塗装工という仕事
色で守る、美しさで仕上げる
古くなった家の外壁を塗り替えれば、まるで新築のように生まれ変わる。工場の鉄骨に防錆塗装を施せば、何十年も建物を守れる。塗装工は建物の「最後の仕上げ」を担う職人。色を塗るだけじゃない。建物を守り、美しくする専門技術。


この仕事って何?
塗装工とは、建物や構造物に塗料を塗る専門の職人です。美観を整えるだけでなく、雨風・紫外線・錆から建物を守る「保護」の役割も担います。刷毛、ローラー、スプレーガンを使い分け、素材と環境に合った塗装を施します。
建築塗装 — 家やビルを美しく守る
外壁、屋根、室内の壁や天井を塗装する仕事。新築工事の仕上げから、古くなった建物のリフォームまで。住む人の暮らしを直接支えます。
鉄部塗装 — 構造物を錆から守る
橋梁、鉄塔、工場の鉄骨に防錆塗装を施す仕事。目に見えない劣化を防ぎ、構造物の寿命を何十年も延ばします。
特殊塗装 — 機能性を付加する
耐火塗装、断熱塗装、防水塗装など、見た目以上の機能を建物に与える高度な塗装技術。
こんな人に向いてる
- 丁寧な仕事ができる人。ムラなく均一に塗るには繊細さが必要
- 色やデザインに興味がある人。色の組み合わせや仕上がりの美しさにこだわれる
- 高いところが平気な人。外壁塗装は足場の上での作業が多い
- 手に職をつけたい人。技術を身につければ独立して自分の店を持てる
- コツコツ続けられる人。下地処理から仕上げまで、地道な工程の積み重ね
実際に覗いてみよう!

高卒で、なれるの?
なれます。塗装工は学歴不問、未経験から始める人がほとんどです。
塗装工の平均年収は 442万円(令和6年賃金構造基本統計調査)。50代でピークの 551万円 に達します。
初任給は約 21万円。ただし塗装業は独立開業しやすい業種として知られ、成功すれば年収1,000万円前後も現実的です。
塗装技能士の国家資格を取得すれば、技術の証明になるだけでなく、公共工事の受注にも必要。キャリアアップに直結します。
442万円
塗装工の平均年収
令和6年
未経験OK
資格なしで始められる
働きながら技能士を取得
独立しやすい
一人親方への道がある
腕さえあれば経営者に
なるためのルート
工業高校(建築科)→ 塗装会社
建築の基礎知識があると現場での理解が早い。ただし塗装専門の学科はほぼないので、入社後に技術を学ぶ。
普通科 → 塗装会社(未経験歓迎)
学歴よりもやる気と丁寧さが評価される世界。見習いから始めて技術を磨く。
普通科 → リフォーム会社の塗装部門
住宅リフォームの塗装を担当。お客さまの反応を直接見られるやりがいがある。
ある1日の流れ
外壁塗装会社で働く、2年目のある1日を紹介します。
会社集合・朝礼
今日の現場と作業内容を確認。塗料や道具を車に積み込む
現場到着・準備
養生テープで塗らない部分を保護。窓やドアにビニールを貼る地道だけど重要な作業
下地処理
古い塗膜をはがし、ヒビを補修する。下地の出来が仕上がりの8割を決める
小休憩
塗料の匂いの中での作業。換気と水分補給は欠かせない
中塗り作業
ローラーと刷毛を使い分け、ムラなく均一に塗る。腕の見せどころ
昼食休憩
塗料が乾く時間にあわせて休憩。午後の塗り順序を確認
上塗り作業
仕上げの塗り。色の確認をしながら、全体のバランスを見て丁寧に仕上げる
小休憩
午後の疲れが出やすい時間。集中力を切らさないための大事な休憩
仕上げ・点検
塗り残しやムラがないか全体をチェック。養生テープを丁寧にはがす
片付け・撤収
道具の洗浄と片付け。翌日の段取りを確認して退社
※ 気温5度以下・湿度85%以上の日は塗装できないため、作業中止になることがあります
身につくスキル
塗装工で身につくスキルは、一度習得すれば一生使える「手に職」です。
- 塗装技術 — 刷毛・ローラー・スプレーガンの使い分け。素材と環境に合った塗り方を身につける
- 色彩感覚 — 色の調合、配色の提案。お客さまの「こんなイメージ」を形にする力
- 下地処理技術 — 仕上がりの8割を決める下地の見極めと補修。地味だけど最も重要な技術
- 高所作業スキル — 足場の上での安全な作業方法。足場組立の基礎知識も身につく
- 資格 — 塗装技能士(1〜3級)。1級は実務経験7年以上が必要な上級資格
キャリアステップ
塗装工のキャリアは「任される工程」と「扱える塗料の種類」で段階的に上がっていきます。養生や下地処理から始まり、仕上げ塗りを任され、やがて現場を仕切る職長へ。
塗装業は 独立開業率が非常に高い 業種。道具一式と技術があれば、比較的少ない資金で自分の店を持てます。
見習い・養生・下地処理
養生テープ貼り、下地処理、道具の洗浄から始まる。先輩の塗り方を見て学ぶ期間。
月収18〜21万円
一人前の塗装職人
外壁や屋根の塗装を一人で仕上げられる。塗装技能士3級・2級を取得。
月収23〜28万円
職長・現場監督
現場全体を仕切る。後輩の指導も担当。塗装技能士1級に挑戦。
月収28〜35万円
独立・会社経営
自分の塗装店を開業。元請けとして仕事を受注。成功すれば年収1,000万円以上も。
年収600〜1,000万円以上
この仕事のリアル
建設業の高卒3年以内離職率は 42.4%。塗装業は肉体的なきつさに加え、有機溶剤を扱うため健康管理も重要です。
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和3年3月卒
塗装工の大変さは 体力的なきつさです。一日中腕を上げて塗る作業は想像以上に疲れます。夏は直射日光の下で足場の上に立ち、冬は寒風の中での作業です。
塗料の匂いも最初は慣れるまでつらいポイント。近年は低臭・低VOC塗料が増えていますが、有機溶剤を扱う場合は防毒マスクの着用が必須です。
一方で、仕上がりが目に見えるのが大きなモチベーション。古くて汚れた壁がピカピカになったとき、お客さまの「わぁ、きれい!」という反応は何度味わっても嬉しいものです。
会社を選ぶときの見極めポイント
建築塗装か工業塗装か(仕事内容と環境がまったく違う)
有機溶剤を扱う頻度と安全対策の体制
独立支援制度があるか(将来独立を考えるなら重要)
元請け工事が多いか下請けが多いか(労働条件に影響)
じゃあ、どうすればいい?
求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。
だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。
会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?
求人票以外の情報を探そう。
SNS、ブログ、就活情報誌——求人票に載っていない情報を出している会社ほど、あなたに届けたい想いがある。
職場見学はまず先生に相談してみてください。
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先輩たちの「やっててよかった」
古い建物が生まれ変わる瞬間。色で街を彩る、目に見える仕事。
何十年もかけて塗装の技術を極めていく。専門性の高い技術を身に付けたい人にとって、奥が深くやりがいのある職業。
(GATEN職「塗装職人ってどんな仕事?」)
塗装が終わったときにお客さまから「ありがとう、見違えるほどきれいになった」と感謝される。これをモチベーションにしている職人は多い。
(小林塗装コラム「塗装職人の魅力」)
手に職をつければ独立できる。塗装技術は一度習得すれば一生使えるスキル。自分の店を持って、自分の腕で勝負する道が開ける。
(日本建築塗装職人の会「塗装屋で独立するために」)
この仕事がある業界
塗装工が活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
キャリアガーデン「塗装工の勤務時間、休日」
キャリアガーデン「塗装工の年収・給料」
GATEN職「塗装職人ってどんな仕事?」
日本建築塗装職人の会「塗装屋で独立するために」





