配管工という仕事
水と空気を届ける、暮らしの裏方
蛇口をひねれば水が出る。エアコンをつければ涼しくなる。ガスコンロに火がつく。当たり前の暮らしを支えているのが配管工。水道管、ガス管、空調ダクト——目に見えないところで、建物に「命」を通す仕事。


この仕事って何?
配管工とは、建物の中を通る「管」を設計図通りに取り付け、修理し、メンテナンスする職人です。水道、ガス、空調、排水——ライフラインと呼ばれるインフラを手がける、社会に不可欠な存在です。
給排水配管 — 水を届け、汚水を流す
キッチン、トイレ、お風呂。建物の中で水が使えるのは、配管工が管を一本一本つないでいるから。新築工事からリフォームまで対応します。
空調配管 — 快適な温度を届ける
エアコンや換気システムの冷媒管・ダクトを設置する仕事。オフィスビルや商業施設では特に重要です。
ガス配管 — 安全にガスを届ける
ガスコンロや給湯器にガスを供給する管を施工。漏れは命に関わるため、特に精密さが求められます。
こんな人に向いてる
- 手先が器用な人。パイプの切断・接合・曲げ加工は繊細な作業
- パズルや立体的な思考が好きな人。図面を読んで配管ルートを考える
- 一人でコツコツ作業できる人。黙々と集中する時間が長い
- ライフラインを守るという使命感がある人。困っている人を助けられる
- 手に職をつけたい人。資格を取れば一生食べていける
実際に覗いてみよう!

高卒で、なれるの?
なれます。配管工は高卒未経験からの入職が一般的です。
配管工の平均年収は 486万円(令和6年賃金構造基本統計調査)。ライフラインに関わる仕事は景気に左右されにくく、安定した需要があります。
建設業の高卒初任給は 182,700円。ただし配管工は資格手当や現場手当が加わるため、実際の手取りはこれより多くなることが一般的です。
配管技能士や管工事施工管理技士を取得すれば、昇給だけでなく 独立 も視野に。最短3年で独立する人もいます。
486万円
配管工の平均年収
令和6年
182,700円
建設業の高卒初任給
令和6年
3年〜
独立までの最短期間
資格取得後
なるためのルート
工業高校(設備科・機械科)→ 設備工事会社
最も直結するルート。配管の基礎知識や図面の読み方を学校で学べる。学校推薦枠が多い。
普通科 → 管工事会社(未経験歓迎)
入社後にOJTで学ぶ。人手不足のため普通科からの採用も積極的。
工業高校 → ハウスメーカー・リフォーム会社
住宅の給排水工事からスタート。住宅設備全般を経験できる。
ある1日の流れ
住宅向け管工事会社で働く、2年目のある1日を紹介します。
会社到着・準備
今日の現場に必要な工具と資材を車両に積み込む。前日にリストアップ済みなので慌てない
現場到着・打ち合わせ
現場監督と図面を広げて、今日の作業の流れを確認。配管ルートを実際の壁や床と照合する
朝礼・ラジオ体操
安全確認と作業内容の共有。配管工は重い材料を扱うので、体をほぐしてから作業開始
掘削・配管加工
コンクリートを掘削して配管スペースを確保。パイプを図面通りの長さに切断し、曲げ加工する
小休憩
体力の消耗が激しい仕事。15〜20分の休憩で集中力を保つ
昼食休憩
車の中やコンビニでお弁当。午後の段取りを先輩と確認
配管取り付け作業
加工したパイプを所定の位置に取り付け、接合する。水漏れしないよう慎重に
通水テスト
取り付けた配管に水を流し、漏れがないか確認。ここで問題があればやり直し
片付け・翌日準備
道具の片付けと現場の清掃。翌日に必要な資材をリストアップ
退社
日没前に終了するのが基本。真っ直ぐ帰れる日が多い
※ 緊急の水漏れ修理など、急な呼び出しが入ることもあります
身につくスキル
配管工で身につくスキルは、建設業だけでなく設備メンテナンス全般で通用する「一生モノの技術」です。
- 配管加工技術 — パイプの切断・曲げ・接合。素材(鉄・銅・樹脂)ごとに異なる技術を習得
- 図面読解力 — 設計図から配管ルートを読み取り、実際の建物に落とし込む力
- 問題解決力 — 図面通りにいかない現場で、代替ルートを考える創意工夫の力
- 安全管理 — ガス漏れ・水漏れ防止の知識。人の命に関わる責任感
- 資格 — 配管技能士(1〜3級)、管工事施工管理技士。取得で昇給・独立に直結
キャリアステップ
配管工のキャリアは「任される管の種類と現場の規模」で段階的に上がっていきます。給排水から始まり、空調やガスの高度な配管へ。資格を取れば独立も現実的です。
管工事施工管理技士は業界で非常に需要の高い国家資格。1級を持っていれば転職にも困りません。
見習い・先輩の補助
工具の使い方、パイプの切断・接合の基本を覚える。先輩の作業を見て学ぶ期間。
月収17〜20万円
一人前の配管工
住宅の給排水工事を一人で任される。配管技能士3級・2級を取得。
月収22〜28万円
職長・現場リーダー
ビルや工場の大型案件も担当。後輩の指導も。管工事施工管理技士に挑戦。
月収30〜38万円
独立・会社経営
自分の会社を設立。住宅リフォームから大型設備工事まで受注。
月収40万円以上
この仕事のリアル
建設業の高卒3年以内離職率は 42.4%。ただし配管工は技術の蓄積が直接収入に反映されるため、続ける人ほど報われる仕事です。
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和3年3月卒
配管工の大変さは 体力的なきつさです。重い管材を運び、狭い場所での作業も多い。夏は暑く冬は寒い現場が基本です。
また、水漏れやガス漏れは許されない仕事。ミスが人の生活や安全に直結するため、常に緊張感を持って作業する必要があります。
一方で、ライフラインを守る仕事は景気に左右されにくく、安定した需要があります。水道やガスがなくなることはないので、技術を身につければ一生食べていけます。
会社を選ぶときの見極めポイント
給排水・空調・ガスのどれを主に扱う会社か(得られる技術が変わる)
資格取得支援制度の内容(配管技能士・管工事施工管理技士)
新築工事中心か、メンテナンス・修理中心か(働き方が違う)
入社後の教育体制(いきなり一人で現場に行かされないか)
じゃあ、どうすればいい?
求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。
だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。
会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?
求人票以外の情報を探そう。
SNS、ブログ、就活情報誌——求人票に載っていない情報を出している会社ほど、あなたに届けたい想いがある。
職場見学はまず先生に相談してみてください。
行きたい会社の見学ができなかった場合は、
先生を通じてゆめスタにご相談ください。
「ゆめマガで紹介してほしい」などのご相談も大歓迎です。できる限り力になります!
先輩たちの「やっててよかった」
蛇口から水が出る。トイレが流れる。当たり前を当たり前にする、誇りある仕事。
自分が配管した建物で、人が暮らし始めたとき。目に見えない部分だからこそ、「自分の仕事が誰かの生活を支えている」という実感が深い。
(キャリアガーデン「配管工のやりがい」)
水漏れで困っているお客さまに「ありがとう、助かりました」と直接言ってもらえる。配管工は修理対応でお客さまと直接関わる場面が多い。
(キャリアガーデン「配管工のやりがい」)
複雑な配管ルートを考えて、ピタリとはまったとき。パズルを解くような達成感。ものづくりの根源的な楽しさがある。
(キャリアガーデン「配管工のやりがい」)
この仕事がある業界
配管工が活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
キャリアガーデン「配管工の1日のスケジュール・勤務時間」
キャリアガーデン「配管工のやりがい・楽しさ・魅力」
キャリアガーデン「配管工の年収・給料」





