神奈川県の地域別・業種別 高卒求人統計【令和8年3月卒】
5エリア×産業別データで採用市場の全体像を把握する(7月末時点)
神奈川県の高卒求人市場は、京浜工業地帯を中心とする製造業と、都市インフラを支える建設業が二本柱です。令和8年3月卒(7月末時点)では、製造業4,244人・建設業3,431人で全体の約半分を占めます。前年に急増した宿泊・飲食サービス業は今年は減少に転じ、代わりに卸売・小売業(+23.1%)と医療・福祉(+10.8%)が伸びています。エリアごとの産業特性とあわせて、神奈川県の採用地図を読み解きます。
産業別求人数(令和8年3月卒・7月末時点)
高卒求人15,483件の内訳を産業別に見ると、製造業と建設業で全体の約半分を占めます。注目すべきは、前年に急増した宿泊・飲食サービス業が今年は-18.4%と減少に転じ、代わりに卸売・小売業が+23.1%と大きく伸びている点です。
| 産業 | 求人数 | 前年比 | 主な業種・備考 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 4,244人 | -4.3% | 輸送用機械・電気機械・食料品・化学 |
| 建設業 | 3,431人 | +4.3% | 土木・建築・電気設備 |
| 卸売業・小売業 | 2,143人 | +23.1% | 卸売593・小売1,550 |
| 運輸業・郵便業 | 1,411人 | -1.3% | トラック・倉庫・港湾物流 |
| 医療・福祉 | 1,267人 | +10.8% | 介護・看護助手 |
| サービス業(他分類) | 963人 | +5.9% | 警備・ビルメンテ等 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 659人 | -18.4% | 宿泊236・飲食423 |
| 生活関連サービス業 | 491人 | -1.2% | 美容・理容・娯楽 |
| 合計 | 15,483人 | +2.1% | 求職者3,978人 |
輸送用機械・電気機械・食料品・化学
土木・建築・電気設備
卸売593・小売1,550
トラック・倉庫・港湾物流
介護・看護助手
警備・ビルメンテ等
宿泊236・飲食423
美容・理容・娯楽
求職者3,978人
企業規模別の求人動向
高卒求人は大企業だけのものではありません。従業員29人以下の小規模企業が5,469人で全体の3分の1を占め、30〜99人規模も+8.8%と伸びています。一方、1,000人以上の大手は-12.5%。中小企業にとって高卒採用が生命線になりつつあることがわかります。
| 従業員規模 | 求人数 | 前年比 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 29人以下 | 5,469人 | +3.1% | 全体の約3分の1。中小の採用ニーズが堅調 |
| 30〜99人 | 4,602人 | +8.8% | 伸び率が高い。地場の中堅製造・建設 |
| 100〜299人 | 2,357人 | -3.1% | 食品・機械メーカー等 |
| 300〜499人 | 767人 | +7.7% | 中堅の製造拠点 |
| 500〜999人 | 962人 | -1.0% | — |
| 1,000人以上 | 1,326人 | -12.5% | 大手は減少。日産・JFE等 |
全体の約3分の1。中小の採用ニーズが堅調
伸び率が高い。地場の中堅製造・建設
食品・機械メーカー等
中堅の製造拠点
—
大手は減少。日産・JFE等
中小企業への示唆:29人以下の企業求人が全体の3分の1を占め、伸び率もプラスです。大手(1,000人以上)が-12.5%と採用枠を絞る中、中小企業こそが高卒採用の主戦場です。問われるのは「知名度の壁」を超える採用ブランディングです。
製造業4,244人の求人内訳
製造業の求人がどの分野に集中しているかを、神奈川労働局の業種別求人データで見てみましょう。自動車のイメージが強い神奈川県ですが、輸送用機械に次いで電気機械・食料品・化学・金属製品など、幅広い分野で高卒人材が求められています。
| 業種 | 求人数 | 代表的な分野 |
|---|---|---|
| 輸送用機械器具 | 974人 | 自動車・部品(日産・いすゞ系) |
| 電気機械器具 | 418人 | 電子部品・計測機器 |
| 食料品 | 355人 | 味の素・食品メーカー等 |
| 金属製品 | 334人 | 加工・表面処理 |
| はん用機械器具 | 305人 | 工作機械・産業機械 |
| 化学工業 | 291人 | 医薬品・化粧品・樹脂 |
| 生産用機械器具 | 255人 | 半導体製造装置等 |
| 非鉄金属 | 218人 | 電線・伸銅品等 |
| 情報通信機械器具 | 166人 | 通信機器・電子回路 |
自動車・部品(日産・いすゞ系)
電子部品・計測機器
味の素・食品メーカー等
加工・表面処理
工作機械・産業機械
医薬品・化粧品・樹脂
半導体製造装置等
電線・伸銅品等
通信機器・電子回路
採用担当者への示唆:輸送用機械が最大ですが、電気機械・食料品・化学なども安定した求人があります。これらの分野は入社後の教育で即戦力化を図る企業が多く、工業高校だけでなく普通科出身者にもチャンスがあることを求人票でアピールすると応募の幅が広がります。
5エリア別の産業特性
神奈川県は臨海部から内陸まで、エリアごとに大きく異なる産業構造を持っています。自社の所在エリアの特性を理解し、競合環境を把握することが採用戦略の出発点です。
| エリア | 主要産業 | 高卒採用の特徴 |
|---|---|---|
| 横浜 | 精密機器・電子部品・食品 | 求人数最多。大手〜中小まで幅広い。競争も最も激しい |
| 川崎 | 鉄鋼・食品化学・電機 | 大手主力工場が集中。技能系の採用ニーズが安定 |
| 県央・相模原 | 精密機器・金属加工 | 中小の「まちの工場」が多い。知名度に課題 |
| 湘南 | 自動車・精密機器・食品 | 大手工場の地元採用。工業高校の就職率が高い |
| 横須賀・三浦 | 造船・防衛・水産 | 独自の産業構造。地元校との関係が採用直結 |
求人数最多。大手〜中小まで幅広い。競争も最も激しい
大手主力工場が集中。技能系の採用ニーズが安定
中小の「まちの工場」が多い。知名度に課題
大手工場の地元採用。工業高校の就職率が高い
独自の産業構造。地元校との関係が採用直結
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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