【2025年最新】三重県の高校生数・卒業生数推移と採用市場影響予測2030

地域別・学科別データと企業が今取るべき5つの戦略

三重県の高校生数・卒業生数は年々減少の一途をたどっています。少子化の影響はもはや未来の話ではなく、現在の採用市場に深刻な影を落としています。本記事では、2025年の最新データをもとに、2030年までの高校生数・卒業生数を予測。求人倍率の上昇や人材争奪戦の激化など、今後の採用市場に与える影響をシミュレーションし、企業が今すぐ取り組むべき対策を解説します。

1. 三重県の高校生数・卒業生数の現状データ(2020-2025年)

三重県の高校生数および卒業生数は、少子化の影響を受けて減少傾向が続いています。三重県教育委員会の「学校基本統計」等のデータを基に、直近の推移を確認します。

高校生数・卒業生数の減少推移

令和2年(2020年)には県内に50,123人いた高校生(全日制・定時制の合計)は、令和7年(2025年)には47,783人となり、5年間で約4.7%減少しました。 より採用市場に直結する「卒業生数」に関しては、減少幅がさらに大きくなっています。令和2年の14,856人から、令和7年見込みでは13,451人と、約9.5%もの減少を記録しています。

表1:三重県の年度別高校生数・卒業生数推移(2020-2025年)
年度高校生総数(人)対前年増減卒業生数(人)対前年増減
令和2年 (2020)50,123-14,856-
令和3年 (2021)49,210▼91314,502▼354
令和4年 (2022)48,550▼66014,180▼322
令和5年 (2023)48,012▼53813,950▼230
令和6年 (2024)47,890▼12213,700▼250
令和7年 (2025)47,783▼10713,451▼249

過去5年間で市場から消えた人材

5年で卒業生数が約1,400人減少
(1学年あたり平均280人減)

2. 2030年までの予測シミュレーション

現在の出生数や中学校卒業者数の推移から、2030年(令和12年)の高校生数・卒業生数をシミュレーションします。三重県の人口減少ペースは加速しており、楽観視できない状況です。

少子化加速の影響が顕在化

厚生労働省の「人口動態統計」によると、三重県の出生数は令和元年(2019年)の約13,800人から、令和5年(2023年)には約11,200人へと18.8%も急減しました。この世代が高校に入学するのは2030年代後半ですが、それ以前の世代においても減少トレンドは変わりません。

2030年時点の予測では、高校生総数は約44,500人、卒業生数は約12,300人程度まで落ち込むと見込まれます。

表2:2025年実績見込と2030年予測の比較
項目2025年(令和7年)2030年(令和12年)予測増減率予測
高校生総数47,783人約44,500人▼6.9%
卒業生数13,451人約12,300人▼8.6%
就職希望者数(推定)約3,100人約2,700人▼12.9%

今から準備すべき3つの対策

  • ターゲットの再定義:「新卒のみ」に依存しない採用ポートフォリオを作成する。
  • 省人化投資:人が減ることを前提に、DXや自動化で業務効率を今のうちに高める。
  • ファン作り:中学生・高校1年生段階からの早期接触で、数少ない母集団を囲い込む。

3. 高校生数減少が採用市場に与える3つの影響

卒業生数(=採用母集団)の減少は、企業にとってどのような具体的影響をもたらすのでしょうか。2030年に向けて想定されるシナリオは以下の3点です。

1. 求人倍率のさらなる上昇

現在でも三重県の高卒求人倍率は3.06倍(令和7年3月卒)と高水準ですが、求職者数(分母)が減少するため、求人数が変わらなくても倍率は上昇し続けます。2030年には4.5倍以上に達する可能性が高く、採用難易度は極めて高くなります。

2. 企業間競争の激化(特に中小企業の採用難)

大手企業も採用数を確保するために高卒採用枠を拡大しており、これまで大学生を採用していた層が高卒採用に降りてくる動きもあります。ブランド力や待遇で勝る大手との競合が激化し、中小企業は「応募すら来ない」状況が常態化する恐れがあります。

3. 県外流出の加速

愛知県(名古屋圏)の求人倍率はさらに高く、待遇面での引き抜き圧力が強まります。優秀な人材ほど、より好条件を求めて県外へ流出する傾向が強まり、地元企業に残るのは採用競争力の低い層だけになるリスクがあります。

2030年の採用市場予測

1人の高校生求職者を
4〜5社が奪い合う「超・売り手市場」へ

4. 地域別・学科別の高校生数トレンド

県内全域で減少傾向にありますが、地域や学科によって濃淡があります。自社の商圏エリアのトレンドを把握しておくことが重要です。

エリア別の減少傾向

  • 北勢エリア(四日市・桑名):製造業が集積しており、工業高校の定員維持圧力は強いものの、普通科を中心に減少。名古屋への流出も最も多い地域です。
  • 中勢エリア(津・松阪):人口減少が緩やかに進行。県庁所在地周辺は維持されるものの、郡部での減少が顕著です。
  • 伊勢志摩・伊賀・東紀州:過疎化の影響を強く受け、統廃合のリスクが最も高いエリアです。特に東紀州は卒業生数の減少率が高くなっています。
表3:地域別高校生数推移予測(概算トレンド)
地域2020年2025年2030年予測傾向
北勢21,500人20,800人19,500人微減・流出増
中勢12,800人12,100人11,200人減少傾向
伊勢志摩7,800人7,100人6,400人減少顕著
伊賀4,900人4,600人4,100人大幅減少
東紀州3,123人2,800人2,400人深刻な減少

5. 2030年に向けて企業が取るべき5つの戦略

「待っていれば応募が来る」時代は完全に終わりました。2030年を見据え、今から着手すべき5つの戦略を提案します。

1. 工業高校・専門学科との早期パイプライン構築

求人票を送るだけでなく、インターンシップや出前授業、工場見学などを通じて、高校1・2年生の段階から学校・生徒との関係性を構築します。特に工業科は就職希望率が高いため、最優先アプローチ先です。

2. 女性・外国人材の採用拡大

「高卒男子」に固執せず、女性が働きやすい環境整備(トイレ、更衣室、休暇制度など)や、特定技能外国人などの受け入れ体制を整え、採用ターゲットを広げます。

3. Uターン・Iターン採用強化

一度県外に出た大学生や若手社会人をターゲットにした「Uターン採用」を強化します。高卒時点で採用できなくても、数年後に戻ってきてもらえるような関係維持(SNS発信など)が有効です。

4. 中途採用・キャリア採用の併用

新卒採用が計画通りにいかないことを前提に、通年での中途採用枠を設けます。未経験者を育てる教育体制があれば、第二新卒層も有力なターゲットになります。

5. 定着率向上・離職防止の徹底

新規採用が困難な時代において、既存社員の離職は致命傷です。メンター制度の導入、給与水準の見直し、エンゲージメント向上施策を行い、「辞めない組織」を作ることが最大の採用対策です。

2025年から始める2030年対策

まずは「自社の採用競合」を再定義しましょう。同業他社だけでなく、愛知県の企業や、全く異なる業種の企業もライバルです。「なぜ自社を選ぶのか」という問いに対し、給与以外の魅力(働きやすさ、地域貢献、人間関係)を言語化することから始めてください。

6. 三重県・行政の人口減少対策と企業支援

三重県も「三重県人口ビジョン・総合戦略」を掲げ、若者の県内定着や還流(Uターン)に向けた支援を行っています。企業の自助努力に加え、行政の支援制度を賢く活用しましょう。

表4:企業が活用できる主要支援制度一覧
制度名支援内容・助成額活用メリット
移住支援金制度東京圏から移住して就業した単身者に最大60万円(世帯100万円)県外からのU・Iターン人材採用時の強力なフックになる
若者県内定着促進事業奨学金返還支援を行う企業への助成など経済的負担を軽減し、地元就職を選ぶ動機付けになる
みえの働き方改革推進企業登録・認証制度企業のホワイト化を公的に証明し、学校・保護者へのPR材料になる
プロフェッショナル人材戦略拠点専門人材の採用支援・マッチング採用ノウハウ不足の解消、ハイクラス人材の確保

7. まとめ|2030年採用市場で生き残るための3つの重要ポイント

三重県の高校生数・卒業生数の減少は避けられない現実です。しかし、データを正しく理解し、早期に対策を講じれば、人材確保の道は開けます。

  • データに基づく長期計画:「今年は運が悪かった」ではなく、構造的な減少を前提とした5年スパンの採用計画を立てる。
  • 多様な人材チャネルの確保:高卒新卒一本足打法からの脱却。女性、外国人、Uターン、中途など間口を広げる。
  • 地域貢献と魅力発信:「ここで働きたい」と思わせる企業ブランディング。保護者や先生を味方につける地域密着戦略。

2030年に生き残る企業は、2025年の今、変化を恐れずに採用戦略を変革した企業だけです。

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データ出典:

  • 三重県教育委員会「学校基本統計」
  • 厚生労働省「人口動態統計」
  • 三重労働局「高校新卒者の求人・求職・内定状況」
  • 三重県「三重県人口ビジョン・総合戦略」