石川県の小売・サービス業で
高卒人材を採用するには
離職率64.7%と土日出勤の壁を越える方法
石川県の小売・サービス業は二極化しています。従来型の卸売・小売は求人が前年比-11.5%で縮小。一方、観光・インバウンドは金沢市の観光客1,098万人・外国人宿泊110万人(2024年)と急拡大。クスリのアオキHD(売上5,014億円)のような成長チェーンも拡大を続けています。
しかし、業態を問わず共通する壁が2つあります。離職率の高さ(宿泊・飲食64.7%、小売48.3%)と「土日出勤」というハンデです。製造業が「土日祝休み」を求人票に書ける中、小売・サービスは「シフト制」と書かざるを得ない。高校生はこの時点で候補から外す。
この記事では、この2つの壁をどう越えるかを具体的に解説します。
離職率64.7% — 3人採って2人辞める現実
採用と定着をセットで考えないと、毎年同じことの繰り返しになる
宿泊・飲食サービス業の高卒3年以内離職率は64.7%。小売業は48.3%(厚労省・令和4年3月卒)。全業種で最も高い水準です。
なぜ辞めるのか:
- •シフト勤務による生活リズムの崩壊。早朝出勤・深夜閉店。高校時代の生活パターンとの激変
- •土日出勤で友達と会えない。SNSで土日休みの友達が遊んでいるのを見る。「自分だけ働いている」という孤立感
- •立ち仕事の体力的負担。8時間立ちっぱなしは想像以上にきつい
- •クレーム対応のストレス。18歳が理不尽なクレームに対応するのは精神的に重い
定着のために最低限やること
- •入社前にシフトを体験させる。実際の勤務時間帯(たとえば6:00〜15:00の早番や12:00〜21:00の遅番)を1〜2日体験させる。辞退のリスクより入社3ヶ月で辞められるリスクの方が重い
- •「土日出勤の代わりに平日休み」のメリットを正直に伝える。「平日休みなら病院も役所も混まない。旅行も安い」——嘘ではない。ただし「土日は休めません」を隠して入社させるのは絶対にNG
- •クレーム対応のトレーニングを入社1週間以内に行う。「こう言われたらこう返す」のマニュアルを用意し、一人で対応させない。先輩が横につく期間を最低1ヶ月は確保する
- •週1回の面談。「先週つらかったことは?」ではなく「先週、お客さんに『ありがとう』って言われた場面ある?」——小さい成功体験を見つけさせる
定着策の全体像は早期離職防止ガイドを参照。
業態別 — あなたの会社はどう戦うか
観光・宿泊・飲食(金沢市内)— インバウンド需要の中心地
2024年に金沢市の観光客は1,098万人、外国人宿泊は110万人。兼六園・ひがし茶屋街・近江町市場・21世紀美術館。仕事はある。人がいない。
- •「英語ができないと無理」は嘘。翻訳アプリ、多言語メニュー、指差しシートで対応可能。採用基準は「笑顔で接客できるか」であって語学力ではない。英語は現場で自然に覚える
- •「金沢で接客を学べば全国どこでも通用する」——これは事実であり、キャリアの武器。3年間ここで働けば、東京のホテルでも通じるスキルが身につくと伝える
- •ターゲット校は金沢商業・金沢北陵。工業高校とは競合しない
vs クスリのアオキHD(5,014億円)— 小売業の中小企業
アオキは石川県最大の売上企業であり、小売業では最大の採用競合です。ドラッグストアは成長産業で、高校生から見ても「知っている会社」。中小の小売は知名度で勝てません。
- •アオキの弱点を知る。店舗シフト・全国転勤の可能性・配属先が選べない・数百人の同期の中の1人。これらは中小にはない
- •中小の強み。「転勤なし。この店で働く」「少人数だから店長までのキャリアが早い」「社長が直接教えてくれる」——大手チェーンでは不可能な距離感
- •求人票に具体的な待遇を書く。「年間休日○日」「賞与年○回」「交通費支給○万円まで」。アオキの求人票と並べて見劣りしないかチェックする
加賀温泉郷・和倉温泉 — 旅館業
山代・山中・片山津・和倉温泉の旅館は高卒の重要な受け皿ですが、離職率64.7%の壁が立ちはだかります。
従来型小売(-11.5%)— 縮小市場での戦い方
卸売・小売の求人は前年比-11.5%で縮小傾向。しかし、人材が不要になったわけではない。省人化が進む中で「接客の質」で差別化する店舗は残る。
- •「うちの店は地域のお客さんに名前で呼ばれる」——大手チェーンのセルフレジにはない価値。人と人の接点が仕事の本質だと伝える
- •ターゲット校は金沢北陵・加賀高校。商業高校は大手が狙うため、総合学科が穴場
訪問すべき高校
小売・サービス業は工業高校と競合しない。これは有利なポイント
| 学校名 | 所在地 | こんな業態に向く | ポイント |
|---|---|---|---|
| 金沢商業高校 | 金沢市 | 金融・事務・販売 | 約8.5倍。簿記・情報処理を持つ即戦力。ただしアオキ・北國銀行と競合 |
| 小松商業高校 | 小松市 | 販売・事務 | 11倍超。加賀エリアで最激戦 |
| 金沢北陵高校 | 金沢市 | 接客・販売・介護 | 穴場。総合学科で競合が少ない。中小小売にとって狙い目 |
| 加賀高校 | 加賀市 | 旅館・飲食・販売 | 加賀温泉郷の旅館業にとって地元校 |
| 七尾東雲高校 | 七尾市 | 旅館・サービス | 和倉温泉の旅館のターゲット。13倍の激戦 |
所在地:金沢市
向く業態:金融・事務・販売
ポイント:約8.5倍。簿記・情報処理を持つ即戦力。ただしアオキ・北國銀行と競合
所在地:小松市
向く業態:販売・事務
ポイント:11倍超。加賀エリアで最激戦
所在地:金沢市
向く業態:接客・販売・介護
ポイント:穴場。総合学科で競合が少ない。中小小売にとって狙い目
所在地:加賀市
向く業態:旅館・飲食・販売
ポイント:加賀温泉郷の旅館業にとって地元校
所在地:七尾市
向く業態:旅館・サービス
ポイント:和倉温泉の旅館のターゲット。13倍の激戦
訪問手順は学校訪問完全マニュアルを参照。
「土日出勤」を隠さない — 正直に伝えて、それでも来てくれる人を採る
隠して入社させると3ヶ月で辞められる
製造業は「土日祝休み・年間休日120日」を求人票に書ける。小売・サービスは「シフト制・年間休日105日」と書かざるを得ない。高校生はこの時点で製造業を選ぶ。
隠すのは最悪手です。「うちは土日が忙しい仕事です」を正直に伝えた上で、以下を提示してください。
求人票に書くべきこと
- 1.「シフト制。土日いずれか出勤、いずれかは休み」(月の土日のうち半分は休める場合)
- 2.「平日に連休が取れます。旅行も病院も空いています」
- 3.「年間休日○日」を必ず明記。105日なら105日と書く。書かないと「休みがないのでは」と思われる
- 4.「有給消化率○%」が出せるなら出す
「土日出勤は嫌だ」という高校生を説得する必要はありません。「土日出勤でも、この仕事をやりたい」という人を見つけることが目的です。対象を絞ることで、入社後のミスマッチが減ります。
「小売は将来性がない」への反論
接客スキルは一生使える武器。これを具体的に伝える
保護者が「小売やサービスは将来性がない」と反対するケースがあります。これに対して抽象的な「やりがいがあります」は通用しません。具体的な事実で返してください。
- •「接客で身につくスキルは転職市場で評価される」。コミュニケーション能力・クレーム対応力・問題解決力は、営業・人事・管理部門でも求められる。事実として、小売出身者は他業種への転職が多い
- •「金沢の観光市場は成長している」。観光客1,098万人・外国人宿泊110万人は数字として提示できる。「縮小する業界」ではなく「拡大する市場」にいる
- •「店長・マネージャーへのキャリアパスがある」。高卒入社で3年後に副店長、5年後に店長——この具体的な年次を見せる。大企業では10年かかるポジションに、中小なら5年で就ける
- •登録販売者の資格。ドラッグストア勤務なら2年の実務経験で受験可能。取得すれば月額手当がつき、転職市場でも価値がある国家資格相当
保護者対策の全体像はオヤカク完全マニュアルを参照。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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