広島県の高卒求人倍率推移【2026年最新】
4.33倍(全国6位)の背景分析と中国5県比較
広島県の高卒求人倍率は令和8年3月卒で4.33倍(全国6位)を記録しました。前年の令和7年3月卒では過去最高の4.65倍に到達しており、高水準の売り手市場が続いています。広島県の採用市場を支えるのは、マツダを中心とした自動車産業、呉・尾道の造船業、JFEスチールなど鉄鋼業の「3本柱」です。製造品出荷額は約11兆4,765億円(全国11位)で、中国・四国・九州では11年連続1位を誇ります。
1. 高卒求人倍率の推移(2020〜2026年)
広島県 新規高卒求人倍率の推移(広島労働局発表準拠)
| 年度(3月卒) | 求人件数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年3月卒(前年) | 10,155件 | 2,356人 | 4.31→4.65倍 | +0.34 |
| 令和8年3月卒(最新) | 10,650件 | 2,292人 | 4.33倍 | -0.32 |
出典:セルアド18歳新卒ラボ、広島労働局、パコラ
2. 前年4.65倍から4.33倍への変動要因
令和7年3月卒で過去最高の4.65倍を記録した広島県ですが、令和8年3月卒では4.33倍とやや低下しました。ただし依然として全国6位の高水準です。この変動の主因を分析します。
| 項目 | R7卒 | R8卒 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 求人件数 | 10,155件 | 10,650件 | +495件(+4.9%) |
| 求職者数 | 2,356人 | 2,292人 | ▲64人(▲2.7%) |
| 求人倍率 | 4.65倍(過去最高) | 4.33倍 | ▲0.32pt |
求人件数は前年比+495件(+4.9%)で増加したにもかかわらず倍率が下がった主な要因は、令和7年卒の求人倍率が「4.31倍→4.65倍」と年度内で大幅に上振れした反動です。令和8年卒の10,650件という求人件数自体は過去最多水準であり、企業の採用意欲は依然旺盛です。
ポイント:4.33倍は「低下」ではなく「高止まり」です。全国平均3.69倍を大きく上回る水準であり、1人の高校生を4社以上で奪い合う状態に変わりはありません。求人件数が過去最多を更新している事実は、広島県企業の高卒人材への強い需要を裏付けています。
3. 中国5県・全国平均との比較
広島県は中国5県の中で経済規模が最大であり、高卒求人倍率も高水準を維持しています。各県の産業構造の違いが倍率に反映されています。
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 広島県 | 4.33倍(全国6位) | 自動車・造船・鉄鋼 | 中四国九州で製造品出荷額11年連続1位 |
| 岡山県 | 約3.5〜4.0倍 | 石油化学・自動車部品・繊維 | 水島コンビナートが牽引 |
| 山口県 | 約3.0〜3.5倍 | 石油化学・セメント・医薬 | 周南コンビナート中心 |
| 島根県 | 約2.5〜3.0倍 | 電子部品・鋳物・食品 | 人口減少が深刻、地元志向強い |
| 鳥取県 | 約2.0〜2.5倍 | 電子部品・食品加工・紙パルプ | 全国最少人口県、採用規模小さい |
| 全国平均 | 3.69倍 | — | — |
出典:セルアド18歳新卒ラボ、各県労働局発表
つまり:広島県の4.33倍は全国平均3.69倍の約1.17倍。中国5県でもトップの水準です。マツダ関連のTier1・Tier2サプライヤーを含めた自動車産業の裾野の広さが、県全体の求人数を押し上げています。
4. 広島県が全国6位の高水準を維持する3つの理由
1. 自動車・造船・鉄鋼の「3本柱」が生む大量求人
広島県の製造品出荷額約11兆4,765億円のうち、輸送用機械が37.4%、鉄鋼が12.8%、生産用機械が9.6%を占めます。マツダ本社をはじめ、造船の今治造船(呉)・常石造船(福山)、JFEスチール(福山)など、重厚長大型産業が集積しています。これらの企業は高卒の現場人材を大量に必要とし、サプライチェーン全体で求人需要を押し上げています。
2. 少子化による求職者数の継続的な減少
求職者数は令和7年3月卒の2,356人から令和8年3月卒の2,292人へ64人減少(▲2.7%)しました。広島県の総人口も269万9,796人と48年ぶりに270万人を割り込んでおり、高校生人口の減少は構造的に続きます。求人が増えて求職者が減る「ダブルの圧力」が倍率を押し上げる原動力です。
3. 卸売・小売業など非製造業の採用参入
従来は製造業中心だった高卒求人市場に、卸売・小売業(前年比+24.9%・+293人)や販売職(+23.7%・+150人)が急速に参入しています。人手不足が全産業に波及したことで、業種横断的な人材獲得競争が生まれ、倍率を底上げしています。
5. 2030年予測シミュレーション
広島県の人口減少と製造業の旺盛な採用需要が続いた場合、2030年の高卒求人倍率は5.0倍前後に達する可能性があります。
| 年度 | 求人件数(予測) | 求職者数(予測) | 倍率(予測) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2027(R9) | 約11,000件 | 約2,200人 | 約5.0倍 | 少子化継続・自動車EV転換需要 |
| 2028(R10) | 約11,200件 | 約2,100人 | 約5.3倍 | 造船更新需要・防衛関連増 |
| 2030(R12) | 約11,500件 | 約2,000人 | 約5.5〜6.0倍 | 人口255万人時代・求職者2,000人割れの可能性 |
※ 予測値は現在のトレンドに基づく推計であり、確定値ではありません。
採用戦略への示唆:広島県は48年ぶりに270万人を割り込み、人口減少が加速しています。一方で自動車産業のEV転換や造船業の更新需要により、製造現場の高卒人材ニーズは衰えません。2030年に向けて「1人の高卒者を5社以上で奪い合う」時代が到来する可能性が高く、今から学校との関係構築・採用ブランディングに着手することが不可欠です。
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