能登北部で高卒人材を採用するには
輪島市・珠洲市・穴水町・能登町の企業ができること
2024年1月の能登半島地震から1年半。奥能登4市町(輪島・珠洲・能登町・穴水)の人口は11.8%減少しました。30歳以下の減少率は40歳以上の2倍です。珠洲市は人口1万人を割りました。
能登北部の高校——輪島高校、能登高校——に残っている就職希望の生徒は、年々少なくなっています。建設業の求人は県全体で前年比+19.2%と急増していますが、その仕事をする人がこの地域にいない。
この記事は「大丈夫です、頑張りましょう」とは言いません。能登北部の採用が厳しいのは事実です。そのうえで、今この状況で企業が具体的にできることを書きます。
能登にいないなら、外から呼ぶ
能登北部の地元高校だけで人材を確保しようとするのは、もう限界です。輪島高校・能登高校の卒業生は数十人単位であり、そのうち就職を選ぶ生徒はさらに少ない。
金沢の高校を訪問してください。
石川県の高校生の92.3%は県内就職を選びます。金沢の工業高校・商業高校には就職希望者が多くいます。その中には「金沢の事務職より、やりがいのある仕事がしたい」という生徒が確実にいます。能登の復興に関わる仕事、600年の伝統を継承する仕事、海の幸を届ける仕事——これらは金沢のオフィスワークにはない魅力を持っています。
ただし、金沢の生徒に能登に来てもらうには2つの壁を越える必要があります。「住む場所」と「保護者の不安」です。
住む場所がなければ、人は来ない
住居確保は採用活動の一部です
能登北部に外から人を採用する場合、住居の確保が最初のハードルになります。求人票に「住居あり」と書けるかどうかが、応募の有無を左右します。
企業としてできること
- •社宅・借上げ社宅の用意。空き家を改修して社員寮にする。自治体の空き家バンクを活用すれば、低コストで住居を確保できる場合がある
- •家賃補助。全額でなくてもいい。「月2万円の家賃補助」が求人票に載るだけで、応募のハードルが大きく下がる
- •求人票への明記。「社宅あり」「家賃補助あり」は必ず求人票に書く。先生が生徒に紹介するとき、住居の心配がないことが判断材料になる
活用できる行政支援
訪問すべき高校 — 能登だけでは足りない
地元校+金沢の実業系高校の両方を訪問する
地元の高校(関係維持が最優先)
地元校の卒業生は少ないが、地域に残る意志を持つ生徒との接点は非常に貴重です。年1回ではなく、年間を通じた関係づくりを。
| 学校名 | 所在地 | 特徴 |
|---|---|---|
| 輪島高校 | 輪島市 | 普通科・ビジネスコース。地元密着型の総合高校 |
| 能登高校 | 能登町 | 能登町唯一の高校。地域産業科(農業・水産)あり |
| 日本航空高校石川 | 輪島市 | 全国から生徒が集まる航空系。地元就職は少ないが接点を持つ価値あり |
特徴
普通科・ビジネスコース。地元密着型の総合高校
特徴
能登町唯一の高校。地域産業科(農業・水産)あり
特徴
全国から生徒が集まる航空系。地元就職は少ないが接点を持つ価値あり
金沢の高校を訪問する(ここが勝負)
能登北部の企業が金沢の高校を訪問する事例はまだ少ない。だからこそ先行者利益がある。「能登から来た」という時点で先生の記憶に残ります。訪問時に持参すべきは、仕事の内容+住居の確保状況+UIターン支援の情報をセットにした資料です。
| 学校名 | 所在地 | なぜ訪問するか |
|---|---|---|
| 石川県立工業高校 | 金沢市 | 工芸科・デザイン科がある。輪島塗の後継者候補に最も近い学科。機械・電気系は建設業にも対応 |
| 金沢市立工業高校 | 金沢市 | 建築科・土木科あり。復興工事の担い手候補 |
| 小松工業高校 | 小松市 | 建設科あり。加賀方面からのアプローチ |
| 羽咋工業高校 | 羽咋市 | 能登南部に位置し、能登北部への就職抵抗が比較的低い |
なぜ訪問するか
工芸科・デザイン科がある。輪島塗の後継者候補に最も近い学科。機械・電気系は建設業にも対応
なぜ訪問するか
建築科・土木科あり。復興工事の担い手候補
なぜ訪問するか
建設科あり。加賀方面からのアプローチ
なぜ訪問するか
能登南部に位置し、能登北部への就職抵抗が比較的低い
学校訪問の具体的な進め方は学校訪問完全マニュアルを参照してください。
保護者の壁を越える
金沢に住む保護者が、子供を能登に送り出すことに不安を感じるのは当然です。「地震で被災した地域に行かせて大丈夫なのか」「生活インフラは戻っているのか」「また大きな地震が来たらどうなるのか」。
この不安に対して、「大丈夫です」は回答になりません。以下を具体的に提示してください。
- •住居の状態。社宅・寮を用意している場合、その写真と住所。周辺にスーパー・病院があるか
- •事業継続計画(BCP)。地震が再び起きたとき、従業員の安全をどう守るか。建物の耐震状況
- •通勤手段。能登北部は公共交通が限られる。送迎の有無、車の貸与・補助の有無
- •生活インフラの復旧状況。水道・電気・通信の復旧率。嘘をつかない。「一部仮復旧」なら正直にそう書く
詳しくはオヤカク完全マニュアルを参照してください。
業種別 — 何をアピールし、誰を採るか
建設業 — 「復興を支える仕事」を具体的に見せる
石川県全体で建設業の求人は前年比+19.2%。能登北部はその中心です。しかし「復興に関わりませんか」という抽象的な呼びかけでは人は来ません。
具体的に何をする仕事なのかを見せてください。
- •「輪島市〇〇地区の住宅再建工事。1日の流れはこう。使う機材はこう」——仕事の中身を写真付きで
- •「1年後にはこの資格が取れる」「3年後にはこのポジションを任せる」——キャリアパスを数字で
- •金沢市立工業の建築科・土木科を最優先で訪問。復興工事の現場写真を持参する
伝統工芸(輪島塗)— 「技術の継承者」として採用する
輪島塗は600年以上の歴史を持つ国指定重要無形文化財です。震災で多くの工房が被災しましたが、仮設工房での制作が再開しています。
「伝統工芸の弟子募集」は求人票だけでは伝わりません。
- •石川県立工業の工芸科・デザイン科が最重要訪問先。ここには「手で何かを作りたい」という生徒がいる
- •「5年間の技術習得カリキュラム」を具体的に提示する。何年目に何ができるようになるか
- •若手職人の制作した作品の写真を求人資料に入れる。「この作品を、あなたが作れるようになる」
- •住居の確保が絶対条件。金沢から輪島に移り住むことになるため、社宅なしでは応募は期待できない
水産業・水産加工 — 「能登の食を届ける仕事」
輪島港・珠洲の漁港の復旧が進み、漁業が段階的に再開しています。水産加工業も含め、地域の食文化を支える産業です。
- •能登高校の地域産業科(農業・水産)との関係を維持する。地元で水産を学んでいる生徒は最も採用につながりやすい
- •「能登の里山里海」(世界農業遺産)を背景に、「この海で獲れたものを全国に届ける」という仕事のストーリーを伝える
- •朝が早い仕事。生活リズムの変化について正直に伝え、入社前に体験させる
活用できる支援制度
補助金・助成金の全体像は石川県の採用支援・補助金ガイドをご覧ください。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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