愛媛県の高卒求人倍率推移【グラフ付き】

3.75倍の背景と四国他県・全国平均との比較分析

3.75倍
求人倍率(R7卒)
全国平均4.10倍を下回る
3.26倍
県内求人倍率(R8卒)
前年3.66倍から若干低下
6,270人
求人数
令和7年3月卒
1,674人
求職者数
県内就職率71.2%

愛媛県の高卒求人倍率は令和7年3月卒で3.75倍を記録しましたが、全国平均の4.10倍を下回っています。県内求人倍率は令和7年に3.66倍と過去最高に達した後、令和8年には3.26倍と若干の低下を見せました。背景には、造船・紙パルプ・非鉄金属を中心とする製造業の安定した求人需要と、少子化による就職希望者数の減少があります。一方で県内就職率は71.2%と前年比-4.1ptの低下が見られ、若者の県外流出が加速しています。

1. 県内求人倍率推移(2017〜2026年)

愛媛県 新規高卒者 県内求人倍率の推移(愛媛労働局)

2017(H29)
1.88倍 県内倍率
2018(H30)
2.10倍
2019(H31)
2.35倍
2020(R2)
2.48倍
2021(R3)
2.05倍 コロナ影響
2022(R4)
2.30倍 回復基調
2023(R5)
2.78倍
2024(R6)
3.15倍
2025(R7)
3.66倍 県内過去最高
2026(R8)
3.26倍 若干低下
年度(3月卒)県内求人倍率全体求人倍率備考
2017(H29)1.88倍県内倍率の起点
2018(H30)2.10倍
2019(H31)2.35倍
2020(R2)2.48倍
2021(R3)2.05倍コロナ影響で一時低下
2022(R4)2.30倍回復基調
2023(R5)2.78倍
2024(R6)3.15倍
2025(R7)3.66倍3.75倍県内倍率 過去最高
2026(R8)3.26倍若干低下

出典:愛媛労働局プレスリリース(令和8年3月3日)、厚生労働省 第3表

2. 四国4県・全国平均との比較

愛媛県の求人倍率を四国他県および全国平均と比較し、県内の採用環境がどの程度厳しいかを客観的に把握します。

都道府県高卒求人倍率主要産業特徴
愛媛県3.75倍造船・紙パルプ・非鉄金属・化学四国最大の製造出荷額
香川県機械・食品・石油製品四国の玄関口
徳島県化学・医薬品・LED大塚グループ・日亜化学
高知県食品加工・農業・林業一次産業比率が高い
全国平均4.10倍愛媛県は全国平均を下回る

ポイント:愛媛県の3.75倍は全国平均4.10倍を0.35pt下回る水準です。これは製造品出荷額が四国全体の46.6%を占める産業集積があるものの、県内就職率71.2%と若者の県外流出が一定程度あることで、求職者数が相対的に維持されていることが要因です。ただし県内企業にとっては「1人の高校生を3社以上で奪い合う」売り手市場であることに変わりありません。

3. 愛媛県の求人倍率を押し上げる3つの構造要因

1. 造船・紙パルプ・非鉄金属を柱とする製造業の厚い求人需要

愛媛県の製造品出荷額は約4兆7,581億円で、四国全体の46.6%を占めます。今治造船グループは国内建造量の約35%を担い、造船関連就業者は10,000人超。四国中央市は紙関連製造品出荷額20年連続日本一を誇ります。パルプ紙(16.6%)、非鉄金属(11.1%)、輸送用機械(10.4%)、化学(9.2%)と多様な製造業が求人を出し続けています。

2. 18歳人口の減少と大学進学による就職希望者の縮小

愛媛県の18歳人口は2023年の11,908人から2035年には9,945人へと約16%減少する見通しです。さらに大学地元残留率は28.4%と低く、大学進学者の7割超が県外へ流出します。結果として就職市場に出てくる高校生が年々減少し、求人倍率を構造的に押し上げています。

3. 県内就職率71.2%の低下傾向が示す人材流出

県内就職率は71.2%で前年比-4.1ptの低下を記録しました。これは若者の県外流出が加速していることを意味します。転出超過は-4,779人(2023年)と四国最大です。しかし逆の見方をすれば、5割超の高校生が「愛媛に戻りたい・住み続けたい」と回答しており、地元回帰志向をいかに取り込むかが採用の鍵です。

4. 2030年予測シミュレーション

18歳人口の減少トレンドが続いた場合、2030年の愛媛県高卒求人倍率は4.0〜4.5倍に達する可能性があります。

年度求職者数(予測)県内求人倍率(予測)備考
2027(R9)約1,600人約3.4〜3.6倍現状維持シナリオ
2028(R10)約1,550人約3.5〜3.8倍少子化加速シナリオ
2030(R12)約1,450人約4.0〜4.5倍18歳人口1万人割れが視野に

※ 予測値は国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」等に基づく推計であり、確定値ではありません。

採用戦略への示唆:愛媛県は2035年に18歳人口が9,945人まで減少する見通しです。造船・紙パルプ・非鉄金属といった基幹産業の求人需要は安定しているため、「需要維持 x 供給減少」の構造は加速します。県内就職率の低下傾向も踏まえると、今から学校との関係構築・職場見学の質向上・採用ブランディングに取り組むことが不可欠です。

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データ出典:

  • 厚生労働省「令和7年3月高校新卒者の求人・求職・就職内定状況」第3表
  • 愛媛労働局プレスリリース(令和8年3月3日)「新規高卒者の求人・求職・就職内定状況」
  • 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
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