香川県製造業の高卒採用戦略
造船・手袋・石化・食品の 4 本柱で中小製造業が勝つ方法
香川県の製造業は、造船(中讃)・手袋(東讃)・石油化学(坂出)・食品加工(全県)の 4 本柱で構成されています。地域ごとに集積する産業が違い、大手競合の顔ぶれも訪問すべき高校も変わります。
この 4 つの柱を理解しないまま「製造業の高卒採用」を一般論で進めても勝てません。自社が属する柱の構造を把握し、その柱に応じた打ち手を選ぶのが香川製造業の中小の絶対条件です。
4 本柱マップ
自社の柱を見つけて、競合と訪問校を確認する
主な大手競合:今治造船丸亀事業本部・多度津造船
主要訪問校:多度津高校(特に海洋技術科・海洋生産科)
中小の打ち手:機械科・電気科・土木科 / 中小造船は厳しい・舶用機械や周辺サービスへ
主な大手競合:東かがわ市の手袋メーカー大手
主要訪問校:志度高校・三本松高校
中小の打ち手:伝統技術 × 最新製造のストーリーで誇りを訴求 / 地域コミュニティ参加が決定打
主な大手競合:川崎重工業坂出工場 / 三菱ケミカル坂出事業所 / コスモ石油坂出製油所
主要訪問校:坂出工業(特に化学工学科)
中小の打ち手:化学工学科は指定校状態・機械科・電気科・建築科に絞る
主な大手競合:食品加工大手・冷凍食品メーカー
主要訪問校:観音寺総合・観音寺第一
中小の打ち手:大手の訪問が少ない地域での先生との関係構築が効く / 「香川の食を支える」ストーリー
中小製造業の共通課題と対策
4 本柱に共通して効く施策
1. 3 交代制ギャップを「事前体験」で潰す
造船・石化・食品加工はプラントを止められないため 3 交代制が一般的。18 歳が「夜勤」「シフト変則」を本当に理解できているかは別問題。内定後 〜 入社前に夜勤の時間帯に来てもらう体験を 1 〜 2 日設定する。これが入社後 3 ヶ月離職を防ぐ最大の予防策です。
2. 学科を狙い撃ちで決め打ちする
「高松工芸の機械科に求人を出す」ではなく「高松工芸機械科で旋盤の実習に取り組んだ生徒 1 名」と学科 + 学習内容まで具体化。先生は「うちの学科のことを分かっている会社」として推薦しやすくなります。
3. 「ものづくり」のイメージと現実のギャップを埋める
「ものづくり = 楽しそう」のイメージで入社し、「8 時間の反復作業」「精密検査の集中作業」の現実に直面して辞めるパターンが多い。求人票・職場見学・面接で現実を正直に伝えるのが、結果的に定着率を上げます。
4. 中小ならではのキャリア訴求
大手だと配属 → 定型業務 → 数年後にやっと別工程へ。中小なら 1 年目で全工程を一通り経験できる、5 年で工場長候補も視野。「早く実戦に出られる」を中小最強の差別化軸として打ち出します。
5. 資格取得支援で「成長実感」を可視化
フォークリフト・溶接・危険物・電気工事士など、業務に直結する資格の取得を会社負担で支援する。「3 ヶ月で 1 資格」など定着の節目に成長を実感できる仕組みを作る。
6. 保護者への定期報告で「辞めさせない」体制
18 歳が「辞めたい」と最初に相談するのは保護者。保護者が「辞めなさい」と言うか「もう少し頑張ってみたら」と言うかは、企業と保護者の関係次第。入社 1 ヶ月・3 ヶ月・半年の節目で保護者に手紙を出す。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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