石川県の若者流出とUターン採用戦略
県内就職率92.3%でも能登は人口5.9%減 -- 地域間格差を踏まえた人材確保の具体策
石川県の高卒採用市場は、県内就職率92.3%という高い地元定着率を誇ります。しかし、この数字だけでは見えない深刻な課題があります。2024年1月1日の能登半島地震により、能登6市町の人口が5.9%減少。震災前から進行していた能登地域の人口流出が加速し、金沢市圏との地域間格差が一層拡大しています。
一方で追い風もあります。北陸新幹線敦賀開業(2024年)による利便性向上、保育所待機児童ゼロという子育て環境、ILAC・ジョブカフェ石川・UIターン交通費助成など行政の支援体制。本記事では、石川県の若者移動パターンを地域別に分析し、実効性のあるUターン採用戦略を解説します。
1. 石川県の若者流出の実態データ
石川県は機械産業を中心に、IT・伝統工芸・食品産業が集積し、クスリのアオキHD・PFU・澁谷工業・EIZOなど大手企業の本社が立地しています。高卒者にとっての就職先が県内に豊富に存在するため、県内就職率は92.3%と高い水準を維持しています。
県内就職率92.3%の裏側
石川県全体では高卒者の9割以上が県内に就職しますが、これは主に金沢市圏・白山市・小松市など加賀地域の企業に集中しています。能登地域(輪島市・珠洲市・七尾市など)では、地震前から若者の流出が進行しており、震災がそれを決定的に加速させました。
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 県内就職率 | 92.3% | 全国的にも高い水準 |
| 求人倍率 | 3.84倍 | 7月末時点(前年最終4.39倍・過去最高) |
| 就職率 | 99.5% | 全国平均98.0%を上回る |
| 内定率(12月末) | 94.3% | 15年連続90%超 |
| 求人数 | 6,083人 | 前年比+0.4% |
| 求職者数 | 1,585人 | 前年比+2.1% |
ポイント:石川県の「本当の課題」は県全体の流出率ではない
高卒者の県内就職率92.3%は全国的にも高い水準です。石川県の採用市場における真の課題は、(1) 能登半島地震による能登地域の急激な人口減少、(2) 金沢市圏への一極集中と能登・加賀南部の人材枯渇、(3) 求人倍率3.84倍(前年最終は過去最高の4.39倍)の超売り手市場における企業間競争、の3つです。
2. 能登半島地震が採用市場に与えた影響
2024年1月1日の能登半島地震は、石川県の人口動態と採用市場に大きな変化をもたらしました。被災地域では事業再開の遅れから雇用が流動化する一方、復興需要による建設業の求人急増という二面性があります。
能登6市町の人口5.9%減の衝撃
日本経済新聞の報道によると、能登半島地震後の1年間で輪島市・珠洲市・穴水町・能登町・七尾市・志賀町の人口は5.9%減少しました。全国の年間人口減少率が0.5%程度であることを考えると、約10年分の人口減少が1年で起きた計算です。特に若年層の金沢市圏・県外への転出が加速しています。
建設業の求人+19.2%増
復興工事の本格化に伴い、建設業の求人は前年比+19.2%と大幅に増加しています。しかし、能登地域では働き手そのものが減少しているため、採用は一層困難な状況です。県外からの人材呼び込みや、金沢圏からの通勤・期間限定派遣に頼らざるを得ないケースも出ています。
| 項目 | 地震前 | 地震後 | 企業への影響 |
|---|---|---|---|
| 能登地域の人口 | 緩やかな減少傾向 | 5.9%の急減(1年間) | 地元での採用がさらに困難に |
| 建設業の求人 | 横ばい傾向 | +19.2%増 | 復興需要で深刻な人手不足 |
| 若者の移動先 | 金沢市圏中心 | 県外流出も加速 | 能登企業のUターン採用が急務 |
| 生活インフラ | 整備済み | 一部で復旧途上 | 住環境の不安が採用障壁に |
能登地域の企業が今すべきこと
能登地域の企業にとって、高卒採用は「地域の存続」に直結する課題です。地震からの復興を「一緒に地元を再建する仲間を求めている」というストーリーに転換し、復興に携わることの社会的意義を求人票や学校訪問で伝えることが有効です。UIターン交通費・宿泊費助成や地方就職支援金の制度も積極的に活用しましょう。
3. 県内人口移動パターン:金沢市圏への一極集中
石川県では県外流出に加え、県内での金沢市圏への集中が地方部の企業にとって深刻な採用課題となっています。
| 流出元エリア | 流出先 | 主な要因 | 影響を受ける業種 |
|---|---|---|---|
| 能登北部(輪島・珠洲) | 金沢市圏・県外 | 地震被害・生活インフラ未復旧・求人減 | 伝統工芸(輪島塗)・水産業・観光業 |
| 能登南部(七尾・志賀・羽咋) | 金沢市圏 | 生活利便性・求人の多様性 | 製造業・サービス業・農林水産業 |
| 加賀南部(加賀・小松) | 金沢市圏・福井県 | 新幹線開業で福井方面も選択肢に | 製造業(コマツ関連)・温泉観光業 |
| 県全域(大学進学時) | 東京・大阪・京都・名古屋 | 大学の選択肢・都市への憧れ | 全業種(Uターン採用の対象) |
4. 石川県のUIターン支援制度を最大限活用する
石川県はUIターン支援制度が充実しています。これらを求人票や学校訪問で積極的にアピールすることで、県外からの人材確保に繋がります。
ILAC(石川県就職・定住総合サポートセンター)
UIターン就職と定住をワンストップで支援する総合窓口です。就職相談・住まい探し・子育て情報など、移住に必要な情報を一括で提供しています。
出典:https://ishikawa-ilac.jp/
ジョブカフェ石川
個別相談・就職対策講座・出前講座を実施。金沢本所に加え、能登サテライト・加賀サテライトを設置し、県内全域をカバーしています。企業向けのマッチング支援も行っています。
出典:https://www.jobcafe-ishikawa.jp/
UIターン交通費・宿泊費助成
石川県への就職を希望するUIターン者に対し、就職活動にかかる交通費・宿泊費を助成する制度です。求人票にこの制度を明記することで、県外在住者の応募ハードルを大きく下げられます。
出典:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/roudou/ilac/koutuuhi.html
いしかわ就活スマートナビ
石川県の公式就職情報ポータルサイトで、約500社が掲載されています。UIターン希望者が最初に閲覧するサイトの一つであり、企業情報の掲載は必須です。
出典:https://jobnavi-i.jp/
地方就職支援金(東京圏学生向け)
東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の大学等を卒業後、石川県内に就職する方を対象とした支援金制度です。
奨学金返還助成
石川県内に就職・定住する方を対象に、奨学金の返還を支援する制度です。Uターン人材への訴求力が高く、求人票への記載で応募者増が期待できます。
5. Uターン採用を成功させる5つのアクション
アクション1:北陸新幹線の利便性を前面に打ち出す
2024年の北陸新幹線敦賀開業により、東京から金沢まで最速2時間半。関西圏からのアクセスも向上しました。「新幹線通勤圏」という新しい価値を、首都圏の大学に通う石川県出身者へ訴求しましょう。帰省シーズン(お盆・年末年始)に合わせたWeb広告出稿も効果的です。
アクション2:保育所待機児童ゼロを求人票に記載する
石川県は保育所待機児童ゼロを達成しています。共働き世帯や将来的に子育てを見据える若者にとって、保育所に入れないリスクがないことは大きな安心材料です。東京では保活に苦労する現実と比較し、「石川県なら仕事も子育ても両立できる」というメッセージを発信しましょう。
アクション3:オンライン選考フローを整備する
県外在住者にとって、面接のたびに石川県に戻るのは時間的・金銭的な負担です。一次面接はオンライン、最終面接のみ対面とする柔軟な選考フローを整備し、「土日面接可」「オンライン完結可」を求人票に明記しましょう。UIターン交通費助成の案内も忘れずに。
アクション4:UIターン就職フェアに参加する
ILACやジョブカフェ石川が主催するUIターン就職フェアは、石川県出身の学生や若手社会人と直接接点を持てる貴重な場です。東京・大阪でも開催されることがあるため、県外拠点がなくても参加可能です。フェアでの成果を最大化するために、3分で自社の魅力が伝わるプレゼン資料を準備しましょう。
アクション5:生活コストの優位性を数字で示す
東京と比較した場合、石川県は家賃で大きな差があります。「金沢市内1LDK平均5.5万円 vs 東京23区1LDK平均12万円」「車があれば金沢市内どこでも20分以内」「実家から通勤すれば年間100万円以上の貯金が可能」など、具体的な数字で生活の豊かさをアピールしましょう。
まとめ:石川県は県内就職率92.3%と高い地元定着力がある一方、能登半島地震による人口減少と金沢市圏への一極集中が採用課題です。ILAC・ジョブカフェ石川・UIターン交通費助成・いしかわ就活スマートナビなどの支援制度をフル活用し、北陸新幹線の利便性と待機児童ゼロの子育て環境を武器に、Uターン人材の獲得に取り組みましょう。
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データ出典:
- 石川労働局「令和8年3月新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況」(https://www.pacola.co.jp/n2025091813/)
- 日本経済新聞「能登6市町、人口5.9%減」(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE0398E0T00C25A2000000/)
- JILPT「北陸の雇用情勢」(https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2025/08_09/hokuriku.html)
- ILAC(https://ishikawa-ilac.jp/)
- ジョブカフェ石川(https://www.jobcafe-ishikawa.jp/)
- 石川県UIターン交通費助成(https://www.pref.ishikawa.lg.jp/roudou/ilac/koutuuhi.html)
- いしかわ就活スマートナビ(https://jobnavi-i.jp/)
- 文部科学省「高等学校卒業者の就職状況調査」(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kousotsu/kekka/k_detail/mext_00039.html)



