【松江・安来エリア】高卒採用ガイド
島根県で最も競争が激しいエリアで、中小企業はどう戦うか
松江・安来エリアは島根県の県都を含む最大の経済圏であり、同時に高卒採用の最激戦区です。
松江市にはRuby City MatsueとしてIT企業44社が集積し、県庁・市役所をはじめとする行政機関、山陰合同銀行などの金融機関が揃っています。安来市にはプロテリアル安来製作所(世界ブランドYSSヤスキハガネ)が立地し、周辺に金属加工・鋳造の関連企業が集まっています。
IT・特殊鋼・行政・金融・観光——あらゆる業種がこのエリアに集中し、松江工業高校をはじめとする限られた学校の生徒を取り合っています。このエリアの中小企業にとっての課題は明確です。「全員が同じ学校に殺到する中で、どうやって自分の会社を選んでもらうか」。
この記事では、松江・安来エリアの競争構造を整理し、中小企業が現実的に採用を勝ち取るための戦略を解説します。
1. このエリアの競争構造——誰と何を奪い合っているか
まず、自社が「誰と同じ生徒を奪い合っているか」を正確に把握してください。競合を知らずに学校訪問しても、戦略が立てられません。
| あなたが狙う人材 | 競合する相手 | 競争の激しさ | 中小企業の現実的な戦い方 |
|---|---|---|---|
| 機械・金属加工の技術者 | プロテリアル安来製作所、その他大手製造業 | 極めて激しい | 松江工業機械科の「プロテリアルに行けなかった層」ではなく、「小規模な会社の方が合う子」として推薦してもらう関係を先生と築く |
| IT・情報系の人材 | Ruby City松江のIT企業44社 | 激しい | 情報科学高校(安来市)に集中。IT企業以外でも「社内SEがほしい」「DXを進めたい」企業は有力な受け皿 |
| 電気工事・設備系 | 電力会社関連、電気工事大手 | やや激しい | 松江工業電気科が主な供給源。建設業や設備管理との親和性をアピール |
| 事務・経理・営業 | 銀行、保険、県庁・市役所 | 中程度 | 松江商業が最有力。金融・行政と競合するが、「地元の小さい会社で活躍できる」は別の魅力 |
| 接客・サービス | 旅館・ホテル、観光施設 | 低め | 松江商業・普通科からの就職希望者。製造業・建設業との競合が少ない |
機械・金属加工の技術者
競合する相手:プロテリアル安来製作所、その他大手製造業
競争の激しさ:極めて激しい
戦い方:松江工業機械科の「プロテリアルに行けなかった層」ではなく、「小規模な会社の方が合う子」として推薦してもらう関係を先生と築く
IT・情報系の人材
競合する相手:Ruby City松江のIT企業44社
競争の激しさ:激しい
戦い方:情報科学高校(安来市)に集中。IT企業以外でも「社内SEがほしい」「DXを進めたい」企業は有力な受け皿
電気工事・設備系
競合する相手:電力会社関連、電気工事大手
競争の激しさ:やや激しい
戦い方:松江工業電気科が主な供給源。建設業や設備管理との親和性をアピール
事務・経理・営業
競合する相手:銀行、保険、県庁・市役所
競争の激しさ:中程度
戦い方:松江商業が最有力。金融・行政と競合するが、「地元の小さい会社で活躍できる」は別の魅力
接客・サービス
競合する相手:旅館・ホテル、観光施設
競争の激しさ:低め
戦い方:松江商業・普通科からの就職希望者。製造業・建設業との競合が少ない
最も重要な気づき
「松江工業の機械科を狙わなければいけない」という思い込みを捨てることが第一歩です。松江商業、普通科高校、農林高校——プロテリアルやIT企業がターゲットにしていない学校と学科は存在します。そこに自社のニーズに合った生徒がいるかもしれません。
2. このエリアの学校別攻略ガイド
松江・安来エリアには複数の高校があり、それぞれ特性が異なります。自社の業種と狙う人材に合わせて、訪問先を選んでください。
松江工業高校(松江市)
6学科(機械・電子機械・電気・電子・情報技術・建築都市工学)を持つ県内最大の工業高校。プロテリアル・IT企業・建設大手が7月1日に殺到する最激戦校。
現実:中小企業がここで採用を勝ち取るのは簡単ではありません。解禁初日にアポイントを取っていても、先生の関心は大手に向きがちです。
戦い方:「プロテリアルに行けなかった子がほしい」ではなく、「小規模な環境で早くから仕事を任せたい子に向いている」と伝えてください。先生は生徒の性格を見ています。「あの子は大手より小さい会社の方が伸びる」と判断してもらえれば、推薦がもらえます。そのために3年間通い続けることが必要です。
情報科学高校(安来市)
IT・情報系に特化した県内唯一の高校。Ruby City松江のIT企業が主な就職先だが、「IT以外の企業」にとってはむしろチャンス。
なぜ狙い目か:多くの非IT企業は「情報科学高校は自社に関係ない」と思い込み、訪問していません。しかし情報スキルを持つ人材は、製造業の品質管理、建設業の施工管理、小売業のPOS管理・EC運営など、あらゆる業種で必要とされています。
戦い方:「うちはIT企業ではないが、社内のデジタル化を進める人材がほしい」と先生に伝えてください。IT企業と同じ学科を奪い合うのではなく、「IT企業以外の選択肢」として自社を位置づけることがポイントです。
松江商業高校(松江市)
商業系学科を持つ県内有数の商業高校。簿記・パソコンスキル・ビジネスマナーを学んだ生徒が多い。
なぜ穴場か:製造業や建設業の企業は「商業高校は関係ない」と考えがちですが、工場の事務・経理・受注管理・物流管理には商業高校の生徒がぴったりです。プロテリアルやIT企業はここを主戦場にしていないため、中小企業にとっては競争が少ない学校です。
戦い方:「事務職で採用し、将来は経営に関わる人材に育てたい」と伝えれば、先生は「銀行や市役所とは違うキャリアの選択肢」として推薦を検討してくれます。
普通科高校(松江南・松江北・松江東 等)
松江市には複数の普通科高校があり、進学する生徒が多いものの、就職希望者も一定数います。
なぜ見落とすべきでないか:普通科の就職希望者は全業種にオープンです。工業高校や商業高校のように「この業種」という方向性が決まっていないからこそ、あなたの会社の魅力次第で採用できる可能性があります。大手企業が普通科の就職希望者を積極的にターゲットにすることは少ないため、ここも中小企業にとっては有利な土俵です。
戦い方:普通科の先生は「就職先の選択肢が少ない」と感じていることが多いです。学校訪問で「普通科の生徒でもうちでは活躍できます」と伝えるだけで、先生は感謝してくれます。
松江農林高校(松江市)
農業・林業・食品科学の学科を持つ。食品加工業、造園業、環境整備に関わる企業の人材供給源。
戦い方:食品関連の製造業、造園・環境整備の建設業にとっては直接的な供給源です。農林高校を訪問する製造業・建設業の企業は非常に少ないため、関係を築けばほぼ独占的に推薦がもらえる可能性があります。
3. 松江の企業と安来の企業——同じエリアでも戦略が違う
松江市の企業の場合
県都松江は選択肢が多い分、競争も激しい。製造業はプロテリアル・IT企業と、サービス業は行政・金融と競合します。
- •松江工業は7月1日の最初の3日間で訪問を完了させる
- •松江商業と普通科は大手のターゲット外。ここを丁寧に攻める
- •「松江で暮らせる、県外転勤なし」は県庁や銀行にもない強み(転勤あり)
- •社長が直接訪問する。松江の企業は数が多い分、人事担当者だけでは埋もれる
安来市の企業の場合
安来はプロテリアルの企業城下町。プロテリアルと正面から戦うのは得策ではありません。
- •情報科学高校は安来市内にある。地元企業の強みを活かして最優先で訪問
- •プロテリアルが狙わない学科・学校(商業系、普通科、農林系)にアプローチ
- •「プロテリアルの関連企業」であれば、そのサプライチェーンの位置づけを明示
- •「安来に住んで安来で働ける」は松江の企業にはないメリット(通勤時間ゼロ)
- •足立美術館(安来市)の観光関連企業はサービス業としてアプローチできる
4. 今日からできる具体的なアクション
松江・安来エリアの中小企業が明日から動けるアクションリストです。
Step 1:競合を把握する
自社と同じ業種の大手がどの学校のどの学科を狙っているか、上の競争構造表で確認してください。大手と同じ場所で戦うのか、別の場所を狙うのか、戦略を決めます。
Step 2:訪問校を2〜3校に絞る
松江・安来エリアの全校を回る余裕がなければ、自社の業種に最も合う2〜3校に集中してください。特に初めての場合は、「穴場」の学校から始めるのが現実的です。松江商業、普通科、松江農林は訪問企業が少なく、関係を築きやすい学校です。
Step 3:5月中にアポイントを取る
松江工業には7月1日に数十社が訪問します。解禁日のアポイントは5月中に取ってください。穴場の学校も6月中にはアポイントを入れておきましょう。具体的な訪問の進め方は学校訪問マニュアルを参照してください。
Step 4:大手にはできないことをやる
社長が直接訪問する、面接当日に内定を出す、入社後の経過を先生に報告する。詳しくは中小企業が大手に勝つ方法で解説しています。松江・安来エリアでは「大手にはできないこと」をやる重要性が他のエリアの何倍も高くなります。
よくある質問
Q. 松江・安来エリアの中小企業でも高卒採用は可能ですか?
A. 可能です。ただし島根県で最も競争が激しいエリアであることは事実です。松江工業機械科だけを狙うのではなく、松江商業、普通科、松江農林、情報科学高校まで視野を広げ、大手がターゲットにしていない学校・学科から採用する戦略が現実的です。
Q. 安来市の企業がプロテリアルの人材引き抜きに悩んでいます。
A. 「引き抜き」ではなく「プロテリアルとは別の層を採用する」方向に発想を変えてください。プロテリアルが狙うのは主に松江工業・出雲工業の機械系学科です。商業高校、普通科、情報科学高校の就職希望者はプロテリアルのターゲット外です。
Q. Ruby City松江のIT企業と人材を取り合っている場合はどうすればいいですか?
A. IT企業はIT人材を求めています。あなたがIT企業でないなら、情報スキルを持つ生徒を「IT以外の選択肢」として提案できます。「ITスキルを活かしながら、ものづくりの現場で働く」「デジタル×○○業」という切り口は、IT企業にはない魅力です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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