先生が「この会社を生徒に紹介しよう」と思わなければ、御社の求人票は高校生の目に触れることすらありません。

愛知県だけで38,700件の高卒求人が出されています(愛知労働局、令和7年3月卒)。先生のもとには膨大な数の求人票が届きます。その中から、先生は生徒一人ひとりに合う企業を選び出します。先生に知られていない企業は、存在しないのと同じです。

問い

御社の求人票は、先生の「推薦リスト」に入っていますか?入っていないとしたら、なぜか。それを構造的に解き明かすのが、この記事の目的です。

2. 先生はどう企業を選んでいるか — 「親のような目線」

先生は企業を「採用のパートナー」としてではなく、「18歳の生徒を送り出す親のような目線」で見ています。企業の知名度や規模よりも、「この会社なら生徒を安心して送り出せるか」が判断基準です。

先生が確認している項目

項目先生の判断
離職率・定着実績過去に送った生徒が辞めていないか。辞めていれば「もう紹介できない」
研修・育成体制18歳を育ててもらえるか。「研修なし」は大きなマイナス
給与・休日生徒が安定した生活を送れるか。年間休日104日未満は敬遠される
仕事内容のわかりやすさ「どの生徒に合うか」を判断できるか。抽象的な記載では紹介できない
企業との信頼関係担当者と会ったことがあるか。実績があるか。知らない企業は推薦しにくい
資格取得支援成長意欲のある生徒の紹介先として重要。「絶対に書いてほしい」という声も

出典: ジンジブ「高卒採用Lab」/ アクシスグループ(先生インタビュー)/ プレシキSCHOOL

ここで気づくことがあります。先生の判断基準は「求人票に何が書いてあるか」だけではありません。「この企業を知っているか」「信頼できるか」「過去に生徒を送って問題がなかったか」という、求人票の外にある情報が大きく影響しています。

3. 「推薦されない企業」の5つの共通パターン

先生に推薦されない企業には、共通するパターンがあります。自社が当てはまっていないか、確認してください。

パターン① — WEB掲載だけで待っている

高卒求人票をハローワークに出し、「高卒就職情報WEB提供サービス」に掲載しただけで待っている企業は、先生にとって最も優先度が低い存在です。

優先度求人票の届き方
1指定校求人(自校を指名)
2公開求人(企業が学校に直接持参)
3公開求人(郵送)
4公開求人(WEB掲載のみ)

出典: 秋田採用サポートナビ(先生インタビュー)

「WEBに求人票を掲載しているだけでは、自然に検索してもらえるわけではなく、応募を得るためのPR活動は必須」(秋田採用サポートナビ)。先生は膨大な求人票の中から生徒に合う企業を探しています。わざわざWEBで知らない企業を検索する余裕はありません

パターン② — 学校訪問をしていない

求人票の郵送と学校訪問では、結果が15倍違います。

郵送のみ

約1%

職場見学につながる率

学校訪問

約15%

職場見学につながる率

出典: ジンジブ「高卒採用Lab」

先生にとって、会ったことがある企業と会ったことがない企業では、推薦のしやすさがまったく違います。「この会社の担当者は誠実だった」「どんな生徒を求めているか直接聞いた」— そうした情報は、求人票の文字からは読み取れません。

パターン③ — 過去に送った生徒が辞めている

高卒就職者の3年以内離職率は37.9%(厚生労働省、令和4年3月卒)。約4割が3年以内に辞めています。

先生にとって、自分が推薦した生徒が辞めることは非常に重い出来事です。「あの会社に送ったのは間違いだったのか」という思いが残り、翌年以降その企業を推薦することに慎重になります。逆に、送った生徒が定着して活躍していれば、「また来年もお願いしたい」と安心して推薦できます。

早期離職は、その年の採用が失敗するだけでなく、翌年以降の推薦パイプラインが閉じることを意味します。

パターン④ — 「採用実績がないから訪問しない」の悪循環

「うちはこれまで高卒採用をしたことがないから、学校訪問しても相手にされないのでは」。この考えが、最も多い機会損失の原因です。

実績がない → 訪問しない → 先生に知られない → 推薦されない → 応募が来ない → 実績ができない → やっぱり訪問しない…。この悪循環は、誰かが最初の一歩を踏み出さない限り永遠に回り続けます

先生は新規の企業訪問を歓迎しています。実績がないことは問題ではありません。「初めてですが、生徒を大切に育てたい」と誠実に伝えれば、先生は聞いてくれます。

パターン⑤ — 訪問のタイミングが遅い

高卒採用のスケジュールは非常にタイトです。9月5日に応募開始、9月16日に選考開始。多くの生徒は9月末までに就職先を決めます。

求人票が公開される7月1日〜12日が最も重要な時期です。この期間に訪問しなければ、先生の中で「今年の推薦先候補」がすでに固まってしまいます。7月後半〜8月に訪問しても、主要な企業に先を越されている可能性が高いのです。

4. 「選ばれる企業」がやっていること

先生に推薦される企業には、共通する行動パターンがあります。特別な予算や知名度が必要なわけではありません。

7月1日〜12日に最優先校を訪問する

求人票を受け取ったら即日〜12日以内にターゲット校を訪問。就職希望者が多い高校ほど早く動く必要があります。進路指導部長 or 進路指導主事にアポを取り、求人票を直接手渡す。この「最初の接点」が全ての起点です。

「どんな生徒に来てほしいか」を具体的に伝える

先生は「この企業にはどんな生徒が合うか」を知りたがっています。「元気な人」「やる気のある人」ではなく、「機械に興味がある生徒」「コツコツ作業が得意な生徒」と具体的に伝えることで、先生は「あの生徒に合うかもしれない」とマッチングを始められます。

職場見学を積極的に受け入れる

学校訪問で先生と信頼関係を作ったら、次は職場見学の受け入れです。生徒が実際の職場を見ることで「ここで働きたい」というイメージが固まります。入社前と入社後のギャップが減り、定着率の向上にも直結します(ジンジブ調べ:入社後のイメージが「良い意味で変わった」定着者48.6%、離職者23.0%)。

OB/OGの活躍を先生に報告する

過去に採用した生徒が元気に働いている。資格を取った。リーダーになった。そうした情報を先生に伝えることで、「あの会社に送ってよかった」という確信が生まれます。翌年の推薦に直結する、最も強い信頼の材料です。

入社後の育成体制を整える

採用して終わりではありません。高卒1年以内の離職率は17.9%(厚生労働省)。メンター制度、段階的なOJT、資格取得支援など、18歳が安心して成長できる環境を用意すること。それが「離職を出さない → 翌年も推薦がもらえる」という循環を生みます。

選ばれる企業の共通点

特別な企業ではありません。「毎年誠実に続けることで、『安心して生徒を紹介できる会社』という評価が積み重なっていく」(匠ベース)。知名度ではなく、継続と誠実さが信頼を作ります。

5. 学校訪問が初めてでも始められる — 具体的なステップ

「学校訪問なんてやったことがない」。それでも問題ありません。以下のステップで始められます。

時期やること
4〜5月ターゲット校のリストアップ。自社の業種に関連する学科がある高校を調べる
5月中旬ハローワーク主催の「学卒求人申込説明会」に参加
6月1日ハローワークに求人申込書を提出
7月1日〜12日求人票を受け取り、最優先校を即訪問。この期間が最重要
7月中旬〜8月職場見学の受け入れ
9月5日応募書類の提出開始

アポイントの取り方

  • 電話先: 高校の代表番号 → 「進路指導部長」または「進路指導主事」に繋いでもらう
  • 電話の時間帯: 全日制なら10時〜11時頃が最適
  • 伝える内容: 会社名、事業内容、「求人票をお持ちしてご挨拶に伺いたい」

持参するもの

  • ・受理済みの求人票
  • ・会社パンフレット(あれば)
  • ・名刺
  • ・採用動画(約1分程度、あればなお良い)

先生に伝えるべきこと

  • ・自社の事業内容と強み(3つに絞る)
  • 具体的にどんな生徒に来てほしいか(先生がマッチングできるように)
  • ・入社後の育成体制(メンター制度、資格支援等)
  • ・OB/OGがいれば、その活躍状況
  • ・職場見学の受入れが可能であること

訪問人数と組み合わせ

訪問は最大2名が適切です。おすすめの組み合わせは「社長(または人事責任者)+ 高卒入社の若手社員」。先生にとって、実際に高校から入社して活躍している社員の姿は、何よりの信頼材料です。

6. 先生との関係は「1回の訪問」では終わらない

学校訪問は「1回行けば終わり」ではありません。先生との信頼関係は、継続的な接点の積み重ねで築かれます。

「選ばれる循環」の構造

学校訪問で先生と接点を持つ
先生が生徒を紹介 → 職場見学 → 応募・内定
入社後の育成・定着
OB/OGの活躍を先生に報告
翌年も安心して推薦 → 安定的な採用パイプライン

この循環が回り始めれば、毎年安定して高卒人材を採用できるようになります。しかし、循環を回すには「先生との接点を年に1回の訪問だけに頼らない」ことが重要です。

訪問以外の接点を持つ方法

紙媒体(就活情報誌)で学校に届く

企業の紹介ページが毎月学校に届けば、年に1回の訪問だけでは伝えきれない「企業の日常」「社員の声」「職場の空気」を先生と生徒に届け続けることができます。先生の机に物理的に届き、先生の手を経由して生徒に渡る — 広告ではなく「情報」としての信頼性があります。

動画で職場の雰囲気を見せる

文字では伝わらない職場の空気、先輩社員の表情、仕事の現場。1分程度の採用動画があれば、学校訪問時に先生に見せることも、生徒に見てもらうこともできます。入社前後のギャップを減らし、定着率の向上にもつながります。

採用専用のWebサイトで「調べたい人」に応える

先生や保護者は、気になった企業をネットで調べます。コーポレートサイトだけでは「採用情報」が見つからないことも多い。採用に特化したWebサイトがあれば、「調べたら情報が出てきた」→「ちゃんとした会社だ」という安心感を与えられます。

生徒が家に持ち帰れるもの

高卒採用では保護者の意向も大きく影響します。求人票は保護者の手元には届きません。しかし、生徒が教室で受け取った情報誌を持ち帰れば、保護者の目にも触れます。「知らない会社」を「見たことがある会社」に変える。それだけで保護者の不安が軽減されます。

「先生に選ばれる」の本質

先生に選ばれるために必要なのは、特別な能力でも大きな予算でもありません。「先生と接点を持ち、信頼を積み重ね、送った生徒を大切にする」。この当たり前のことを、継続してやり続ける企業が選ばれます。そしてその継続を支える手段として、学校訪問だけでなく、紙媒体・動画・Webを組み合わせることが有効です。

7. よくある質問

Q. 採用実績がゼロでも学校訪問して大丈夫ですか?

大丈夫です。先生は新しい企業の訪問を歓迎しています。「初めて高卒採用に取り組みます」と正直に伝え、自社の事業内容、どんな生徒に合いそうか、育成体制について説明すれば、先生は真剣に聞いてくれます。大切なのは実績ではなく、誠実さです。

Q. 学校訪問は毎年必要ですか?

はい。先生は毎年の訪問で企業の情報を更新しています。1年だけ訪問して翌年来なければ、「もう採用する気がないのかもしれない」と判断されます。「毎年誠実に続けることで、安心して生徒を紹介できる会社という評価が積み重なる」(匠ベース)。継続が信頼の土台です。

Q. 先生が重視するのは給与ですか?研修ですか?

どちらも重要ですが、先生が最も気にするのは「この会社に送った生徒が幸せに働けるか」という総合的な判断です。給与・休日が安定していること、研修や育成体制があること、離職率が低いこと。これらが揃って初めて「安心して推薦できる」となります。一つだけ突出しても、他が欠けていれば推薦に至りません。

Q. 求人票の改善だけで先生に選ばれるようになりますか?

求人票の改善は必要条件ですが、十分条件ではありません。先生は求人票の内容だけでなく、「この企業を知っているか」「直接会ったことがあるか」「送った生徒が定着しているか」で判断します。求人票の改善と学校訪問は、セットで取り組んでください。求人票の書き方については「高卒求人票の書き方」で詳しく解説しています。

Q. 応募が来ない原因は先生の問題だけですか?

いいえ。先生との関係は重要な要素の一つですが、高卒採用で応募が来ない原因は複合的です。求人票の書き方、届け方、企業の認知度、保護者への情報到達など、複数の壁が絡み合っています。全体像については「高卒採用で応募が来ない?4つの壁と突破法」をご覧ください。

関連記事

For Companies

こんなお悩みはありませんか?

採用に毎年400万円以上
本当に回収できてる?

3人に2人が内定辞退
また振り出しに…

求人票を出しても
応募が来ない

採用しても3年で辞める
育成コストが無駄に

採用活動に手が回らない
何から始めれば?

悩むビジネスマン
ガッツポーズの高校生

ゆめスタなら、解決できます

採用コスト

50%削減

607万円 → 300万円

内定辞退率

ほぼ0%

一人一社制で確実採用

採用満足度

81.1%

大卒採用より+3.5pt

ゆめスタが解決します

高校生採用に特化した3つのサービスで、採用課題をトータルサポート

ゆめマガ採用HP制作アニリク
採用について相談する