長野県の地域別・業種別求人統計|高卒採用市場の全体像

R8.3卒(12月末)データに基づく4エリア別・産業別の徹底分析

長野県の高卒採用市場は、求人数7,672件に対して求職者2,601人(R8.3卒・12月末時点)という売り手市場です。製造業が求人全体の約42%を占める「ものづくり県」ですが、北信・東信・中信・南信の4エリアで産業構造と求人動向が大きく異なります。本記事では、長野労働局の統計データに基づき、業種別の求人動向と4エリアの採用特性を詳しく分析します。

2.95倍
高卒求人倍率
R8.3卒(12月末)
7,672件
県内求人数
前年比2.6%減
3,253件
製造業求人数
全体の約42%
89.4%
内定率
12月末時点
260人
未内定者数
12月末時点

1. 業種別 県内求人数の構造

長野県の高卒求人は製造業に大きく依存しています。製造業3,253件は全体の約42%を占め、次いで建設業、卸売・小売業が続きます。ただし、前年比で見ると製造業は2.7%減、情報通信業は34.1%減と、主力産業の求人が縮小傾向にある点が懸念材料です。

表1:長野県 業種別高卒求人数(R8.3卒・12月末時点)
産業求人数構成比前年比備考
製造業3,25342.4%-2.7%電子部品・精密機械が中心
建設業住宅・インフラ関連
卸売・小売業地方百貨店・スーパー・量販店
宿泊業・飲食サービス業+8.4%唯一の大幅増加分野
医療・福祉介護施設・病院の求人
情報通信業290.4%-34.1%前年44件から急減
合計7,672100%-2.6%

出典:長野労働局「新規高卒者の求人・求職状況」/NBS長野放送

業種別の注目ポイント

製造業は3,253件と圧倒的最多ですが前年比2.7%減。情報通信業は44件から29件へ34.1%の急減で、高卒からのIT人材採用が難しくなっている現状が浮き彫りになっています。一方、宿泊業・飲食サービス業は前年比8.4%増と唯一の大幅増加分野。長野県の豊富な観光資源(軽井沢・白馬・上高地・善光寺など)を背景に、観光関連産業の人材需要が高まっています。

2. 製造業3,253件の内訳 ― 長野県ものづくりの特徴

長野県は「精密機械の県」として知られ、諏訪地域を中心にセイコーエプソン・オリンパスなどの光学・精密機器メーカーが集積しています。近年は電子部品・デバイスの比重が高まり、県内製造業の主軸となっています。

電子部品・デバイス

長野県製造業の主力分野。長野市・上田市・佐久市を中心に半導体関連企業が集積。TDK・ミネベアミツミ・新光電気工業などの大手が工場を構え、安定した求人を提供しています。

精密機械・光学機器

諏訪・岡谷地域に集積する伝統的な強み分野。セイコーエプソン・オリンパスに加え、多数の中小精密部品メーカーが「東洋のスイス」と呼ばれる産業クラスターを形成しています。

食品製造

信州そば・味噌・漬物・ワインなど地域特産品の加工業に加え、チョコレート・菓子製造も盛ん。小布施・松本・飯田地域に小規模ながら多数の企業が分布しています。

自動車部品

上田市・佐久市を中心に自動車部品メーカーが進出。EV化の波により部品構成が変化しつつあり、求人動向にも影響が出始めています。

3. 4エリア別の求人特性

長野県は北信・東信・中信・南信の4エリアに分かれ、それぞれの産業構造と採用環境が大きく異なります。

北信エリア(倍率3.75倍・求人2,683件)

主要都市:長野市・須坂市・中野市・千曲市

県庁所在地の長野市を中心とした県内最大の経済圏。電子部品(長野日本無線・TDKなど)、食品加工(小布施・中野の果実加工)、建設業が三本柱です。求人倍率3.75倍は県内最高で、1人の高校生を約4社が奪い合う激戦区。善光寺周辺の観光関連の求人も増加傾向にあります。

東信エリア(倍率3.00倍・求人1,314件)

主要都市:上田市・佐久市・小諸市・東御市

上田市は「サマーウォーズ」の舞台としても知られますが、産業面では精密機械・自動車部品が集積しています。佐久市は北陸新幹線沿線の立地を活かし、首都圏企業のサテライト工場が多数進出。倍率3.00倍は県平均並みですが、新幹線で東京と直結するため県外就職の選択肢が広く、地元企業には独自の魅力発信が求められます。

中信エリア(倍率2.43倍・求人1,377件)

主要都市:松本市・塩尻市・安曇野市・大町市

松本市は県内第2の都市で、精密機械・電子部品に加えて観光業が経済の重要な柱です。上高地・安曇野・白馬など国際的なリゾート地を抱え、宿泊業・飲食サービス業の求人が伸びています。倍率2.43倍は県内最低水準ですが、これは観光業の季節変動や松本市の大学(信州大学等)進学者が多いことが影響しています。塩尻市はセイコーエプソンの主要拠点があり、精密機器関連の求人が安定しています。

南信エリア(求人2,298件・内定率94.3%)

主要都市:諏訪市・岡谷市・伊那市・飯田市・茅野市

「東洋のスイス」と呼ばれる諏訪地域は、セイコーエプソン・オリンパス・KOA・多摩川精機など精密機械の世界的企業が集積するエリアです。求人2,298件は県内最大規模で、内定率94.3%と高い実績を上げています。飯田市は「リニア中央新幹線」の県内駅設置が予定されており、建設業を中心に将来的な求人増が期待されています。伊那市・駒ヶ根市は食品(養命酒・伊那食品工業)や光学機器のメーカーが分布し、安定した雇用を提供しています。

エリア求人倍率求人数代表的な産業代表企業
北信3.75倍2,683件電子部品・食品加工・建設長野日本無線・TDK
東信3.00倍1,314件精密機械・自動車部品シナノケンシ・日置電機
中信2.43倍1,377件精密機器・観光・食品セイコーエプソン・キッセイ薬品
南信2,298件精密機械・光学機器・食品オリンパス・KOA・多摩川精機

出典:長野労働局・NBS長野放送・長野県公式

4. 宿泊業・飲食サービス業 ― 唯一の大幅増加分野

長野県で前年比8.4%増と唯一大幅に伸びているのが宿泊業・飲食サービス業です。この成長には以下の背景があります。

インバウンド需要の回復

白馬・野沢温泉・志賀高原などのスキーリゾートは、コロナ後のインバウンド回復で外国人観光客が急増。多言語対応の人材ニーズも生まれています。

軽井沢・上高地の通年観光化

従来の夏季集中型から、四季を通じた観光プログラムの充実により、通年雇用が可能になりつつあります。

温泉地の人手不足

別所温泉・戸倉上山田温泉・渋温泉など県内各地の温泉地で、若手スタッフの確保が経営課題となっています。

採用のヒント:宿泊業・飲食サービス業は「離職率が高い」イメージがありますが、長野県の観光地は全国ブランドの知名度を持つ施設が多く、「憧れの場所で働ける」というストーリーを発信できます。高校生にとっては地元の誇りある観光資源で働くことのやりがいを伝えることが、採用成功の鍵です。

5. 情報通信業29件 ― 34.1%減が示す産業構造の転換

情報通信業の高卒求人は前年の44件から29件へと34.1%減の急落を記録しました。長野県に限った現象ではありませんが、IT業界における「大卒シフト」が鮮明になった数字です。

背景:IT業界はプログラミング教育やデジタルスキルの需要が高まるなかで、採用基準を「大卒以上」に引き上げる企業が増えています。しかし、長野県は大学進学時に年間5,359人が県外へ流出しており、大卒のIT人材が県内に戻ってくる保証はありません。高卒からIT人材を育成する仕組みを持つ企業は、中長期的に競争優位に立てる可能性があります。

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データ出典:

  • 長野労働局「新規高卒者の求人・求職状況」
  • NBS長野放送「長野県内の高卒求人倍率」報道
  • 長野県公式「産業振興データ」
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