YKKの城下町で中小が高卒を採る方法
新川エリア(魚津・黒部・滑川・入善・朝日・立山・上市)
黒部市にはYKK(ファスナー世界トップシェア・グループ売上9,202億円)とYKK AP(建材大手・5,624億円)の本拠があります。この2社だけで新川エリアの雇用の相当部分を占めています。
新川エリアの製造品出荷額は4,070億円(県全体の11.1%)。魚津工業高校は機械科・電気科・情報環境科の3学科を持つ、エリア唯一の工業高校です。YKKグループと同じ高校に求人を出す中小企業が、何を武器にすればいいのか。
答え:YKKと同じ土俵で戦わない。YKKにはできないことで勝負する。
新川エリアの採用競争——YKKの存在感
YKKグループは福利厚生が手厚く、初任給も高い。寮がある。研修制度がある。知名度は世界レベル。ここと「同じ条件」で勝負しても中小企業が勝てる要素はありません。
しかし、YKKグループにも「できないこと」があります。
| 項目 | YKKグループ | 中小企業の強み |
|---|---|---|
| 配属先 | 入社後に決定(本人に選択権がない場合も) | 入社前に配属先・担当業務が確定している |
| 転勤 | 全国・海外転勤の可能性あり | 転勤なし。ずっと魚津・黒部で暮らせる |
| 距離感 | 同期が数十人。社長の顔を知らない | 社長が名前で呼ぶ。困ったときに直接話せる |
| 仕事の幅 | 分業制。同じ工程の繰り返し | 多能工。若いうちから複数の技術を習得できる |
| 昇進スピード | 年功序列。20代で責任ある仕事は難しい | 20代前半で現場リーダーになれる会社もある |
入社後に決定
入社前に配属・担当業務が確定
全国・海外の可能性
なし。ずっと地元で暮らせる
同期数十人。社長を知らない
社長が名前で呼ぶ
分業制・同じ工程
多能工。複数の技術を習得
年功序列
20代前半でリーダーも可能
魚津工業高校——新川エリア唯一の工業高校を攻める
魚津工業高校は機械科・電気科・情報環境科の3学科を持つ、新川エリア唯一の工業高校です。この高校の卒業生がエリアの製造業就職の中核を担っています。
学科別の攻め方
- •機械科: YKKグループとの直接競合。「ファスナーの一部品」ではなく「1から最後まで自分で作る」多能工の魅力を訴求
- •電気科: 設備保全・電気工事で需要あり。YKK工場の外注先として「世界トップ企業の設備を支える仕事」と位置づける
- •情報環境科: IT・情報系の就職先は新川エリアでは限られる。逆に言えばここは大手との競合が少ない穴場。社内のDX推進・生産管理システムの担当者として採用する道がある
魚津工業以外では、桜井高校(黒部市)・滑川高校にも就職希望者がいます。YKKの採用ターゲットから外れる普通科・商業科の生徒は、中小企業にとっての「ブルーオーシャン」です。
YKKのサプライチェーンを武器にする
新川エリアの中小企業の多くは、直接・間接にYKKグループとの取引関係を持っています。この関係は採用の弱みではなく、強みに変えられます。
- •「私たちはYKKファスナーの○○部品を製造しています。世界中のジーンズにうちの部品が入っています」
- •「YKK AP窓サッシの○○工程を担当しています。住宅メーカーの家にうちの仕事が使われています」
- •「YKK黒部事業所の設備メンテナンスを行っています。世界最大のファスナー工場を支える仕事です」
なぜこれが効くのか
高校生にとって「知らない会社」は不安です。しかし「YKKの部品を作っている会社」と聞けば、安心感が生まれる。先生も保護者も「YKKとの取引がある」と聞けば安定性を感じます。YKKの看板を、自社の信頼性に変換する——これが新川エリアの中小企業の王道戦略です。
市町別の採用環境
黒部市
主要産業: ファスナー・建材・精密機械
YKK/YKK APの本拠地。グループ関連企業の求人が中心。中小はサプライチェーンの立場を活用。黒部峡谷の観光関連も
魚津市
主要産業: 電子部品・機械・水産加工
魚津工業高校のお膝元。製造業と水産業の複合エリア。蜃気楼の観光資源も
滑川市
主要産業: 医薬品・化学・食品
富山市に近く通勤圏が重なる。ホタルイカで知られる。医薬品系の製造も集積
入善町・朝日町
主要産業: 電子部品・化学・農業
扇状地湧水群・ヒスイ海岸。小規模ながら製造業あり。「田舎暮らし×ものづくり」の訴求が有効
立山町・上市町
主要産業: 観光・医薬品・化学
立山連峰の麓。観光関連と医薬品関連の就職先。立山黒部アルペンルートの季節労働にも需要
新川エリアの中小企業が明日やること
YKKとの取引関係を求人票に書く
「YKKグループ○○の部品を製造」「YKK AP向け○○工程を担当」など、具体的に。先生にとっても保護者にとっても、取引先の名前は信頼の証です。
魚津工業の情報環境科を狙う
機械科・電気科はYKKとの直接競合。情報環境科は大手との競合が少ない。社内のIT化・DX推進要員として「ここでしか学べないことがある」と提案してみてください。
「転勤なし」を最大の武器にする
YKKグループは全国・海外に拠点があります。黒部に生まれて、魚津の高校を出て、黒部でずっと暮らしたい——そういう高校生にとって、「転勤なし」は初任給以上の価値があります。
桜井高校・滑川高校も忘れない
YKKの採用ターゲットは工業高校が中心。桜井高校(黒部市)や滑川高校の普通科・商業系学科には就職希望者がいて、大手との競合が少ない。事務・品質管理・検査などの職種なら十分に採用対象になります。
よくある質問
Q. YKKグループ以外で新川エリアの中小企業が高卒を採るには?
A. 「少人数の温かい社風」「多能工として幅広い技術」「転勤なし」をアピール。YKKとの取引関係がある場合は「世界トップ企業のサプライチェーンの一翼を担う仕事」として訴求できます。
Q. 魚津工業高校への訪問で注意すべきことは?
A. YKKグループの求人と同じテーブルに乗ることを前提に、7月1日直後に訪問し、「大手にはないうちの強み」を先生に具体的に伝えること。OBがいれば最優先で同行させましょう。
Q. 新川エリアで人口減少が進んでいると聞きます。採用にどう影響しますか?
A. 魚津工業の卒業生自体が減少傾向にあります。早期からの関係構築がますます重要です。1〜2年生向けのインターンシップ受入を通じて、就職先として記憶に残る存在になっておくことが有効です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
For Companies
こんなお悩みはありませんか?
採用に毎年400万円以上…
本当に回収できてる?
3人に2人が内定辞退。
また振り出しに…
求人票を出しても
応募が来ない…
採用しても3年で辞める…
育成コストが無駄に
採用活動に手が回らない…
何から始めれば?


ゆめスタなら、解決できます
採用コスト
50%削減
607万円 → 300万円607万円 → 300万円
内定辞退率
ほぼ0%
一人一社(二社)制一人一社制(一人二社制)で確実採用
採用満足度
81.1%
大卒採用より+3.5pt大卒採用より+3.5pt
ゆめスタが解決します
高校生採用に特化した3つのサービスで、採用課題をトータルサポート



