山口県の高卒求人倍率推移【2020〜2025年】
過去最高2.80倍の背景と産業別増減分析
山口県の高卒求人倍率は、令和6年度3月末に過去最高の2.80倍を記録しました。コロナ禍からの回復を経て上昇トレンドが続いており、令和7年度7月末時点でも2.56倍と高水準を維持しています。山口県は瀬戸内海沿岸の石油化学コンビナートや自動車部品製造業を中心に、製造業が高卒就職者の53%を占める「ものづくり県」です。高卒就職率29.9%は全国平均14%の2倍以上で全国1位。就職志向の強さが山口県の高卒採用市場を特徴づけています。
1. 求人倍率推移(2021〜2026年7月末)
山口県 新規高卒求人倍率の推移(山口労働局)
| 年度 | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2021(R3) | 約4,200人 | 約2,800人 | 1.50倍 | — |
| 2022(R4) | 約4,800人 | 約2,700人 | 1.78倍 | +0.28 |
| 2023(R5) | 約5,400人 | 約2,600人 | 2.08倍 | +0.30 |
| 2024(R6)3月末 | — | — | 2.72倍 | +0.64 |
| 2025(R7)3月末 | — | — | 2.80倍 | +0.08 |
| 2026(R8)7月末 | 6,150人 | 2,402人 | 2.56倍 | — |
出典:山口労働局「高校新卒者の求人・求職状況」、パコラ(山口労働局データ引用)、中国新聞デジタル
2. 高卒求人の産業別増減(令和7年度7月末・前年同期比)
山口県の高卒求人は産業によって明暗が分かれています。運輸業・製造業が大幅に増加する一方、建設業は減少に転じました。
| 産業 | 増減率 | 増減人数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 運輸業・郵便業 | +17.9% | +82人 | 物流需要の拡大 |
| 製造業(全体) | +3.7% | +79人 | 県内最大の求人源 |
| 輸送用機械器具製造業 | +19.5% | +39人 | 自動車部品等 |
| 鉄鋼業 | +11.6% | +30人 | 瀬戸内工業地帯 |
| 建設業 | -4.9% | -56人 | 公共事業縮小の影響 |
| ゴム製品製造業 | -26.9% | — | 需要減退 |
| 化学工業 | -12.7% | — | 石油化学の調整 |
出典:山口労働局「高校新卒者の求人・求職状況」(令和7年度7月末)
注目ポイント:運輸業・郵便業が+17.9%と最も高い伸び率を記録しました。EC市場の拡大に伴う物流需要の増加が背景にあります。一方、建設業は-4.9%と減少に転じており、公共事業の縮小や資材価格高騰の影響が見られます。
3. 求人倍率が上昇し続ける3つの構造的要因
1. 瀬戸内工業地帯の旺盛な製造業需要
山口県は周南・下松の石油化学コンビナート、防府のマツダ関連工場、下関の造船業など、瀬戸内海沿岸に大規模な製造拠点が集積しています。高卒就職者の53%が製造業に就職しており、自動車部品・鉄鋼・化学など幅広い分野で高卒人材の需要が高い状態が続いています。輸送用機械器具製造業は前年比+19.5%、鉄鋼業は+11.6%と、いずれも2桁の伸びを見せています。
2. 人口減少と就職希望者数の継続的な減少
山口県の人口は約128万人で減少傾向が続いています。県内就職希望者は1,995人(前年比-2.5%)と毎年減少しており、求人の「分子」が増える一方で求職の「分母」が縮小する二重構造が求人倍率を押し上げています。県外への人口流出も深刻で、特に18歳時点での県外流出が採用市場を圧迫しています。
3. 全国1位の高卒就職率が生む独自の市場構造
山口県の高卒就職率は29.9%で、全国平均14%の2倍以上、全国1位です。約3人に1人が高卒で就職するという全国でも際立った就職志向の強さがあります。県内就職率も約83%と高水準で、限られた就職希望者を県内企業同士で奪い合う構造が、求人倍率の高止まりを生んでいます。
4. 2030年予測シミュレーション
山口県は全国でも人口減少が深刻な県の一つです。現状のトレンドが続いた場合、2030年の高卒求人倍率は3.0倍を超える可能性があります。
| 年度 | 求人数(予測) | 希望者数(予測) | 倍率(予測) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2027(R9) | 約6,300人 | 約2,300人 | 約2.7倍 | 現状維持シナリオ |
| 2028(R10) | 約6,400人 | 約2,200人 | 約2.9倍 | 少子化加速シナリオ |
| 2030(R12) | 約6,500人 | 約2,000人 | 約3.0〜3.3倍 | 人口120万人割れ時代 |
※ 予測値は国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口等に基づく推計であり、確定値ではありません。
採用戦略への示唆:山口県は人口約128万人で全国でも減少ペースが速い県です。11年連続で就職率99%台を維持する安定した就職市場ですが、就職希望者数は確実に減少しています。2030年に向けて、早期の学校訪問・インターンシップ・職場見学を通じた採用ブランディングの構築が、限られた高卒人材を確保する鍵となります。
5. よくある質問
Q. 山口県の高卒求人倍率は現在何倍ですか?
A. 令和7年度7月末時点で2.56倍です。令和6年度3月末には過去最高の2.80倍を記録しました。求人数6,150人に対し求職者数は2,402人という売り手市場です。
Q. 山口県で求人倍率が上昇している主な理由は?
A. 瀬戸内工業地帯を中心とする製造業の旺盛な採用需要、県人口約128万人の減少に伴う就職希望者数の減少、高卒就職率29.9%(全国1位)の就職志向の高さの3つが主な要因です。
Q. 山口県の高卒求人で最も伸びている業種は?
A. 令和7年度7月末の前年同期比で、運輸業・郵便業が+17.9%(+82人)、輸送用機械器具製造業が+19.5%(+39人)と大幅に増加しています。
Q. 2030年に向けて山口県の高卒採用はどうなりますか?
A. 人口減少が続く山口県では、2030年に高卒求人倍率が3.0倍を超える可能性があります。早期からの学校との関係構築・採用ブランディングが不可欠です。
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データ出典:
- 山口労働局「高校新卒者の求人・求職状況」
- パコラ(山口労働局データ引用)
- 中国新聞デジタル
- 文部科学省「令和7年3月高等学校卒業者の就職状況」
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」



