公務員で働くということ
「安定している」と言われる公務員。でもそれだけじゃない。消防士は火事の現場に飛び込む。警察官は街の安全を守る。市役所の人は住民の困りごとを解決する。「誰かのために」が仕事になる場所。


こんなイメージ、持ってない?
公務員試験って難しいんでしょ? 大卒じゃないと無理?
窓口で座ってるだけの退屈な仕事?
給料が安い? 民間より損?
この仕事、実際に覗いてみよう!

高卒で、入れるの?
なれます。高卒向けの採用枠があり、毎年多くの高校生が合格しています。
高卒就職者の 7.3% が公務員を選んでいる。全国で毎年約9,300人の高校生が公務の世界に入っている。
地方公務員の高卒初任給は 170,535円。正直、民間より低い。でも昇給は毎年確実にあり、ボーナスは年間 4.5ヶ月 分。
そして何より、離職率が全産業で最も低い。「辞めない」のではなく「辞める理由がない」——それが公務員の実態。
7.3%
高卒就職者に占める割合
全国約9,300人
170,535円
地方公務員 高卒初任給
一般行政職
4.5ヶ月
年間ボーナス
令和6年人事院勧告
高卒から目指せる公務員
地方公務員(市役所・県庁)
初級試験を受験。事務、土木、電気、機械など学科に応じた区分がある
警察官
各都道府県警の採用試験。高卒B区分で受験可能。体力試験あり
消防士
各市町村の消防本部が採用。救急救命士の資格取得も目指せる
自衛官
自衛官候補生として入隊。18歳から受験可能。衣食住が保証される
どんな仕事がある?
「公務員」と一言で言っても、現場はまったく違う。自分に合う場所がきっとある。
市役所・県庁(行政事務)
住民票の発行から防災計画まで。窓口対応だけじゃなく、企画や調整の仕事もある。地元のまちづくりに関われる。
警察官
交番勤務、パトロール、交通取締り、捜査。街の安全を守る仕事。正義感が強い人、人と接するのが好きな人向き。
消防士
火災・災害の現場で人命を救う。救急出動も消防の仕事。チームワークと体力、冷静な判断力が求められる。
自衛官
国防と災害救助。訓練は厳しいが、規律正しい生活と仲間との絆が得られる。資格取得の機会も豊富。
ある1日の流れ
市役所の市民課で働く新入職員の、とある1日。
出勤・メールチェック
前日の問い合わせ記録を確認。今日の予定を整理する
窓口オープン
住民票や戸籍の発行、転入届の受付。丁寧に説明しながら手続きを進める
書類処理
受付した届出の内容確認とシステム入力。正確さが何より大事
昼休憩
庁舎内の食堂で昼食。同期と「今日どう?」と声をかけ合う
窓口対応・電話対応
午後も窓口は続く。外国人住民の対応もあり、翻訳ツールを使いながら丁寧に
イベント企画の打ち合わせ
地域の防災訓練の企画会議。住民の意見を聞きながら内容を詰める
翌日の準備
明日の窓口当番の確認と資料準備。分からないことは先輩に聞いてメモしておく
退庁
定時退庁。「今日は転入の人に喜んでもらえた」——小さなやりがいを持って帰る
※ 職場や配属先により異なります
身につくスキル
公務員として働くと、こんな力が身につく。
- 説明力 — 制度や手続きを住民にわかりやすく伝える力。どんな仕事にも活きる
- 正確性 — 公文書は一字一句が重要。ミスのない仕事の習慣が身につく
- 調整力 — 部署間、住民、議会との調整。多方面と話をまとめる力
- 法律知識 — 条例や法令に基づいて判断する。法的思考力が自然と身につく
- 資格 — 消防の救急救命士、警察の各種免許、自衛隊の多数の国家資格。取得支援が手厚い
キャリアステップ
基本業務を習得
窓口対応や書類作成など基本業務を覚える。研修制度が充実しており、先輩がしっかり教えてくれる環境。
担当業務を任される
特定の分野(福祉、税務、防災等)の担当として責任を持つ。異動で複数の部署を経験する。
係長・主任級
後輩の指導と業務の取りまとめ。専門分野が見えてきて、その道のプロになっていく。
管理職(課長補佐〜課長)
政策の企画立案に関わる。住民にとって本当に必要な施策を自分で提案・実行できるようになる。
この仕事のリアル
公務員の高卒3年以内離職率は約12%。全産業平均37.9%の3分の1以下で、全産業で最も低い水準。
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
離職率は低い。でも、知っておいてほしいこともある。
初任給は民間より低い。高卒初任給170,535円は、製造業の196,400円、運輸業の204,800円と比べると2〜3万円の差がある。ただし毎年の昇給、ボーナス4.5ヶ月、退職金で長期的には追いつく。
また、異動が多い。2〜3年で別の部署に移ることが多く、「せっかく覚えたのにまたゼロから」という場面がある。逆に言えば、いろんな仕事を経験できるチャンスでもある。
消防・警察は24時間勤務や夜勤がある。体力的にも精神的にもタフさが求められる。
公務員を目指すときのポイント
試験の種類と日程を早めに確認する(高卒区分は9月頃に試験があることが多い)
消防・警察は体力試験がある。在学中から体力づくりをしておく
市役所は「どの部署に配属されるか」が入ってからでないとわからない。幅広い興味がある人に向く
筆記試験対策は半年〜1年前から。学校の先生や公務員予備校に相談してみる
先輩たちの「やっててよかった」
給料の安さや異動の多さはある。それでも公務員を続ける人たちには、理由がある。
「住民に"ありがとう"と言ってもらえたとき、この仕事を選んでよかったと思う」——窓口で困っている人の問題が解決したとき、一番やりがいを感じる。
消防士として初めて要救助者を搬送したとき。「自分がいなかったらこの人はどうなっていたか」——命を救う仕事の重みを実感する。
景気に左右されない安定感。リストラがない。住宅ローンも通りやすい。「将来の不安がない」という安心感は、何ものにも代えがたい。
この記事のデータ出典
文部科学省「学校基本調査 令和6年度」
人事院「令和6年職種別民間給与実態調査」
総務省「地方公務員給与実態調査」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与(令和6年版)」
ジンジブ「高卒採用の市場」



