広島県の高卒求人倍率は4.65倍
過去最高を更新した数字が、中小企業に意味すること
広島県の高卒求人倍率は、令和7年3月卒で4.65倍と過去最高を更新しました(広島労働局)。求人10,650件に対して、就職を希望する高校生は2,292人。1人の高校生を約4.6社が奪い合っている計算です。
この数字を「広島は採用しやすい」と読むのは間違いです。倍率が高いということは、あなたの会社が出した求人票が、他の4社の求人票に埋もれるということ。求人を出すだけでは応募が来ない——それが4.65倍の現実です。
前年からどう変わったか
令和6年3月卒 → 令和7年3月卒の比較
| 項目 | 令和6年3月卒 | 令和7年3月卒 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 求人件数 | 10,155件 | 10,650件 | +495件(+4.9%) |
| 求職者数 | 2,356人 | 2,292人 | ▲64人(▲2.7%) |
| 求人倍率 | 4.31倍 | 4.65倍(過去最高) | +0.34pt |
- 令和6年3月卒10,155件
- 令和7年3月卒10,650件
- 令和6年3月卒2,356人
- 令和7年3月卒2,292人
- 令和6年3月卒4.31倍
- 令和7年3月卒4.65倍(過去最高)
求人件数が前年比+4.9%で増えたうえに、求職者が▲2.7%減りました。求人が増えて求職者が減る——この2つが同時に起きるから倍率が上がります。少子化が進む広島県では、この構造は一時的なものではありません。
広島県の倍率が高い2つの理由
理由1:自動車・鉄鋼・造船が大量の現場求人を生む
広島県の製造品出荷額等は11兆4,765億円・全国11位です。内訳は輸送用機械が37.4%(4兆2,929億円)、鉄鋼が12.8%(1兆4,724億円)、生産用機械が9.6%(1兆1,003億円)。マツダを頂点に数百社のサプライヤーが連なり、福山のJFEスチール、呉・因島の造船が加わります。これらの現場は高卒の技能人材を毎年大量に必要とし、求人の分子を押し上げています。
理由2:少子化で求職者が減り続けている
就職を希望する高校生は、令和6年3月卒の2,356人から令和7年3月卒の2,292人へと減りました。広島県の人口は令和7年6月に約269万9,796人となり、48年ぶりに270万人を割り込んでいます。18歳人口そのものの減少と大学進学率の上昇が重なり、就職希望者は構造的に絞り込まれています。
人口動態の詳細は高校生数推移と将来見通しで解説しています。
4.65倍の市場で、中小企業がやるべきこと
倍率が高いほど、知名度のある大手に応募が集中します。求人10,650件のうち約8割が充足できない市場で、中小企業が「選ばれる」ためにやるべきことは決まっています。
今からできる3つのこと
今後の見通し
少子化と製造業の旺盛な採用需要が続くかぎり、求職者の減少と求人の高止まりは当面続くと見込まれます。倍率がさらに上がれば、準備をしていない企業は採用そのものが成立しなくなります。逆に言えば、いま学校との関係構築・採用ブランディングに着手した企業は、年を追うごとに差を広げられます。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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