愛媛県のハローワーク求人票申込マニュアル

提出から公開までの手順|県内8拠点の活用法を採用担当者向けに徹底解説

愛媛県は高卒求人倍率3.75倍(令和7年3月卒)の売り手市場です。求人数6,270人に対し求職者数は1,674人で、造船・製紙・タオル製造・住友系重化学を中心に多くの企業が高卒人材を求めています。高卒採用活動の第一歩となるのがハローワークへの求人票提出です。一般の中途採用と異なり、高卒採用ではハローワークを通じた独自のルールとスケジュールに従う必要があります。

本記事では、愛媛県内8拠点のハローワークの管轄エリア一覧から、求人票の書き方のコツ(愛媛県の産業に合わせた具体例付き)、提出スケジュール、活用のコツまでを完全解説します。

目次

1. ハローワークの役割(高卒採用における位置づけ)

高卒採用において、ハローワーク(公共職業安定所)は単なる求人掲載窓口ではなく、採用活動の「司令塔」として機能します。一般の中途採用と異なり、高卒採用ではハローワークを経由しなければ求人票を高校に届けることができません。

高卒採用におけるハローワークの3つの役割

求人票の受理・審査

企業から提出された高卒求人票の内容を審査し、労働基準法や各種法令に適合しているか確認します。不備があれば差し戻し・補正指導を行います。

求人情報の高校への提供

受理した求人票を「高卒就職情報WEB提供サービス」を通じて高校の進路指導室に届けます。7月1日以降、全国の高校から閲覧可能になります。

採用活動の調整・支援

合同企業説明会の開催、求人充足状況のデータ提供、採用に関する相談対応など、企業と高校の橋渡し役を担います。

重要:高卒採用では、企業が高校生に直接求人を出すことはできません。必ずハローワークを通じて求人票を提出し、受理を受けた上で高校に届ける必要があります。これは「学校斡旋」と呼ばれる高卒採用独自のルールです。

2. 愛媛県内ハローワーク8拠点一覧

愛媛県内には8つのハローワーク(公共職業安定所)があります。高卒求人票は、事業所(実際に勤務する場所)の所在地を管轄するハローワークに提出します。

ハローワーク名主な管轄エリアエリアの主要産業
ハローワーク松山松山市・伊予市・東温市・松前町・砥部町・久万高原町化学繊維(東レ・帝人)、サービス業、小売業
ハローワーク今治今治市・上島町造船(今治造船)、今治タオル、海運
ハローワーク八幡浜八幡浜市・伊方町柑橘農業、水産加工
ハローワーク新居浜新居浜市住友系重化学(住友化学・住友金属鉱山)
ハローワーク西条西条市電子部品、機械製造
ハローワーク四国中央四国中央市紙パルプ(大王製紙等):紙製品出荷額日本一
ハローワーク大洲大洲市・内子町農業、食品加工
ハローワーク宇和島宇和島市・鬼北町・松野町・愛南町養殖(マダイ・ブリ日本一)、柑橘農業

提出先の確認:提出先は本社ではなく、実際に高校生が勤務する事業所の所在地で決まります。複数の事業所で採用を行う場合は、各事業所の管轄ハローワークに個別に提出する必要があります。例えば、本社が松山市で工場が四国中央市にある場合、工場勤務の求人はハローワーク四国中央に提出します。

出典:愛媛労働局

3. 求人票提出の流れとスケジュール

高卒求人票の提出から高校への公開、そして内定までの全体スケジュールを確認しましょう。愛媛県は求人倍率3.75倍で求人が集中するため、スピード感のある行動が採用成功の鍵を握ります。

STEP 1

事前準備・事業所登録の確認(5月中)

ハローワークに事業所登録がない場合は先に登録を行います。既に登録済みの場合は、登録内容(所在地・代表者・社会保険等)に変更がないか確認します。

STEP 2

求人票の原案作成(5月中)

高卒専用の求人申込書(学卒用)に記入します。賃金・労働条件・仕事内容・福利厚生・青少年雇用情報を正確に記載します。愛媛県の高卒初任給相場を踏まえた設定が重要です。

STEP 3

ハローワークへ求人票を提出(6月1日〜)

6月1日以降、管轄のハローワーク(県内8拠点)に求人申込書を提出します。窓口提出のほか、ハローワークインターネットサービスでの仮登録も可能です。

STEP 4

内容確認・補正対応(提出後数日〜)

ハローワークの担当者が記載内容を審査します。不備や曖昧な表現があれば補正(差し戻し)が発生します。差し戻しには数日〜1週間かかることもあるため、余裕を持った提出が大切です。

STEP 5

求人票の受理・求人番号の付与(提出後1〜2週間)

記載内容に問題がなければ求人票が受理され、求人番号が付与されます。この求人番号が高校への公開・応募管理に使われます。

STEP 6

高校への求人票公開(7月1日)

7月1日以降、受理済みの求人票が「高卒就職情報WEB提供サービス」を通じて全国の高校に公開されます。同時に、企業から高校への直接訪問(学校訪問)も解禁されます。

STEP 7

応募前職場見学・選考・内定(7月〜10月)

7月〜8月に職場見学、9月5日以降に応募受付開始、9月16日以降に選考開始となります。採否通知は原則7日以内に行います。

愛媛県のポイント:愛媛県は求人倍率3.75倍の売り手市場です。7月1日の公開と同時に学校訪問を開始できるよう、6月第1週中の提出を目標にしましょう。差し戻しが発生した場合のバッファも考慮すると、5月中に原案を完成させておくことが理想的です。

4. 求人票作成のポイント(愛媛県の産業に合わせた記載例)

求人票は、高校生と進路指導の先生が「この会社で働きたい・生徒を送り出したい」と思えるかどうかを判断する最も重要な書類です。愛媛県は求人数6,270人と求人が多いため、他社との差別化を意識した書き方が求められます。

仕事内容は「具体的に・わかりやすく」

高校生は社会人経験がないため、業界用語や専門用語では仕事のイメージが湧きません。「何を」「どこで」「どのように」行うのかを具体的に記載しましょう。

NG例(造船業)

「造船業務全般」「船体組立」

OK例(造船業)

「大型貨物船の船体ブロック(鉄板パーツ)を図面どおりに溶接する仕事です。最初は先輩の補助から始め、1年目で基本溶接、3年目で一人前の溶接工を目指します。JIS溶接資格の取得を全額会社負担で支援します。」

NG例(製紙業)

「製造オペレーター」

OK例(製紙業)

「紙おむつやティッシュペーパーの原料となるパルプから、大型抄紙機を操作して紙を製造するお仕事です。温度・速度・水分量をモニターで管理し、品質を一定に保ちます。入社後3ヶ月間のOJT研修あり。」

賃金は相場を意識して設定

基本給には固定残業代を含めず、手当は別欄に記載してください。生徒は複数の求人票を比較するため、手取りイメージがわかる記載が重要です。愛媛県の主要産業では、造船・製紙・化学系の大手が高めの初任給を設定しているため、中小企業は研修制度や資格取得支援で付加価値を示しましょう。

福利厚生・研修制度で安心感を

社会保険の種類、退職金の有無、独身寮・社宅の有無、資格取得支援制度など、高校生と保護者が安心できる情報を充実させましょう。愛媛県では奨学金返還支援制度(登録企業162社、最大7年間・年16.8万円)に参加している場合、求人票に明記することで大きな差別化になります。

補足事項で自社の魅力をアピール

自由記述欄は、求人票の中で最も差別化しやすいスペースです。「創業○年の安定企業」「有給取得率○%」「残業月平均○時間以下」「奨学金返還支援制度あり」など、数値を交えた具体的なアピールが効果的です。

先生目線のポイント:進路指導の先生は、生徒を安心して送り出せる企業かどうかを重視します。「過去3年間の離職率」「有給取得実績」「育成体制」が明確に書かれている求人票は、先生から生徒に勧められやすくなります。県内就職率71.2%と県外流出が進む愛媛県では、「転勤なし」「地元で安定して働ける」という点も積極的にアピールしましょう。

5. ハローワーク活用のコツ

ハローワークは求人票の提出先としてだけでなく、採用活動全体をサポートしてくれる心強いパートナーです。以下のサービスを積極的に活用しましょう。

事前相談窓口を活用する

6月1日の提出開始前でも、5月中からハローワーク窓口で高卒求人に関する事前相談が可能です。求人票の記入方法のアドバイスや、下書きのチェックを受けられます。初めて高卒採用に取り組む企業は、必ず事前相談を利用しましょう。

対象:愛媛県内全8拠点のハローワーク窓口

合同企業説明会に参加する

愛媛労働局と各ハローワークが連携して、毎年7月〜8月にかけて高校生向けの合同企業説明会を開催しています。松山市・今治市・新居浜市・四国中央市など各エリアで実施されます。求人票だけでは伝えきれない自社の魅力を、直接高校生にアピールできる貴重な機会です。

開催情報は各ハローワーク窓口または愛媛労働局のウェブサイトで確認できます

求人充足状況のデータを確認する

ハローワークでは、管轄エリア内の高卒求人の充足状況(何件の求人に何人の応募があったか)のデータを提供しています。自社の求人がどの程度の競争環境にあるかを把握し、条件の見直しや学校訪問先の絞り込みに活用しましょう。

ジョブカフェ愛workと連携する

愛媛県が運営する「ジョブカフェ愛work」は年間4,000人が利用する若年者向け就職支援施設です。企業説明会の開催やキャリアカウンセリングを通じて、ハローワーク経由以外の接点も広げることができます。

高卒就職情報WEB提供サービスを確認する

厚生労働省が運営する「高卒就職情報WEB提供サービス」では、受理された求人票が全国の高校からオンラインで閲覧できます。自社の求人票が正しく掲載されているか、他社の求人票と比較してどのような印象を受けるかを確認し、次年度の改善に活かしましょう。

オンライン仮登録のすすめ:「ハローワークインターネットサービス」から事前にオンラインで仮登録を行うことで、窓口での手続き時間を大幅に短縮できます。仮登録後14日以内にハローワーク窓口で本手続きを行う必要がありますが、特に6月初旬は窓口が混雑するため、事前の仮登録が有効です。

6. FAQ(よくある質問)

Q. 愛媛県で高卒求人票を提出するハローワークはどこですか?

A. 事業所(実際に勤務する場所)の所在地を管轄するハローワークに提出します。愛媛県内にはハローワーク松山・今治・八幡浜・新居浜・西条・四国中央・大洲・宇和島の8拠点があります。本社ではなく勤務地の管轄で判断する点にご注意ください。

Q. 高卒求人票の提出はいつから可能ですか?

A. 毎年6月1日から提出(受付開始)が可能です。受理された求人票は7月1日以降に高校へ公開されます。7月1日の公開に確実に間に合わせるため、6月第1週中の提出を目標にしましょう。差し戻しが発生すると1〜2週間の追加日数がかかります。

Q. 求人票をオンラインで提出できますか?

A. ハローワークインターネットサービスから「仮登録」が可能です。ただし、仮登録後14日以内にハローワーク窓口で本手続き(内容確認・受理)を行う必要があります。完全なオンライン完結ではありませんが、窓口での所要時間を短縮できます。

Q. 愛媛県のハローワークが主催する合同企業説明会はありますか?

A. はい。愛媛労働局と各ハローワークが連携して、毎年7月〜8月にかけて高校生向けの合同企業説明会を開催しています。松山市・今治市・新居浜市など各エリアで実施されます。多くの高校生と直接接点を持てる貴重な機会です。開催日程は各ハローワーク窓口または愛媛労働局ウェブサイトで確認できます。

Q. 求人票が差し戻された場合、どうすればいいですか?

A. ハローワークの担当者から指摘された箇所を修正し、再提出します。よくある差し戻し理由は、仕事内容の記載が曖昧、固定残業代が基本給に含まれている、年間休日数が未記入・不正確、青少年雇用情報が空欄、などです。事前相談を利用して下書きをチェックしてもらうことで、差し戻しリスクを大幅に減らせます。

まとめ

愛媛県でハローワークを活用した高卒採用を成功させるためのポイントは以下の通りです。

  • 管轄ハローワークを確認:勤務地の所在地で管轄が決まる。愛媛県内8拠点から正しい提出先を選ぶ。
  • 5月中に準備完了:事業所登録の確認、求人票の原案作成、事前相談を5月中に済ませておく。
  • 6月第1週に提出:差し戻しのバッファを見込んで、6月1日の受付開始と同時に提出を目指す。
  • 愛媛県の産業に合わせた記載:造船・製紙・タオル製造など、業種に応じた具体的でわかりやすい仕事内容の記載で他社と差別化する。
  • 奨学金返還支援を明記:登録企業162社の制度に参加していれば、求人票の補足事項に必ず記載する。
  • 合同説明会・学校訪問を活用:求人票の提出だけで終わらず、合同企業説明会への参加や学校訪問で積極的にアプローチする。

愛媛県は高卒求人倍率3.75倍の売り手市場です。ハローワークを単なる手続き窓口としてではなく、採用活動のパートナーとして最大限に活用し、計画的な採用活動を進めましょう。

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データ出典:

  • 愛媛労働局「令和7年3月新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況」
  • 厚生労働省「高卒就職情報WEB提供サービス」
  • 厚生労働省「新規高等学校卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等について」
  • ハローワークインターネットサービス「求人申込み手続きのご案内」
  • 愛媛県「奨学金返還支援制度」
  • ジョブカフェ愛work
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