神奈川県の高卒求人倍率推移【2021〜2026年】
首都圏比較・一般有効求人倍率との乖離分析
神奈川県の高卒求人倍率は、2021年のコロナ回復期から一貫して上昇を続け、2026年には7月末時点で3.99倍、12月末には4.46倍に達しました。県内GDP全国2位(35兆1,594億円)の経済規模を背景に、京浜工業地帯を中心とした製造業の採用意欲は旺盛です。一方で高卒就職希望者は減少傾向にあり、企業間の人材争奪戦は年々激しさを増しています。
1. 高卒求人倍率の推移(2021〜2026年)
神奈川県 新規高卒求人倍率の推移(各年7月末現在 / 2026年は12月末も掲載・神奈川労働局)
| 年度(3月卒) | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2021(R3) | 8,920人 | 4,180人 | 2.13倍 | — |
| 2022(R4) | 10,450人 | 4,120人 | 2.54倍 | +0.41 |
| 2023(R5) | 12,380人 | 4,050人 | 3.06倍 | +0.52 |
| 2024(R6) | 13,870人 | 3,960人 | 3.50倍 | +0.44 |
| 2025(R7) | 14,268人 | 3,820人 | 3.73倍 | +0.23 |
| 2026(R8) | 15,164人 | 3,804人 | 3.99倍 | +0.26 |
| 2026(R8)12月末 | 16,491人 | 3,696人 | 4.46倍 | +0.47 |
出典:神奈川労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」
2. 首都圏(東京・埼玉・千葉)との比較
神奈川県の高卒求人倍率は首都圏4都県の中でどの位置にあるのか。大都市を抱える4都県はいずれも高い求人倍率を示していますが、産業構造の違いにより採用環境には差異があります。
| 都県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 約10〜12倍 | サービス・IT・卸売 | 圧倒的な求人数だが就職者が少ない |
| 神奈川県 | 3.99倍(7月末) | 製造業・建設業 | 京浜工業地帯が求人を牽引 |
| 埼玉県 | 約3.5〜4.0倍 | 製造業・物流・サービス | 内陸工業の強さ |
| 千葉県 | 約3.5〜4.0倍 | 製造業・物流・サービス | 京葉工業地域の存在 |
| 全国平均 | 約3.70倍 | — | — |
注目ポイント:東京都の求人倍率が10倍を超えるのは、高卒就職希望者が極端に少ないためです。神奈川県は求人数16,491人と首都圏で東京に次ぐボリュームを持ちながら、求職者3,696人という大きな母数を抱えており、倍率の「実態的な厳しさ」は東京以上とも言えます。
3. 一般有効求人倍率0.83倍との乖離が意味すること
神奈川県の一般有効求人倍率は0.83倍。これは求職者1人に対して0.83件しか求人がないことを意味し、大卒・中途を含む労働市場全体では「買い手市場」です。ところが高卒市場は3.99倍と、実に4.8倍の開きがあります。
大卒・中途含む全求職者対象。求職者の方が多い「買い手市場」。都市部はサービス業・事務職の求職者が集中しやすい。
新規高卒者のみ対象。1人の高校生を約4社が争う「超売り手市場」。製造業・建設業を中心に人材不足が深刻。
なぜこれほど乖離するのか
1. 高卒就職者の希少性
神奈川県の高卒就職率は9.6%で全国45位。約92万人の県内高校生のうち、実際に就職市場に出てくるのは約3,700人に過ぎません。大学進学率が高い首都圏では高卒人材そのものが希少資源であり、製造・建設の現場を支える「手に職」人材に対する需要が供給を大幅に上回っています。
2. 大卒市場と高卒市場の断絶
一般有効求人倍率が低い背景には、事務職・サービス職を中心とした求職者の集中があります。高卒市場は製造業・建設業など「現場労働力」のニーズで動いており、両者は異なる労働市場として並存しています。
3. 京浜工業地帯の構造的な人材不足
日本有数の工業地帯を抱える神奈川県では、製造業の求人が4,433人(前年比+4.5%)、建設業が3,290人(前年比+11.8%)と増加を続けています。インフラ更新・再開発需要も重なり、技能人材の不足は構造的な課題です。
企業が取るべきアクション:一般市場の感覚で「求人を出せば人が来る」と考えるのは危険です。高卒市場では応募前に企業選びが完了する「一人一社制」の影響もあり、学校との関係構築・職場見学・採用ブランディングへの早期投資が不可欠です。
4. 神奈川県で求人倍率が上昇し続ける3つの構造要因
1. GDP全国2位の経済力が生む旺盛な求人
神奈川県の県内GDPは35兆1,594億円(全国2位)。京浜工業地帯を背景に、日産自動車・JFEスチール・富士通など大手製造業の拠点が集中しています。これらのサプライチェーンを支える中小企業群が高卒人材を求め、求人数は令和6年7月末の15,164人から12月末には16,491人(前年比+6.3%)へ増加しました。
2. 高卒就職率9.6%がもたらす極端な需給ギャップ
神奈川県の高卒就職率は9.6%で全国45位。大学進学率の高い首都圏では「高卒で就職する」という選択自体がマイノリティです。卒業者全体から見ると、就職市場に出てくる高校生は約10人に1人。企業が採用できる母数の小ささが、倍率を構造的に押し上げています。
3. 建設・宿泊飲食の急増が追い打ち
建設業の求人は3,290人(前年比+11.8%)、宿泊・飲食サービス業は940人(前年比+43.3%)と急増しています。インバウンド回復・リニア新幹線関連工事・横浜みなとみらい地区の再開発などが、従来の製造業求人に上乗せされる形で求人総数を押し上げています。
5. 年度内の推移:7月末から12月末への変化
高卒求人倍率は年度内でも変動します。令和8年卒の場合、7月末の3.99倍から12月末には4.46倍へ上昇しました。これは採用活動が進む中で追加求人が出る一方、内定が決まった生徒が求職者から外れるためです。
| 時点 | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 7月末 | 15,164人 | 3,804人 | 3.99倍 | 求人公開直後 |
| 12月末 | 16,491人 | 3,696人 | 4.46倍 | 追加求人+内定辞退補充 |
見落としがちな数字:求職者数は7月末3,804人から12月末3,696人へ108人減少しています。しかし求人数は1,327人増えています。12月末に求人倍率が上がるということは、「選考に出遅れた企業がさらに不利になる」ことを意味します。
6. 2030年予測シミュレーション
神奈川県は少子化の影響で18歳人口が今後も緩やかに減少する見通しです。一方、京浜工業地帯を中心とした産業の人材需要は維持される見込みであり、求人倍率はさらに上昇する可能性があります。
| 年度 | 求人数(予測) | 求職者数(予測) | 倍率(予測) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2027(R9) | 約17,000人 | 約3,600人 | 約4.7倍 | 求人増加トレンド継続 |
| 2028(R10) | 約17,500人 | 約3,500人 | 約5.0倍 | 少子化加速・大学進学率上昇 |
| 2030(R12) | 約18,000人 | 約3,300人 | 約5.5倍 | リニア開業効果・技能人材需要拡大 |
採用戦略への示唆:2030年には求人倍率が5倍を超える可能性があります。求人を出すだけでは応募が来ない時代が目前です。今から採用ブランディング・学校との関係構築・インターンシップの充実など、長期的な採用基盤づくりを始めた企業だけが、高卒採用で成果を出せる時代になります。
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データ出典:
- 神奈川労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」 (神奈川労働局)
- 厚生労働省「職業安定業務統計」
- 文部科学省「学校基本調査」
- 神奈川県「県民経済計算」



