ホテルスタッフという仕事
「また来たい」を作る、おもてなしのプロ
旅行で泊まったホテルで、フロントの人に「いってらっしゃいませ」と笑顔で送り出された経験、ないですか?ホテルスタッフは、お客さまの「特別な時間」を裏から支える仕事。フロント、ベル、客室管理——いろんな役割があって、高卒から正社員で入れるホテルもたくさんある。


この仕事って何?
ホテルスタッフは、宿泊するお客さまが快適に過ごせるようにサポートするプロフェッショナルです。「接客」のイメージが強いですが、実はフロント以外にもたくさんの仕事があります。
フロント — ホテルの「顔」
チェックイン・チェックアウトの対応、予約管理、電話応対。お客さまが最初に出会うスタッフです。外国人のお客さまが多いホテルでは英語力が活きます。
ベルスタッフ — 第一印象を作る人
荷物を運び、お部屋まで案内する仕事。館内の説明もベルスタッフの役割。お客さまとの距離が一番近いポジションです。
ハウスキーピング — 快適な空間を作る裏方
客室の清掃、ベッドメイキング、アメニティの補充。お客さまの目には見えにくいけれど、ホテルの評価を左右する重要な仕事です。
こんな人に向いてる
ホテルの仕事は「人が好き」だけでは続きません。でも、こんなタイプの人は向いています。
- 人と接するのが好き。相手の顔色を見て動ける
- 「ありがとう」と言われるとやる気が出る
- 気配りが得意。言われる前に気づける
- 規則正しく、丁寧な作業ができる
- 外国語に興味がある(英語ができなくても入社後に学べる)
- チームで働くのが好き
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高卒で、なれるの?
なれます。ホテル業界は学歴よりも「ホスピタリティ(おもてなしの心)」を重視する業界です。高卒者向けの求人もあり、若いうちから現場で経験を積めるのは大きな強みになります。
宿泊業・飲食サービス業の高卒初任給は181,900円。正直、他の業界と比べると低めの水準です。ただしホテルによっては寮完備・食事付きで生活費を抑えられるケースも多くあります。
ホテル業界では大卒と専門卒でキャリアパスに差がないことも多く、「現場で何ができるか」が評価されます。3〜5年ごとにフロント→レストラン→宴会など部署を異動するジョブローテーション制度を取り入れているホテルが多く、幅広い経験が積めます。
ただし、この業界の高卒3年以内離職率は65.1%。全産業で最も高い水準です。シフト勤務や立ち仕事が理由の一つですが、ホテル選び次第で働きやすさは大きく変わります。
181,900円
宿泊業の高卒初任給
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査
学歴不問
現場力で評価される
大卒との差がないキャリアパス
寮完備
生活費を抑えて働ける
食事付きのホテルも多い
なるためのルート
高卒 → ホテルに正社員で就職
ビジネスホテルチェーンやリゾートホテルは高卒採用が活発。フロントやベルスタッフとしてスタートし、現場で接客スキルを磨きます。
高卒 → ホテル系専門学校(1〜2年)→ ホテルに就職
接客マナー、英語、宿泊管理を体系的に学べる。高級ホテルやラグジュアリーブランドを目指すなら専門学校卒が有利。
高卒 → アルバイトから正社員登用
小規模なホテルや旅館ではアルバイトから正社員になるルートも。現場を知ってから正社員になれるので、ミスマッチが少ない。
ある1日の流れ
シティホテルのフロントスタッフ(早番)の1日を紹介します。ホテルは24時間稼働なので、早番・遅番・夜勤のシフト制です。
出勤・引き継ぎ
夜勤スタッフから引き継ぎを受けます。夜中のお客さまからの要望や、当日チェックアウトの予定を確認。
チェックアウト対応
お客さまのチェックアウト処理。精算、領収書発行、忘れ物がないかの確認。「ありがとうございました」の一言に心を込めます。
事務作業
予約管理システムの確認、当日のチェックイン予定者リストの準備。VIPのお客さまがいれば事前に情報を共有。
昼休憩
社員食堂があるホテルも多い。先輩スタッフとランチしながら、接客で困ったことを相談できる時間。
電話対応・問い合わせ
予約の電話、周辺観光の問い合わせ、レストラン予約の代行。お客さまの「困った」に対応するのもフロントの仕事。
チェックイン対応
お客さまが続々と到着。笑顔で「お待ちしておりました」。部屋の説明、館内の案内を手際よく。
引き継ぎ・退社
遅番スタッフに業務を引き継ぎ。当日のお客さま情報や注意事項を丁寧に伝えて退社。
※ 早番の例です。遅番は15時〜24時、夜勤は22時〜翌8時が一般的。シフト制のため生活リズムの管理が大切です。
身につくスキル
ホテルで働くと、接客スキルだけでなく、社会人として大きく成長できます。
- 接客マナー・ホスピタリティ — お客さまの期待を超えるサービスを提供する力。どの業界でも通用する一生もののスキル
- コミュニケーション力 — 年齢も国籍も違うお客さまと会話する力。外国語スキルも自然と伸びる環境
- マルチタスク能力 — チェックイン対応しながら電話を取り、同僚に指示を出す。同時進行が当たり前の現場
- クレーム対応力 — お客さまの不満を受け止め、解決策を提案する力。冷静さと共感力が身につく
- チームワーク — フロント、ベル、ハウスキーピング、レストラン——部署を超えた連携がホテルの品質を作る
キャリアステップ
ホテル業界のキャリアは「幅広い経験→専門性→マネジメント」のステップで進みます。若いうちに複数の部署を経験できるのが強み。支配人を目指す道も、専門職を極める道もあります。
スタッフ(フロント・ベル・レストラン等)
配属された部署で基本業務を覚えます。2〜3年で部署異動があり、ホテル運営の全体像が見えてきます。
年収250〜300万円
リーダー・チーフ
後輩の指導やシフト管理を任されるように。お客さま対応の判断も自分で行えるレベルに。
年収300〜400万円
マネージャー・副支配人
部門全体の運営を管理。売上目標の達成、スタッフの育成、サービス品質の向上を担います。
年収400〜550万円
総支配人 / ホテル経営
ホテル全体の経営を任される立場。またはホテルチェーンの本社で企画・人事を担当する道も。
年収550〜800万円以上
この仕事のリアル
宿泊業・飲食サービス業の高卒3年以内離職率は65.1%——全産業で最も高い
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
ホテル業界で大変なのは、まずシフト勤務。早朝出勤もあれば夜勤もある。土日祝日はお客さまが多い書き入れ時なので、友達と休みが合わないことが多いです。
次に給与水準。宿泊業の平均年収268万円は全産業平均458万円を大きく下回ります。「好き」だけでは続けにくい現実があります。
ただし、ホテルによって環境は大きく異なります。大手チェーンは福利厚生が充実し、寮完備で生活費を抑えられるところも。外資系ホテルに転職すれば年収が大きく上がるケースもあります。ホテル選びが全てです。
ホテルを選ぶときのチェックポイント
寮や社員食堂はあるか(生活費を抑えられると手取りは実質的に上がる)
ジョブローテーション制度があるか(同じ部署に固定されるより、複数部署を経験できる方が成長が早い)
研修制度の内容(接客マナー研修、語学研修があるか)
離職率を公開しているか(隠すホテルより、正直に開示して改善に取り組むホテルの方が信頼できる)
じゃあ、どうすればいい?
求人票だけでは、その会社の本当の雰囲気はわかりません。
だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。

応募前職場見学に行こう。
実際の職場の空気、働いている人の表情は、行かないとわからない。
会社のホームページを見てみよう。
高校生の目線に立った採用ページがあるか?動画や社員の声で雰囲気を伝えようとしているか?
求人票以外の情報を探そう。
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職場見学はまず先生に相談してみてください。
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先輩たちの「やっててよかった」
ホテルで働く人たちが感じるやりがいを紹介します。
「あなたがいたからこのホテルを選びました」——お客さまに名前を覚えてもらえたとき、この仕事を選んでよかったと心から思う。
チェックアウトのとき、お客さまが「最高の旅行になりました」と笑顔で帰っていく。その瞬間が、早起きもシフト勤務も全部報われる。
世界中のお客さまと出会える。英語が話せなくても、笑顔と気持ちで通じ合える経験は他の仕事ではなかなかできない。
この仕事がある業界
ホテルスタッフが活躍できる業界を見てみよう。
この記事のデータ出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
ハタラクティブ「ホテル業界へ就職するには学歴は必要?」
キャリアガーデン「ホテルスタッフの一日の流れ」





