岐阜県の高卒求人倍率推移【2019〜2025年度】
愛知・三重・長野との比較分析|令和8年3月末時点データ
岐阜県の高卒求人倍率は、令和8年3月末時点(令和8年3月卒)で4.31倍と、岐阜労働局が平成4年度に集計を始めて以来の最高を更新しました。求人数12,493人に対し求職者数は2,896人で、1人の高校生を4社以上で取り合う構造が続いています。東海エリアの製造業集積地として、自動車部品・刃物・陶磁器など多様な産業が高卒人材を求めている一方、愛知県への人材流出が採用環境をさらに厳しくしています。
1. 求人倍率推移(2019〜2025年度)
岐阜県 新規高卒者の求人倍率の推移(各年度3月末現在・岐阜労働局)
| 卒業年度(各年度3月末時点) | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度(R2.3卒) | 11,256人 | 4,072人 | 2.76倍 | +0.06 |
| 2020年度(R3.3卒) | 8,886人 | 3,803人 | 2.34倍 | -0.42 |
| 2021年度(R4.3卒) | 9,365人 | 3,462人 | 2.71倍 | +0.37 |
| 2022年度(R5.3卒) | 10,748人 | 3,115人 | 3.45倍 | +0.74 |
| 2023年度(R6.3卒) | 11,919人 | 2,900人 | 4.11倍 | +0.66 |
| 2024年度(R7.3卒) | 12,356人 | 2,952人 | 4.19倍 | +0.08 |
| 2025年度(R8.3卒) | 12,493人 | 2,896人 | 4.31倍 | +0.12 |
2019年度(R2.3卒)
求人数:11,256人
求職者数:4,072人
求人倍率:2.76倍
前年差:+0.06
2020年度(R3.3卒)
求人数:8,886人
求職者数:3,803人
求人倍率:2.34倍
前年差:-0.42
2021年度(R4.3卒)
求人数:9,365人
求職者数:3,462人
求人倍率:2.71倍
前年差:+0.37
2022年度(R5.3卒)
求人数:10,748人
求職者数:3,115人
求人倍率:3.45倍
前年差:+0.74
2023年度(R6.3卒)
求人数:11,919人
求職者数:2,900人
求人倍率:4.11倍
前年差:+0.66
2024年度(R7.3卒)
求人数:12,356人
求職者数:2,952人
求人倍率:4.19倍
前年差:+0.08
2025年度(R8.3卒)
求人数:12,493人
求職者数:2,896人
求人倍率:4.31倍
前年差:+0.12
出典:岐阜労働局「新規高卒者 職業紹介状況(令和8年3月末現在)」図表1(各年度3月末現在・求職者数=就職希望者数)
2. 隣接県・全国平均との比較
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 岐阜県 | 4.31倍(過去最高) | 自動車部品・刃物・陶磁器・食品 | 東海エリア製造業集積地 |
| 愛知県 | 4.94倍 | 自動車・機械・航空宇宙 | 東海エリア最大の雇用吸収地 |
| 三重県 | 3.12倍 | 石油化学・電子部品・食品 | 四日市コンビナート中心 |
| 長野県 | 3.12倍 | 精密機械・電子部品・食品 | 精密機械の集積地 |
| 全国平均 | 4.12倍 | — | — |
岐阜県
高卒求人倍率:4.31倍(過去最高)
主要産業:自動車部品・刃物・陶磁器・食品
特徴:東海エリア製造業集積地
愛知県
高卒求人倍率:4.94倍
主要産業:自動車・機械・航空宇宙
特徴:東海エリア最大の雇用吸収地
三重県
高卒求人倍率:3.12倍
主要産業:石油化学・電子部品・食品
特徴:四日市コンビナート中心
長野県
高卒求人倍率:3.12倍
主要産業:精密機械・電子部品・食品
特徴:精密機械の集積地
全国平均
高卒求人倍率:4.12倍
主要産業:—
特徴:—
令和8年3月末現在(令和8年3月卒)。出典:厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況(令和8年3月末現在)」第3表(厚生労働省)
つまり:岐阜県の4.31倍は全国平均4.12倍を上回り、三重県・長野県(いずれも3.12倍)より高い水準です。隣接する愛知県は4.94倍とさらに高く、岐阜県から愛知県への人材流出が県内企業の採用環境を一層厳しくしています。
3. 求人倍率が高い理由3つ
1. 製造業の圧倒的な採用需要
岐阜県の製造品出荷額は約5兆6,149億円で、製造業就業者割合は25.0%(全国6位)です。令和7年3月卒の求人では全体の49%を製造業が占め、6,086人もの求人が出ています。各務原市の航空宇宙・自動車部品、関市の刃物、多治見市・土岐市の美濃焼など、地域ごとに特色ある製造業が高卒人材を求めています。
2. 愛知県への人材流出による県内人材の枯渇
岐阜県の県内就職率は68.1%(令和8年3月卒・岐阜労働局。前年比+0.3pt)で、10年前の73.0%から下がり、3年続けて70%を下回っています。愛知県の大手自動車関連企業やトヨタ系サプライヤーが高卒人材を積極的に採用しており、特に岐阜エリア・東濃エリアの高校生が愛知県に流れています。県内に残る求職者数はさらに限られるため、実質的な採用難易度は数字以上に厳しくなっています。
3. 宿泊・飲食サービス業の急回復
コロナ後のインバウンド回復・観光需要の復活に伴い、宿泊・飲食サービス業の求人は令和7年3月卒で450人(前年比+120人、+36.4%)と急増しました。下呂温泉・高山・白川郷など岐阜県有数の観光地を抱え、従来は製造業中心だった高卒採用市場に新たな競合が加わったことで、限られた求職者の争奪戦が一段と激化しています。
4. 18歳人口の減少見通しと今後の採用環境
リクルート進学総研の推計によると、岐阜県の18歳人口は2020年から2032年にかけて17.7%減少する見通しで、東海エリア(愛知・岐阜・三重・静岡)で最も大きな減少率です。高校生の数が減っていくため、求人倍率が高い状態は今後も続くと考えられます。
採用戦略への示唆:岐阜県は東海エリアで最も18歳人口の減少率が大きく、2032年に向けて採用環境は加速度的に厳しくなります。愛知県との人材争奪戦を前提とした差別化戦略、すなわち「県内で働くことの魅力」を高校生に伝える採用ブランディングの構築が急務です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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