離島エリアの高卒採用ガイド
五島市・新上五島町・壱岐市・対馬市
長崎県の離島エリアは五島列島・壱岐島・対馬の3つの島嶼群で構成されます。水産業・観光業が基幹産業で、五島沖では日本初の浮体式洋上風力発電が稼働するなど、再生可能エネルギーの先進地でもあります。
国境離島雇用機会拡充事業により約1,600人の雇用が創出されていますが、壱岐市の県内就職率44.7%が示すように若者の流出は深刻な課題です。離島で事業をする企業と、本土から離島出身者を採用したい企業の両方に向けて、ポイントを解説します。
離島エリアの基本データ
島ごとに産業構造・本土との距離・主要高校が異なります
| 島 | 有効求人倍率 | 主要産業 | 主要高校 | 本土アクセス |
|---|---|---|---|---|
| 五島市(福江島) | 1.25倍 | 水産・洋上風力・観光 | 五島高校(普通)・五島南高校・五島海陽高校 | 長崎港〜福江港フェリー約3時間 |
| 新上五島町(中通島ほか) | — | 水産・観光 | 上五島高校(電気情報技術科)・中五島高校 | 佐世保港〜有川港・長崎港〜奈良尾港フェリー |
| 壱岐市 | — | 水産・農業(壱岐牛)・観光 | 壱岐高校(普通・商業)・壱岐商業高校 | 博多港〜壱岐フェリーまたはジェットフォイル |
| 対馬市 | 1.29倍 | 水産・観光・建設 | 対馬高校(普通・商業)・厳原高校 | 長崎空港〜対馬空港 飛行機約30分 |
水産・洋上風力・観光
五島高校(普通)・五島南高校・五島海陽高校
長崎港〜福江港フェリー約3時間
水産・観光
上五島高校(電気情報技術科)・中五島高校
佐世保港〜有川港・長崎港〜奈良尾港フェリー
水産・農業(壱岐牛)・観光
壱岐高校(普通・商業)・壱岐商業高校
博多港〜壱岐フェリーまたはジェットフォイル
水産・観光・建設
対馬高校(普通・商業)・厳原高校
長崎空港〜対馬空港 飛行機約30分
出典: 長崎労働局「長崎県の雇用失業情勢」
離島の4つの基幹産業
水産業
長崎県は全国有数の水産県で、離島部はまき網漁業を中心とした水産業が主力です。対馬:マグロ・イカ、壱岐:ウニ・アワビ、五島:養殖マグロ・カンパチが代表的。水産加工場での高卒採用ニーズがあり、漁業協同組合・水産加工会社が主な雇用主です。
洋上風力発電 — 五島沖が日本初
五島沖では日本初の浮体式洋上風力発電所が稼働しており、再生可能エネルギー関連の雇用が拡大しています。発電設備の保守・点検・運営に高卒人材が求められており、上五島高校(電気情報技術科)卒業生にとって新しい就職先になっています。
観光業 — 世界遺産と歴史
五島列島の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産(教会群)が世界遺産に登録されており、観光客が増加。対馬は朝鮮通信使ゆかりの地として国際観光、壱岐は古代史の宝庫として観光資源が豊富です。宿泊施設・飲食店での雇用機会がありますが、宿泊・飲食サービス業の求人は令和7年3月時点で減少傾向にあり、安定雇用の提示が重要です。
農業(壱岐牛)
壱岐牛は全国的にブランド力のある和牛で、飼養頭数は全国上位。畜産農家での後継者・雇用人材の確保が課題となっています。農業法人やJAでの高卒採用ニーズも拡大しています。
国境離島雇用機会拡充事業 — 約1,600人の雇用創出実績
壱岐・対馬・五島の国境離島で創業・事業拡大する企業を支援する長崎県の事業です。設備投資・人件費・運転資金を最大5年間補助し、約1,600人の雇用を創出した実績があります。
対象地域:壱岐市、対馬市、五島市、新上五島町、小値賀町、佐世保市(離島部のみ)
申請窓口:長崎県地域振興部離島振興課
離島で高卒人材を雇用する企業は、この制度の活用を必ず検討してください。具体的な補助率・上限額・申請期間は、長崎県地域振興部離島振興課に直接相談してください。
詳細は支援制度・補助金ガイドで解説しています。
本土企業が離島出身者を採用する場合のポイント
壱岐市44.7%という数字の意味
壱岐市の県内就職率44.7%は、半数以上の高校生が本土の企業に就職していることを意味します。本土の企業にとっては、壱岐市の高校生は重要な採用ターゲットです。
ただし、本土の企業が離島出身者を採用するには前提条件があります。
- •社宅・寮の整備:「住む場所がある」が最低条件
- •帰省交通費の補助(年2回・盆/正月):フェリー代・飛行機代の負担
- •保護者向け資料・電話:「島から出すな」と保護者が言わないように
- •同じ島出身の先輩社員紹介:本土での孤立を防ぐ
これらを準備しないまま離島の高校に訪問しても、CSSは推薦しません。詳細はオヤカク完全マニュアルと早期離職防止ガイドで解説しています。
離島の高校訪問は本気度の証明
五島・壱岐・対馬の高校を訪問する本土企業は、本土の人気校に比べて圧倒的に少ない数です。来校するだけで先生・CSSの印象に強く残ります。フェリー・飛行機で半日かけて来た企業は、求人票だけ送ってくる本土企業とは全く違う扱いを受けます。
年に1回でも、離島の高校に直接行くことが、長期的に「離島出身者を採れる会社」になる近道です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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