岐阜県の高校生数推移と18歳人口予測|17.7%減の衝撃と採用戦略
リクルート進学総研・岐阜県統計課データに基づく最新分析
岐阜県は製造品出荷額約5兆6,149億円を誇る東海エリアの製造業集積地ですが、県総人口は191万3,076人(2024年10月時点)で20年連続の減少中です。年間-16,593人のペースで人口が減り、18歳人口の減少率は東海4県で最大の17.7%(2020〜2032年推計)。さらに大学進学者の81.2%が県外(うち47.6%が愛知県)に流出し、高卒就職者の県内就職率も68.1%(令和8年3月卒)と、10年前の73.0%から下がっています。岐阜県の企業にとって高卒人材の確保は年々困難さを増しています。
1. 岐阜県の18歳人口推移と2032年予測
リクルート進学総研の推計によると、岐阜県の18歳人口は2020年から2032年にかけて17.7%減少する見通しです。これは東海エリアの中で最も大きな減少率であり、愛知県・三重県・静岡県を上回ります。
| 都道府県 | 18歳人口減少率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 岐阜県 | 17.7%減 | 東海エリア最大の減少率 |
| 三重県 | 17.3%減 | 石油化学産業中心 |
| 静岡県 | 14.8%減 | 自動車・楽器産業中心 |
| 愛知県 | 9.1%減 | 東海最大の雇用吸収力 |
表1:東海エリア 18歳人口減少率の比較(2020→2032年予測)
岐阜県
18歳人口減少率:17.7%減
特徴:東海エリア最大の減少率
三重県
18歳人口減少率:17.3%減
特徴:石油化学産業中心
静岡県
18歳人口減少率:14.8%減
特徴:自動車・楽器産業中心
愛知県
18歳人口減少率:9.1%減
特徴:東海最大の雇用吸収力
出典:リクルート進学総研「18歳人口・進学率・地元残留率の推移 2020年」(2021年公表・2020→2032年の減少率)
岐阜県の構造的課題
岐阜県は東海エリアの中でも人口減少の影響を最も強く受ける県です。18歳人口が減れば、就職を希望する高校生の数も減っていきます。求人数が高い水準のまま続けば、1人の高校生を複数の企業で取り合う状態はさらに強まります。
2. 愛知県への人材流出と県内就職率の低下
岐阜県は「人口が減る」だけでなく、「育った若者が県外に出ていく」という二重の課題を抱えています。高卒就職者と大学進学者の両方で愛知県への流出が進んでいます。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 高卒県内就職率 | 68.1% | 令和8年3月卒(岐阜労働局)。10年前の73.0%から低下し、3年続けて70%未満 |
| 高卒県外就職先(主要) | 愛知県 | トヨタ系サプライヤー等が吸引 |
| 大学進学者の県外進学率 | 81.2% | 5人中4人が県外の大学へ進学 |
| 大学進学先(最多) | 愛知県内大学 47.6% | 名古屋大学・南山大学等 |
表2:岐阜県の若年層県外流出データ
高卒県内就職率
数値:68.1%
備考:令和8年3月卒(岐阜労働局)。10年前の73.0%から低下し、3年続けて70%未満
高卒県外就職先(主要)
数値:愛知県
備考:トヨタ系サプライヤー等が吸引
大学進学者の県外進学率
数値:81.2%
備考:5人中4人が県外の大学へ進学
大学進学先(最多)
数値:愛知県内大学 47.6%
備考:名古屋大学・南山大学等
県外流出が採用に与える影響
高卒就職者の県内就職率68.1%(令和8年3月卒)は、残りの約32%が県外(主に愛知県)に就職していることを意味します。令和8年3月卒の就職内定者2,894人のうち県内企業に決まったのは1,972人です。さらに大学進学者の81.2%が県外に出ることで、将来的にUターン人材の確保も困難になります。岐阜県の企業は「愛知県に負けない魅力」を打ち出さなければ、高校生に選ばれない時代に入っています。
3. 少子化が高卒採用に与える3つの影響
影響1:求人倍率の構造的上昇
求職者数(分母)が18歳人口の減少に連動して減る一方、製造業を中心とした求人数(分子)は高水準を維持しています。岐阜県の高卒求人倍率は令和8年3月卒で4.31倍と過去最高を更新しています。18歳人口の減少が続くため、高い倍率は今後も続くと考えられます。
影響2:愛知県との人材争奪戦の激化
県内就職率が68.1%と70%を下回る中、愛知県の大手自動車メーカー・サプライヤーが岐阜県の高校に求人票を送り、積極的に採用しています。岐阜県内の中小企業にとっては、隣県の大手企業が直接的な採用競合になるという、他県にはない特有の構造があります。
影響3:工業高校定員の見直しリスク
少子化に伴い、県内の高校再編が進んでいます。製造業にとって最も重要な人材供給源である工業高校の定員が見直される可能性があり、即戦力となる高卒技術者の供給が先細りするリスクがあります。
岐阜県の採用環境
18歳人口 東海最大の17.7%減
県内就職率68.1%(3年続けて70%未満)
4. これから企業が取るべき対策5つ
18歳人口の減少と愛知県への人材流出が同時進行する岐阜県で、企業が今から取り組むべき対策を5つ提案します。
愛知県との差別化を明確にする
「通勤時間の短さ」「地元で家族と暮らせる安心感」「転勤なし」「地域に貢献する実感」など、愛知県勤務にはない魅力を具体的に言語化し、求人票・職場見学・採用HPで一貫して伝えましょう。
地元高校との関係構築を早期から
求人票を送るだけでなく、インターンシップ・出前授業・工場見学を通じて高校1・2年生から接点を持つ。岐阜県内の工業高校・商業高校への定期訪問を年間計画に組み込むことが重要です。
SNS・動画で「働く姿」を見せる
高校生はスマホで情報収集する世代です。Instagram・TikTokで職場の日常を発信し、YouTubeで先輩社員のインタビュー動画を公開するなど、求人票では伝わらない職場の雰囲気を届けましょう。
定着率向上で「口コミ採用」を実現
高卒入社の先輩が活躍している姿は、後輩の高校生にとって最強のPRです。メンター制度・キャリアパスの明示・資格取得支援など、入社後の成長環境を整備することが、結果として次の採用につながります。
複数エリアの高校にアプローチを広げる
自社所在エリアの高校だけでなく、近隣エリアの高校にもアプローチ範囲を広げましょう。飛騨エリアの高校生が岐阜エリアに就職するケースもあり、送迎バスや寮の整備が差別化要因になります。
5. よくある質問
Q. 岐阜県の18歳人口はどのくらい減りますか?
A. 2020年から2032年にかけて17.7%の減少が予測されています。東海エリア(愛知・岐阜・三重・静岡)で最大の減少率です。
Q. 岐阜県の高校生はどこに就職していますか?
A. 県内就職率は令和8年3月卒で68.1%(岐阜労働局)で、残りの約32%は主に愛知県に就職しています。名古屋圏の自動車関連企業が主な流出先です。
Q. 大学進学者はなぜ県外に出るのですか?
A. 岐阜県の大学進学者の県外進学率は81.2%で、うち47.6%が愛知県内の大学に進学しています。県内の大学数が限られていることが主因です。
6. まとめ|岐阜県の高卒採用を勝ち抜くために
岐阜県は製造品出荷額約5兆6,149億円を誇るものづくり県ですが、18歳人口の減少率は東海エリアで最大の17.7%。県内就職率68.1%(令和8年3月卒・10年前は73.0%)と大学進学者の県外流出81.2%が重なり、県内企業の採用環境は構造的に厳しさを増しています。
- 18歳人口の減少は止められない:「今年は運が悪かった」ではなく、構造的な減少を前提とした中長期の採用計画が必要。
- 愛知県との差別化が生命線:隣県の大手企業と正面から待遇で勝負するのではなく、「地元で働く意味」を高校生に伝える採用ブランディングが鍵。
- 今すぐ始めた企業が勝つ:18歳人口の減少で採用環境は厳しくなっていく。学校との関係構築・採用HP・SNS発信は「始めた時期」が競争優位になる。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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