和歌山県の高卒求人倍率推移【H28〜R7年度】

1.28倍から2.82倍へ。10年で倍増した構造的要因を分析

2.82倍
最新求人倍率(R7年度)
過去最高を更新
+1.54倍
10年前比(H28年度)
1.28→2.82倍
38%減
求職者数の減少幅
1,830→1,137人
36%増
求人数の増加幅
2,351→3,201人

和歌山県の高卒求人倍率は、H28年度の1.28倍からR7年度には2.82倍へと10年間で2倍以上に上昇しました。この上昇は、求職者数が1,830人から1,137人へ38%減少する一方で、求人数が2,351人から3,201人へ36%増加するという「需要増と供給減の二重構造」によるものです。和歌山労働局の公表データに基づき、10年分の推移とその背景を分析します。

1. 求人倍率推移(H28〜R7年度)

和歌山県 新規高卒求人倍率の推移(各年1月末現在・和歌山労働局)

H28年度
1.28倍
H29年度
1.44倍
H30年度
1.66倍
R1年度
1.91倍
R2年度
2.03倍 コロナ禍
R3年度
2.14倍
R4年度
2.45倍
R5年度
2.75倍
R6年度
2.75倍
R7年度
2.82倍
年度求人数求職者数求人倍率内定率(1月末)最終就職率前年差
H28年度2,3511,8301.28倍92.0%99.2%
H29年度2,5951,8041.44倍93.1%99.4%+0.16
H30年度3,0111,8161.66倍92.9%99.7%+0.22
R1年度3,3311,7461.91倍92.3%99.4%+0.25
R2年度2,7631,3612.03倍90.7%98.9%+0.12
R3年度2,7291,2782.14倍93.1%99.6%+0.11
R4年度2,9701,2112.45倍90.2%99.7%+0.31
R5年度3,1331,1392.75倍92.2%99.3%+0.30
R6年度3,1161,1352.75倍91.5%99.7%±0.00
R7年度3,2011,1372.82倍90.0%+0.07

出典:和歌山労働局「令和7年度 高校新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」

2. 求職者数38%減の構造分析

H28年度に1,830人いた求職者数は、R7年度には1,137人まで減少しました。10年間で693人、率にして38%の減少です。この減少は一時的なものではなく、人口動態に根差した構造的なトレンドです。

表:求職者数の推移(1月末時点)
年度求職者数前年比備考
H28年度1,830人基準年
H29年度1,804人-26人(-1.4%)微減
H30年度1,816人+12人(+0.7%)横ばい
R1年度1,746人-70人(-3.9%)減少加速
R2年度1,361人-385人(-22.1%)コロナ影響で急減
R3年度1,278人-83人(-6.1%)コロナ後の水準で定着
R4年度1,211人-67人(-5.2%)少子化進行
R5年度1,139人-72人(-5.9%)1,200人割れ
R6年度1,135人-4人(-0.4%)底打ち?
R7年度1,137人+2人(+0.2%)横ばい

注目:R2年度の急減について

R2年度(2020年度)の求職者数は前年比385人減(-22.1%)と突出して大きく減少しています。これはコロナ禍による経済不安から進学志向が高まったことが主因です。R3年度以降はこの低い水準が定着し、1,100〜1,200人台で推移しています。コロナ前の1,700〜1,800人台には戻っていません。

求職者減少の3つの要因

  • 少子化の進行:和歌山県の出生数は2024年に4,650人で、初めて5,000人を下回りました。15-19歳人口は1980年の73,128人から2015年には45,295人に減少しています(国勢調査)。
  • 大学進学率の上昇:全国的に大学進学率は上昇傾向にあり、高卒での就職を希望する生徒の絶対数が減少しています。
  • コロナ禍の構造転換:R2年度に急減した求職者数はその後も回復せず、「新しい水準」として定着しました。

3. 求人数36%増の背景

求人数はH28年度の2,351人からR7年度の3,201人へ、850人(36%)増加しました。ただし直線的な増加ではなく、R1年度の3,331人をピークにコロナ禍で一度落ち込み、R4年度以降に再び3,000人台を回復するという推移です。

表:求人数の推移(1月末時点)
年度求人数前年比備考
H28年度2,351人基準年
H29年度2,595人+244人(+10.4%)増加基調
H30年度3,011人+416人(+16.0%)3,000人台突破
R1年度3,331人+320人(+10.6%)コロナ前ピーク
R2年度2,763人-568人(-17.0%)コロナ影響で大幅減
R3年度2,729人-34人(-1.2%)コロナ影響継続
R4年度2,970人+241人(+8.8%)回復基調
R5年度3,133人+163人(+5.5%)3,000人台回復
R6年度3,116人-17人(-0.5%)横ばい
R7年度3,201人+85人(+2.7%)過去2番目の水準

産業構造から見た求人増加の要因

和歌山県の製造品出荷額は基礎素材型産業(鉄鋼・石油・化学)が約6割を占めています(和歌山県企業立地ガイド)。石油・石炭、鉄鋼業、化学工業、はん用機械の4業種で全体の約2/3に達します。これらの産業では設備の維持・更新に伴う技術者需要が恒常的に高く、高卒人材への需要は安定しています。加えて、建設業やサービス業でも人手不足が進行しており、求人数全体を押し上げています。

4. コロナ禍の影響と回復

和歌山県の高卒採用市場はR2〜R3年度にコロナ禍の影響を受けましたが、他県と比較して特徴的な回復パターンを示しました。

表:コロナ前後の主要指標比較
指標R1年度(コロナ前)R2年度(コロナ直撃)R7年度(最新)
求人数3,331人2,763人(-17.0%)3,201人(-3.9%)
求職者数1,746人1,361人(-22.1%)1,137人(-34.9%)
求人倍率1.91倍2.03倍2.82倍
内定率(1月末)92.3%90.7%90.0%
最終就職率99.4%98.9%

和歌山県のコロナ回復パターンの特徴

和歌山県では、コロナ禍でも求人倍率は下がらずむしろ上昇しました。これは求職者数(-22.1%)の減少幅が求人数(-17.0%)の減少幅を上回ったためです。求人数はR4年度以降に回復基調となりR5年度には3,000人台を回復しましたが、求職者数はコロナ前の水準(1,700人台)には戻っていません。結果として、求人倍率は「戻らない求職者数」に押される形で上昇を続けています。

最終就職率の安定性

注目すべきは、最終就職率(3月末時点)がコロナ禍のR2年度でも98.9%を維持した点です。H28〜R6年度の10年間で、最終就職率は98.9%〜99.7%と極めて高い水準で安定しています。就職を希望する高校生はほぼ全員が就職先を確保できており、問題は「企業側が採用できるか」にあります。

5. 全国平均および一般有効求人倍率との比較

和歌山県の高卒求人倍率2.82倍は、一見すると高い数値ですが、全国の高卒求人倍率と比べるとどのような位置づけになるのでしょうか。また、一般の有効求人倍率との違いも確認します。

表:高卒求人倍率の比較
指標倍率出典
和歌山県 高卒求人倍率(R7年度)2.82倍和歌山労働局
全国平均 高卒求人倍率約3.7倍厚生労働省
和歌山県 一般有効求人倍率(2025年12月)0.99倍和歌山労働局(季節調整値)
全国平均 一般有効求人倍率(2025年12月)1.19倍厚生労働省

高卒市場と一般市場の乖離に注目

和歌山県の一般有効求人倍率は0.99倍(2025年12月時点)と全国平均1.19倍を下回っています。一般の労働市場では求人不足の傾向があるのに対し、高卒市場では2.82倍の売り手市場です。この乖離は、高卒人材の希少性を明確に示しています。若い人材を求める企業にとって、高卒採用は競争が激しい市場であることを認識する必要があります。

全国平均との差:和歌山県は約0.88倍の水準

和歌山県の高卒求人倍率2.82倍は全国平均(約3.7倍)の約76%の水準です。全国的に見ると相対的に低い水準にあり、これは和歌山県の産業構造(基礎素材型産業が中心で大手企業が多い)と、県外就職者が一定数いることが背景にあります。ただし、県内で採用活動を行う企業にとっては、1人の高卒生を2.8社が取り合う環境であることに変わりはありません。

6. 内定率と最終就職率の推移

求人倍率だけでなく、内定率(1月末時点)と最終就職率(3月末時点)の推移を見ることで、採用活動の実態がより鮮明になります。

年度内定率(1月末)最終就職率(3月末)1月→3月の上昇幅
H2892.0%99.2%+7.2pt
H2993.1%99.4%+6.3pt
H3092.9%99.7%+6.8pt
R192.3%99.4%+7.1pt
R290.7%98.9%+8.2pt
R393.1%99.6%+6.5pt
R490.2%99.7%+9.5pt
R592.2%99.3%+7.1pt
R691.5%99.7%+8.2pt
R790.0%

出典:和歌山労働局文部科学省

内定率90%前後の「停滞」に見える企業間競争

1月末時点の内定率は90〜93%台で推移しており、求人倍率が上昇しても大きく変動していません。これは求人倍率の上昇が「高校生が選びやすくなった」ことを意味する一方で、企業側から見ると「選ばれなかった求人」が積み上がっていることを示します。最終的には99%前後が就職を決めますが、企業にとっての課題は「1月末までに内定を出せるか」「自社が選ばれるか」にあります。

7. 今後の見通しと企業が取るべきアクション

和歌山県の15-19歳人口は、2015年の45,295人から2045年には26,360人まで減少すると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所)。高卒就職者の母数となる若年人口が今後も縮小する中、求人倍率のさらなる上昇は避けられない見通しです。

短期(1〜2年)

  • 職場見学・インターンシップの受入れ体制を整備
  • 求人票の記載内容を見直し他社との差別化を図る
  • 学校訪問を早期から計画的に実施

中長期(3〜5年)

  • 学校との継続的な信頼関係を構築
  • 採用ブランディングで「選ばれる企業」になる
  • 定着率を高めて学校からの信頼を積み上げる

求人倍率上昇は「脅威」ではなく「準備の合図」

求人倍率が高いということは、高卒人材がそれだけ価値のある存在であることを意味します。若い人材は長期間にわたって企業の戦力となり、技術の継承にも貢献します。今から計画的に採用基盤を整えることが、5年後・10年後の企業競争力に直結します。

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