オヤカク(保護者対策)完全マニュアル(石川県版)

県内就職率92.3%の地元志向を活かして内定辞退を防ぐ

「内定を出した高校生から、突然の辞退連絡が入った」「理由を聞くと『親に反対された』と言われた」。石川県の高卒採用現場で、このようなケースが後を絶ちません。

マイナビ調査(2024年)によると、企業の約6割が「オヤカク」を実施しており、もはや標準的な採用活動のひとつです。さらに、内定辞退理由の約3割が「保護者の反対」であり、保護者対策なしに高卒採用を成功させることは困難です。

石川県は県内就職率92.3%と保護者の地元志向が極めて強い地域です。「地元で安心して働ける」という点は大きな武器になります。一方で、機械産業が製造品出荷額の約7割を占める産業構造から「工場は安全か」という不安や、能登半島地震後の事業継続への懸念という石川県固有の保護者心理が存在します。本記事では、石川県の企業が実践すべきオヤカクの具体策を徹底解説します。

約6割
オヤカク実施企業
マイナビ調査(2024)
約3割
内定辞退理由:保護者反対
各種調査より
92.3%
石川県 県内就職率
地元志向が極めて強い
99.5%
石川県 就職率
全国平均98.0%超

1. オヤカクとは何か?

「オヤカク(親確)」とは、「親への確認」の略語で、内定を出す際や入社前に、学生の保護者から入社の承諾を得る活動を指します。大学生の就活で注目され始めた概念ですが、高卒採用においては以前から事実上行われてきた重要なプロセスです。

高卒採用は「学校斡旋」という独自のルートで進みますが、最終的な就職先の決定には保護者の意向が極めて大きく影響します。高校生は社会経験が少なく、就職先を選ぶ際に保護者の意見を重視する傾向が強いためです。未成年の場合は労働契約の締結に保護者同意が法的にも必要なケースがあります。

石川県の高卒採用における現実

内定辞退理由の約3割が「保護者の反対」

企業の約6割がオヤカクを実施(マイナビ調査 2024年)

つまり、オヤカクは「やった方がいい」ではなく、「やらなければ採用計画が崩れるリスクがある」必須の活動です。企業の6割超が採用人数を確保できていない石川県では、内定者一人ひとりを確実に入社に繋げることが経営課題です。

2. なぜ石川県でオヤカクが特に重要なのか

オヤカクは全国的に重要ですが、石川県にはこの活動が特に不可欠となる地域固有の事情があります。

機械産業中心の産業構造と保護者の不安

石川県は機械産業が製造品出荷額の約7割を占め、PFU・澁谷工業・EIZOなど精密機器メーカーが集積しています。保護者世代には「工場=危険」というイメージが残っている場合があり、最新の安全管理体制が整備されていても、その実態を知らない保護者が多いのが現状です。

能登半島地震後の事業継続への不安

2024年1月の能登半島地震は保護者心理に大きな影響を与えています。特に能登地域の企業では「地震で会社が潰れないか」「また大きな地震が来たらどうなるか」という不安が保護者に根強く残っています。事業継続計画(BCP)の策定状況や耐震対策を積極的に開示する必要があります。

県内就職率92.3%の地元志向を味方にする

石川県は県内就職率92.3%と、保護者の「子供は地元で働いてほしい」という希望が実現しやすい環境です。中小企業は「地元で安心して長く働ける会社」というポジションを取ることで、保護者の支持を獲得できます。

【表1】高卒採用における内定辞退の主な理由
順位辞退理由割合石川県特有の背景
1位保護者の反対約30%「知らない会社」への不信感、地震後の安全不安
2位他社からの内定約25%クスリのアオキHD・PFU等の大手を保護者が推す
3位進学への切り替え約16%「やっぱり大学に行ってほしい」という保護者の希望
4位条件面の不一致約12%大手との給与・福利厚生の比較

ポイント:石川県では「保護者が安心する会社=採用に成功する会社」です。県内就職率92.3%の地元志向と、日本一シェア企業70社超のものづくり基盤を、保護者への安心材料として最大限活用しましょう。

3. 保護者が不安に思うポイント5選と解消法

石川県の保護者が子供の就職先に対して抱く不安は、地域の産業構造と震災経験を反映した特徴があります。以下の5つを必ず解消しましょう。

1. 安全性(特に機械産業・工場勤務)

石川県で最も多い不安です。機械産業が製造品出荷額の7割を占めるため、「工場で怪我をしないか」「危険な作業はないか」という心配は根強くあります。

解消法

労災発生率(ゼロ記録の年数)、安全設備への投資額、安全教育の実施内容を具体的に示します。ISO45001(労働安全衛生マネジメント)の取得状況も有効です。保護者向け工場見学会を実施し、最新の安全設備を直接見てもらいましょう。

2. 能登半島地震後の事業継続性

石川県固有の不安です。「また地震が来たら会社はどうなるのか」「事業が続けられるのか」という懸念は、能登地域だけでなく加賀地域の保護者にも存在します。

解消法

BCP(事業継続計画)の策定・公開状況、建物の耐震補強実績、地震保険の加入状況、震災後の事業復旧実績を説明しましょう。「震災を経験したからこそ、従業員の安全と生活を守る備えを強化した」というストーリーは強い安心材料になります。

3. 会社の安定性・将来性

「聞いたことのない会社だけど大丈夫?」。クスリのアオキHD・PFU・澁谷工業・EIZOなど知名度の高い企業が多い石川県では、中小企業への不安は特に大きくなります。

解消法

創業年数、主要取引先との関係(「PFUのサプライヤー」「澁谷工業の協力会社」など)、売上推移を数字で示します。石川県には日本一シェアを持つ企業が70社以上あり、自社のシェアや技術力の位置づけを明確にすることが有効です。

4. 給与・待遇・福利厚生

「生活していけるだけの給料は出るのか」「ボーナスはあるのか」。大手製造業の給与水準と比較されがちです。

解消法

初任給だけでなく、モデル年収(3年目・5年目・10年目)を提示します。就職率99.5%(全国平均98.0%超)という石川県の安定した雇用環境もアピールしましょう。住宅手当・家族手当・資格手当の具体額も必ず示します。

5. キャリアアップ・教育制度

「高卒で入社して将来どうなるのか」「使い捨てにされないか」。大学進学率の上昇に伴い、高卒就職を選んだ子供の将来を心配する保護者は増えています。

解消法

研修制度、資格取得支援(費用全額会社負担など)、高卒社員の昇進実績を紹介します。「高卒入社8年で現場リーダー」「技能検定1級取得者を毎年輩出」といった具体例が最も説得力があります。伝統工芸関連企業なら「伝統工芸士」の資格取得支援も強力なアピールです。

4. オヤカク実践タイムライン(石川県版)

石川県は10月末まで一人一社制が適用されます。9月の選考開始から入社までの期間を3フェーズに分けて、保護者とのコミュニケーション計画を立てましょう。

時期実施内容具体的なアクション
内定通知時(9月中〜下旬)保護者向け第一報内定通知に社長名義の保護者宛手紙を同封。会社概要・待遇・安全管理体制の資料を添付。「ご不明点は直接お電話ください」と連絡先を明記
内定後1〜2週間以内保護者説明会の案内土曜日開催の保護者説明会・工場見学会を案内。BCP・耐震対策の説明も組み込む。オンライン参加枠も用意し参加率を高める
保護者説明会(10月)対面での信頼構築社長・役員が直接説明。職場を実際に見てもらう。先輩高卒社員との交流時間を設ける。質疑応答に丁寧に対応
11月〜12月定期的な情報発信社内イベントや研修の写真付きレポートを送付。年末の挨拶状(社長名義)で継続的な関心を示す
1月〜3月(入社前)入社準備の共有入社式の案内、配属先の決定報告、入社前研修の案内を保護者にも送付。「準備が整っています」という安心感を与える

5. 保護者向け資料に盛り込むべき情報チェックリスト

保護者説明会や資料送付の際に、以下の情報が網羅されているか確認しましょう。

会社の基本情報

  • ・創業年数・沿革
  • ・従業員数・平均年齢・平均勤続年数
  • ・主要取引先(大手との関係性)
  • ・売上推移(安定性のアピール)
  • ・自社製品が使われている場所・実績

安全・災害対策

  • ・労災発生率・安全記録
  • ・安全設備への投資実績
  • ・BCP策定・地震保険加入状況
  • ・建物の耐震対応状況
  • ・避難訓練・安全教育の実施頻度

待遇・福利厚生

  • ・初任給(手当の内訳)
  • ・モデル年収(3年目・5年目・10年目)
  • ・年間休日数・有給取得率
  • ・住宅手当・通勤手当・家族手当
  • ・退職金制度の有無

キャリア・教育

  • ・研修制度(入社時・フォロー研修)
  • ・資格取得支援(費用負担・合格祝い金)
  • ・高卒社員の昇進実績
  • ・メンター制度の有無
  • ・キャリアパスの具体例

まとめ:石川県のオヤカクで最も重要なのは「安心感の提供」です。県内就職率92.3%の地元志向を味方に、機械産業の安全性と能登半島地震後のBCP対策を具体的に伝え、保護者を「採用の味方」に変えましょう。大手の知名度に勝てなくても、保護者への丁寧な対応で信頼を勝ち取ることで、中小企業でも内定辞退を防げます。

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データ出典:

  • 石川労働局「令和8年3月新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況」(https://www.pacola.co.jp/n2025091813/)
  • 石川労働局「12月末内定状況」(https://www.pacola.co.jp/%E7%9F%B3%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E5%86%85-%E4%BB%A4%E5%92%8C7%E5%B9%B4%E5%8D%92%E9%AB%98%E6%A0%A1%E7%94%9F%E3%81%AE%E5%B0%B1%E8%81%B7%E5%86%85%E5%AE%9A%E7%8E%8794-3%EF%BC%85%E3%80%8115%E5%B9%B4%E9%80%A3/)
  • 文部科学省「高等学校卒業者の就職状況調査」(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kousotsu/kekka/k_detail/mext_00039.html)
  • 日本経済新聞「能登6市町、人口5.9%減」(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE0398E0T00C25A2000000/)
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