長野県の高校生数推移と2030年予測|200万人割れの衝撃

人口減少・若者流出・出生数4割減 ― 長野県が直面する「三重苦」

約200万人
長野県の人口
2024年に200万人割れ見通し
1,928人
転出超過(2023年)
前年は595人の転入超過
5,359人
大学進学時の県外流出
毎年の頭脳流出
4,004人
18-29歳の転出超過
男性1,852人+女性2,152人
158万人台
2050年の人口推計
現在から約2割減
12,274人
出生数(2022年)
20年で約4割減

長野県の人口は約200万人で、2024年に200万人を割り込む見通しです。さらに深刻なのは若者の県外流出で、2023年の転出超過は1,928人。前年は595人の転入超過だったことと比較すると、わずか1年で大幅に悪化しました。大学進学時に5,359人が県外へ流出し、18-29歳の若年層では男女合わせて年間4,000人超が長野県を離れています。出生数も20年で約4割減。この「人口減少・若者流出・出生数減少」の三重苦は、高卒採用市場に直接的なインパクトを与えています。

1. 長野県の人口推移と2050年予測

長野県の人口はピーク時の約222万人(2000年国勢調査)から一貫して減少を続けています。2024年に200万人割れが見込まれ、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2050年に158万人台まで減少する見通しです。

表1:長野県の人口推移と将来推計
人口増減備考
2000年約222万人ピーク時
2010年約215万人-3.2%国勢調査
2020年約205万人-4.7%国勢調査
2024年約200万人200万人割れ見通し
2030年(推計)約190万人推計値
2040年(推計)約174万人推計値
2050年(推計)約158万人-21%現在比で約2割減

出典:国勢調査・国立社会保障・人口問題研究所・長野県公式推計

数字が意味するもの

2050年に158万人台ということは、現在の約200万人から4人に1人が減る計算です。当然、18歳人口も同じかそれ以上の比率で減少します。2030年時点でも約190万人と現在より10万人以上少なくなる見込みで、高卒の就職希望者はさらに減少します。「今のうちに手を打つ」企業と「何もしない」企業で、5年後の採用力に決定的な差がつく構造です。

2. 転出超過の急拡大 ― 2022年転入超過→2023年転出超過への反転

長野県の社会増減は劇的な変化を見せています。2022年は595人の転入超過でしたが、2023年には一転して1,928人の転出超過に悪化しました。コロナ禍で一時的に地方移住が増えたものの、その反動で都市部への回帰が進んだと考えられます。

社会増減状況
2022年+595人転入超過(コロナ禍の地方移住効果)
2023年-1,928人転出超過(都市部回帰が進行)

出典:長野県公式「人口推計・転出入統計」

注意点:2022年の転入超過はコロナ禍のリモートワーク普及による一時的な現象でした。長野県は東京・名古屋の中間に位置し、新幹線や高速道路のアクセスが良いため、「二拠点生活」の候補地として人気がありましたが、2023年にはその効果が消失。もともとの構造的な転出超過傾向に戻ったと見るべきです。

3. 18-29歳の若者流出 ― 特に女性の転出が深刻

長野県の若年層流出で最も注目すべきは、女性の転出超過が男性を上回っている点です。18-29歳では男性1,852人、女性2,152人の転出超過で、女性の流出が男性より300人多い状況です。

区分男性女性合計
18-29歳の転出超過1,852人2,152人4,004人

出典:長野県公式「人口推計・転出入統計」(2023年)

大学進学時の流出:年間5,359人

長野県内の大学は信州大学を中心に限られており、大学進学を機に東京・名古屋・大阪圏へ流出する若者が毎年5,000人を超えます。県内に戻る保証はなく、そのまま就職する割合が高いのが現状です。

女性流出の深刻さ

女性の転出超過が男性を上回る背景には、長野県内に女性が希望する事務職・サービス業・IT系の就職先が相対的に少ないことが考えられます。製造業中心の産業構造が、女性の定着を難しくしている側面があります。

高卒採用への影響:大学進学で県外に出た若者が戻ってこない以上、「高卒で地元就職する」層の確保は企業にとって生命線です。しかし、その高卒就職希望者自体が少子化で減少を続けています。高校生が「大学に行かずに地元で就職する」ことを積極的に選択できるだけの魅力的な職場環境と情報発信が、これまで以上に重要になっています。

4. 出生数・婚姻数の減少 ― 未来の求職者はさらに減る

高卒採用市場の将来を予測するうえで最も確実な指標が出生数です。今日生まれた子どもは18年後の高卒求職者候補。長野県の出生数と婚姻数は、いずれも急激な減少を続けています。

表:長野県の出生数・婚姻数の推移
指標2000年2022年増減
婚姻数13,405件7,288件-45.6%
出生数約20,400人12,274人約-40%

出典:長野県公式「人口動態統計」

この数字が高卒採用に意味すること

2022年の出生数12,274人は、2040年の18歳人口の基礎数字です。現在でも高卒求職者の確保に苦労している企業が、2040年にはさらに少ないパイを奪い合うことになります。婚姻数が45%減少していることは、出生数の減少が今後も続くことを示唆しています。長期的な視点での採用ブランド構築が、待ったなしの経営課題です。

5. 企業が今から取り組むべき5つの対策

人口減少は止められませんが、その環境下でも高卒人材を確保する方法はあります。長野県の状況に即した5つの対策を提案します。

対策1工業高校・商業高校との関係構築を最優先に

長野県には長野工業・松本工業・岡谷工業・上田千曲・飯田OIDE長姫など、ものづくり教育に力を入れる高校が多数あります。これらの学校との信頼関係を築き、定期的な職場見学やインターンシップを実施することが、安定的な人材確保の基盤です。

対策2女性が活躍できる職場環境の整備

女性の転出超過が男性を上回る現状は、県内に女性が望む職場が不足していることの裏返しです。製造業でも事務職やマーケティング職など多様な職種を用意し、「女性も活躍できる」ことを積極的に発信してください。

対策3「地元で働く魅力」をSNSで発信

高校生と保護者に対して、長野県で働くことの魅力を伝えるコンテンツが必要です。通勤の利便性、自然環境の豊かさ、住居費の安さなど、東京と比較した「長野で暮らすメリット」をリアルに伝えましょう。

対策4定着率の向上で「口コミ採用」を機能させる

高校の進路指導教員は、卒業生の定着状況を見ています。早期離職が多い企業には生徒を送りません。逆に、卒業生が定着して活躍している企業は、年々安定的に推薦を受けられます。定着率向上は最も確実な採用戦略です。

対策5未内定者260人へのアプローチ

12月末時点で260人の未内定者がいます。二次募集の時期に学校との情報共有を密にし、追加の職場見学や個別面談の機会を設けることで、この層からの採用が可能です。

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データ出典:

  • 長野県公式「人口推計・転出入統計」
  • 国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」
  • 長野県公式「人口動態統計」
  • 長野労働局「新規高卒者の求人・求職状況」
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