怖いよね
初めてのスーツ、初めての面接。 でも、企業もあなたのことが知りたくて困っています。

高卒の面接って何が違うの?
大学生の就活で見る面接の情報は、高卒採用には当てはまりません。仕組みが全く違います。
見られているのは「人柄」
大学生の面接では、論理性や専門知識が重視されます。 高卒採用は違います。問われるのは知識やスキルではなく、「この子と一緒に働きたいか」です。
上手に話せなくてもいい。自分の言葉で、正直に話すことが一番大事です。
面接は15〜20分
大学生のように何時間もかかりません。15〜20分で終わります。 選考から合否通知まで原則7日以内。大学生のように何ヶ月も待つことはありません。
全員が面接を受けられる
高卒採用では書類選考はありません。 履歴書を出した人は全員、面接を受けることができます。 書類の段階で落とされる心配はありません。
企業も困っている
面接は「試される場」だと思っていませんか? 実は、企業の人事担当も悩んでいます。
人事にも「聞けない質問」がある
面接する企業側にも厳しいルールがあります。家族のこと、宗教のこと、出身地のことなど、厚生労働省が定めた11項目の質問は禁止されています。
つまり企業は、限られた質問だけで、15〜20分であなたの人柄を知らなければなりません。 企業も「もっと知りたいのに聞けない」と困っているのです。
「お互いを知る場」
面接は「正解を答える場」ではありません。あなたが企業を知り、企業があなたを知る場です。 あなたも、その会社で働く自分を想像してみてください。
企業はあなたのことが知りたくて困っています。だから、あなたが自分を見せてあげることが一番の武器になります。 完璧な受け答えより、あなたらしさが伝わることのほうがずっと大事です。
企業が本当に見ていること
厚生労働省の調査で、企業が若年者の採用で重視する項目がわかっています。
重視されるポイント
職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神
「働きたい」という気持ちと、やる気が一番大事
コミュニケーション能力
上手に話す力ではなく、相手の話を聞いて自分の考えを伝える力
マナー・社会常識
挨拶、言葉遣い、時間を守る。基本的な生活態度
面接の外でも見ている
受付での挨拶や態度
控室での過ごし方(スマホに夢中にならない)
廊下ですれ違ったときの会釈
退室後、建物を出るまでの振る舞い
質問に答えられなかったとき、「わかりません」と正直に言えることも評価されます。 知ったかぶりをするより、正直さのほうが伝わります。また、企業のことを自分なりに調べてきているかどうかも、意欲の裏付けとして見ています。
前日にやること
当日に慌てないために、前日のうちに準備を終わらせましょう。
服装
制服が基本です。制服のある学校は制服で行きます。 制服がない場合は、紺やグレーなど落ち着いた色のスーツを着ます。
シャツにアイロンをかけて、シワがないか確認する
ボタンは一番上まで留める。ネクタイはきっちり締める
スカートは膝丈。ズボンは折り目がついているか確認
靴は前日に磨いておく。型崩れしていないか確認
爪は短く切り、清潔に整える
アクセサリーは全て外す
持ち物チェックリスト
筆記用具(ペン・鉛筆・消しゴム)
メモ帳
腕時計(スマホで時間を確認するのはNG)
交通費(現金・ICカード)
会場への地図・経路メモ
ハンカチ・ティッシュ
スマートフォン(緊急連絡用。面接中は電源OFF)
確認すること
会場までの経路と所要時間を調べる
企業のホームページを見直す(職場見学のメモも確認)
志望動機を声に出して練習する(丸暗記ではなく要点だけ覚える)
服の裾や袖口のほつれ、ボタンの緩みがないか確認
早めに寝る
当日の流れ
到着から退室まで、1つずつ見ていきましょう。
到着(10分前)
指定時間の10分前には会場に着くようにします。遅刻は絶対にNGです。早く着きすぎた場合は、近くで時間を調整してください。建物に入る前に、コートがあれば脱いでたたみます。スマホは電源を切るかマナーモードにします。
受付
受付で「本日面接のお約束をいただいております、◯◯高校の◯◯と申します」と伝えます。ここからすでに見られていると思ってください。
控室
案内された場所で静かに待ちます。スマホを見たり、キョロキョロしたりしないこと。カバンは膝の上か椅子の横に置いて、背筋を伸ばして待ちましょう。
入室
ドアをゆっくり3回ノックする(2回は「トイレノック」なので避ける)
中から「どうぞ」と聞こえたら、「失礼いたします」と言ってドアを開ける
ドアは後ろ手で閉めない。ドアの方を向いて、静かに閉める
面接官に向き直って、腰から30度くらいの角度でお辞儀
椅子の横に立ち、「◯◯高校の◯◯です。本日はよろしくお願いいたします」と名乗る
面接官から「どうぞ」と言われてから座る。指示があるまで座らない
「失礼いたします」と言って着席。カバンは椅子の横に立てて置く
面接中
椅子に浅く腰掛けて、背筋を伸ばす。背もたれにもたれない
手は太ももの上に置く
面接官の目を見て話す。目を合わせるのが怖ければ、鼻のあたりを見る
質問に答えるときは、結論を最初に言ってから理由を説明する
聞き取れなかったら「もう一度お聞きしてもよろしいですか」と聞いて大丈夫
退室
面接が終わったら、座ったまま「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を言う
立ち上がって、椅子の横でもう一度お辞儀
ドアの前で面接官の方に向き直り、「失礼いたします」と言ってお辞儀
ドアを静かに閉めて退室
建物を出るまで気を抜かない。廊下ですれ違う人には会釈する
何を聞かれるの?
「正解」を暗記する必要はありません。どんな質問にも共通する考え方があります。
自己紹介をお願いします
学校名、名前、部活動や頑張っていることを1分くらいで話します。長すぎないように。
長所と短所を教えてください
長所は具体的なエピソードと一緒に。短所は「こう直そうとしている」という努力も添えます。
学生時代に頑張ったことは?
部活動、勉強、アルバイト、委員会など何でもOK。「何を頑張ったか」だけでなく「そこから何を学んだか」まで話します。
趣味を教えてください
好きなことを素直に話してください。「特にありません」は避けましょう。小さなことでも大丈夫です。
最近気になったニュースは?
面接の1週間くらい前からニュースを意識して見ておきましょう。自分の意見も添えられるとなお良いです。
志望動機を教えてください
履歴書に書いた内容をベースに、自分の言葉で話します。職場見学で感じたことを盛り込むと説得力が出ます。
入社後はどんな仕事がしたいですか?
職場見学で見た仕事内容や、先輩社員の話をもとに具体的に答えます。「何でもやります」より「◯◯をやりたい」のほうが伝わります。
当社に興味を持ったきっかけは?
いつ、どこで企業を知ったか。求人票で何に惹かれたか。職場見学で何が印象に残ったか。
将来どうなりたいですか?
完璧な計画は必要ありません。「まずは◯◯を覚えて、ゆくゆくは◯◯にも挑戦したい」くらいで十分です。
「最後に何か質問はありますか?」
ほぼ必ず聞かれます。「特にありません」は避けましょう。これはあなたの意欲を見せる最後のチャンスです。
「入社までに勉強しておいたほうがいいことはありますか?」
「御社で活躍されている方に、何か共通点はありますか?」
「配属先ではどのような仕事から始めることが多いですか?」
丸暗記はしないでください。暗記した文章を読み上げるのは、すぐにわかります。 伝えたいポイントだけ覚えて、その場で自分の言葉にしましょう。
答えるときは結論から話すのがコツです。「はい、◯◯です。なぜかというと〜」の順番で話すと、聞く側も理解しやすくなります。
言葉遣いは敬語が基本です。「僕」ではなく「私」、「お父さん」ではなく「父」。 完璧でなくても大丈夫ですが、意識するだけで印象が変わります。
もし変な質問をされたら
面接で聞いてはいけない質問が法律で決まっています。もし聞かれても、慌てないでください。
企業が聞いてはいけない質問
厚生労働省は、採用選考で配慮すべき事項を定めています。以下のような質問は禁止されています。
家族のこと(「お父さんの仕事は?」「兄弟は何人?」)
住んでいる地域の詳細(「家の間取りは?」「自宅付近の略図を描いて」)
本籍や出生地
宗教や支持政党
購読している新聞や愛読書
もし聞かれたら
答えなくて大丈夫です。「お答えしなくてもよろしいでしょうか」と伝えて構いません。
面接が終わったら、必ず先生に報告してください。 先生がハローワークに報告する仕組みがあります。あなたが悪いのではありません。
本人に責任のない事項(4項目)
本籍・出生地に関すること
家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入など)
住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、周辺施設など)
生活環境・家庭環境に関すること
本来自由であるべき事項(7項目)
宗教に関すること
支持政党に関すること
人生観・生活信条に関すること
尊敬する人物に関すること
思想に関すること
労働組合・社会運動に関すること
購読新聞・雑誌・愛読書に関すること

怖くて当たり前
初めてスーツを着て、初めて知らない大人と向き合う。手が震えるかもしれない。声が小さくなるかもしれない。 それは普通のことです。面接官もわかっています。
落ちるかもしれない。でも、それはあなたの価値とは関係ありません。 企業との「相性」が合わなかっただけです。合わない会社に入るより、合う会社に出会えるほうがずっといい。
友達がもう内定をもらっていても、焦らなくていい。あなたの面接は、あなたのタイミングで来ます。
練習すればするほど、少しずつ落ち着けるようになります。先生に面接練習をお願いしてみてください。 本番で緊張しても、練習した分だけ体が覚えています。
この記事のデータ出典
厚生労働省「公正な採用選考の基本 — 採用選考時に配慮すべき事項」
厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」
愛知労働局「面接時に配慮すべき事項」
札幌新卒応援ハローワーク「面接マナーコラム」
進路ナビ「面接試験のコツ — 身だしなみ・マナー・入退室」
厚生労働省「令和8年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日等」





