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職種ガイド

鳶職人という仕事

空の上で、街をつくる人

建設現場で最初に高い場所に登り、足場を組む。鉄骨を吊り上げ、骨組みをつくる。鳶職人がいなければ、他の職人は仕事ができない。「建設業の華」と呼ばれる、現場の最前線に立つ仕事。

鳶職人の仕事イラスト
案内する高校生

この仕事って何?

鳶職人とは、建設現場で高所作業を専門に行う職人です。建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てたり、他の職人が安全に作業するための足場を設置したりします。建設工事の最初から最後まで関わる、現場になくてはならない存在です。

POINT 01

足場鳶 — 全ての工事の土台をつくる

建物の周囲に足場を組み立てる仕事です。足場がなければ外壁工事も塗装もできません。現場で最初に仕事を始め、最後に撤去するのも足場鳶です。

POINT 02

鉄骨鳶 — ビルの骨組みを空中で組む

クレーンで吊り上げた鉄骨を、高所でボルトや溶接で固定する仕事。ビルやマンションの骨格をつくります。

POINT 03

重量鳶 — 超重量物を据え付ける

橋梁や大型機械、プラント設備など、数十トン級の構造物を所定の位置に据え付けるスペシャリストです。

こんな人に向いてる

  • 高いところが平気な人。地上数十メートルでの作業が日常になる
  • 体を動かすのが好きな人。全身の筋肉を使う仕事で、自然に鍛えられる
  • チームワークを大事にできる人。声を掛け合い、命を預け合う現場
  • 度胸と集中力がある人。高所での作業は一瞬の油断も許されない
  • 手に職をつけたい人。腕一本で独立・親方になる道がある

実際に覗いてみよう!

虫眼鏡を持つ高校生

高卒で、なれるの?

ANSWER

なれます。鳶職は学歴不問・未経験歓迎が基本です。

POINT 01

建設業の29歳以下の技術者は全体の 11.7% しかいません。若手が圧倒的に足りていない業界だからこそ、高卒の若い人材は大歓迎されます。

POINT 02

鳶職の平均年収は 506万円(令和6年賃金構造基本統計調査)。建設業の中でも高い水準です。日給制が多く、腕が上がれば日給も上がるシンプルな世界。

POINT 03

見習いの日給は 7,000〜10,000円。経験を積めば10,000〜14,000円、職長クラスでは12,000〜18,000円まで上がります。

なるためのルート

工業高校(建築科・土木科)→ 鳶工事会社

最も直結するルート。図面の読み方や安全管理の基礎を学校で学べる。学校推薦で就職する人が多い。

普通科 → 鳶工事会社(未経験歓迎)

体力とやる気があれば学歴は問われない。入社後に先輩の下で技術を学ぶ。

普通科 → ゼネコン・総合建設会社

大手の現場で複数の職種を経験してから鳶を選ぶルートもある。福利厚生が手厚い。

ある1日の流れ

足場鳶、2年目のある1日を紹介します。

7:30

現場到着・着替え

作業着に着替え、安全帯・ヘルメットを装着。今日使う道具を確認する

8:00

朝礼・KYミーティング

全員でラジオ体操の後、危険予知(KY)ミーティング。「今日はここが危ない」を全員で確認

8:45

足場組立作業

鉄パイプやクランプを手渡しで上へ運び、組み立てていく。声の掛け合いが命綱

10:00

小休憩

15分の休憩。水分補給しながら先輩と今日の段取りを確認

10:15

作業再開

午前中に予定の高さまで組み上げる。慣れてくるとリズムよく進む

12:00

昼食休憩

現場の休憩所でお弁当。職人同士の雑談がコミュニケーションの場

13:00

午後の作業

午後は手すりや筋交いの取り付け。安全に直結する部分なので特に慎重に

15:00

小休憩

午後の疲れが出る時間。集中力を切らさないための大事な休憩

16:30

片付け・清掃

道具の片付けと現場の清掃。明日の作業がスムーズに始められるよう準備

17:00

現場解散

日が暮れる前に終了。残業はほとんどない。まっすぐ帰れる日が多い

※ 天候により作業中止になることもあります。日給制の場合、雨天は休みになることも

身につくスキル

鳶職で身につくスキルは、建設業全体で通用する「現場力」です。

  • 高所作業技術 — 安全帯の使い方から足場の組み方まで、高所で安全に作業するための専門技能
  • 玉掛け技能 — クレーンで荷物を吊る際のワイヤー掛けの技術。建設現場どこでも使える
  • チームワーク — 声の掛け合いで安全を守る。信頼関係が命を守る現場
  • 体力・バランス感覚 — 全身の筋肉が自然に鍛えられる。健康的な体が手に入る
  • 資格 — とび技能士(1〜3級)、足場の組立て等作業主任者、玉掛け技能講習など。経験を積んで取得可能

キャリアステップ

鳶職のキャリアは「任される仕事の範囲」で上がっていきます。最初は道具運びや片付けから始まり、足場を組めるようになり、やがて現場を仕切る職長へ。独立して親方になる道もあります。

とび技能士の資格を取得すると、技術の証明になり、日給アップや職長への昇格に直結します。

STEP 01入社1-2年

見習い・手元

道具の準備、資材の運搬、先輩の補助。足場の基本的な組み方を覚える期間。

日給7,000〜10,000円

STEP 023-5年

一人前の鳶職人

足場の組立てを任される。3級とび技能士の取得で実力を証明。

日給10,000〜14,000円

STEP 035-10年

職長・リーダー

現場全体の段取りを仕切る。後輩の指導も担当。1級とび技能士に挑戦。

日給12,000〜18,000円

STEP 0410年〜

親方・独立

自分の会社を持つ。仕事を受注し、若手を育てる。独立後の年収は600〜700万円が相場。

年収600〜700万円

この仕事のリアル

建設業の高卒3年以内離職率は 42.4%。全産業平均より高い数字です。ただし2024年から残業上限規制が適用され、労働環境は改善に向かっています。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和3年3月卒

鳶職の最大の厳しさは 高所での危険です。安全帯の装着は絶対ですが、それでも転落事故のリスクはゼロではありません。安全管理は年々厳しくなっていますが、常に緊張感を持って働く必要があります。

天候に左右される仕事です。雨や強風の日は作業中止。日給制の場合、天候不良で収入が減ることもあります。

一方で、残業がほとんどないのも特徴。日が暮れたら作業は終了。朝は早いけれど、夕方にはしっかり帰れます。

会社を選ぶときの見極めポイント

安全教育の体制(入社後すぐに高所作業をさせないか)

日給制か月給制か。天候不良時の給与保証があるか

足場鳶・鉄骨鳶・重量鳶のどれをやるか。仕事内容が全く違う

資格取得支援制度の有無(とび技能士・玉掛けなど)

じゃあ、どうすればいい?

求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

指さす高校生
1

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。

2

会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?

3

求人票以外の情報を探そう。
SNS、ブログ、就活情報誌——求人票に載っていない情報を出している会社ほど、あなたに届けたい想いがある。

職場見学ガイドを見る

職場見学はまず先生に相談してみてください。
行きたい会社の見学ができなかった場合は、
先生を通じてゆめスタにご相談ください。
「ゆめマガで紹介してほしい」などのご相談も大歓迎です。できる限り力になります!

先輩たちの「やっててよかった」

足場がなければ、建物は建たない。現場の最初から最後まで関わる誇り。

完成した建物を見上げたとき。「こんなスケールの巨大なものを自分がつくったのか」という驚きと達成感。数年後に街を歩いて、自分が関わったビルを見つけたときの誇り。

キャリアガーデン「鳶職人のやりがい」

高い場所から見る景色。地上数十メートルの世界は、鳶職人にしか味わえない。「鳥のように自由を感じる」という職人もいる。

キャリアガーデン「鳶職人のやりがい」

「できなかったこと」が「できた」に変わる瞬間。入社半年の若手鳶職人が、初めて高所作業を任されたときの喜び。昨日の自分より確実に成長している実感。

キャリアガーデン「鳶職人のやりがい」

この仕事がある業界

鳶職人が活躍できる業界を見てみよう。

この記事のデータ出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

国土交通省「建設業の現状」(29歳以下技術者比率)

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」

キャリアガーデン「鳶職人の1日のスケジュール・勤務時間」

キャリアガーデン「鳶職人のやりがい・楽しさ・魅力」

キャリアガーデン「鳶職人の給料、年収」

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