運輸・物流で働くということ
Amazon の荷物が届く。コンビニに商品が並ぶ。電車が時刻通りに走る。全部、この業界の人たちが動かしている。目立たないけど、止まったら社会が止まる——それが運輸・物流の仕事。


こんなイメージ、持ってない?
トラックドライバーしか仕事がない?
体力勝負でキツいだけ?
給料が安い?
この仕事、実際に覗いてみよう!

高卒で、入れるの?
入れます。しかも、この業界は高卒の初任給が全産業の中で最も高い水準です。
高卒就職者の 6.1% がこの業界を選んでいる。全国で毎年約7,800人の高校生が運輸・物流に就職している。
高卒初任給は 204,800円。建設業と並んで全産業トップクラス。人手不足が深刻な分、待遇で人を集めようとしている。
2024年問題でドライバーの労働時間規制が強化され、人手不足がさらに加速。愛知県だけで 2,480件 の高卒求人がある。
6.1%
高卒就職者に占める割合
全国約7,800人
204,800円
高卒初任給
全産業トップクラス
2,480件
愛知県の高卒求人数
令和7年3月卒
高卒から入りやすい職種
配送ドライバー
普通免許から始めて、大型免許を会社負担で取得するルートが一般的
倉庫作業・物流センター
ピッキング、検品、梱包。フォークリフト免許を取ると仕事の幅が広がる
鉄道乗務員
駅務員からスタート。社内試験を経て車掌→運転士とキャリアアップ
配車・運行管理
効率的なルートや人員を計画する。運行管理者資格で年収アップ
どんな仕事がある?
運輸・物流の仕事は「運ぶ」だけじゃない。計画する、管理する、届ける——いろんな入口がある。
ドライバー(トラック・バス)
荷物や人を安全に届ける仕事。大型免許を取れば長距離輸送も。一人の時間が長く、自分のペースで働ける面もある。
鉄道(駅務員・車掌・運転士)
毎日何万人もの人を時刻通りに届ける仕事。責任は重いけど、地域の「当たり前」を支える誇りがある。
倉庫管理・物流センター
商品の入出荷を管理する仕事。フォークリフトや自動倉庫システムなど、機械操作のスキルが身につく。
配送・宅配
家やお店に荷物を届ける仕事。「ありがとう」が直接もらえる。体を動かすのが好きな人向き。
ある1日の流れ
物流センターで働く新入社員の、とある1日。
出社・朝礼
前日の出荷状況を確認。今日届くトラックの台数と荷物の量をチェックする
入荷作業
トラックから荷物を下ろして検品。バーコードを読み取って倉庫の棚に格納していく
ピッキング
注文リストを見ながら棚から商品を集める。正確さとスピードが求められる
昼休憩
食堂でガッツリ食べる。午後も体を動かすので、しっかり補給する
出荷作業
集めた商品を梱包して、配送先ごとに仕分ける。フォークリフトでトラックに積み込み
在庫チェック
システムの在庫数と実際の棚の数が合っているか確認。地道だけど大事な作業
翌日の準備
翌日の入出荷予定を確認。必要な資材(段ボール、テープ等)を補充しておく
退社
今日は入荷が多かったけど、全部さばけた。倉庫が整然と片付いているのを見て帰る
※ 職場や配属先により異なります
身につくスキル
運輸・物流で働くと、こんな力が身につく。
- 段取り力 — 限られた時間とスペースで、効率よく荷物を動かす計画力
- 正確性 — 1個の誤出荷が信頼を壊す。ミスなく作業する習慣が身につく
- 資格 — フォークリフト、大型免許、運行管理者など。全て学歴不問で取得可能
- チームワーク — 入荷→保管→出荷の流れはチームで回す。連携が命
- 体力・健康管理 — 体を動かす仕事だから、自然と体力がつく。健康的な生活リズムになる
キャリアステップ
現場作業を覚える
倉庫作業やルート配送など、現場の基本を習得。フォークリフト免許を取得する人が多い。
一人前として任される
大型免許やけん引免許を取得。長距離輸送や特殊車両の運転など、仕事の幅が広がる。
リーダー・管理職候補
配車計画や新人指導を担当。運行管理者資格を取ると、管理側のキャリアが開ける。
管理職 or 独立
営業所長、物流センター長。自分でトラックを持って独立する人もいる。
この仕事のリアル
運輸・物流業界の高卒3年以内離職率は約30%前後。全産業平均の37.9%より低い。体力的にキツいイメージがあるが、実際の定着率は悪くない。
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
正直に言うと、早朝出勤や夜間勤務がある会社もある。物流は24時間動いているから、シフト制の職場も多い。生活リズムが不規則になりやすいのは事実。
また、ドライバー職は長時間の運転で腰や体に負担がかかることがある。ただし2024年の法改正で残業時間の上限規制が導入され、労働環境は確実に改善されている。
会社選びで大事なのは、休日数、残業の実態、資格取得支援の3つ。ここをしっかり確認すれば、長く働ける会社は見つかる。
会社を選ぶときの見極めポイント
年間休日数と残業時間の実態を確認する(求人票の数字だけで判断しない)
大型免許やフォークリフトなど、資格取得の費用を会社が負担してくれるか
配送ルートや勤務シフトが事前にわかるか(急な変更が多い会社は要注意)
安全教育がしっかりしているか(事故歴や安全対策を聞いてみる)
先輩たちの「やっててよかった」
体力仕事のイメージが強い。でも、この仕事ならではの「良さ」がある。
「届けてくれてありがとう」——配送の仕事は、お客さんから直接感謝される数少ない仕事。特に荒天時の「こんな日にありがとう」は忘れられない。
資格を取るたびに年収が上がる実感がある。大型免許を取ったら手取りが3万円増えた、という話はザラ。頑張りが数字に見える。
一人で運転している時間が好き、という人は多い。自分のペースで仕事を進められる自由さ。オフィスの人間関係に疲れない。
この記事のデータ出典
文部科学省「学校基本調査 令和6年度」
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年3月卒)」愛知労働局
国土交通省「物流の2024年問題について」
ジンジブ「高卒採用の市場」



